2016年12月07日(水) 更新

業務委託の仕事で源泉徴収票が発行されないときの対応方法

給与所得者の給与は「源泉徴収票」で業務委託の報酬は「支払調書」

一般に源泉徴収票とは、給与所得者の方が一年分の給与と各種税金の納めた金額をまとめたもので、12月頃に支給されます。一方、支払調書とは主にフリーランスや個人事業主の方が業務委託で仕事をした際に、業務委託の報酬とそこから天引きされた税金を示す書類です。これはフリーランスの方が確定申告をおこなう際に、報酬額と納税額を証明するために非常に重要な書類で、裏付け書類として税務署に提出します。

支払いをした側が税務署に提出する支払調書もある

この「支払調書」という言葉ですが、報酬の支払いをした側が税務署に提出する支払調書もあるので、混同しないように注意してください。支払いをした事業者は、その明細を記載した支払調書を税務署に提出します。これは、支払いを受けた側が、それをしっかり申告しているかどうか確認できるようにするためです。
以降この記事で用いる「支払調書」とは、支払いをした側から、報酬を受け取った側に発行されるものを指します。

業務委託でも源泉徴収されるケース一覧

源泉徴収票とは上記の通り、一般的には「給与」を受け取った人に、天引きした所得税などを知らせるものを言います。しかし、業務委託のため源泉徴収票は発行されなくとも、源泉徴収がおこなわれることが義務であるケースが法律で定められています。それは以下のようなケースです。

◆原稿料や講演料、デザイン料など
◆弁護士、公認会計士、司法書士などの特定の資格を持つ人に支払う報酬・料金
◆社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
◆プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金
◆芸能人や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金
◆ホテル、旅館などで行われる宴会などにおいて、客に対して接待を行うことを業務とする、いわゆるバンケットホステス、コンパニオンや、バーやキャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬・料金
◆プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
◆広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

上記の業務委託では源泉徴収票の代わりといえる支払調書が受け取れる

上記のような業務委託の報酬・料金については、雇い主側が必ず源泉徴収で所得税を天引きしなければなりません。これらに当てはまる方は報酬が支払われた際に、同時に報酬と徴収された税金が記載された支払調書を受け取ることができます。給与ではないので源泉徴収票ではありませんが、源泉徴収された金額を確認できます。

上記のケースにあてはまる業務委託でも源泉徴収が不要なケースがある

しかし注意しなければならないのは、上記にご紹介したような業務委託でも、源泉徴収されない場合がある点です。それは、報酬を支払うのが「源泉徴収義務者でない」場合です。「源泉徴収義務者でない」人とは、以下のような個人です(なお、法人はすべて源泉徴収義務者)。

①常時2人以下のお手伝いさんなどのような家事使用人だけに給与や退職金を支払っている人
②給与や退職金の支払がなく、弁護士報酬などの報酬・料金だけを支払っている人

たとえば、本来デザイン料を支払う場合は源泉徴収が必要ですが、給与や退職金を支払っていない個人が、デザイナーにデザインを依頼した場合に支払う料金では、源泉徴収の必要はないのです。(なお、ホステス等への報酬・料金だけは、源泉徴収義務者でなくても源泉徴収が必要です)

業務委託で仕事をした際の支払調書は大切に保管しよう

ですから、自分がした仕事に支払われた報酬は、源泉徴収されているのか、いないのか、時間が経つとわからなくなってしまうケースがあります。そんなとき、後で見返せばすぐにわかる書類が必要です。業務委託では源泉徴収票は発行されません。その源泉徴収票の代わりに必要になるのが、支払調書なのです。業務委託で仕事をした場合、支払調書を受け取るケースが多いですが、これは大切に保管しておきましょう。

慣習として支払調書が発行されてきたが、発行しないケースも増えてきた

しかしこの支払調書は、報酬を支払う相手に対しては発行する義務がありません。ですがフリーランスなどの業務委託の際には、報酬を支払う側が支払調書を発行しているケースが多いです。これは慣習のようなもので、本来税務署にだけしか書類の提出義務はありませんが、配慮としてフリーランス側にも発行しているのです。もしもらえていない場合は、一度発行できないか交渉してみましょう。

しかし義務ではないのですから、この支払調書がフリーランス・個人事業主側に発行されないケースも増えてきているようです。これは源泉徴収しているかどうかには無関係です。この場合、もちろん源泉徴収票もありませんから、源泉徴収があったかどうか、自分で判断しなければなりません。

支払調書をもらえない場合も、自分で源泉徴収の有無を判断できる

上記のような際には、どのようにして源泉徴収の有無を確認できるでしょうか。取引先に確認することもできますし、振り込まれた報酬額から逆算して、自分で源泉徴収の有無を算出することもできます。その方法を2つ、以下にご紹介します。

方法①:相手が源泉徴収義務者かどうかを確認

相手が源泉徴収義務者かどうかを確認するという方法があります。当然、相手が義務者であれば源泉徴収されています。確認の方法は上記にご紹介した通りで、相手が法人かどうか、誰かを雇って給与を支払っているかどうかです。

方法②:請求金額と支払金額を確認

請求した金額と、実際に振り込まれるなどして受け取った金額を比べれば、源泉徴収の有無が確認できます。金額が正確かを確認するためにも、一度計算してみるといいかもしれません。源泉徴収される金額には、「所得税」と「復興特別所得税」がありますが、支払金額や業務委託の内容によって税率が変わるので注意が必要です。
例として、原稿料や講演料、弁護士や税理士への報酬、専属契約などの場合の税率をご紹介します。

◆支払金額が100万円以下の場合
支払金額×10.21%

◆支払金額が100万円を超える場合
(A-100万円)×20.42%+102,100円

業務委託の契約の際に源泉徴収の有無を確認しておくのがおすすめ

後々になってこういった確認が必要になる場合がありますから、日々の帳簿付けを正確におこなうのは重要です。また契約の際にも源泉徴収の有無など細かい税務処理を事前に確認しておくとよいでしょう。これからはクラウドソーシングでの個人同士の業務委託が増えていくことが予測されるため、フリーランス・個人事業主の方は自身の報酬と源泉徴収の有無の管理は必須の作業となります。

源泉徴収されている場合も必要経費などは計算に含まれていない

最後に確定申告の際のポイントを一点ご紹介します。もし業務委託の報酬で源泉徴収されていたとしても、これには本来必要経費などの形で控除できていたはずの金額も含めて計算されています。このため、本来の課税金額よりも多く源泉徴収されている可能性があるのです。この場合は、収入と経費を改めて計算して確定申告することで、還付が受けられます。

業務委託で源泉徴収票がない時は支払者に「支払調書」を求めよう!自分で計算も可能!

源泉徴収票の代わりになる支払調書を、業務委託先のフリーランス・個人事業主に発行する慣習はまだ残っていますが、これは義務ではないため、発行されないケースもあります。支払者に発行を求めることもできますが、それもできない場合は自分で計算する必要があります。そうならないために、源泉徴収票を受け取れないフリーランス・個人事業主の方は、日々丁寧に帳簿をつけておく必要があります。

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