2019年10月15日(火) 更新

非鉄業界の現状と今後の展望|基本情報や課題から見る将来性など企業研究に役立つ情報を紹介

非金属業界について詳しく知る就活生は少ない!

キャリアパーク会員の就活生を対象に「非鉄金属業界は今後どうなると思いますか?」というアンケートを実施しました。まずは回答の一部をご覧ください。

就活生の声

  • 分かりません
  • 分からない
  • わかりません

■調査方法:キャリアパーク会員へのダイレクトメール
■調査日時:2017年3月6日
■調査元:ポート株式会社
■調査対象者:キャリアパーク会員の就活生
■質問内容:「非鉄金属業界は今後どうなると思いますか?」

アンケート結果からお分かりいただけるように、非金属業界の今後の展望については、「分からない」と答える就活生がほとんどのようです。 この記事では、就活生の多くが分からないと答えた非金属業界の今後についてをご紹介します。 非金属業界への就職を希望する人は、ぜひチェックしてください。

非鉄業界とは?

「非鉄」とは金・銀・銅・ニッケルなど鉄以外の金属を指す

非鉄業界は、正確には「非鉄金属業界」といいます。この「非鉄金属」は鉄以外のすべての金属を指し、それらを採掘したり製造したりする企業がこの非鉄金属業界に含まれるのです。そんな非鉄ですが、実はその特徴や希少度をもとに種類分けされており、詳しい分類を以下の図に記載しています。

非鉄金属の主な分類3つ


  • 「ベースメタル」
    銅・アルミニウム・亜鉛・鉛など比較的産出されやすく用途の多い非鉄金属

  • 「プレシャスメタル」
    金・銀・プラチナなど、産出されるものの希少価値が大きい非鉄金属

  • 「レアメタル」
    希土類とも呼ばれ、発掘されること自体が貴重な非鉄金属

工業製品に欠かせない原料や部品を生み出す役割

非鉄金属は、新しい技術である電気自動車やロケットだけでなく、パソコンやスマートフォンなどにも多く利用されています。特にIT化が進み、パソコンやタブレット・スマートフォンが世界中に浸透し続けているため、非鉄金属業界は工業製品に欠かせない原料や部品を生み出す重要な役割を果たしているのです。

川の流れに例えると「上流」や「中流」を担うことが多い

非鉄業界に該当する企業の業種はよく川の流れに例えらえることが多いです。それぞれの名称と役割を見てみましょう。なお、以下の分類はJX金属のホームページの情報をもとに作成しています。

非鉄業界の業種を川で例えた場合の事業形態


  • 「上流」
    資源開発事業。新たな鉱山の開発や採掘作業をおこなう

  • 「中流」
    金属精錬事業。採掘された原料を地金に精錬する

  • 「下流」
    電材加工事業。工業製品に合わせた部品作りを担う

なお、非鉄業界で有名な企業である三菱マテリアルや住友金属鉱山は「上流」の資源開発事業や「中流」の金属精錬事業を担うことが多いです。一部の企業では「下流」の電材加工をメインとする場合もあります。

市場規模は約9兆円で関連事業所数は約2,600社

経済産業省が調査して発表した「平成26年度工業統計調査」によると、非鉄業界の市場規模は約9兆4,000億円(平成26年度)でした。また、関連する事業所数は2,594社も存在しており、比較的大規模な市場であることがわかります。日本の主な非鉄金属を取り扱う企業には、どんなところが存在するのかを見てみましょう。

日本を代表する主な非鉄業界の企業


  • 「住友電気工業」
    自動車用ワイヤーケーブルや光ファイバーなどの電材加工で名を馳せている企業

  • 「三菱マテリアル」
    金属の産出だけでなく加工品の生産、セメントの製造もおこなう多角的企業

  • 「古河電気工業」
    情報通信・エネルギーなど幅広い分野の電材加工に取り組む企業

  • 「住友金属鉱山」
    国内唯一の金鉱山である菱刈鉱山を保有し、海外進出も積極的におこなっている企業

非鉄業界の現状と課題

リーマンショックや新興国の需要減少で原料価格が下落

ここからは、非鉄業界の現状や課題について見てみましょう。産業新聞に掲載された記事や住友金属鉱山の市場動向によると、金属価格は2008年の前半に多くが最高値を記録していました。しかし、後半に発生したリーマンショックによる景気の落ち込みで、一気に下落してしまいます。その後は緩やかに回復をし続けたものの、経済発展が進む中国の景気減速による需要の減少によって生産量と需要のギャップが生じ、原料価格が再び下落傾向に変化しつつある状況です。

原料産出国の動向や円高によって精錬マージンが不安定

課題は他にもあり、精錬マージンの不安定さも挙げられます。非鉄業界で採掘や精錬事業をおこなう企業は、採掘された原料を精錬する際の加工料(精錬マージン)によって利益を得ていました。しかし、原料の多くは輸入品のため、原料産出国や非鉄業界の世界的企業が方針の見直しで仕入れ価格を値上げをすれば、一気にマージンが減ってしまいます。原料価格は基本的にドル建てのため、円高が進むと価格が低下して利益確保が更に厳しくなってしまうのです。

