2017年07月04日(火) 更新

客室乗務員を目指す人が知っておくべき実態と魅力

客室乗務員の仕事内容

飛行機内で働く客室乗務員の仕事内容は、乗客への接客だけではありません。機内のすべてを統括するのが客室乗務員の仕事と言えます。まずは客室乗務員の仕事内容を具体的に説明します。

主な仕事内容は機内サービス・清掃・保安業務・緊急時対応

客室乗務員の仕事内容は機内サービス、清掃、保安業務、緊急時対応などです。 機内サービスとしては、乗客への各種案内、機内食や飲み物の提供、新聞や雑誌類の配布や回収、機内販売、入国書類や税関申告用紙の配布などを行っています。 本格的な飛行機内の清掃は専門の清掃員が行いますが、飛行中の各種ごみ回収や簡単な機内の仕事は客室乗務員が担当しています。

客室乗務員が担当する保安業務とは、非常口の操作方法と確認、客室内の安全確認、非常用設備の案内(緊急着陸水時の脱出口と脱出方法、救命胴衣の使い方、酸素マスク使用方法など)、離着陸前後の非常用設備管理です。設備や機内に異常がないかの確認だけでなく、泥酔者や具合の悪い乗客はいないか、不審な乗客はいないかなど、細かくチェックしています。 航空事故やハイジャックなどの緊急事態が発生した場合は、機長ら運航乗務員と連携して乗客に状況説明をしたり、避難用具の用意や避難誘導にあたります。そのため航空会社の中には、一定の距離を泳げることが採用条件の一つとして設けられているところもあります。急病人が発生した時には、医療関係者に引き継ぐまで救護看護も行います。 中途採用される客室乗務員の中には、看護師などの医療従事経験者も多いそうです。

客室乗務員になるには?

客室乗務員は非常に人気の高い職業です。客室乗務員になるには、どうしたらいいのでしょうか。客室乗務員になるための方法や、必要な学歴や適性などをご紹介していきます。

航空会社に就職する

客室乗務員になるためには、航空会社に就職するか、客室乗務員を派遣する専門の会社に就職しなければなりません。客室乗務員は特に女性に大人気の職業であり、選考を勝ち抜くためには、かなり綿密な対策や素質が必要とされます。

必要な学歴は専門学校卒以上

客室乗務員になるために必要な学歴は航空会社にもよりますが、専門学校卒以上が一般的です。大学卒だけでなく、短大や専門学校卒も採用されています。採用されるのは新卒だけでなく、既卒や中途の採用も実施しています。学歴だけでなく、年齢や健康状態などの身体条件、居住条件、TOEICのスコアなど、いくつかの応募資格が必要です。

契約社員として採用されるのが一般的

実は客室乗務員は正社員ではなく、契約社員として採用する会社がほとんどです。新卒から正社員として雇用する会社もありますが、最初は契約社員として就職して数年間勤務したのち、実績や適性に応じて正社員雇用されるという流れが一般的です。

求められる能力は気配り・冷静さ・体力

客室乗務員に必要不可欠な能力は、気配りと冷静さ、そして体力です。乗客に空の旅を少しでも快適に過ごしてもらうためのきめ細やかな気配り、接客時や緊急時には冷静な判断力が求められます。華やかで優雅なイメージのある客室乗務員ですが、実際は体力勝負の仕事とも言えます。フライト中は立ちっぱなしで乗客の対応をはじめとした業務に追われ、休憩時間も短いうえに、乗客の荷物を持ち上げたり下したりなどの力仕事もあります。華やかなイメージとは裏腹に、体力がなければ務まらない仕事と言えます。

倍率は100倍を超えることも珍しくない

客室乗務員の採用試験の倍率は100倍を超えることも珍しくありません。それほど人気のある職業なのです。大手航空会社の場合は、約500名の募集人数に対して、1万人以上の応募あると言われています。 大手ではなく小さな航空会社なら倍率は低くなると考える人も多いですが、小さな航空会社は採用員数が少ないため、倍率にそれほど大きな差はないと考えられています。 ただし、客室乗務員の選考に応募する人の中には、「記念受験」として応募する人も少なくありません。応募する全員が本気で客室乗務員になりたいわけではないのです。

客室乗務員の年収は?

客室乗務員の年収が気になる方もいると思います。人気が高く華やかなイメージのある客室乗務員の年収は高額だと思っている人が多いようですが、実際はどうなのでしょうか?

