内定とどう違う？法的ルールから見る内々定との違い【内定式】

内定には法的ルールがあり10月1日以降は複数持てない

内定と内々定では意味が異なります。意味の違いを知っておかないと、就職活動に支障が出るかもしれませんよ。法的な観点から、内定と内々定を分ける部分を紹介します。内定式など関係性の高い要素も合わせて見ていきましょう。
内定とは、経団連の倫理憲章にのっとって定められている、『10月1日』の解禁日より、企業から就活者へ通知ができるものです。「来年の4月1日からあなた新入社員として迎え入れますよ」という意味を持っています。

10月1日までに内定を絞ることが求められる

あまり知られていませんが、内々定とは違い、内定には法的なルールがあります。内定者は、10月1日以降に2社以上の内定を持っている状態は違法とされているのです。 つまり、複数の企業から内々定をもらっている場合は、10月1日までにまでに内定を得る会社を1つに絞る必要があるということです。

10月1日以降に複数内定があると最悪取り消しも

複数企業から内々定をもらった就活生の中には、10月1日以降も複数社の内定を持っている人がいます。 法的には何の罰則がなかったとしても、企業側に知られれば話は別です。最悪の場合は内定取り消しになってしまう可能性すらあるため、早めの判断が求められています。

内々定とは経団連が定めた制度に対して企業側が作ったもの

以前は優秀な人材を確保するために、企業側が異常に早いタイミングで内定を出していました。その顕著な例として、以前ユニクロは大学1年生に内定を出した例もあります。この状況を受けて、経団連が倫理憲章により、10月1日の内定解禁日を定めたのです。 しかし、企業からすれば少しでも多く優秀な人材を囲っておきたいもの。そこで、内定とは違う内々定なるものを作ったとされています。

内々定に隠された意味

意外と知らない人が多い内々定の意味。実は、「内々定には内定を出すから、自社に就職を決め、就職活動をやめてください」という意味が込められているのです。経団連の定めたルールを巧みに回避する手段として生まれたわけですね。

内々定のルールはすでに一般化して経団連からも許容されている

内定と内々定の違いは解禁日にもあります。本来ならば経団連に所属する企業は、決められた時期にしか内定を出すことができません。しかし、大学4年の4月1日から内々定を出すことは許容されているのです。 これでは何のため、10月1日に内定解禁を定めたのか分かりませんが、現在ではこのルールが一般化しています。ほとんどの企業が内々定を就活生に出すようになっているのです。

内々定と内定を分ける境界線は「内定式」

貰った内々定が正式な内定に切り替わるタイミングはいつなのでしょうか？それは、多くの企業で10月1日に行われる内定式で決まります。内定式では社長や内定者代表の挨拶が行われます。その後は内定者懇親会が開かれることが多く、同期や先輩社員との交流の場として活用できます

内定式では入社承諾書にサインする

内定式では入社承諾書を渡されるため、それに署名して印鑑を押します。これが、内々定から正式に内定へと変わる瞬間です。10月1日以前に内定を出せない経団連のルールを守るため、10月1日以降に始めて内定となるのです。 入社承諾書は内定式の会場で記入する場合と、また別の面談などで行う場合があります。

内定と内々定の違いは法的保護の有無

内定と内々定の違いは、その解禁日だけではありません。明確な違いは、内定には法的保護があり、内々定には法的保護がないという点でしょう。まさしくこれが、内定と内々定「最大の違い」なのです。 10月1日以降に内定承諾書に捺印をした場合、内定者は就職活動をしてはいけないと法で定められています。

正当な理由がなければ内定取り消しはできない

また、企業側も正当な理由がない限りは内定取り消しができません。過去、経営悪化を理由に内定者の内定を取り消したという事例がありましたが、これは違法にあたります。 企業は内定者が犯罪行為を犯したり、経歴に虚偽が認められたなどの理由がなければ、内定取り消しはできないと定められているのです。

内々定に法的保護はない！企業からの一方的な取り消しに注意

内定と違い、内々定は法的保護がありません。もちろん内々定をもらっていたとしても、就職活動を行うことができます。 そして企業側からしても、内定とは違い内々定に法的拘束力はないので、内々定取り消しをいかなる理由で出しても違法になることはないのです。

内々定を貰ったからと安心はできない

前述の通り、内々定には法的な拘束力がないため、企業側によって一方的に破棄されてしまう恐れもあります。学生側も複数の内々定を得られる点を考えると、どちらにも有利不利というわけではなさそうです。そのため、この点を考慮して上手く就活を進める必要がありますね。

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内定は法的保護があるが内々定にはない！違いを理解して就職活動を進めよう

意外と知られていない内定と内々定の違い、知っておかないと法に触れる場合もあるので、意味の違いを念頭に入れて就職活動を行ってくださいね。たとえ内々定をもらっても安心せず、就職活動を続けるのが無難でしょう。
内定をもらって初めて安心できます。入社へ向けて勉強やビジネスマナーの習得に励みましょう。