2021年09月13日(月) 更新

面接で苦労したことを聞かれた際の答えるコツと回答例3つ

面接で「苦労したこと」を聞かれる意図は?

過程を知りたい

採用担当者が、面接で「苦労したこと」を聞く理由の1つは、物事に取り組む過程を知りたいためです。1つのことに取り組む中で、どのような結果が出るのかは、個人の行いだけには限りません。多くの場合は、取り組むタイミングや周りにいる人からの影響で最終的な結果は変化する可能性があります。そのため、就職活動で物事の結果だけを評価していては、本来その人が持つ能力を見極めることが出来ません。
そこで、「苦労したこと」という質問を行うことで、物事の過程に注目しようとするのが企業の採用担当者の狙いです。「苦労したこと」を質問として聞くことで、就活生は結果に至るまでの過程を語る必要があります。過程を詳しく掘り下げることで、本人がどのような行動をしていたのかを詳細に知ることが出来ます。

結果として何を得たのか知りたい

学生と社会人では、日常的に取り組んでいることが全く違います。そのため、採用担当者は採用を行う上で、学生時代に経験したことの内容をそれほど重要視しません。具体例で言えば、学業で優秀な成績を修めたことや、部活動などで優れていることが、そのまま就職活動で評価をされている訳ではないということです。学生時代に残した内容が評価をされない理由は、そこで得たことがそのまま仕事に直結しないためです。しかし、他の学生以上に優れた結果を残すことが出来ている学生は、優れた結果を得る背景に努力や工夫の足跡を残します。そのため、社会人になっても、人よりも優れた結果のために努力や工夫を期待できる裏付けの理由に出来るので、採用担当者から高評価をされているのです。
「苦労したこと」においても、同様です。結果の背景にある努力や工夫の足跡を知ることで、何を得たのかを知りたいと採用担当者は考えます。そして、得たことは社会人になっても活かすことが出来る物であるのかまで、採用担当者は判断します。

考え方のプロセスも見たい

「苦労したこと」を質問することで、採用担当者は就活生が持つ考え方のプロセスも見たいと考えます。出来事に対して、何を苦労と受け止め、それを乗り越えるためにどういった行動を取るのかは、それぞれの人によって考え方のプロセスが異なります。自分にとって当たり前の考え方のプロセスが、他人から見たら全く異質に受け取られることもあるので、1つ1つのプロセスを丁寧に説明出来るように準備をしましょう。
特に、「苦労したこと」という質問では、採用担当者への状況の説明が難しいため、考え方のプロセスの詳細な説明が求められます。自分が話すことがそのまま採用担当者の理解に繋がると考えずに、どうすればより理解してもらえるような話し方になるのか質問への回答の構成を行いましょう。

実体験を知りたいわけではない

先ほども記述したように、面接の評価において学生時代の経験の内容は重要視されません。採用担当者は、「苦労したこと」の実体験を知りたい訳ではないと肝に銘じておきましょう。就活生は、とにかく面接で自分の優れている部分をアピールしたいと考えます。もちろん、面接では、自分を売り込む場であるため、積極的な売り込みは欠かすことが出来ません。しかし、企業側の採用担当者が期待するようなアピールをしないことには、自己満足で終わってしまいます。これは、「苦労したこと」という質問にも該当しており、本当にそのまま就活生の苦労した実体験を聞きたいと考えている採用担当者はいません。
採用担当者が面接を通して期待するような回答は、実際に企業で働いているイメージを持つことが出来るかどうかです。そのため、学生の時だけの体験で留まらずに、社会人になった後にも繋がるような回答を意識しましょう。

苦労したことにする題材は?

面接で扱うための題材は、誰にでも分かるようなエピソードにする必要があります。これは、「苦労したこと」という質問そのものだけでなく、過程や考え方のプロセスまでを採用担当者が重要視するためです。題材自体は、奇をてらわずに分かりやすくなるものを選びましょう。そして、しっかりと過程や気づきまで盛り込めるような題材と出来るような出来事に注目してみてください。

サークル活動などの「出来事」

「苦労したこと」という質問への題材として最も分かりやすいのは、サークル活動などの学生時代の「出来事」を基に構成することです。学生生活を送る中で、サークル活動やアルバイト、学業の集大成である卒論など、多くの出来事を経験しているはずです。そのため、何らかの苦労した「出来事」とそれを乗り越えるたエピソードを持っていてもおかしくありません。「苦労したこと」への回答が思い浮かばない時には、まず学生時に経験した「出来事」を網羅することから始めて見ましょう。1つ1つの「出来事」を思い返すことで、苦労して乗り越えた経験を掘り返すことです。特に、自分にとって未体験で挑戦的であった「出来事」は、苦労が伴っている場合が多い傾向にあります。そのような経験を重点的に思い返してみてください。

