2021年10月13日(水) 更新

自動車部品業界の現状と今後の動向~業界研究マニュアルもチェック~

就活生が思う自動車部品メーカーとは?

就活生の声

キャリアパーク会員の就活生を対象に「自動車部品メーカーと聞いて思い浮かぶ企業を3つ上げてください」というアンケートを実施しました。まずは回答の一部をご覧ください。

  • アイシン精機・デンソー・アイシンAW
  • ミネベア、デンソー、アイシン精機
  • 分からない

■調査方法:キャリアパーク会員へのダイレクトメール
■調査日時:2017年3月8日
■調査元:ポート株式会社
■調査対象者:キャリアパーク会員の就活生
■質問内容:「自動車部品メーカーと聞いて思い浮かぶ企業を3つ上げてください」

就活生の皆さんに自動車部品メーカーと聞いて思い浮かぶ企業について伺ったところ、「わからない」との回答や誤って自動車メーカーの名前を挙げる方がいたのですが、中には「デンソー」や「アイシン精機」など企業規模の大きい部品メーカーを掲げる方もいました。このように、自動車工業系に興味のある方以外はなじみの薄い自動車部品メーカーですが、その現状や今後はいったいどうなっているのでしょうか。

自動車部品業界の現状

自動車部品業界の現状について説明します。国内の自動車部品メーカーは、トヨタ系列、日産系列、ホンダ系列などの大手自動車メーカーの傘下企業が多いですが、特にトヨタ系部品メーカーが多く見られます。自動車部品業界の中でも大手と言われるデンソーや豊田自動織機、アイシン精機はトヨタ系列のメーカーです。そのほかのトヨタ系列のメーカーでは、トヨタ紡織や豊田合成、ジェイテクトが挙げられます。

自動車部品業界の概要

まず、自動車部品業界の概要についてまとめました。

業界規模:約26兆円
総資産額:約26兆3,200億円
労働者数:約211,000人
平均年齢:40歳
平均勤続年数:16年
平均年収:約580万円

これまでは「系列」での取引が中心

自動車部品メーカーの多くは自動車メーカーの傘下であることから、これまでは「系列」での取引が中心でした。現在では「系列」だけでなく、グローバルな取引が拡大しつつあります。近年の新興国の市場拡大にともない、海外展開を進めるメーカーが増加しました。世界規模で見てみると、新車販売台数のうちの約6割を新興国が占めています。しかもこの割合はますます増加すると考えられており、新興国を主なターゲットとしたグローバル展開に注力しているのです。

国外市場での需要拡大に期待

自動車部品業界の規模は、平成19年までは自動車の需要拡大にともない、自動車部品業界も規模の拡大を続けていました。しかし、世界的な景気悪化のあおりを受け、業界規模は平成21年まで右肩下がりに。平成21年以降は自動車業界の需要は回復し、特に国外市場での売上を伸ばしました。自動車部品業界もこの影響を受けて規模を拡大しています最近では東南アジアの市場に注目が集まっており、国外市場での需要拡大が期待されています。

自動車部品業界の課題

自動車部品業界の課題について説明しましょう。近年、自動車部品業界で課題となっているのは「品質管理」と「リストラ」です。国外市場での需要拡大が期待されている一方で、リコール件数は増加傾向にあり、国内でのリストラも続いているのが現状です。

課題①:部品メーカーから販売店まで一貫した品質管理

車のリコール件数、リコール対象台数は増加傾向にあります。リコールによる損失は非常に大きく、自動車メーカーの収益を圧迫します。リコールを減らし、損失を防げれば収益は向上するのは明白です。自動車部品メーカーとしても、リコールは業績悪化や、場合によっては経営危機を引き起こします。反対にリコールを減らせば業績向上だけでなく、自動車メーカーからの信頼を得ることに繋がります。

リコールは早期発見が重要であり、発見が早ければ早いほど、損失を抑えることができます。リコールの早期発見は以前よりも容易になりましたが、これには自動車メーカーと部品メーカーだけでなく、直接顧客とやり取りを行うディーラーや販売店の協力が必要不可欠。品質と情報管理を一貫して行うことでタイムラグを減らし、リコールの早期発見を目指せるのです。部品メーカーか販売店までの、一貫した品質および情報管理は今後の課題と言えます。

課題②:国内リストラ

近年の現状として、自動車部品業界ではリストラが続いています。国外での需要はあるものの、国内市場は縮小傾向にあり、国内リストラを進めるしかないのです。自動車業界、自動車部品業界は技術革新のスピードが速く、そのために浮き沈みが激しい業界です。業績好調だった会社が数年後にはリストラを行っている、というケースはよくあります。国外市場に対応するため、経営拠点を海外に移す会社も。この国内リストラをどう収束させるかが、自動車部品業界の課題と言えるのではないでしょうか。

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自動車部品業界の今後の動向

自動車部品業界の今後の動向についてまとめました。志望する業界、企業の現状だけでなく今後の動向までを業界・企業研究として把握しておくべきです。

国外での新規市場開拓が進む

先ほどから記述している通り、今後は国内ではなく、国外での新規市場開拓がますます進むと考えられます。海外にある工場の拡張や現地生産の拡大、研究開発部の海外移管、現地のエンジニアへの外注など、各社で需要に対応するための具体的な動きが見られ、今後この動きはますます活発になるでしょう。特に東南アジア市場の新規開拓が進んでおり、政治情勢が不安定な国はあるものの、さらなる市場の新規開拓を目指す動きが見られます。