平均年収は約480万円程度

客室乗務員の平均年収は約480万円程度です。実は客室乗務員の年収は年々減り続けています。航空業界の競争が激化していることがその一因です。実際におよそ10年前の客室乗務員の平均年収は約650~700万円でした。同じ客室乗務員でも、入社1年目の社員だと年収は300万円未満とも言われています。近年ではLCCも増えており、客室乗務員の人件費や経費削減の流れが止まる気配はありません。

契約社員の客室乗務員は時給制

契約社員の客室乗務員の給料は時給制です。時給は会社によって異なりますが、1年目で時給1,200円ほどです。訓練期間中は少し下がって1,000円程度になります。時給に加えて各種手当が支給されます。雇用形態が契約社員からのスタートであること、時給制を採用していることが客室乗務員の平均年収が下がっている要因と言えます。

年収は勤務する航空会社によって大きな差がある

客室乗務員の年収が下がっているのは業界全体で言えることではありますが、勤務する航空会社によって年収に大きな差があります。年代によっても年収は異なります。
独自調べの年収ランキングは以下の通りです。

【企業別平均年収ランキング】
第1位 JAL(日本航空) 約490万円
第2位 ANAホールディングス 約450万円
第3位 スカイマーク 約330万円
第4位 AIR DO 約300万円
第5位 ソラシドエア 約270万円

年代が上がるほど、つまり客室乗務員として長く勤務すれば年収も上がります。40代以降の客室乗務員の平均年収は約630万円~730万円ほどになります。

客室乗務員の離職理由

人気が高く、採用選考の倍率が高い客室乗務員ですが、一方で離職する人が多いのも事実です。女性の憧れの職業である客室乗務員になれたにも関わらず、なぜ離職する人が多いのでしょうか?

理由①:激務

客室乗務員の仕事は激務です。激務が続き疲れてしまった、あるいは仕事内容と給料が見合っていないなどの理由で退職する人は多いのです。激務のせいで体調を崩してしまい、退職するケースも珍しくはありません。激務に加え、飛行機に乗り続けることで気圧の変化に体が耐え切れず、体調を崩してしまう人も多くいます。

理由②:人間関係に疲れる

客室乗務員はほとんどが女性であり、職場はまさに「女の園」です。女性ばかりの職場で人間関係がうまくいかない、上下関係が厳しすぎる、人間関係に疲れてしまったなどの理由で辞める人がいるのは当然と言えます。人間関係を上手く築ける人や、女性が多い職場への適性がある人は長く勤められるでしょう。長く客室乗務員として勤務している人は気が強いという傾向もあり、先輩の客室乗務員から怒鳴られたり無視されるのは日常茶飯事のようです。

理由③:生活が不規則

勤務上、客室乗務員の生活は非常に不規則です。国内線ならまだしも、国際線の客室乗務員は不規則で生活リズムが安定しないだけでなく、現地で数日間滞在するため自宅を何日も空けなければなりません。フライトの時間によっては午前2時に起きたり、午後に出社して深夜まで勤務しなければならない場合も。客室乗務員の仕事は、精神的にも肉体的にもタフでなければ務まらないのです。

客室乗務員という職業の魅力

激務や人間関係が厳しいという実態にも関わらず、客室乗務員は不動の人気を誇っています。実態を理解した上で客室乗務員を志す人が多いのは、それだけ魅力的な職業であるという証明でしょう。客室乗務員という職業の魅力をまとめました。

魅力①:華やかな生活

客室乗務員は常に人から見られるため、自分磨きが欠かせません。客室乗務員に綺麗な人が多いのはそのためです。さらに外見の綺麗さや上品さだけでなく、立ち振る舞いも常に気を遣っています。女性が多い職場ですから、やはり「美しさ」には敏感になるでしょう。
搭乗する飛行機の到着地での観光や食事、買い物を楽しむだけでなく、私生活も華やかな人が多いと言われています。華やかな生活に憧れる人にとっては、客室乗務員という職業は非常に魅力的です。

魅力②:視野が広がる

客室乗務員という仕事上、様々な土地や国に行くだけでなく、外国人と仕事をする機会が多いために視野がとても広がります。特に外資系の航空会社に客室乗務員として勤めると、多様な国籍の仕事仲間や乗客と接するため、自然と広い視野や価値観を持つことができるのです。客室乗務員は、視野を広げたい、いろんな国を知りたいという人にも魅力的な職業と言えます。

