2020年06月23日(火) 更新
【通信サービス業界の仕事内容とランキング】取得おすすめ資格も紹介
目次
就活生の持つ通信サービスのイメージは?
通信サービス=電話会社
通信サービスのイメージについてアンケートをとったところ、「電話会社(通信事業会社)」と回答した方が全体の54%と最も多く、「IT関連」と答えた方が34%という結果になりました。
おそらく多くの方が通信サービスと聞くと、このどちらかを選択するのではないでしょうか。この記事では、そんな通信サービスの仕事内容などについて、説明していきます。
通信サービス業界とは?
固定通信・移動通信サービスの提供を行なう
通信サービス業界は、固定通信・移動通信サービスの提供をおこないます。固定通信とは、固定電話やIP電話、公衆電話など、その言葉のとおり、固定された環境で通信サービスを行なっています。
携帯電話の普及により、固定電話を置く家庭や公衆電話が減っているため、今の学生には馴染みがないかもしれません。家庭では固定電話は減少傾向にありますが、企業にはまず固定通信があります。
一方、移動通信とは、携帯電話に代表されるような通信サービスのことを指します。その他にも、専用線といわれる、いわゆるインターネットサービスのデータ通信もあります。
こちらは、高速通信など家庭での需要も増えています。専用線でも、固定通信と移動通信のサービスに分けられます。現代には欠かせない業界なので、市場規模も大きく、今後の見通しも明るい予想が立てられています。
情報処理・加工も仕事
通信サービス業界は、通信サービス以外に情報処理や加工も仕事です。情報の伝達を行なうわけですから、情報処理や情報提供のサービスが欠かせません。
また、インターネットでは、附随する事業の中で、情報を加工することも行ないます。情報を加工する仕事としては、映像、音声、文字等の情報の加工を行ない、利用の環境を整えることなどがあります。
特に、現在はインターネットなどの情報通信サービスを通じて、不特定多数に向けて大量の情報を伝達するため、情報処理と加工の技術が重要といえます。一般的には、インターネットに付随したサービスや、情報処理サービス、ソフトウェア業務を目的とした、情報処理・加工サービスを主に行なう企業も情報通信業に分類されます。
会社によって仕事内容はさまざま
情報の伝達の仕事内容は、映像・音声・文字などの情報伝達するための設置や運用を行い、情報の処理の仕事内容は、プログラムの作成を行ったり、処理を行う情報を収集・加工して顧客の求めるものを提供します。
そして、情報の加工の仕事内容は、映像・音声・文字などの情報を加工して、新聞・雑誌・ラジオなどの媒体に発信します。このように、通信サービス業界はさまざまな種類に分類され、各仕事内容は似通っている部分もあります。
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通信サービス業界ランキングと企業詳細
通信業界も事業は多岐に渡りますので、企業によって仕事内容は様々です。通信サービス業界の売上高ランキング(Ulletによる)では、上位は学生にも馴染み深い企業が並びます。
しかしながら、4位以下に転じると、様々な企業や聞きなれない企業も増えています。それだけ、通信サービス業界と一口にいっても、広い事業展開であることがわかります。
ランキングでは、インターネット附随サービス事業、ソフトウェア事業、放送業などが上位を占めています。
日本電信電話
Ulletによる通信サービス業界の1位は、日本電信電話株式会社です。売上高は約12兆にせまり、日本を代表する企業といって過言はないでしょう。通信サービス業界のガリバーであり、NTTといった方が馴染み深いでしょう。元々は、1985年に電電公社が民営化されて誕生した企業です。そのような経緯から、地域固定電話網を独占しており、移動・固定の回線で高シェアを誇っています。国内の回線は飽和状態になることを見越して、海外へも積極的に事業を拡大しています。新社長は国際経験が豊富なため、今後も海外展開への事業展開は加速することが予想されています。主要な子会社には、NTTドコモから始まり、NTT東日本やNTT西日本など100社程度あります。持株会社としての採用は、研究開発職しか行なっていないのが、特徴です。
ソフトバンクグループ
2位は、ソフトバンクグループです。ソフトバンクグループは、日本とアメリカにおいて、携帯通信サービスを展開しています。固定通信と移動通信両方のサービスを行なっています。傘下にはヤフーやイギリスのARM、持分には中国のアリババもあります。通信サービス事業では、2006年にボーダフォンを買収したことにより、国内の携帯電話事業に参入してきました。2013年には、アメリカ4位のスプリントを買収しました。国内の携帯電話事業では、NTTとKDDIに次ぐ3位です。日本2017年3月には、日本通信に回線提供して、相互接続を開始しています。NTTとの大きな違いは、成果主義を徹底しているところでしょう。本業の形態も10年スパンで変化しており、チャレンジ精神あふれる社風です。
KDDI
