2019年11月20日(水) 更新

【テレビ業界への就職希望者は要チェック】業界の解説や現状と課題・今後について詳しくご紹介

テレビ業界とは

番組の制作や放送に携わっている

テレビ業界はその名の通り、テレビ番組の制作や放送に携わる業界のことをいいます。本記事では、テレビ局(放送局)について詳しくみていきます。テレビ局は、アナウンサーやカメラマンだけではなく、多くの社員・スタッフによって構成されているのです。

テレビ局の主な仕事や業務内容

■プロデューサー
番組の企画作りやキャスティングを決定する
■ディレクター
番組の現場責任者。撮影や編集を統括する
■技術職
カメラマン、音声、タイムキーパーなどの総称
■アナウンサー
番組やニュースの進行を担当する
■記者(報道記者)
ニュースの取材や編集、原稿づくりなどを担当する
■営業
番組を配信する系列局やスポンサーとの折衝を担当する
■編成
制作番組をどの時間に割り当てるかなどを担当する

「キー局」と「地方局」に分かれる

日本のテレビ業界において忘れてはいけないのが、各テレビ局の立ち位置です。日本のテレビ局は全国ネット番組を多数制作する「キー局」と、キー局の番組を放送しながらローカルの番組制作をおこなう「地方局」に分かれています。なお、近畿地方が放送エリアの地方局は「準キー局」と呼ばれており、キー局ほどではないものの、全国ネット番組を複数手掛けています。

日本の代表的なキー局

■日本テレビ
日本初の民放テレビ局。「THE 鉄腕DASH」等のバラエティーに定評がある。
■TBS
ドラマに定評があり「水戸黄門」や「逃げ恥」など国民的人気ドラマを多数制作。
■テレビ朝日
平日22時台にニュース、23時台にバラエティと独自の番組編成が特徴。
■フジテレビ
ここ数年は視聴率が低調だが、「サザエさん」「めざましテレビ」などが人気。
■NHK
日本唯一の公共放送。大河ドラマやドキュメンタリー、報道で一目置かれる存在。

日本の代表的な地方局

■朝日放送
近畿地方が放送エリアながら「探偵!ナイトスクープ」など全国的人気番組を放送。
■毎日放送
「プレバト!」などの全国ネット番組から「ちちんぷいぷい」などのローカル番組も幅広く制作。
■CBCテレビ
「キューピー3分クッキング」などを制作する東海地方のテレビ局。かつては自社制作のドラマを全国放送した実績がある。
■九州朝日放送
「アサデス。」や「タビ好キ」など、九州各地の系列局に積極的に番組を放送する福岡県のテレビ局。
■札幌テレビ放送
北海道民からの支持が厚い夕方の情報・報道番組「どさんこワイド」で有名。

就職への壁が厚い

テレビ業界は、各テレビ局の中でも「キー局・準キー局」への入社が難しいことで知られています。給与が良いとされているキー局・準キー局に多くの就活生が応募するため、志望倍率が高いのです。選考試験で差をつけるには、テレビ業界が抱えている現状や今後の動向など、業界研究を進めていくことがカギとなります。本記事で紹介する情報などを参考に「テレビ業界が今後も成長するためにはどうすべきか」を、冷静に考えていきましょう。

テレビ業界の現状と課題

若年層を中心にテレビの視聴時間が減っている

テレビ業界にとって一番の課題となっているのが「テレビの視聴時間減少」です。NHK放送文化研究所では、1985年から5年に1度「テレビと日本人」調査を実施しています。2015年の調査では、20代で全くテレビを見ないと答えた割合が16%と、2010年の調査から倍増しました。「YouTube」に代表される動画サイトや録画機器の普及により、若年層を中心に「リアルタイムで番組視聴する」意識が、薄くなってきているものとみられます。

