2020年06月23日(火) 更新

【BtoB企業とは】優良企業の探し方と求められる人材について

この記事の監修者

キャリアアドバイザー

赤塩 勇太

大学を卒業後、新卒で採用コンサルティング会社に入社。キャリアアドバイザーとして、1,000名以上の就活生に対してキャリアセミナー、面談を実施。その後、採用コンサルタントとしてクライアントの採用課題の解決に従事。法人・求職者双方の目線から、適切なアドバイスを提供している。

BtoB企業とは

「BtoB企業」とは、「Business to Business」の略です。つまり、取引先の中心が、企業や法人の場合を指します。主に企業間で取り引きを行う企業のことを「BtoB企業」というわけです。一般的に、「BtoB企業」と比べられるのが、一般消費者相手の「BtoC企業」(Business to Consumer)です。就活生のほとんどは、一般消費者相手の「BtoC企業」へ目を向けます。「BtoC企業」の方が、生活の中で馴染み深い企業であるから当然です。普段から商品を使ったり、コマーシャルで見ているからです。しかし、世の中の企業のほとんどは、「BtoB企業」が占めます。また、両方の特性を持った企業もあります。

法人を相手に商品やサービスの提供をする

「BtoB企業」は、企業間で取り引きを行うわけですから、法人を相手に商品やサービスを提供します。自動車を例に考えてみましょう。
種類や車種によって異なるでしょうが、自動車は、一説によれば、約2万点のパーツで作られているといわれています。自動車の「BtoC企業」、メーカーを考えてみてください。「トヨタ自動車」、「本田技研工業」、「日産」などが挙げられます。では、自動車メーカーは、自社ですべての部品を調達して、製造して車を完成させているのでしょうか?そうではありません。ブレーキー、ガラス、ライト、タイヤなど数え上げたらキリがありません。それくらい、様々な「BtoB企業」が関わっていることがわかります。しかも、自動車メーカーよりも、圧倒的に自動車に関連する部品メーカーの方が多いことは容易に想像がつきます。

優良企業が多いと言われている

「優良企業」の定義は人によって、違うかもしれませんが、ひとまずここでは、経営が安定している企業のことを指します。経営が安定している要素は様々です。「高シェア」、「特定分野で強みがある」、「歴史が長く、市場での信頼感が高い」、「赤字に転落したことがない」、「利益率が高い」などが当てはまります。「帝国データバンク」や「東京商工リサーチ」などの、経営の安定性を調査している企業もあるのです。もっとも、就職活動では、自分自身がどこに着目するか、選ぶ側の視点にもよるでしょう。もっと砕けて考えれば、「給料が高い」、「福利厚生が良い」、「男女平等に働ける」、「企業の雰囲気が良い」、「社長がカリスマ」などが学生目線からの優良企業だという考えもあるかもしれません。あるいは、国が優良企業だと認定しているケースもあります。

取引先によって呼び名が変わる

「BtoB企業」以外にも、取引先によって呼び名が変わります。その他には、取引先が行政相手の「BtoG企業」(Business to Government)と呼ばれています。あるシステムの会社では、取引先のメインが政府系関係という企業がありました。そこでは、国土が関係してくる仕事などで必然的に「BtoG」になるわけです。従業員が相手の「BtoE企業」 (Business to Employee) などもあります。福利厚生業務を受託している企業などがその代表でしょうか。ただし、企業の取引先がそこに限定されないケースもあるので注意してください。あくまでも、主な取引先という認識でよいのではないでしょうか。例えば、銀行は法人も個人も顧客です。メーカーの中には、物流や商社の機能、あるいは小売店もあるかもしれません。メーカーだけでも「BtoC企業」「BtoB企業」など分けられます。

BtoB企業のメリット

社会貢献度が高い

「BtoB企業」は表には出にくいけれど、社会的な貢献度が高いのではないでしょうか。医療分野を例に挙げてみましょう。医療というキーワードから、病院や製薬会社などはすぐに思い浮かびます。例えば、病院の中で使用する医療器具の注射器、さらにその注射器の針の部品を主に製造しているメーカーがあります。医療用なので、製品に対する確かな安全性や品質の良さ、技術力の高さなどが求められます。注射器のそれも針だけを主に製造している企業では、注目度は低くても、多大なる労力をかけて、日々、医療や病気の人々を支えているわけです。この企業の取引先は、医療器具の商社だとするならば、完全な「BtoB企業」といえるでしょう。日常生活の中では馴染みがない企業かもしれませんが、「BtoB企業」 には、社会貢献度の高い企業が数多くあります。

