2017年11月13日(月) 更新

「英知」と「叡智」の意味と使い方の違い

叡智は哲学用語で最高の認識力を意味する

英知と叡智の意味の違いについて見ていきましょう。では最初に叡智の意味を解説します。叡智とは哲学用語で、真実や真理を捉えることのできる最高の認識力を意味します。転じて一般的にはすぐれた知恵と深遠な知性という意味で使われます。つまり叡智とは、物事を将来まで見通す力と世の中に役立つ様々な技術・知恵の双方を兼ね備えた能力の意味を指します。

叡智の「叡」は会意文字

叡智の語源です。叡智の「叡」は会意文字であり、分解すると、左辺が「肉をそいだ後の骨の象形と右手と目の象形」と右辺が「左右にせまる谷」の象形から成り立っています。人骨を右手に持つとは、古代の賢者である宗教家の象徴であり、谷を深くえぐるように物事を深く見通す目を持つ賢者という意味になります。

叡智の「叡」は「かしこい・聡明」を意味する

叡智という言葉の使われ方です。叡智の「叡」は「かしこい、聡明なこと」を意味し、「物事を深く見通す目」「人間性・性格・意識・行動が他の人より秀逸である」という意味でも使われます。また古来中国では、天子の行いの上にそえて尊敬の気持ちを表す語(例:叡覧)という意味でも使われました。

「頭の働きが鋭く・知能にすぐれている」という意味でも使われる

また叡は「頭の働きが鋭く、知能にすぐれている」という意味でも使われます。古代中国では「王に替わり神に祈る宗教家の間に、神の姿が現れる」ことを意味していました。今より科学技術が進んでいない古代では、人々は自然の森羅万象を恐れており、宗教家の力は絶大でした。つまり「叡智」とは人間の力の及ばない心理を見通す目という意味を持つのです。

英知は叡智に違いはなくほぼ同じ意味で使われている

英知の意味について解説します。英知は「深遠な道理をさとりうるすぐれた才知」とされており、ふたつに違いはなく叡智とほぼ同じ意味で使われています。ただし、叡智というと、心理を見通す神の力といった深遠な意味あいが強くなり、一般的には「英知を結集したテクノロジー」といった意味の使われ方の方が多いようです。

意味に違いはなくても叡智と英知の使い分けで豊かな表現が可能

叡智と英知の違いと使い分けです。叡智と英知に特別な違いはなく、ほぼ同じ意味ながら、微妙なニュアンスが異なっています。これをきちんと把握していれば、より豊かな文章表現やコミュニケーションが可能となります。例えば、人間の人知が及ばない事柄については「神の叡智」といった方が「神の英知」といった表現より適切です。

英知と叡智の意味は同じだが使い分けることで文章表現やコミュニケーションに違いがでる

「英知」と「叡智」の意味と使い方の違いについて見ていきました。いかがでしたか?叡智の意味と使われ方や語源、英知の意味の違い、叡智と英知の使い分けの違いを中心に解説しました。叡智と英知の意味の違いのように、日本語にはほとんど意味の同じ表現でも、微妙に異なる類語が数多くあります。微妙な違いを使い分ながら、表現するのが日本語のハイコンテクストの特徴となっているのです。

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