テレビ広告費は伸び悩む傾向にある

NHKを除く民間放送において最も重要なのが、「広告費」です。広告費が多ければ多いほど、業績も一気に上昇します。しかし、ここ数年は大幅な回復が見られず、伸び悩む傾向が続いているのです。ガベージニュースによると、2016年のテレビ広告費は1兆5,349億円と前年より250億円ほど増加したものの、2014年の水準には回復していないことがわかりました。2008年のリーマンショック以降、広告費は徐々に回復基調にあります。しかし、2000年代前半に約1兆7,000億円以上の広告費を得ていた時期と比べると、依然として厳しい状況が続いているといえるでしょう。

放送設備の更新で財政的な負担がかかっている

2003~2012年にかけて、地上波のテレビ放送がデジタルに完全移行するのに伴い、多額の設備投資費用が発生しました。また、災害時でも放送できる態勢を整えるため、老朽化した社屋の建て替えが全国各地で進んでいます。その影響で、地方局を中心に財政負担が増加する傾向にあるのです。広告費が伸び悩む現在の状況が続くと、テレビ局はよりシビアな経営を迫られるかもしれません。

テレビ業界の今後

インターネットとの積極的な融合

テレビ業界の今後について見ていきましょう。テレビの視聴時間を減らすきっかけのひとつとなったインターネットですが、現在はテレビ局側が積極的に活用する動きが増えてきています。例えば、日本テレビは映像配信サイト「Hulu」の日本法人を子会社化しました。また、テレビ朝日はamebaブログでお馴染みのサイバーエージェント社とともに「AbemaTV」を開局し、独自の番組を放送しています。
他にも番組をTwitterと連動させたり、番組の見逃し無料配信を実施したりするなど、テレビ離れが進む若年層視聴者の取り込みに向け、テレビとネットの融合が進みつつある状況です。

番組のコンテンツ化でファンの獲得を図る動きが進む

地上波・BS・CSと多チャンネル化が進む中、視聴者確保のために固定ファンが重要視されています。その影響で、制作した番組をDVDやネット配信でコンテンツ化させ、収益を確保する流れがキー局・地方局関係なく起こっているのです。とくに、北海道テレビ放送のローカル番組だった「水曜どうでしょう」は、そのビジネスモデルの成功例として全国的に注目を集めています。
「水曜どうでしょう」は、放送終了から15年経った現在も、各テレビ局への番組販売やネット配信、DVDの販売で多額の収益を上げている状況です。また、関連グッズやイベントも好評で、産経ニュースによると、同局の放送外収益は年間で約20億円以上を記録しています。

持株会社化で経営力の強化を図っている

フジテレビや日本テレビなど、キー局や準キー局を中心に経営力強化のための持株会社設立の動きが相次いでいます。日本初の放送持株会社を設立したフジテレビは、フジ・メディア・ホールディングスとして、ラジオ局のニッポン放送、音楽・映像事業で名を馳せるポニーキャニオン、通販事業大手のディノスなどを子会社化しました。また、系列局である宮城県の仙台放送を完全子会社化するなど、地デジ化で財政負担を抱えた地方局への救済方法として、持株会社による経営が注目を集めています。

各局を取り巻く業界研究をするには

テレビ業界は就活生からの人気が高いといえます。難関大学からの志望者も多く競争率が高いため、真剣に取り組まなければ内定を獲得するのは難しいでしょう。テレビ業界への就職を志望しているなら、業界研究・企業研究が欠かせません。そこでおすすめなのが、テレビ業界大研究Bookです。キー局5社やNHKの特徴、ポイントを比較することができ、決算推移などもまとめて確認することが可能です。無料でダウンロードできるため、テレビ業界への就職を目指している人はぜひ参考にしてみてください。

ネットとの融合や番組のコンテンツ化が進むテレビ業界への就職は壁が厚い

日本のテレビ業界はキー局や準キー局が制作した番組を、地方局へ放送しています。アナウンサーや技術職、ディレクターなど、番組作りに直接かかわる人もいれば、営業や編成など裏方で支える人も少なくありません。そんなテレビ業界ですが、ここ数年は若年層を中心に視聴時間が減少しているほか、広告費も大きな伸びを見せていません。今後はインターネットとの融合や番組のコンテンツ化、持株会社化による経営資本の強化などで、生き残りを図るとみられます。

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