人間関係などの「スキル」

人間関係などの「スキル」に注目して、「苦労したこと」への回答を用意することも面接を突破するためにいい手段です。人間関係からコミュニケーション力のような「スキル」を題材にすることで、働く中で仕事に活かせるイメージを採用担当者が持ちやすくなるためです。特に、人間関係で苦労することは、社会人になった後も起こり得ることです。そのため、学生時代に人間関係を苦労しながら乗り切った「スキル」を提示することが出来る就活生は、評価もしやすくなります。「苦労したこと」という質問への回答として、「スキル」を題材にするのは、「出来事」よりも難しいです。しかし、その分、社会人になった後のことも想定しやすく、高評価に繋がりやすくなるでしょう。

悪口やネガティブな話はNG

就活の面接では「苦労したこと」について話す際に、「悪口」にならないよう気をつけましょう。
「親が○○と言ったせいで苦労して」「友達に△△されて苦労しました」といった「愚痴」になってはいけません。これではあなた自身の考え方、思考が伝わらないのです。話が脱線しないように注意しましょう。
苦労した経験話でも、なるべく明るいトーンで話せるのが望ましいです。そのほうが前向きな性格だと思われるからです。あくまでも過去に苦労したことをどう乗り越えてきたかが重要です。そしてその経験を今後の仕事にどう活かすかを就活の面接では見ているのです。

苦労したことがない場合は「ない」でOK

「いい経験ができたと思ったことはある」など、マイナス印象を与えない話し方が必要
面接では、絶対に正しい回答は存在しません。大切なのは、自分の言葉でありのままの回答を行うことです。そのため、苦労したことがない時には、正直に「ない」と答えても問題ありません。ただし、注意しなければならないこともあります。それは、ないと答えて質問への回答を終わらせることです。ない、の回答だけでは、採用担当者も評価のしようがないためです。ありのままを見せることが面接では大切ですが、相互理解の場であることも理解し、プラスの印象を持ってもらうための工夫もしましょう。ここでは、「こういうことはあったが、苦労と思ったことがない」や「いい経験ができたと思ったことはある」など、マイナス印象を与えない話し方をするようにしましょう。

苦労したことを答えるコツは?

面接を通じて、採用担当者に少しでも優れている面を見せる必要がある中で、苦労したことは自分の欠点や苦手だった部分を話さなければいけません。そして、いかにマイナスからプラスに転換出来たのかまでアピールする必要があることも、回答を難しく感させる所以の1つです。しかし、多くの就活生が苦手とする質問ほど、上手に回答することで面接での高評価に繋がることが出来るとも言えます。「苦労したこと」を答えるコツを押さえて他の就活生に差をつけましょう。

苦手を克服しなければ、面接は容赦なく落とされる

面接中、採用担当者は回答だけでなく、考え方や振る舞い、身だしなみまですべてチェックしています。苦手な部分をそのままにして面接に臨むと、採用担当者にはそこを弱点として捉えられ、不合格になってしまうケースも多いです。

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出来事の説明は簡潔に

多くの就活生に共通する問題点は、苦労した出来事の説明を詳細に行ってしまうことです。採用担当者からすれば、就活生から学生時代の苦労した出来事を詳細に説明されても面接での評価の行いようがないということを理解することから始めましょう。「苦労したこと」の回答の時には、具体的な出来事の説明を簡潔に話すような心がけが大切です。出来事の説明を簡潔にするためには、客観性を持ってフラットな状態で用意したエピソードを振り返ることです。客観性を持って振り返る時には、自分の頭を空っぽにして、経験したことを綺麗に忘れる意識を持つことで可能になるはずです。そうすることで、何も知らない相手を想定した時に、必要最低限の理解のために出来事をどれほど説明した方がいいのか線引きが出来るようになります。この作業を行うことで、出来事の簡潔な説明が出来るでしょう。

過程や気づきに焦点を当てて答える

苦労した出来事を簡潔に説明した方がいい理由は、この「苦労したこと」という質問において採用担当者からの評価の本命となる過程や気づきに焦点を当てて答えるためです。いかに、過程や気づきを重点的に答えるかが、「苦労したこと」の質問に対する回答のコツになります。この過程や気づきを重点的に回答した方がいい理由は、前述したように就活生が持つ考え方のプロセスを採用担当者が知りたいためです。考え方のプロセスを知ることで、実際に働いている時のことまで想定することを採用担当者は狙っています。
過程や気づきをどのように考えるべきか分からない場合は、苦労した原因を特定することから始めましょう。原因を特定することが出来れば、苦労したことを乗り越える過程で何をしたのかや、その経験で得られた気づきも判明します。

