2019年08月06日(火) 更新

臨床検査技師の平均年収と、他の職業との比較

医師にデータを提供する臨床検査技師

臨床検査技師は、医師の指示に従って患者の血液や尿、便、脳波などを検査し、そのデータを医師に提供します。このデータをもとにして、医師は診療方針を決定するのです。

検体検査と生体検査

臨床検査技師の仕事は、検体検査と生体検査の2種類に分けられます。検体検査とは、血液、尿、組織の一部などを患者の身体から「取り出して」おこないます。それに対して生体検査は、身体の表面や内部を検査します。

病院によってはさらに細分化される仕事内容

また、規模の大きい病院では、仕事がさらに細分化しています。逆に小さい病院では、1人の検査技師が複数の部門の検査をすべて担当するようです。このように、臨床検査技師の仕事内容は場所によって大きく異なります。

国家試験に合格する必要がある

臨床検査技師は国家資格です。臨床検査技師として働くためには、臨床検査技師国家試験に合格しなければなりません。この試験には受験資格もあり、そのためには大学の医療系などの学部や、3年制の短大の臨床検査学科などを卒業する必要があります。

病院で働く臨床検査技師の職場環境

臨床検査技師の職場として、真っ先に思い浮かぶのは病院ではないでしょうか。では、実際に病院で臨床検査技師として働く場合、どのような環境になるのでしょうか。

女性の数が男性の倍以上

臨床検査技師を男女別にみると、女性の数が男性の倍以上になっています。それだけ女性が多い環境ですから、男性として臨床検査技師になる場合は、人間関係の面で苦労することがあるかもしれません。

他の医療の仕事と比べると規則正しい勤務時間

医療業界は、夜勤や宿直など労働時間が不規則になりがちです。しかし臨床検査技師は、他の医療の仕事と比べると、比較的規則正しい勤務時間であるようです。とはいえ、夜勤や宿直がゼロというわけではありませんし、就職先によってはシフト制勤務で、ハードな労働時間になる場合もあるでしょう。

患者とのコミュニケーションは少ない

また臨床検査技師の仕事はその性質上、患者本人とのコミュニケーションの機会はそう多くありません。この性質は、働く病院の規模が大きくなればなるほど強くなります。患者さんとのやりとりに医療従事者としてのやりがいを求めている人にとっては、それを感じにくい仕事かもしれません。

職人気質の人が多い

このような仕事の性質によるものかはわかりませんが、臨床検査技師は職人気質の人が多いようです。病院に勤める臨床検査技師としては、地道にコツコツと頑張れる人が評価されるようです。

臨床検査技師の平均年収は400万円台後半

臨床検査技師の平均年収についてですが、大体470万円前後になるようです。また、平成27年賃金構造基本統計調査によると、男性の平均年収は514万円、女性の平均年収は449万円となっています。また、過去数年の推移を見ても、臨床検査技師の平均年収は400万円台後半で安定しています。

初任給は20万円前後

臨床検査技師として就職した場合、その初任給がどれくらいになるのかも気になるところです。臨床検査技師の初任給はおおむね20万円となっていますが、これは学歴や就職先によって異なります。大卒の場合は3年制短大卒よりも1万円ほど高いですし、国公立の病院よりも民間の医療関係の仕事の方が、初任給は高くなる傾向にあります。

性別・年齢別の平均給与

それでは、臨床検査技師の大体の平均給与(ひと月)を、性別、年齢別に見てみましょう。こちらも、平成27年賃金構造基本統計調査を参考にしています。

【男性】
20~24歳:24万円
25~29歳:28万円
30~34歳:34万円
35~39歳:31万円
40~44歳:39万円
45~49歳:41万円
50~54歳:46万円
55~59歳:49万円
60~64歳:30万円
65~69歳:24万円

【女性】
20~24歳:24万円
25~29歳:27万円
30~34歳:29万円
35~39歳:30万円
40~44歳:33万円
45~49歳:38万円
50~54歳:33万円
55~59歳:36万円
60~64歳:33万円
65~69歳:23万円

臨床検査技師の給料は就職先によって異なる

上記では、臨床検査技師全体の年収、給料についてご紹介しました。しかし、臨床検査技師資格を取得した場合の就職先は、病院だけではありません。そこで、臨床検査技師として就職できる就職先と、その仕事内容、年収について見ていきましょう。

病院での仕事と年収

病院での臨床検査技師の仕事は、先述でご紹介した通りです。平均年収や職場環境も、病院の規模に応じて大きく変わります。20代の内は、あまり年収は上がりません。スキルを身につける勉強期間と考えましょう。この時期で身につけたスキルが後々の転職の選択肢や年収を決めてくるので、あまり勉強ができない病院の場合は転職を考えてもいいかもしれません。30代半ばを超えると年収が500~600万円となります。さらに役職につけると、より年収は上がるでしょう。