長期的な取引が多く安定した業績がある

「BtoB企業」は、長期的な取引が多く安定した業績がある可能性が高いです。日本には信号機の大手3大メーカーがあります。これらも「BtoB企業」といえます。普段、道を歩いていて、車に乗っていて信号機を毎日のように目にするでしょう。信号機をどこのメーカーが作っているなど考えないのが普通ですが、確実に信号機を作っている企業があるから、信号機は存在します。普段から意識する事がなくても、私たちの生活に欠かすことのできない商品を作っているというタイプの企業にも「BtoB企業」 は多くあります。信号機がこの世からなくなるとは、現状では考えにくいです。つまり、長期的に取引ができる可能性が高くなり、業績も安定します。しかも、信号機は何も皆さんがイメージする道路だけではありません。鉄道や工場にも信号が使われていたりします。さらにその信号機の製品を作る技術を活かして、別の分野でも活躍していることも少なくありません。

競争率が低い

毎年、様々な媒体で「就職活動での人気企業ランキング」などが発表されます。ほとんどの企業は誰もが知っている「BtoC企業」で占められます。人気企業となると、エントリーの段階で数万人に及びます。実際に受ける学生が1万人を超える企業も存在します。『就活四季報』には、企業のエントリー数や受けた学生の人数、選考の変遷が記載されています。もっとも、「NA」=「No Answer」も多いですが、情報公開している企業で1,000倍以上だったこともありました。就職活動をする学生はおよそ40~50万にはいるでしょうか。およそと書いたのは、途中で辞めて、留学や進学に切り替えた場合、あるいは留年などを含めると、実際の数はわからないからです。全国に大学生は50万人以上いるわけですから、その中で8割でも40万人以上となります。入りたい企業があるなら目指すべきでしょうが、何百倍の人気企業にしか目を向けないのはもったいないです。「BtoB企業」で優良だと思える企業に着目するのは、競争率から見てもおすすめです。

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BtoB企業のデメリット

逆に「BtoB企業」のデメリットは何でしょうか。「企業の知名度が低い」ことや「仕事の利益率が低い」ケースがあることなどが挙げられます。前者は、ほとんどの「BtoB企業」に共通します。ランキングからわかるように、有名な企業で働きたいと思う学生の方が多いでしょう。一方、後者は企業の扱っている商材によって変わってきます。細かい部品などの場合は、薄利多売かもしれませんが、設備などは単価が高くなりますし、驚くほど利益率が高い場合もあります。

企業の知名度が低い

「BtoB企業」の運命として、避けて通れないのは、「企業の知名度が低い」ことです。企業を相手にする「BtoB企業」は、テレビのCMや他の媒体などで宣伝をしてエンドユーザーの知名度を上げることに重きを置いていません。「BtoC企業」のように知名度の高さが売り上げに直結するわけでないので、企業の知名度を上げる必要性がそこまでないからです。広告をする必要がないので、エンドユーザーには社名が知れ渡ることが少なく、知名度は低いままです。普段、生活をしていて、「BtoB企業」の社名を意識することはないですし、知っていてもあまり意味がありません。ただ、最近は「BtoB企業」のTVCMを観ることがあります。業績が良いのが理由の一つかもしれません。

仕事の利益率が低い

一概には言えませんが、「仕事の利益率が低い」こともあります。例えば、自動車の部品のほんの一部を供給している場合、単価や利益率が低くなるのは当然です。また、企業ごとの依存度も高くなります。その製品部品がないと、世の中に流通しない製品を扱っているということは、メリットと同時にデメリットがあるとも言えるのです。製品が売れない、事故などでリコールが発生した場合などは大変です。依存度高いということは、取引先を含めて何か予期せぬ事態が起きたときに困ってしまいます。少し前にもエアバックで有名な企業で、大きなリコールが発生しました。企業の存続の根幹を揺るがしかねない事態に遭遇します。しかしながら、こちらも「BtoB」だけに限ったことだけではありませんので、無用な心配は不要です。

BtoB優良企業の探し方

①キャリアセンターを活用

自分が通う大学のキャリアセンターを活用してみましょう。就職支援サイトに掲載されている企業は大手が多くなってきます。もちろん、中小企業なども掲載されていますが、大学に来ている求人票の中に、優良な「BtoB企業」があるかもしれません。特にキャリアセンターには、毎日のように企業の方が訪問しています。中には、上場企業でも、知名度が低いという理由からわざわざ大学に出向きます。ベテランのスタッフなら、過去の実績等を考慮して、優良な「BtoB企業」を教えてくれます。人間同士なので、相性もありますが、キャリアセンターで、良きアドバイスをくれるスタッフに巡り合えると、なおいいでしょう。なぜならば、その学生の就活の状況を把握しているので、要望に沿った企業を紹介してくれます。どの大学にも、自分と相性が合うスタッフやエース的な存在のスタッフがいます。一度訪れた際に良いスタッフと巡り合えなかったからと、そのあと利用しないのは、損だと思います。

