2016年11月29日(火) 更新

小生とは?知らないと失礼になる誤用に要注意!

「小生」の意味と使い方

「小生」と聞くと、「古い言葉」「年配の方が使う」というイメージを持つ方も多いでしょう。

しかしこの「小生」は、今の30代前後の人でも使っている場合があるようです。また、ビジネスメールで目にする、もしくは使っている、という方もいるかもしれません。

しかしこの小生という言葉は、自分をへりくだって言う単なる謙譲語かと思いきや、思わぬ落とし穴があります。小生という言葉の本来の意味や使い方について、ビジネスメールやプライベートのシーンに分けてご紹介していきます。

男性が自分をへりくだって言う語

まずは、小生の辞書的な意味を確認しましょう。

【小生】
主に手紙で、男子が自分を指して使う謙称。

謙称とは、相手に対してへりくだった言い方という意味です。つまり「小生」は、男子が手紙で使うへりくだった一人称ということになりますね。この「男子が使う」という点が1つの注意点です。

「小生」に代わる女性の語はない

では、小生の女性版といえる言葉はあるのでしょうか。男性・女性に限らず一人称は数多くありますが、どうやら「小生の女性版」と確実に言える言葉は定められていないようです。

注意!自分と同等か、目下の相手に使う

そして、小生の使い方として最も注意しなければならないのは、以下の点です。

小生は「自分と同等か、目下の相手に使う」

小生は、自分をへりくだっていう一人称であるにも関わらず、目上の相手に使う言葉ではないのです。

ビジネスメールで「小生」はOK?

それでは、ビジネスメールにおいて小生は適切な言葉だと言えるでしょうか。小生という一人称のついたメールが送られてきた、もしくは送っているという人もいるかもしれません。

失礼にあたるため、使うべきではない

しかし上記にご紹介した通り、小生は自分と同等か目下の相手に使う言葉です。ビジネスメールのようなマナーが求められるシチュエーションでは、(たとえ相手が自分と同等であっても)、このような言葉は使うべきではないでしょう。相手によっては、失礼だと捉えられてしまいます。

ビジネスメールで使える一人称は?

それでは、ビジネスメールで自分を指したいとき、どのような一人称代名詞を使えばよいでしょうか?「小生」を使っている人の中には「では何を使うべきか」という悩みもあるようです。考えられる候補とその是非を以下にご紹介します。

【×】「俺」

当然ですが、俺や僕、あたし、ウチなどという言葉をビジネスメールで使ってはいけません。打ち解けた同僚同士が限界でしょう。社外の人に対して使うのはもってのほかです。

【△】「小職」

小生と似た言い方ですが、小職(しょうしょく)という言葉があります。ビジネスメールで小職を使っているという人もいるのではないでしょうか。しかし、実は小職も誤用が多い言葉の一つです。小職とは、「官職についている人が自分をへりくだっていう語」です。

官職には様々な意味がありますが、大まかには公務員のことです。小職の職とは、単なる役職のことではないのです。ですから、少なくとも民間企業に勤める方の「小職」という一人称は誤用といえます。

【△】「本職」「本官」

小職と同じく、どちらも使える人が限られる一人称です。
本職:弁護士、弁理士、司法書士など
本官:警察官、士官、裁判官、事務次官など

【○】「下名」

「下名」と書いて「かめい」と読みます。下名は「自分をへりくだって言う語」であるとともに、使う人に制限もありません。ですから、ビジネスメールに用いて問題ありません。

【○】「私」

いくつかの一人称をご紹介してきましたが、基本的には、男性も女性も「私」で問題ありません。むしろ「下名」では堅苦しい印象を与える可能性もあります。硬い内容のビジネスメールのときは、上司に確認を取った上で「下名」を、基本的には「私」を使うと考えておけばいいでしょう。

会社の教育で「小生」などを教えられる場合も

ビジネスメールでは「小生」や「小職」は誤用であること、基本的には「私」で良いことをご紹介してきました。しかし、会社の研修や教育で、メールでは「小生」「小職」「下名」を使え、「私」は使うな、と教えられた方もいるようです。

社内や関連会社の風習として残っている

これはその社内や、やり取りのある関連会社との間で風習として残っており、それが常識化しているのだと考えられます。ほかにも、官職にある人が使う言葉である「小職」が、公務員とよくやり取りする機会がある企業でも使われる、というケースもあるようです。

文化・風習には従おう

自分の所属する会社・業界の、こういった文化や風習には従いましょう。コミュニケーションにおける誤用は、相手にこちらの意図が伝わらないこと、相手が不快・失礼に思うことに問題があります。

ですから、社内や関連会社全体で、「小生」や「小職」という言葉が日常的に使われているのであれば、全く問題はありません。同じように「私」は使うなと教えられた場合は、使うべきではないということです。

「社内の常識」=「一般常識」ではない

しかしこういった場合に覚えておきたいのは、それが社内の常識であっても、一般常識ではないという事実です。ビジネスメールで普通に「小生」を使っていると、それが当たり前だと思い込んでしまいかねませんが、小生は本来目上の人に使う言葉ではありませんし、現代でよく使われている言葉でもないのです。

「小生」が社内で常識となっている言葉であっても、それをプライベートに持ち出してしまうと、周囲の人に怪訝な顔をされてしまうでしょう。

私的な手紙・メールでの「小生」

それでは、ビジネスシーンではなくプライベートな場面で用いる「小生」について、最後に見ていきましょう。小生は手紙などで「小生もつつがなく過ごしております」といった使われ方をします。また、手紙に限らずメールでも、小生という言葉が使われるケースがあるようです。

「古臭い」「自意識過剰」と思われることが多い

しかし、とくに若い人が使った場合、小生という言葉はネガティブなイメージで受け取られるケースが多いようです。

・古臭い印象を受ける
・一人称に小生を選ぶところに自意識を感じる
・プライドが高い人が使いそう

やはり、「小生」という言葉が違和感なく受け入れられるのは、年配の方が手紙などで使う場合に限られるようです。

基本的には使わない方が無難

ですから小生という一人称は、ビジネスメールに限らずプライベートでも、使わない方が無難であると言えるでしょう。使うならば、変わった一人称をふざけて使い合える、かなり打ち解けた間柄だけに留めるのがおすすめです。

重要なのは、読んだ相手がどう思うか

ビジネスメールだけでなくプライベートでも、コミュニケーションでは「受け取った相手がどう思うか」が常に重要です。どんな言葉を使うか迷ったときは、相手が自然に受け取れるかどうかを基準に考えましょう。一般的でない言い回しで相手にマイナスイメージを与えてしまうのは、お互いにとって損ではないでしょうか。

「小生」は目上には使用禁止!基本的には「私」でOK

小生の意味と使い方についてご紹介しました。小生は男性が使う言葉であるだけでなく、「自分と同等か、目下の相手」に使う一人称です。ですから、ビジネスメールでは基本的に使わないようにしましょう。しかし、社内でそのように教えられた場合は、その教育に従ってコミュニケーションを取るべきです。とはいえ、それが一般常識でないこともしっかり覚えておきましょう。

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