クリニック・健診センターでの仕事と年収

クリニックや健診センターでも、病院とほぼ同じような仕事をします。ただ、クリニックや健診センターでは検体検査は臨床検査センターへ外注している場合が多いので、生体検査が主な仕事になります。病院に比べて、患者との距離が違い仕事内容だといえます。年収に関しては、病院とあまり変わらないといえます。
病院でもクリニックでも、キャリアアップのために有利になる経験として、超音波検査(エコー)のスキルが身につけられると良いようです。

臨床検査センターでの仕事と年収

臨床検査センターとは、病院や診療所などの医療機関から検体を預かり、検査業務を代行する機関です。そのため検体検査がメインになります。また、臨床検査センターから各病院の検査室に配属される場合もあります。臨床検査センターは24時間体制で業務をおこなっており、そのため夜勤なども多くあります。年収は30歳を超えると500万円前後になり、その後も700万円前後、長く勤務すると多い人で900万円前後の年収を目指せます。

治験コーディネーター(CRC)としての仕事と年収

治験とは、製薬会社や医療機器メーカーが開発した医薬品・医療機器の有効性・安全性を確認する臨床試験です。臨床検査技師は、この治験を円滑に進めるための治験コーディネーター(CRC)として働く選択肢もあります。
このような仕事であるため、患者と接する機会も多く、また、年収が上がりやすい、病院に比べて休日が多めで夜勤がないといったメリットも多い仕事になります。年収は、経験が浅い内は上がりにくいですが、経験を積み役職者になると、500~1,000万円を目指せるようです。

臨床開発モニター(CRA)としての仕事と年収

治験と関わる仕事として、臨床開発モニター(CRA)もあります。これは、法律やルールを守って治験がおこなわれているかを確認し、治験データを回収するのが仕事で、製薬会社とのやりとりが多いです。年収に関しては、治験コーディネーターと同じ性質があり、経験を積むことで年収1,000万円も目指せる職業です。

アプリケーションスペシャリストとしての仕事と年収

臨床検査技師は、医療機器メーカーでアプリケーションスペシャリスト(営業サポート)として働く選択肢もあります。自社の医療機器を購入してもらえそうな医療機関で、製品の説明や模擬使用をおこなうのが仕事になります。CRCやCRAも企業色の強い働き方になりますが、アプリケーションスペシャリストはより、ビジネスマンとしての働くという感覚が強いでしょう。
アプリケーションスペシャリストは、会社によって年収が大きく異なりますが、総じて給料は高めで、休日数も多いです。その分仕事では高い能力が求められ、就職する際の選考難易度も高くなります。

臨床検査技師と近い職業の仕事内容と年収

臨床検査技師になるかどうか迷っているとき、気になるのは他の選択肢を選んだ場合の将来についてではないでしょうか。そこで最後に、臨床検査技師と近い職業の仕事内容と年収をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

看護師

看護師の仕事内容については言うまでもないかもしれませんが、病院や診療所などでの医師のサポートになります。また、病棟担当になるか外来担当になるかで、業務内容は異なってきます。年収は平成27年のデータで約480万円となっており、臨床検査技師とあまり違いはありません。しかし体力が必要な仕事であり、年齢を重ねていくと、きつくなっていくという声もあります。

理学療法士

理学療法士は、病気や怪我が原因で身体が不自由になった人の回復・社会復帰をサポートする仕事です。患者一人ひとりの症状に合わせてその治療計画を立て、他のスタッフと協力して治療にあたります。平均年収は404万円と臨床検査技師と比べて低いです。これには、平均年齢31.5歳という若さが関係しているかもしれません。

診療放射線技師

診療放射線技師の仕事は、医師や歯科医師に従い、検査や治療のためにX線などの高エネルギー放射線を扱うことです。現代の医療では、有名なレントゲンの他にも、CT、MRI、超音波など、人体内部の様子を映して状態を調べることが増えています。平成27年の平均年収は533万円と、臨床検査技師よりも高くなっています。

臨床工学技士

臨床工学技士は、医用工学機器の操作や保守点検をおこないます。医用工学機器とは、患者の血液循環、呼吸、尿の排泄をサポートするなど、患者の命に関わる役割を持っているもので、臨床工学技士の役割もそれだけ重要だといえます。臨床工学技士の年収は、450~600万円ほどとなっています。

臨床検査技師の平均年収は500万円弱!就職先で給料が変わる

臨床検査技師の年収について、就職先や他の職業との比較の観点からご紹介しました。臨床検査技師の平均年収は500万円弱で、キャリアアップのためには超音波検査など様々な経験をコツコツと積み上げていく必要があります。しかし、臨床検査技師としての就職先の選択肢は広く、企業色の強い仕事に就けば、実力次第で大きな年収アップも目指せるでしょう。

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