監査体制の確立を目指す

海外での需要拡大に対応し、業績を向上させるため、各社で監査体制の確立を目指すと予想できます。今後の動向として、海外の自動車メーカーとの取引が増えるでしょう。このときに海外の自動車メーカーの求める監査体制を確立していなければ、取引は減少、業績向上は不可能です。監査体制はリコール対応のためだけでなく、業績に直結する新たな成長の基盤と言えます。

自動車部品業界の業界・企業研究を進めよう

自動車部品業界は、就活生にとって人気の就職先のひとつです。就活を勝ち進むには、しっかりとした下準備が必要となります。そのためにも、業界研究は必須です。

そこで、自動車部品業界を志望する学生のための自動車大研究Bookをご用意しました。

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自動車部品業界の大手企業とは【企業情報あり】

自動車部品メーカーといっても、企業名がぱっと思い浮かぶ人は少ないのではないでしょうか。最後に自動車部品業界の大手企業をまとめました。なかでも、トヨタ系列の部品メーカーは大規模であり、自動車業界内でも売上は上位を誇っています。

デンソー

デンソー

住所:〒448-8661 愛知県刈谷市昭和町1-1
電話番号:0566-25-5511
代表者名:有馬 浩二
設立:1949/12/16
市場:東証1部,名証1部
従業員数:38,999人
平均年齢:43.0歳
平均年収:8,340千円

デンソーは自動車技術、システム、製品を世界の自動車メーカーに提供している、世界トップレベルの自動車部品メーカーです。38の国と地域に進出しおり、拠点の数は140を超えています。自動車システム製品、生活関連機器製品、産業機器製品などの開発や製造、販売が主な事業です。特に最近では、自動車製品以外にも住宅のエネルギーマネジメントやヘルスケア、農業支援システムなど、これまで培った高い技術力を活かし、積極的な事業展開に取り組んでいます。

アイシン精機

アイシン精機

住所:〒448-8650 愛知県刈谷市朝日町2-1
電話番号:0566-24-8441(代表)
代表者名:伊原 保守
設立:1965/08/31
市場:東証1部,名証1部
従業員数:110,357人(連結)13,591人(単独)
平均年齢:38.4歳
平均年収:7,100千円

アイシン精機は1万点以上の自動車部品を手がけている企業です。エンジンやブレーキ、ボディなどに使用される部品を生み出すだけでなく、技術力を活かして住生活やエネルギー、医療などへの事業展開を進めています。GHP(ガスヒートポンプエアコン)や家庭用燃料電池(コージェネレーションシステム)などのエネルギー事業から、シャワートイレなどの住生活事業、福祉関連製品の製造と販売まで行っています。

豊田自動織器

豊田自動織機

住所:〒448-8671 愛知県刈谷市豊田町2−1
電話番号:0566-22-2511
代表者名:大西 朗
設立:1926/11/18
市場:東証1部,名証1部
従業員数:13,714人
平均年齢:39.0歳
平均年収:7,780千円

豊田自動織器はトヨタグループの母体となった企業です。もともとは自動織機の製造と販売を目的に設立されました。設立後に事業展開が進み、繊維機械や自動車、産業車両、エレクトロニクス、物流事業まで手がけています。フォークリフトやカーエアコン用コンプレッサー、エンジン、パワーエレクトロニクスなどの自動車部品事業のグローバル展開を進めています。現在は、フォークリフト、エアジェット織機、カーエアコン用コンプレッサーの3つが、世界販売シェアでトップになっています。

カルソニックカンセイ

カルソニックカンセイ

住所:〒331-8501 さいたま市北区日進町2-1917
電話番号:048-660-2111
代表者名:森谷 弘史
設立:1938/08/25
市場:東証
従業員数:3,643人
平均年齢:44.4歳
平均年収:6,230千円

カルソニックカンセイは自動車部品の設計と開発から製造、販売までを行い、国内外の多くの自動車メーカーに製品を提供しています。そのほかに、空調機器や内装、電子・電装、排気など、取り扱う自動車部品は多いといえます。カルソニックカンセイの特徴は、高品質な単体部品の複合部品化が可能であることです。

日本精工

日本精工

住所:〒141-8560 東京都品川区大崎1-6-3
電話番号:03-3779-7111 (代表)
代表者名:内山 俊弘
設立:1916/11/08
市場:東証1部
従業員数:31,501人
平均年齢:41.2歳
平均年収:7,680千円

日本精工は主にベアリング(軸受)の製造している企業です。ベアリング(軸受)とは、自動車や鉄道、飛行機、洗濯機、冷蔵庫、エアコン、掃除機、パソコン、人工衛星などの機械に欠かせない部品です。機会の高機能化と省エネのために組み込まれています。ベアリング(軸受)のほかに、精機製品や自動車の関連部品、メカトロ製品のなど開発、製造、販売を行っています。日本精工のメカトロ製品として、メガトルクモータが挙げられます。

業界研究マニュアルも活用して自動車部品業界の情報を集めよう

自動車部品業界は、国外市場の拡大と品質管理体制の確立が期待されています。自動車部品業界を志望するなら、業界研究を通して今後の事業方針や経営方針などを充分に理解しておくとよいです。業界研究を通して得た多くの情報は、ESや面接にも役に立つでしょう。
また、キャリアパーク編集部は自動車部品業界や自動車業界を志望する方に向けた業界研究マニュアルをご用意しました。なんと、無料でダウンロードできます。自動車部品業界の主要企業であるデンソーアイシン精機などを志望している方や、「業界の注目トピックスを知りたい」と考える19卒のみなさんは、下記から入手することをオススメします。

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