2016年11月29日(火) 更新

「いたす」の意味と正しい使い方

「いたす」の意味とは

「いたす」という言葉はよく使いますよね。特にビジネスシーンでよく使われますが、中には間違った使い方をしている人も多く見受けられます。
まずは「いたす」という言葉の正しい意味から説明します。

「いたす」の意味①:動詞

まず「いたす」には、動詞の意味があります。意味は以下の通りです。

(1)届くようにする。至らせる。
(2)引き起こす。もたらす。
(3)全力で行う。心を尽くす。

(2)は特に良くない結果である場合に使われます。「不徳の致すところ」という使い方もしますね。

「いたす」の意味②:謙譲語

「いたす」は「する」の謙譲語でもあります。謙譲語とは、自分のことをへりくだり、相手を立てる際に使う言葉です。ビジネスシーンでは「いたします」の形でよく使われています。例としては、「努力をいたす所存です」「ご指示通りにいたします」「話をいたします」などが挙げられます。

「いたす」は謙譲語だけでなく、丁寧語の意味も持ちます。こちらも「いたします」の形でよく使われています。たとえば「紅茶のいい香りがいたします」「あと数分ほどいたしますと、重大発表がい行われます」などですね。

「いたす」の正しい使い方

「いたす」は大人でも間違えて使用している人が多い言葉です。「いたす」の意味の次は、正しい使い方について説明しましょう。

「いたす」は「する」の謙譲語としてよく使われる

上述したように、「いたす」は「する」の謙譲語としてよく使われる言葉です。謙譲語は自分の立場を下げる時に使う言葉なので、目上の人に使うのは間違いであり、失礼にあたります。
そのため、目上の人に対して丁寧な言い方をしているつもりで「いたす」「いたします」を使っている人がいますが、実は間違った言い方をしているのです。

「どちらにいたしますか?」という聞き方は間違い!

「○○様はどちらにいたしますか?」「部長は参加いたしますか?」という聞き方は丁寧だと思いがちですが、正解は「○○様はどちらになさいますか?」です。「いたす」は謙譲語なので、目上の人には使ってはいけません。
「いたす」の正しい使い方としては、

「明日のパーティーには参加いたします」
「ご連絡いたします」
「私がいたします」
「ご一緒いたします」

などが挙げられます。

「する」という動詞の尊敬語とは

「いたす」について説明してきましたが、では「する」の尊敬語は何でしょうか。「する」の尊敬語もビジネスシーンでは頻繁に使用します。「する」という動詞の尊敬語について説明しましょう。

「いたす」ではなく「なさる」「される」が正解

「する」の尊敬語は「なさる」「される」です。たとえば、

「アイスとホットのどちらになさいますか?」
「○○部長はゴルフをなさるそうですね」
「○○課長は部下を大切にされているそうですね」
「明日の予定は、一部キャンセルになされますか?」

などのように使います。

「なさる」の方が「される」よりも敬意が高い

「なさる」と「される」はどちらも「する」の尊敬語ですが、「なさる」の方が敬意が高いとされています。付き合いのある親しい相手には「される」を使っても構いませんが、自分よりもずっと目上の人や顧客などに対しては、必ず「なさる」を使用しましょう。
迷った時は「なさる」を使えば間違いありません。

よくある間違った謙譲語の使い方

謙譲語は意外と難しく、間違った謙譲語の使い方をしている人は非常に多く見られます。間違った日本語を使う人は、社会人あるいはビジネスマンとして信用されません。よくある間違った謙譲語の使い方を紹介しますので、普段の自身の言葉遣いを振り返ってみてください。

尊敬語・謙譲語・丁寧語が混同している

尊敬語や謙譲語、丁寧語が混同してしまい、おかしな日本語を話している人は多いです。

「私がご覧になった限りでは……」という言い方の場合、主語が自分自身なのに「ご覧になる」という尊敬語を使っていますので、間違いになります。謙譲語である「拝見」を使いましょう。逆に相手に対して「拝見していただけましたか」と言う人もいますね。もちろん、間違いです。

「温かいうちにいただいてください」という言い方もよく耳にしますが、間違った使い方です。「いただく」は謙譲語なので、使うとしたら「温かいうちにいただきます」が正解です。
尊敬語は「召し上がる」になるので、「温かいうちに召し上がってください」が正しい言い方になります。

二重敬語になっている

知らないうちに使ってしまっている人が多いのが、二重敬語です。
たとえば「本部長がお見えになられました」「○○様がおっしゃられたのは……」「何日頃お戻りになられますか」などです。
「られる」は尊敬の助動詞です。すべて「お見えになる」「おっしゃる」「お戻りになる」という尊敬語にくっついているため、二重敬語になっています。

シンプルに「本部長がお見えです」「○○様がおっしゃったのは……」「何日頃お戻りになりますか」などの言い方が正解です。

ちなみに、尊敬の助動詞「られる」は可能や受け身の意味もあり、誤解を招く恐れがあります。なるべく尊敬の意味での「られる」の使用は避けた方がいいでしょう。

好印象を与える「いたします」と「させていただきます」の使い分け方

仕事中、特にメールを作成している最中に「いたします」と「させていただきます」のどちらが文章として適切か、悩んだ経験はありませんか?
最後に、好印象を与える「いたします」と「させていただきます」の使い分け方について説明しましょう。

相手が目上の人・謙虚な姿勢を見せたい時は「いたします」

メールの相手が目上の人だったり、あるいは謙虚な姿勢を見せたい時には「いたします」を使うと、すっきりとした文面になるでしょう。会話においても同様です。
たとえば、「この案件に関しては配慮させていただきます」よりも、「この案件に関しては配慮いたします」の方がすっきりした印象を受けますよね。

「お問い合わせの質問に関して回答させていただきます」というような文章も、「お問い合わせの質問に関して回答いたします」の方が読みやすいでしょう。「検討させていただきます」も少々回りくどいと感じる表現です。「検討いたします」とした方が言い切る感じになり、強さを感じますよね。

許可を得るニュアンスを含む時は「させていただきます」

「させていただきます」は、許可を得るニュアンスを含む時に使うと良い文章になります。
たとえば、「僭越ながらごあいさつさせていただきます」「ご出席させていただきます」「ぜひ、やらせていただきます」などは良い例でしょう。

「させていただきます」は便利な言葉ですが、どの場面でも使えるわけではありません。文脈やニュアンスをよく考えた上で、「いたします」か「させていただきます」かを決めましょう。

「いたす」は謙譲語なので自分にしか使わない!「~いたしますか?」は間違い

謙譲語と尊敬語のどちらを使うべきか悩んだときは、主語にあたるのは誰かを考えましょう。基本的に自分が主語である、自分が動作の主体である場合は謙譲語を使います。相手が主語である時に尊敬語を使用してください。

「いたす」は謙譲語であるため、目上の人やお客様には使わないように注意しましょう。「~いたしますか?」という言い方はよく耳にしますが、間違いなのですぐに使うのは止めてください。正しくは「~なさいますか?」です。

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