2016年11月29日(火) 更新

VMS「垂直式マーケティングシステム」3種類の意味

生産性と利益率の向上が目的の垂直式マーケティングシステム

まず、VMS(垂直式マーケティングシステム)の意味について説明します。VMSとは「VerticalMarketingSystem(垂直式マーケティングシステム)」の略語で、「製造から販売までの流通を一本化し、総合的にマネジメントすることで、生産性や利益率を向上させること」という意味があります。

ばらばらな流通経路を一本化して効率を良くする

従来、流通経路は、個々の生産者、卸売業者、小売業者それぞれが自前で持っていました。VMS、すなわち垂直式マーケティングシステムでは、生産・卸売・小売すべての段階の流通を統合・一本化することで、それぞれが自前で行うよりも効率のよい流通経路を作る意味があります。垂直式マーケティングシステムの「垂直式」とは、川上産業(清算)から川下産業(小売)まで統合・一本化しているという意味です。

生産から小売りまでの流通を自社で行う企業型VMS

VMS(垂直式マーケティングシステム)には、3つのタイプがあります。まず一つ目が「企業型VMS」です。これは、生産から小売りまでの一連の流通すべてを自社で行う垂直式マーケティングシステムです。自社内での活動なので、各流通段階を完全にコントロールする意味があります。

中間マージンを節約して低価格を実現している

企業型VMSの代表例は、イケアや二トリです。生産から小売に至るまでの流通の効率性を高める垂直式マーケティングシステムで、低価格を実現しています。この垂直式マーケティングシステムの最も重要な意味は、全ての流通を自社で行い、中間マージンを徹底的に節約することです。

大手の下に下請が集まり流通システムを構築する管理型VMS

二つ目が「管理型VMS」です。その業界の大手の下に下請企業が集まり、一つの流通システムを構築するという意味です。シェアが高い会社や、強いブランドを持っている企業がリーダーになることが多い垂直式マーケティングシステムです。

必要なものを必要なときに必要なだけ生産して無駄を省く

管理型VMSを採用している企業の代表例は、積水ハウスなどのハウスメーカーやトヨタなどの自動車メーカーです。これらの大企業のもとに、部品会社や販売会社などがいて、リーダーであるハウスメーカーや自動車メーカーと流通網を一にしています。この垂直式マーケティングシステムにおける最も重要な意味は、トヨタ式と呼ばれる生産方式に代表される、ジャスト・イン・タイムな生産で無駄をなくすことです。

各々独立した企業や店舗を結びつける契約型VMS

VMS(垂直式マーケティングシステム)の三つ目のタイプは「契約型VMS」です。契約型VMSの意味は、「一つ一つは独立した企業・店でありながら、契約によって結びつくことで、単独では実現できない販売網や流通経路を作り上げるシステムのこと」です。

ネームバリューやブランド力で売り上げを向上させる

この垂直式マーケティングシステムの代表例は、コンビニや飲食店などのフランチャイズ契約やチェーン店契約です。コンビニの場合、一つ一つの店舗には店長や持ち主がいるのですが、セブンイレブンなどの大企業と契約することで、その会社の流通網を使って商品を仕入れることができます。契約型VMSには、自分で卸売会社から仕入れるよりも、商品の種類が豊富になるなど仕入れを効率化する意味があります。また小規模な店の経営者にとっては、大企業のブランド力を借りることにより、売上アップにつながる意味が大きいです。

VMSは3種類あり流通の一本化による流通コスト節約・過剰生産防止を共通の目的としている

以上が、VMS(垂直式マーケティングシステム)の意味と活用法についてです。垂直式マーケティングシステムには3つのタイプあり、それぞれに違った意味があります。しかしそれらすべてのVMSが、流通の一本化により、流通コストの節約や過剰生産の防止など、効率的な流通を目指す意味では共通しているのです。

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