2016年12月12日(月) 更新

無担保社債とは?発行におけるメリットとそのリスク

「社債」とは事業会社が発行する有価証券

債券は、社会的に一定の信用力のある発行体が資金を調達する場合、金銭債権の貸付条件を券面上に明記して発行する有価証券のことをいいます。広義にはペーパーレスも含みます。主な発行体は国、地方公共団体、政府関係機関、特殊金融機関及び事業会社です。このうち事業会社を発行体とする債券を社債と呼びます。

社債はオプションや担保の有無などで様々な種類に分けられている

事業会社が発行する社債にはいくつか種類があります。普通社債、新株予約権付社債、転換社債型新株予約権付社債(コンバーチブルボンド)などです。そして、これらの社債は下記のような点で分類されます。

・オプションの有無
・債権者名義の管理の有無による区別(記名・無記名)
・募集の仕方による分類(公募、私募)
・担保の有無による分類
・利払方式による分類(固定利付、変動利付、割引債)

このうち担保の付されている社債を、担保付き社債、付されていない社債を無担保社債といいます。

無担保社債とは担保が設定されていない社債

無担保社債は、担保が設定されていない社債のことをいいます。現在発行されているものについては、無担保社債が主流となっています。なお、無担保社債は債務不履行になった場合、弁済順位が上位に来るわけではないので、額面金額や利払いは保証されません。そのため、投資家保護の観点から、公募債については社債管理会社の設置を義務付けています。

事業会社が発行する担保付社債は2種類ある

一方、担保付社債には、一般担保付社債と物上担保付社債があります。一般担保付社債とは、社債の発行会社の全財産によって優先的に弁済される権利が付されている債券です。電力債、NTT債、JR債などがあります。物上担保付社債とは、発行体が保有する土地・工場・機械設備・船舶などの特定の物的財産に担保が付けられている債券のことをいいます。では、無担保社債を発行するメリットは何なのでしょうか?

無担保社債を発行するメリットは高利回り

無担保社債を発行する最大のメリットは、この低金利時代における高利回りです。利回りは格付けにもよりますが、近年ではソフトバンクが利回り2.13%の個人向け無担保社債を発行し、投資家の注目を集めました。S&P格付けがBB+(投機的要素あり)で決して安心というわけではなく、当然デフォルトリスクを考えなくてはいけませんが、2%を超える利回りは大きいです。

償還日があるため株式よりも安全性が高い

社債は期限が設けられており、満期になれば全額返済しなければいけません。いずれは全額償還されるため、株式よりも安全性が高いといえます。投資家や買い手の選定にある程度の基準を設ければ、償還日にしっかり回収できるでしょう。無担保社債は利回りが高いでなく、株式よりも安全性が高いメリットがあります。

無担保社債は債務不履行のリスクがある

無担保社債は、担保が付されていないのでデフォルトの危険があります。過去においてさまざまなケースを見てみると、2001年に経営破綻したマイカル、日本航空(2010年)エルピーダメモリー(2012年)、武富士(2010年9月)などの時には、最終的に投資家の手元に戻ったのは額面(元本)の10%~30%程度でした。注意しなければならないのは、経営破たんの半年ほど前まですら、格付けが意外と高い水準にあることです。こういったデメリットについても押さえておかなければいけません。

無担保社債を発行するメリットは高利回り・安全性だが債務不履行のリスクも生じる

無担保社債の発行において生じるメリットとリスクについて説明しました。事業会社が発行する無担保社債は、今や社債市場の主流になっています。海外では弁済順位が極端に低い劣後債や、格付けが投機的水準のジャンク債が高い利回りから人気を集めています。今後、日本でもこうした無担保社債が流通するようになるでしょう。投資格付けの高い社債は当然のように利回りは低くなります。よりリスクと高利回りを追求したいなら、投資家にもリスク感覚が求められます。

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