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2017年12月01日(金) 更新

「一時金」「賞与」の違いと春闘での考え方【企業・労働組合別】

「賞与」と「一時金」の違いは?

「賞与」と「一時金」の違いは何でしょう。そもそも「一時金」とは何のことなのでしょうか。
会社に勤めている人ならば、自分が貰える一時金と言えば「ボーナス」、あるいは「賞与」と思い当たりますよね。

一時金とは、言葉を替えれば「ボーナス・賞与」と同じものとなります。しかし、春闘においては見ると賞与と一時金の間には違いがあります。
「賞与」とは呼ばず、「一時金」と言うのには理由があるのです。ここでは賞与と一時金の違いを見てみましょう。

賞与とは景気や業績が良い時に支払われる「特別手当」のこと

「賞与」と「一時金」は、貰う側にとっては同じものですが、春闘においては意味合いが全く違います。
まず、「賞与」というのは企業の業績が好転した時や、社会的に景気が確実に上向きと判断された時に、その分析結果に基づいて与えられる「特別手当」のことです。

「賞与とはあくまで企業側の都合によるもの」と考えると、わかりやすいでしょう。

一時金とは従業員の生活のために支払われる「補償金」のこと

「賞与」に対して「一時金」とは、賞与とは違い、企業の業績に関係なく、従業員の生活のために夏と冬に支払われる補償金のことです。従業員が安定した生活を送れるようにと、出費が多くなる夏と冬の二回に支払われるようになっています。

春闘で重要なのは「賞与」ではなく、この「一時金」です。

春闘における企業と労働者組合のそれぞれの考え方

一時金と賞与の違いは、分かっていただけたと思います。
賞与とは企業の業績に関するもの、一時金とは労働者の生活のための補償金です。

春闘においては、「賞与」ではなく「一時金」が重要となります。春闘とは、労働組合が企業を相手取って、基本給と一時金のアップを交渉するものです。
春闘では、企業と労働者組合はそれぞれどういったことを目指して交渉するのでしょうか?

企業はベア(基本給アップ)よりも一時金の要求を受け入れたい

一時金とは、基本給に対して何カ月分増しで支払われるか、という考え方です。あくまで基本給に対してですので、例え手取りが多くても、そこに家族手当や精勤手当や残業手当など、あらゆる手当がついている場合には、すべて除外して考えることになります。

大切なことは、基本給が高い方が一時金もそれだけ多く貰えるということです。

つまり、企業が「ベア(基本給UP)」の要求を飲んでしまうと、社員の基本給が全体的に上がります。これは毎月の人件費が大きく増えることを意味する上に、一度上げた給与は下げることはできないのです。

従って来年度以降のことを考えると、人件費を上げるよりも今年の要求分はすべて「一時金」でカバーしてしまおう、と考える企業も多くなります。

労働者側は一時金よりもベアの要求受け入れを望んでいる

「ベア」は「ベースアップ」、つまり基本給を上げる交渉となります。基本給が上がれば一時金もそれだけ多く貰えることになります。
企業側としては、ベアか一時金かという選択を迫られることになるのです。もちろん労働組合側はベアを望む人の方が多いようです。基本給が上がれば一時金も額が上がるので、当然と言えば当然ですね。

春闘での交渉時にはベアに時間を割く

春闘では「ベア」が決まった時点で、ほぼ「一時金」も確定したようなものとなります。
従って、交渉の内容もまずは付帯要求から入り、一番難関の「ベア」で時間をとり、そこで企業の方向性を見定めて最終段階の「一時金」交渉となります。
交渉内容が「一時金」となった時点で、ほぼ春闘の先が見えてきたと言って良いでしょう。

賞与とは特別手当であり春闘では補償金である一時金が論点となる

賞与と一時金の違い、そして春闘における一時金の考え方について説明しました。
賞与とは特別手当であり、一時金は補償金です。似ていますが、それぞれ概念が違います。一時金は基本給を元にして金額が決定します。
春闘では賞与ではなく一時金と、そしてベア(基本給アップ)が論点になります。ベアを企業が受け入れて、基本給が上がれば一時金も増えるので、労働者側はベアの交渉に時間を割くというわけです。

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