②モノの流れを考える

自分の目の前にある商品からイメージを膨らませてみるのもよいかもしれません。現代社会で、身近な商品と言えば、「スマートフォン」でしょうか。そこから「モノの流れを考える」のも一つの方法です。アンドロイドの「スマートフォン」を例にしましょう。アンドロイドの「スマートフォン」は、日本や外国の各社の有名メーカーから出ています。メーカーの名前を冠した製品ですが、そのメーカーと取引している企業はたくさんあるだろうと想像することができます。中の半導体などの回路系、写真を撮影するためのレンズ、液晶パネルなど、その「スマートフォン」が完成するまでには、様々な企業が携わっていることがわかります。もっと考えれば、半導体の商社もあるでしょう。半導体の原材料を調達する企業もあれば、加工する企業、加工する機械を作るメーカーや商社、その機械の部品といったように、際限ありません。知っているか、知らないか、知ろうとするかは、大切なことです。

③検索する

今はインターネット社会なので、検索サイトで探すのも有効です。ネットを活用して、企業名をベタ打ちしてみましょう。現在は、就職活動自体が一大ビジネスであり、人生100時代を迎えようとしています。八十歳まで働く世の中になるかもしれません。書店や図書館に行けば、面白い企業が掲載されている書籍がたくさんあります。ほんの一例ですが、『百年続く企業の条件』『世界を制した中小企業』『小さなナンバー企業』いずれも「BtoB企業」が中心です。その中にある会社やキャリアセンターに来ている直接求人などを、インターネットで検索してみてください。ホームページのない企業は、少ないかと思います。会社概要や採用の有無など豊富な情報があるはずです。仮にホームページがない場合は、本当に小さな企業なので、新卒を募集していないかもしれません。

BtoB企業で求められる人材

営業力の高い人

BtoB企業の競争相手は世界。グローバルに「売る力」を持っている人材が必要とされます。「売る力」はBtoB企業の大きな課題です。そのため専門職以外にも、販売、営業、マーケティング、広告、市場調査、などの文系学生の得意分野も注目されています。
さらに上流のマーケティングスキルが必要になって来ます。マーケティングと営業をうまく行かせるため、営業との良好なコミュニケーションを維持しなくてはなりません。コミュニケーション能力とグローバルな力が、BtoB企業の人材には求められているのです。

数字に関するデータから行動が読める人

BtoB企業は消費者のニーズだけではなく、時代の流れや社会情勢などにも敏感でなければならず、数字が読める人材が求められています。仕事を進める上ではさまざまな数字やデータが必要になりますし、それらを駆使して予算を組めたり、営業利益を上げたりすることができる人材でなければなりません。
BtoBの場合は仕事の規模も大きく、扱う数字も、費用や予算なども大きくなります。さまざまな数字を読み取り、的確に仕事が進められることが大切であり、少しの計算ミスが大きな損害をもたらす可能性もあります。市場のニーズや社会としてのニーズ、動向などを把握し、データを駆使して少ないコストで最大限の利益が上げられることが大切です。

コミュニケーション力がある人

BtoB企業に限ったことではありませんが、企業は「コミュニケーション力がある人」を求めています。直接エンドユーザーを相手にするBtoC企業では、コミュニケーション力を物やサービスを売るためのスキルとして重視する場合が多くあります。BtoB企業では、そういった意味合いはそれほどありませんが、コミュニケーション力を大事な能力だと考えている企業がほとんどです。企業間のやり取りや部署内での伝達など、どのような持ち場であれ、仕事を円滑に進めていくためには、コミュニケーション力が欠かせません。いつの時代も「コミュニケーション能力」は必要とされています。企業人としての高いコミュニケーション能力が求められます。

BtoB優良企業のランキング

気になるBtoB優良企業のランキングを発表します。BtoCで有名な大手企業の名前も多いですが、事業内容でBtoBとBtoCの両方を手がけていたり、別会社や子会社でBtoB企業を手がけていることもあります。志望する場合には確認しましょう。

BtoB企業のランキング一覧

株式会社トライベック・ブランド戦略研究所が、法人向け企業Webサイトのビジネス貢献度を評価する「BtoBサイトランキング 2018」を公開しました。以下のランキングをぜひ就活の参考にしてみてください。

