2017年09月13日(水) 更新

給与明細で確認しておくべき給料と残業時間の関係性

給与明細での、複雑な残業代の割増率

法で定められた労働時間を超えて労働させた場合、使用者には割増賃金の支払いが義務付けられています。これは厚生労働省の「賃金」のページでも確認することができ、原則として1日の法定労働時間は8時間ですので、8時間を超えた分については2割5分以上増しの給料が発生します。
時給1000円の場合、1時間残業をしたら、1000円×1.25=1250円の給料が発生します。

同じ休日でも、残業代は異なる

また、いわゆる休日出勤にも割増の給料が支払われます。労働基準法では、休日を法定休日と法定外休日と分けて定めています。
法定休日とは、1週間の内1日、または、4週で4日与えることが義務付けられている休日のことです。一方、法定外休日は法定休日以外の休日のこと。たとえば土日を休日とする週休2日制の会社で、日曜日を法定休日としている場合、土曜日や祝日は法定外休日となります。

しかし法定休日と法定外休日は似て非なるもの。賃金の割増率も異なります。法定休日に労働した場合には、3割5分以上の割増賃金が必要です。先の例で言うと、法定休日に4時間労働した場合、1000円×1.35×4時間=5400円となります。対して法定外休日に労働した場合は、2割5分以上の割増となります。同じ休日でも、給料は異なるのです。

休日出勤も割増賃金となる

給与明細を見る際には、代替休日、いわゆる代休についても注意が必要です。休日出勤をさせた代わりに、本来の出勤日を休日とすることですが、この場合でも割増の給料の支払い義務は残ります。

休日に働いたという事実は、代休を取得しても消せませんが、これを勘違いしている企業は少なくありません。休日出勤した分の給料は、きちんと支払ってもらいましょう。

残業時間は、時間外労働が超過した場合はどうなる?

また、1ヶ月の時間外労働が60時間を超えた場合、超過時間に対してさらに2割5分増しの賃金が支払われることになっているため、給与明細ではこれらもチェックしておくことをオススメします。
使用者が支払う給料が増えることで、残業を抑制しようというのが目的です。

残業時間の切り捨ては違法

1日ごとに、残業時間を切り捨てて計算することは、賃金の全額払いの原則に反します。1日の残業時間が1時間20分だったので、端数の20分を切り捨て、1時間分のみの残業代を支払うことは、労働基準法違反となります。しかし、1ヶ月単位で残業時間を計算し、1時間未満の端数を切り捨てることは違法とされていません。

残業時間が70時間の場合は90,000円が残業代

1ヶ月の残業時間の合計が70時間の場合は、1000円×1.25×70時間+1000円×0.25×(70-60)=90000円が残業代となります。なお、上記の残業時間には、法定休日に労働した時間は含みません。また、一定条件を満たした中小事業主は、当分の間適用外となっていますのでご注意ください。

深夜時間帯の勤務も2割5分増しの給料になる

22時から翌5時までの深夜時間帯に勤務した場合も、割増賃金が必要です。この時間は、基本給の2割5分を上乗せして計算します。

たとえば、9時から23時まで働いた場合、実働8時間を超過する18時以降1時間あたり1250円、22時以降はさらに2割5分増しの1500円の残業代が発生します(休憩1時間、時給1000円として算出)。

深夜の労働は、働く人にとって肉体的にも精神的にも負担が大きいもの。そのため、こうした割増賃金の支払いが法で定められているのです。

給料手当は名称でなく実態で判断すべし

時給制の場合は、残業時間がプラスされた給料を、比較的簡単に算出することができる一方で、給与明細で見たときに月給制は少しややこしくなります。原則として、月給をその月の所定労働時間で割った金額が、残業代を計算するもととなる給料(基礎賃金)となります。

扶養手当であっても、基礎賃金に含まれない

給料は支払われる目的によって様々な種類があり、その名称も企業によって異なります。

たとえば、扶養手当。
妻や子供を養うために、基本給に上乗せして支払われる手当です。この扶養手当は一般的に、基礎賃金には含まれません。住宅手当や通勤手当等も同様です。

直接業務に関係なく、社員の住環境や家族構成によって支給される手当は、基礎賃金から除外されます。中にはこれを利用し、残業代を抑制する企業もあります。本来の基本給は20万円であるのに、給与明細上は「基本給14万円、扶養手当6万円」と記載し、残業が発生しても基本給14万円に対する割増賃金しか払わない、といった手口です。

名称は「扶養手当」であっても、家族の数に関わらず一律に支給されている場合には、基礎賃金に含まなければなりませんので、覚えておきましょう。

給与明細では給料と残業時間を名称と共にきちんと確認しよう

残業時間の計算は、素人にはとても複雑で分かりにくいものです。しかし、法で定めた労働時間を維持し、過重労働に対する適切な給料を支払う目的で、労働基準法にその算出方法が明確に定められています。一度給与明細を確認して、残業代の支給漏れがないか確認してみましょう。

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