2018年10月22日(月) 更新

ビジネス実務法務検定1〜3級の難易度と実用性

ビジネス実務法務検定ってどんな資格?

『ビジネス実務法務検定』について、多くの人は最近耳にするようになったのではないでしょうか? この検定は『企業人に必要な法律知識の習得』のため、東京商工会議所によって設立された公的検定試験であり、東京商工会議所のキャッチコピーでは、「自分を守る、仕事の法律入門」と呼ばれています。近年企業の法令遵守(コンプライアンス)の必要性が叫ばれるようになり、司法・法務関係の資格の中でも一般社員向けのものとして注目が集まってきています。
司法・法務関係の資格というと、司法試験、司法書士試験、行政書士試験、弁理士試験と、難易度が非常に高く専門職的なものが思い浮かびますが、この資格は、それらの知識の中でも、企業活動の主要分野に関わる部分を出題しています。つまり、『会社員として必要な法知識を問う資格』なのです。

法務部門に限らずほとんどの職種で活用可能

「自分は営業だから法務関係は別にいらない」と感じた方、それは間違いです。この資格の出題範囲は企業活動の主要分野を広くカバーしていますので、営業、販売、総務、人事などの他部門に所属している方でも実用することができます。企業では様々な利害関係が発生し、法にのっとって契約を締結していますので、法知識が足りなかったために消費者や取引先などとトラブルになることもありえます。例え法務部門でなくても、受験することには意義があるでしょう。
また、法務部門所属の方にはもちろん価値のある資格です。この資格を管理職への昇進に際しての判断材料にしたり、取得後職能手当がついたりといった効果が見込まれます。

ビジネス実務法務検定の受験資格・申し込み方法・日程詳細

【受験資格】
3級・2級:誰でも受験可能
1級:2級合格者

【申し込み方法】
インターネットまたは電話による申し込み登録で、個人申し込みの他に団体申し込みなどもあります。詳細は下記のリンク先をご覧ください。

【申込期間】
3級・2級:4月下旬~5月下旬/9月下旬~10月下旬
1級:9月下旬~10月下旬

【日程】
3級・2級:7月
3級・2級・1級:12月
※1級は12月にしかありません。

【試験地】
全国各地

【受験料】
3級: 4,320円
2級: 6,480円
1級:10,800円

【合格発表】試験後、成績票を送付

勉強時間は平均6ヶ月~1年程度!過去問があれば独学も可能

この資格取得のためにかかる期間は、3級・2級程度であれば、平均的には6ヶ月から1年程度と言われています。資格の学校などに通って学んだ場合は、更に短い期間で合格することができるかもしれませんが、講座の利用費は2万~4万程度かかってしまいますので、火急の用でなければ独学で地道に勉強した方が経済的でしょう。
また、試験範囲が膨大なため、専門的に深く学ぼうと思うと限界があります。過去問題集を使って各法律の主旨、制度を網羅的に学ぶことが必要です。出題内容には一定の傾向がありますので、要点を押さえましょう。

ビジネス実務法務検定の実用性は?

実用性について、自身のためになる以外の観点から気になる方もいるでしょう。実際問題、社会的な評価については、それをアピールする企業の法令遵守(コンプライアンス)意識によります。例えば、この検定の後援には下記のような名だたる大企業があり、こういった法務部門を専門に持つ企業であれば、この資格の必要性も伝わっているため、取得者は昇進や手当の対象になったり、就職が有利になったりする可能性が充分にあります。
しかし、法令遵守といったところまで意識が及びづらく、法務部門がない(総務や人事が包括しているような)中小企業であれば、名前も知らないということがあり得るでしょう。

ビジネス実務法務検定の後援企業

  • 旭化成株式会社
  • アサヒビール株式会社
  • アルプス電気株式会社
  • 株式会社伊勢丹
  • 伊藤忠商事株式会社
  • 株式会社オリエントコーポレーション
  • 東京海上日動火災保険株式会社
  • 東京ガス株式会社
  • 株式会社東芝
  • トヨタ自動車株式会社
  • 野村證券株式会社
  • 本田技研工業株式会社
  • 株式会社三菱東京UFJ銀行
  • 三菱UFJニコス株式会社