3位は、KDDIとなっています。携帯電話事業では国内2位で、子会社の沖縄セルラー電話で高シェアです。2017年1月には、ビッグローブを完全子会社化しています。携帯と光回線を展開していますが、金融決済などの非通信分野が好調です。モバイル事業の子会社の格安スマホの契約者数が伸びていますが、一方でauブランドの契約者数は減少しています。現在は、通信企業からライフデザイン企業への変化を模索中です。非通信分野では、金融では生命保険や損害保険、住宅ローン、金融以外でも、日用品販売など多様なサービスを展開しています。IOTの普及を見据えて、この分野にも力を入れています。その事業では、日立製作所やNECと共同で研究開発を進めていきます。
NTTドコモ
4位のNTTドコモは、携帯電話事業サービスで、国内首位です。NTTの携帯通信子会社となっています。NTTグループの中核を成しています。営業利益は実にNTTグループの6割を稼ぎ出しています。携帯電話事業サービスの国内のシェアも4割を超えています。同業他社同様に金融決済など非通信事業も好調で拡大中です。ポイントシステムも携帯ユーザー以外のdポイント会員獲得に注力しています。他社との提携も多く、「+d戦略」を推進して、ドコモの通信機能の付加価値を提供しています。MVNOといわれる、仮想移動体通信事業者に対しては、主にNTTドコモが通信サービスを提供しています。今後は第5世代移動通信システムの開発で通信業界を牽引していくでしょう。
エヌ・ティ・ティ・データ
5位はエヌ・ティ・ティ・データです。NTT傘下で国内システム開発専業系では、最大手ですが、ITサービスとしては、富士通、NEC、日立製作所に次いで4位です。この分野は、世界的にも各社しのぎを削っています。トップのIBMですらシェアは7%で、エヌ・ティ・ティ・データも2%で世界8位です。上位10社合わせても4分の1のシェアにしかならず、競争が激しいといえます。エヌ・ティ・ティ・データの特徴は、NTT系ということもあり、官公庁の大型案件に強みがあることです。システムの開発から企画・開発・保守まで手掛け、最近では海外への展開を主軸にしています。企業買収も積極的に行ない、海外売上比率は3割を超えています。将来的には、5割を目指しています。
通信サービス業界に向いている人は?
通信サービス業界に向いている人はどのような人でしょうか。ここでは、3点のポイントをあげます。
1点目は、「変化にいち早く対応できる人」です。情報革命は、変化が早いからです。2点目は、「常に学ぶ意思のある人」です。変化に対応するには、常に向上心を持ち続ける必要があります。
3点目は、「地道な作業を苦としない人」です。通信サービス業界の業務は多岐に渡ります。地味な仕事でもコツコツこなす役割を担う人も必ず必要になります。
変化にいち早く対応できる人
現代は日進月歩で科学技術が発展しています。特にITに関連する業界には、素早い対応力が求められます。
変化への対応が遅れるとあっという間に、おいていかれます。豊かな未来を実現するためには、今後もこの分野の発展は欠かせません。変化にいち早く対応できることとともに、その変化を楽しめる人物が求められます。
例えば、NTT東日本の求める人材像は、ズバリ「変えることを楽しみ、情熱と意志を持って行動できる人」となっています。
その他の企業でも「変革」や「新しい仕組みや価値」などの言葉が並びます。ソフトバンクに至っては、企業理念に「情報革命で人々を幸せに」とあります。変化に柔軟に対応しながら、その変化自体を楽しみ、チャンスととらえるくらいの気概が必要な業界といえるでしょう。
常に学ぶ意思のある人
技術の発展には、常に学ぶ姿勢が求められるでしょう。通信サービス業界全体の流れは大変早いものです。
特に光回線の分野では、ここ数年で8割を超える契約者数になっています。NTTドコモなどでは、光コラボレーションの通信事業者の設備から自宅までを光ファイバーでつなぐアクセス方式、いわゆるFTTHにビジネスモデルを転換しました。
「転用」は一巡し、「新規」は今も堅調に伸びています。このように変化する中で、対応力だけではなく、常に新しいものを学ぶ意思のある人が求められます。
今後は、海外展開やNTTドコモに代表されるような他業種への進出も進んでいきます。向上心を持って、学ぶ姿勢があれば、新しいビジネスモデル展開の中でも活躍できるでしょう。
地道な作業を苦としない人
通信サービス業界の中でも、地道な作業が発生します。特にITサービスに関連する場合、システムの新規立ち上げから、開発・保守に至るまで幅広い作業を地道に一つ一つ積み上げていく作業もあるでしょう。
既存システムの更新やメンテナンス作業と共に、クラウドを活用した新サービスの台頭などもあります。現在、人材不足にも悩まされています。システムやクラウドに精通し、地道に顧客の抱えている問題を解決していかなければなりません。
人材難だからこそ、逆に学生はチャンスと考えてもいいかもしれません。レッドオーシャンよりも、ブルーオーシャンで人とは違う視点で業界を見ることをおすすめします。地道な作業を苦としないような、粘り強い学生に向いているといえるでしょう。
通信サービス業界で活かせる資格は?
