2019年10月24日(木) 更新

【タイヤ業界の現状と課題】履歴書やES・面接対策において重要な業界に関する基礎知識まとめ

就活生にとってタイヤ業界は未知の世界

キャリアパーク会員の就活生を対象に「タイヤ業界に対してどのようなイメージをお持ちですか?」というアンケートを実施しました。まずは回答の一部をご覧ください。

就活生の回答

  • あんまり目立たない
  • 男社会
  • あまりイメージがありません
  • 特になし
  • ブリジストンが世界一

■調査方法:キャリアパーク会員へのダイレクトメール
■調査日時:2017年3月6日
■調査元:ポート株式会社
■調査対象者:キャリアパーク会員の就活生
■質問内容:「タイヤ業界に対してどのようなイメージをお持ちですか?」

就活生にとって、タイヤ業界は知らないことが多く未知の世界ということがわかります。「男社会」「ブリジストンが世界一」というイメージがありますが、実際にはどうなのでしょうか。タイヤ業界についてもっと深く知っていけば、意外と自分に合った業界だということが発見できる可能性もあります。この記事で、タイヤ業界の現状と課題、将来性について詳しく知っていきましょう。

タイヤ業界の現状

国内でも最も成熟した市場のひとつと言われるタイヤ業界

日本のタイヤ業界の市場規模は大きなマーケットです。国内メーカーが世の中に送り出すタイヤの出荷本数は、年間実に1億2000本以上といわれています。
現在では、国内でも最も成熟した市場のひとつと見られているのがタイヤ業界の現状です。この成熟した市場の売り上げ規模や、今後海外への進出を含めどのように動くのか。そして、労働者の年収などを見ておきましょう。
業界の基本情報は、業界動向サーチを参考に紹介します。

タイヤ業界の基本情報

ゴム・タイヤ業界 基本情報(平成25-26年版)
業界規模:6兆3,232億円
経常利益計:6,731億円
売上高純利益率:+5.3%
過去5年の伸び率:+3.5%
企業総資産額:6兆6,049億円
平均勤続年数:16.4年
平均年収:577万円

こうしてみると、業界として安定した伸び率を確保しており、労働者の勤続年数も長めといえるでしょう。

タイヤ業界もリーマンショックで打撃を受けるが水準は回復

平成19年までタイヤ業界は、世界的な自動車需要の伸びを後押しに、好調に業績を拡大してきました。
しかし、平成20年に入り事態は急変します。20年前半は原材料価格の高騰で収益が悪化、後半はリーマンショック円高の影響で売上高、収益ともに急落してしまいました。しかし、平成24年に入ると高騰を続けていた天然ゴムなど原材料価格が急落し、24年から平成25年には円安、景気回復、消費の増加など追い風もあり、各社とも業績を回復させている現状です。

ブリヂストンが世界のタイヤ業界でみても断トツ1位

日本に本社を置く世界最大手のブリヂストン。ブリヂストンという名前は、社長の名字である、石橋を逆さにして英語にしたブリッジストーンからきている、というのは有名な話。
平成26年3月決算では売上高3兆5,680億円を計上し、国内2位の住友ゴム工業の売上高の4倍以上を売り上げています。ブリヂストンは1931年の創業以来、いち早く世界進出をしており、2005年にはミシュラン社を抜いてタイヤの世界シェアトップになっています。F1などにも参戦してたブリヂストンは、パイオニア的存在でもあるのです。

タイヤ業界が抱えている課題とは

日本国内の業績が回復し、安定した伸び率を見せているタイヤ業界の現状ですが、課題がないわけではありません。
現在のビジネスシーンで、タイヤ業界はどんな課題を抱えているのでしょうか。もちろん、企業によって課題はさまざまですが、業界全体として2つのことが挙げられます。業界研究を行ううえでも大切なポイントなので、覚えておきましょう。

タイヤ業界の課題①グローバル化に伴うコスト削減

多くのタイヤメーカーは海外に工場をもっています。そして新興国でのタイヤの需要が増え、たくさんのタイヤを輸送しなければなりません。その結果として、需要の増加に伴いタイヤの輸送にかかるコストが大きくなるという、二律相反が起こっています。
その現状を鑑みて、独自のノウハウをもつ物流会社と提携するなど、タイヤ業界全体として課題に対してさまざまな対策を取り始めています。

タイヤ業界の課題②環境問題への配慮

タイヤ業界が抱えるふたつめの課題としては、環境面での二酸化炭素(CO2)の排出量削減が問題となっています。タイヤ工場からの二酸化炭素だけでなく、タイヤを輸送する際のトラック輸送でもかなりの二酸化炭素を排出しています。
しかし、トラック輸送を減らして鉄道や船舶に切り替えるのは口で言うほど簡単なものではありません。これからどうすれば二酸化炭素の排出を減らせるか、タイヤ業界全体でその現状と向き合っており、解決策が模索されています。

タイヤ業界の将来性

日本国内ではタイヤ業界は成熟市場といわれていると触れましたが、果たしてタイヤ業界は、これ以上の伸びと将来性は見出せるのでしょうか。
そして、海外に進出したタイヤメーカーは成功できるのでしょうか。業界研究の最後として、現状と課題から考えるタイヤ業界の将来性を見ておきましょう。

日本国内は成長率が鈍化するが将来は堅実で安定

国内の自動車の保有台数と、生産台数の減少にともなって、国内市販用タイヤの需要は減少傾向にあります。さらに、近年の消費者は節約志向から安いタイヤを好む傾向になっており、収益性の確保が難しくなっています。しかし、乗用車と小型トラックの新車用タイヤの需要が国内で伸びており、成長率は鈍化する見通しであるものの、タイヤ業界全体では堅調な伸びが見られます。タイヤは、自動車に限らず航空機など乗り物が存在するかぎり。なので、タイヤも一定の需要あり続けるのです。

新興国市場でタイヤ業界は順調な成長を見せている

海外市販用タイヤの販売では、アジア圏やインド、中近東などの新興国での需要が堅調に推移しています。低迷していた北米エリアでも需要回復が見られるなど、各メーカーで低燃費タイヤなど機能性に優れたタイヤを次々と投入し、シェア拡大に向け動き出しています。
日本製の性能の良さとブランド力はタイヤ業界においても同じで、それを欲する海外の企業の需要は今後も伸びていくと考えられています。

自動車業界全体を業界研究する

タイヤ業界だけでなく、自動車業界全体とした業界研究はしていますか?業界の動向は自動車全体の業界にも関わってきます。そこで、自動車業界を志望する学生のための自動車業界大研究Bookをご用意しました。この資料には自動車業界の主要企業一覧、各社の業績推移などを掲載しています。無料でダウンロードできるため、自動車業界への就職を目指している人はぜひ参考にしてみてください。

タイヤ業界は成長を続ける現状だが環境問題に課題があるため業界研究を行い志望動機を固めよう

タイヤ業界の現状と課題に関する分析と研究と題して、業界研究を行ってきましたが、いかがでしたでしょうか。タイヤ業界は、世界的な不況の波により一時期低迷していましたが、現状は回復傾向にあり、今後の成長も見込まれます。しかし、グローバル化によってもたらされた課題は、各メーカーレベルではなく、業界全体で工夫を凝らして対応をしていく必要があります。
タイヤ業界の将来性についても、品質とブランド力を武器に需要は伸びていくものと考えられますが、タイヤ業界を希望する人は、現状と課題の企業研究を行ったうえで、自分がどういう役割を果たしたいのか、是非しっかりと固めておきましょう。

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