苦労から得たものも話す

出来事の説明を簡潔にして、過程や気づきを重点的に答えることが「苦労したこと」を回答するためのコツです。そして、もう1つ加えた方がいい要素があります。それは、苦労から得たものも話すことです。苦労した経験は、マイナス面が印象に残りやすいため、得た物というプラスな面も付け加えることで、回答としての完成度が高まります。さらに、何事からも学ぶ姿勢を持っていることを採用担当者に示すことが出来ます。
そして、最後に苦労して得たことが社会人になった上で、どのような活かし方を出来るかまで想定しておきましょう。苦労したことから社会人になった時の教訓まで考えることが出来る就活生は多くないでしょう。他の人が出来ないことこそ、面接での高評価に期待出来ます。

苦労したことの回答例

「苦労したこと」の回答をいくつかの具体例を用いて紹介します。「苦労したこと」は面接でも毎回質問されるような質問ではありません。だからこそ、回答例をいくつか見ておくことで、咄嗟に質問された時にも対応が可能になります。もちろん、そのまま回答を真似することをしては問題がありますが、回答例を参考にすることは間違いではありません。具体例を基にして、自分なりの「苦労したこと」の構成をイメージしてみましょう。

苦手を克服しなければ、面接は容赦なく落とされる

面接中、採用担当者は回答だけでなく、考え方や振る舞い、身だしなみまですべてチェックしています。苦手な部分をそのままにして面接に臨むと、採用担当者にはそこを弱点として捉えられ、不合格になってしまうケースも多いです。

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サークル活動を題材にした例文

わたしは大学入学時から、○○サークルに所属しています。
大学3年の時に部長になったのですが、その時に最も苦労したことは、部員不足の解消でした。近隣の大学の○○サークルに連絡を取り、部員の派遣を依頼してみましたが、他のサークルも同様に部員が不足していました。交渉は難航し、結局、上手くいきませんでした。
そこで、わたしは思い切って、自ら社会人の活動に参加し、わたしたちの活動に協力してくれる方を募りました。これが功を奏し、先日、人員を派遣してもらうことに成功し、大会にも出場することができました。
この大会への出場をきっかけに、サークルの人数を増やすことができ、苦労が報われました。

人間関係を題材にした例文

私は、大学におけるゼミ活動での受動的な人間関係に悩まされた経験があります。誰も自分から手を挙げて行動したがらないメンバーばかりが集まってしまい、ゼミ活動にも支障が出てしまっていました。そして、最終的には、担当の教授にも苦言をされてしまう始末でした。
そこで、私なりに考え、ゼミのメンバーが、お互いのことをほとんど知るキッカケがなかったことに原因を見出しました。お互いのことを知らないことをメンバー間で共有し、少しづつゼミの後に食事に行ったり、ゼミ以外の時間に就職活動の情報を教えあったり意識するようにしました。この就職活動のことを話すうちに、お互いの将来目指していることを知ることで、メンバーへの理解も深まる効果が高く、遠慮しない関係を築くことが出来るようになり、活動の時にも積極的な行動をしやすく出来ました。受動的だった人間関係を円滑にするためには、相手のことを知ることが何より大切だとこの苦労した人間関係の経験を持って痛感しました。今後も、相手のことを知るための言動を心がけながら、人間関係を形成したいです。

苦労したことがない人の例文

私は、他者から見たら苦労に見えるようなことも、目標達成のためなら苦労と感じることがありません。これは、憧れていた大学での独り暮らし生活を続けるために、学業での優秀な成績と生活費のためのアルバイトを続けてきた経験から言えます。この2つの両立をしている私のスケジュールを見て、スケジュールのことを心配する友人もいました。しかし、ずっと憧れていた大学での生活の前では、私にとって問題ではありません。誰しもが、時間の使い方に無駄があることを自覚し、効率的な時間の使い方を徹底することで、どのようなことでも問題なくこなすことが出来ると私は考えています。そのため、一見して苦労しているように見えることも、時間さえ上手にコントロールすれば、苦労ではなくなるというのが私の信条です。

面接で苦労したことを答える時はネガティブな内容や悪口にならないようにする

誰しもが、一度は苦労した経験を持っています。その苦労をそのまま素直に話せば、時にはネガティブな内容や悪口になってしまうこともあるでしょう。普段のリラックスした時間に家族や友人と話す時には、それでも問題はありません。しかし、就活では、面接の場で採用担当者に向けて苦労したことを話すということを忘れないようにしましょう。面接では、話したことがそのまま評価に繋がることを念頭に置いた上で、回答の構成を行いましょう。

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