採掘可能量の変動や追加投資で費用コストが増大の恐れ

非鉄金属のほとんどは、地球の地下資源によって成り立っています。原料を確保するには採掘作業が必要です。しかし、資源は有限なので採掘量が限られてきます。採掘可能量が減ってしまうと、それだけ生みだす利益が減ってしまうことになるため、採掘量の拡大を図って追加投資をしなければなりません。その結果、採掘費用や機械設備設置のコストが増大して採算性が合わなくなる恐れが出てくることがあります。

閉山した鉱山の管理など環境への配慮が求められている

鉱山の開発や操業は端的にいえば、その地域の自然を破壊することにもなります。操業中に出てきた粉じんや有害物質などが原因で公害につながる恐れがあるため、環境への配慮が常に求められています。また、日本には多くの閉山した鉱山が存在しており、閉山済みの鉱山に対する環境保全にも取り組まなければなりません。

非鉄業界の将来性と展望

工業製品の製造に欠かせないため長期的な需要は継続する

ここからは、非鉄業界の将来性や展望について見てみましょう。原料価格の下落などあまり芳しくない状況の非鉄業界ですが、経営基盤が大きく揺らぐことはないとみられます。その理由は、シンプルにいってしまうと「需要が存在するから」です。家電製品や自動車、町中にある様々な工業製品のほとんどは非鉄金属が使用されているため、景気の変動で供給量に変動はあっても需要がゼロになることはありません

採掘・生産量の調整で原料価格の下落は落ち着いてきている

現状や課題の欄にもある通り、リーマンショックや中国など新興国の景気減速と供給過剰によって、原料価格の下落傾向が続いていました。ですが、ここ数年は、採掘や生産量の調整を図っていることから需要と供給のバランスが取れるようになり、下落幅も落ち着いてきています。そういった背景もあり、三井住友鉱山の市場動向のページによると、2017年に入ってからの原料価格はわずかながらではあるものの、上昇傾向に変化しつつあるようです。

自社開発した鉱山の活用で収益の拡大を図る

現状と課題の項目にもある通り、日本の非鉄業界は精錬マージンによって利益を確保していました。しかし、原料産出国やメジャー企業の輸出政策の変化に左右されやすい現状があったため、各社は独自に鉱山を確保することでマージン以外の収益を得ようと取り組み始めています。自社単独で新たな鉱山を開発する企業もあれば、パートナーシップを結んでいる海外企業が保有する鉱山の権益拡大および買収をおこなって、収益の柱を広げているのです。

ダウンストリーム(下流)への事業拡大で利益の維持に努めている

これまでの非鉄業界は最初の説明にもある通り、上流と中流の事業によって成り立っていた側面もありました。課題にもある通り利益の確保には、不安定材料が複数存在します。その状況を打破するため、下流である電材加工にも事業を拡大しつつあるのです。下流事業はダウンストリーム事業とも呼ばれており、今後は三菱マテリアルのように上流から下流まですべてを担うような企業が増えるかもしれません。

リサイクルによる資源の確保=都市鉱山化を図っている

経済産業省のホームページにもある通り、今後も成長を続けるためには、自動車や家電などの工業製品を回収して、金やアルミなどの原料を再資源化するのも重要なポイントとなるでしょう。これらのリサイクル資源は「都市鉱山」とも呼ばれていて、例えば金の場合、全世界の保有量の約1割が日本にある工業製品で使っているとされています。その一部でもリサイクルできれば、環境破壊にもつながる恐れのある鉱山開発を減らすことに繋げられるかもしれません。

どんな企業があるのか知ることも一つの選択

まずはどんな業界があり、業界ごとにどんな特徴があるのか知るのも一つの手です。自分の求めている企業の特性を知ることで職業選択の幅も広げることができるでしょう。業界マップでは、就活生に人気の高い21業界200社以上の情報を一気に読むことができます。この機会に無料でダウンロードし、業界理解に役立てましょう。

非鉄業界は長期需要を持つ産業!自社開発の拡大や下流への展開に将来性を持つ

非鉄業界は業界規模が約9兆円(平成26年度)と、非常に規模の大きい業界であることがわかりました。工業製品の生産には欠かせない金属の採掘や精錬などをおこなっているため、業界自体は長期的な需要が見込めるでしょう。
しかし、景気変動に左右されやすく、円高や原料輸出国の貿易政策によっては利益の確保が難しくなる場合も少なくありません。自社独自で鉱山を確保して安定供給を計ったり、ダウンストリームとも呼ばれている金属加工産業に事業を拡大したりして、収益を確保しようとする姿勢に対して将来性が期待されています。

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