BtoBサイトランキング

1 オムロン(制御機器)
2 三菱電機(FA)
3 キーエンス
4オムロン(電子部品)
5キヤノン(ビジネス用)
6パナソニック(制御機器)
7パナソニック(制御機器)
8パナソニック(住宅設備・建材)
9TOTO(建築専門家のための情報サイトCOM-ET)
10ダイキン(空調製品)
11パナソニック(照明器具)
12パナソニック(電気・建築設備ビジネス)
13セイコーエプソン(ビジネス用)
14武田薬品工業(医療関係者向け情報Takeda Medical Site)
15富士通(Industry&business)
16アステラス製薬(医療従事者向け情報サイト Astellas Medical Net)
17第一三共(医療関係者のための医薬品情報 Medical Library)
18LIXIL(ビジネス情報)
19NTTコミュニケーションズ(法人のお客さま)
20信越化学工業

IR情報から見るランクイン企業

以下、有価証券報告書をもとに作成したランクイン企業の基本情報です。企業選びの参考にしてください。

オムロン

• 住所:〒600-8530 京都市下京区塩小路通堀川東入
• 電話番号:075−344−7000
• 代表者名:山田 義仁
• 設立:1948/05/19
• 市場:東証1部
• 従業員数:4,448人
• 平均年齢:43.2歳
• 平均年収:8,240千円

三菱電機

• 住所:〒100-8310 東京都千代田区丸の内2−7−3
• 電話番号:03−3218−2111
• 代表者名:柵山 正樹
• 設立:1921/01/15
• 市場:東証1部
• 従業員数:34,058人
• 平均年齢:40.2歳
• 平均年収:7,980千円

キーエンス

• 住所:〒533-8555 大阪市東淀川区東中島1−3−14
• 電話番号:06−6379−1111
• 代表者名:山本 晃則
• 設立:1974/05/27
• 市場:東証1部
• 従業員数:2,160人
• 平均年齢:35.3歳
• 平均年収:17,560千円

キヤノン

• 住所:〒146-8501 東京都大田区下丸子3−30−2
• 電話番号:03−3758−2111
• 代表者名:御手洗 冨士夫
• 設立:1937/08/10
• 市場:東証1部,名証1部,札幌,福岡
• 従業員数:-人
• 平均年齢:42.5歳
• 平均年収:7,870千円

TOTO

• 住所:〒802-8601 北九州市小倉北区中島2−1−1
• 電話番号:093−951−2052
• 代表者名:喜多村 円
• 設立:1917/05/15
• 市場:東証1部,名証1部,福岡
• 従業員数:7,534人
• 平均年齢:42.4歳
• 平均年収:6,770千円

LIXILグループ

• 住所:〒100-6036 東京都千代田区霞が関3−2−5
• 電話番号:-
• 代表者名:瀬戸 欣哉
• 設立:1949/09/19
• 市場:東証1部,名証1部
• 従業員数:49人
• 平均年齢:43.0歳
• 平均年収:10,740千円

BtoB企業をよく知りたい方へお勧めの本

BtoB企業についてさらに理解を深めたいのであれば、本を使った研究がおすすめです。おすすめの2冊として『BtoBウェブマーケティングの新しい教科書』や『究極のBtoBマーケティング ABM』などが挙げられます。
『BtoBウェブマーケティングの新しい教科書』はBtoBにおけるウェブサイトの整備やマーケティングが紹介されており、仕事をする上で必要なノウハウが記されています。
『究極のBtoBマーケティングABM』では営業の視点でのマーケティングについてが紹介されており、営業やマーケティングの職に就きたい人には必須の情報です。BtoB企業は知名度が低いですが、奥が深いものですので、就職を目指すのであれば事前にしっかりと勉強して、理解を深めておきましょう。

BtoB企業はコミュニケーション力がある人を求めている!優良企業を探そう

BtoB企業は、テレビコマーシャルもなかったりして一般消費者からすると何をしている企業であるかわからないと思うこともあるとありますが、日本の経済を支えている影の立役者です。知名度はなくても、世界のNo.1、No2企業であったりします。BtoCの消費のライフサイクルがどんどん短くなるなる中、BtoB企業はより普遍的に消費や経済の動向を見て行動しています。是非、詳しく会社の事業内容を調べてみましょう。

キャリアアドバイザー|赤塩 勇太

視野を広げて企業研究を進める

一見すると、BtoB企業はBtoCと比べると地味で、その事業内容についてイメージがしづらいかもしれません。ですが、その中にもあなたの個性を活かして活躍できる場が必ずあります。表面上の華やかさだけではなく、様々な企業について事前に調べておきましょう。

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