魅力③:休みが多い

激務ではありますが、客室乗務員は休みが多い、有給休暇が取得しやすいというメリットもあります。客室乗務員の休日はシフト制で、国際線など長距離のフライトの場合は帰国後に連休が入ります。国内線勤務の場合は、休日は月に10日程度。4日働いて2日休むというサイクルが一般的です。
客室乗務員はもともと旅行好きの人が多く、まとまった休みを取って旅行に行く人も多いようです。

魅力④:ハイレベルな接客スキルが身につく

客室乗務員は赤ちゃんから超VIPの乗客まで接客しなければなりません。そのためハイレベルな接客スキルが身につけることができます。
ビジネスクラスやファーストクラス、またVIPの乗客を接客できるのは高い接客スキルを持つベテランの客室乗務員だけ。契約社員から正社員になるには適性や実績も必要となるため、常に接客スキルの向上させる必要があります。

魅力⑤:行き先での観光や食事を楽しめる

行き先での観光や食事を楽しめるのは、客室乗務員の最大の魅力と言えるでしょう。「色んなところに行けるから客室乗務員になりなさい」と言われた経験のある人も多いはず。激務とはいえ仕事で様々な国や地域に行くことがで、観光や食事、買い物を楽しめるのは魅力的です。

男性でも客室乗務員になれる?

客室乗務員は女性というイメージが強いですが、男性でも客室乗務員になることは可能です。女性が多数を占めますが、実は男性の客室乗務員も採用されています。日本の航空会社に勤務する男性客室乗務員はごく少数ですが、外資系航空会社では男性の客室乗務員は当たり前にいます。

男性でもなれるが女性の方が圧倒的に多い

日本の航空会社で男性の客室乗務員が活躍するようになったのはつい最近のことです。客室乗務員=女性というイメージがあるため、女性の方が圧倒的に多いのが現状です。客室乗務員は力仕事が多いため、男性が頼りになる場面はたくさんあります。男性が客室乗務員になるには、客室乗務員として航空会社に就職しなければなりません。選考では女性同様、身だしなみを厳しくチェックされます。髪形やヒゲ、シャツのしわ、ネクタイの結び方、靴などに注意してください。

外資系航空会社では男性の客室乗務員は一般的

外資系航空会社を利用し、男性の客室乗務員がいることに驚く人が多いようです。日本ではまだまだ少数派ですが、外資系航空会社では男性客室乗務員は一般的であり、そもそも「客室乗務員は女性の職業」という認識がありません。女性同様に身だしなみをきっちり整え、笑顔が魅力的な男性客室乗務員が多く勤務しています。外資系航空会社を利用する機会があれば、男性の客室乗務員に注目してみるのもいいかもしれません。

力仕事だけでなく接客において男性客室乗務員が重宝される場面もある

男性の客室乗務員が頼りになるのは力仕事だけではありません。接客においても女性より男性の客室乗務員が有利になる場面があります。接客は物腰の柔らかい女性の方が向いているとも言われていますが、それが裏目に出てしまい、客室乗務員の注意を乗客がまったく聞かないというケースも珍しくありません。 例えば、フライト中に酔っている乗客が飲酒を止めない時。フライト中に泥酔状態になるのは、他の乗客の迷惑になったり、本人の体に何らかの異変が起こる可能性があるため危険です。飲み過ぎている乗客に対し、女性の客室乗務員たちがが必死に「お客様、お酒がかなり回っているようですので、少々お控えください」と言うよりも、男性の客室乗務員が「お客様、そろそろお控えください」とさらっと言う方が実際に効果があるのです。

客室乗務員は激務だが魅力が多い職業で男性でも目指す人が増えつつある

客室乗務員の実態や離職理由、そして魅力について説明しました。平均年収の低下や激務、人間関係などを理由に離職する人が多く、精神的にも肉体的にもタフでなければ務まらない職業ではありますが、それ以上に魅力が多い職業です。外資系の航空会社にし客室乗務員として就職する人も少なくありません。また最近では、日本の航空会社でも男性の客室乗務員を採用しています。業務内容上、男性が頼りになる場面も多くありますから、今後男性の客室乗務員は増えていくでしょう。

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