司法書士・行政書士・弁理士の取得に役立つ

企業によっては認知度が低いかもしれないビジネス実務法務検定ですが、内容の堅実さが別の方面に活かされる可能性があります。それは司法・法務関係の士業への第一歩になるということです。ビジネス実務法務検定は、司法書士・行政書士・弁理士などの試験と出題範囲が重複しています。
そのため、この検定を足掛かりに、これらの更に難易度の高い資格へチャレンジすることができるのです。本当に適性のある人であれば、最短で下記のようなスケジュールでの取得も可能かもしれません。

士業になる!?最短資格取得スケジュール

  • 資格なし、法務知識ゼロ⇒【3ヶ月】⇒ビジネス実務法務検定3級取得
  • ビジネス実務法務検定3級⇒【5ヶ月】⇒ビジネス実務法務検定2級取得
  • ビジネス実務法務検定2級⇒【1年】⇒行政書士
  • ビジネス実務法務検定2級、行政書士⇒【2年】⇒司法書士
  • ビジネス実務法務検定2級、行政書士、司法書士⇒【2年】⇒弁理士

等級と難易度:実用性があるのは2級から

ビジネス実務法務検定には、3級、2級、1級と等級があり、3級はまだ優しく、2級からが社会的にも評価されるラインであるとみなされています。具体的な合格率と内容を見てみましょう。

【合格率74.2%!】ビジネス実務法務検定3級

初心者でも飲み込みが良ければ3ヶ月程度で内容を網羅できるでしょう。企業人として最低限の知識を身に付けたい、という方へおすすめのレベルです。回答方式はマークシートによる選択制です。

  • ①ビジネス実務法務の法体系
  • ②取引を行う主体
  • ③法人取引の法務
  • ④法人財産の管理と法律
  • ⑤債権の管理と回収
  • ⑥企業活動に関する法規制
  • ⑦法人と従業員の関係
  • ⑧ビジネスに関連する家族法

【合格率23.0%!】ビジネス実務法務検定2級

2級からは難易度が上がり、合格率が2割にガクッと下がります。レベル的には、すでに実務での法務経験があり、弁護士など外部専門家への相談対応もしているような現職の方を想定しています。回答方式はマークシートによる選択制です。

  • ①取引を行う主体
  • ②会社取引の法務
  • ③会社財産の管理・活用と法律
  • ④債権の管理と回収
  • ⑤企業活動に関する法規制
  • ⑥会社と従業員の関係
  • ⑦紛争の解決方法
  • ⑧国際法務(渉外法務)

【合格率11.6%!】ビジネス実務法務検定1級

合格率は1割で、回答方式も全て論述問題のため、かなり敷居が高いレベルです。知識だけではなく、実務能力までを問われており、取引上のトラブル処理、取引関係に立たない第三者とのトラブル処理、法務の専門家への法的トラブルの顛末の報告などのスキルを問われます。

  • 共通問題…民法、商法を中心に全業種に共通して発生する法律実務問題
  • 選択問題…特定の業種に関連する一定の法律、事例による実務対応能力を試験する

問題集やためになるサイト紹介

ビジネス実務法務検定を受ける上で、人気のある問題集やためになるサイトを紹介します。

人気の問題集・アプリ

ためになるサイト集

ビジネス実務法務検定の難易度・実用性はともに高い

ビジネス実務法務検定の難易度と実用性についてまとめてみましたが、いかがでしたか?社会全体が法令遵守(コンプライアンス)の意識を持ち始めた今、ビジネス実務法務検定は更に需要が高まる可能性のある有望な資格です。会社内での評価のため、また新しい方面への足掛かりとしても、ぜひ受けてみてはいかがでしょうか。

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