通信サービス業界で活かせる資格はどのようなものがあるでしょうか。IT関連のスキルも要求されることもありますので、情報処理系の資格などがあります。
また、通信サービス業ならではの資格もあります。専門性の高い、線路主任技術者や伝送交換主任技術者から電気通信主任技術者のような難易度の高い試験もあります。
さらに、現在では、通信サービス業界も英語力を活かすフィールドが増えてきていますので、TOEICなどのスコアを上げるの良いでしょう。
電気通信主任技術者
電気通信主任技術者とは、一般財団法人日本データ通信協会が行なっているICTプロフェッショナル国家資格です。
ICTとは、情報処理および情報通信に関連する技術・産業・設備・サービスなどの総称です。この国家資格を取得すると、電気通信ネットワークの工事、維持及び運用の監督責任者になることが可能です。
試験の難易度が高いため、電気通信主任技術者の資格を取るのは、電気事業者や電気工事会社に勤務する20~30代の実務関係者が多いようです。資格手当制度がある企業では、資格手当が支給される場合が多いのではないでしょうか。
電気通信主任技術者規則によれば、当該認定の基準とした科目の単位の修得状況を確認することにより申請により、試験のうち電気通信システムの試験科目の試験を免除する認定校もあります。
通信業界の業界・企業研究を進めよう
通信業界で働きたいという就活生は、仕組みや各企業について把握することが大切です。
業績推移や各社の強みを知っておくことで、「この企業でなければならない」という入社意欲を志望動機に反映させることができるでしょう。そこでおすすめなのが「通信業界大研究Book」です。
NTTグループやその他企業の特徴やトピックスに目を通して理解を深めましょう。無料でダウンロードできるため、効率的に業界・企業研究を進めたい就活生におすすめです。
TOEIC
今後、通信サービス業界も英語力が問われます。TOEICなどの勉強を今のうちからしておくことをおすすめします。
最大手のNTTの成長を牽引しているのが海外事業です。NTTグループに限らず、KDDIではミャンマーなど海外が堅調に伸びています。
ソフトバンクグループはもっと顕著です。海外への積極的な出資が目立ちます。世界展開の中で、現地企業と協力した方針をとっています。そのような中で、英語力はますます必然性を高めていくでしょう。
すでに外資企業や新興の大企業では、英語が話せて当たり前という企業も増えてきています。TOEICであれば800、900点は当然持っている学生や留学生の採用などもあるでしょう。もちろん、面接を行なって人物本位で採用をしていくでしょうが、ソフトバンクなどは、AIも活用した採用の実証研究を進めています。今後の動向が見逃せません。
通信サービス業界の仕事の魅力・やりがい
最先端の技術に触れてスキルを磨けるのが魅力
通信サービス業界は最先端の技術に触れ、スキルを磨けるのが魅力です。常に新しいものを追いかける通信サービス業界だからこそ、スマートフォン・タブレット・PCなどの最新機器に関われ、最先端のネットワークサービスに触れながら仕事ができるのです。
また、通信サービス業界は景気に影響を受けず、常に求人の多い業界であるため、経験を活かしたステップアップができます。最先端の技術・サービスに触れながら仕事をして、スキルを身につけることで、長期的に就職・転職を見込めるのも魅力でしょう。
「社会を支える仕事」というやりがい
通信サービス業界は、一大変革期を迎えながら新たなインフラを築き、社会を守り続けていく仕事です。日常生活の基盤となりビジネスにも密着しているため、通信サービス業界は必要不可欠な存在といえます。そのため、人々の社会生活を支えているというやりがいがあるでしょう。
また、特に技術職で何かを作り上げることが仕事の人たちは、自分のスキルアップに余念がありません。自分たちの技術や実力で何かを作り上げることが、モチベーションにつながり、やりがいを感じるのです。
通信サービス業界は固定通信・移動通信サービスの提供を行なう!業界研究を徹底させよう
通信サービス業界は、今や情報化が進んだ現代社会になくてはならない存在です。また、目まぐるしい速さで科学技術が進歩していく分野の産業でもありますので、現状に留まることなく、技術や価値を更新していくことも求められています。
固定通信・移動通信のサービス提供を行うことを核としながらも、他方面で事業展開を行うことも多く、各企業によって、強みや事業展開の方向性などの違いもあります。
新たなサービスや事業を起こすことで活路を見出そうとしている企業もあります。今後も、既存の価値にとらわれない事業展開が見込まれる業界です。
業界研究を徹底して、求める人材についても理解を深めておきましょう。企業研究を進める中で、自分の志望する企業を掘り下げていくのが良いでしょう。
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