2019年01月31日(木) 更新

鉄鋼業界がかかえる3つの課題と今後の展望|景気に左右される現状や国内の売上高ランキングも詳しくご紹介

鉄鋼業界への就職を目指すなら課題や将来性を知っておこう

鉄鋼業界への就職を成功させるためには、業界についての理解を深めておくことが大切です。鉄鋼業界は就活生にとってはあまり馴染みのない業界ですが、生活のさまざまな部分に関係していますし、なくてはならない業界です。

馴染みはないものの、給料が高いなどのイメージから志望する人は多く、あまり知らないままに選考を受けている人もたくさんいます。業界を知らないままに就活を進めても選考を突破することはできませんし、仮に合格しても就職後に苦労する可能性は高いです。

鉄鋼業界を目指すなら業界への理解を深め、現状だけではなく課題や将来性についても知っておくことが大切です。下記リンクからダウンロード出来る「素材業界大研究Book」には、鉄鋼業界をはじめとする素材関連の業界についてまとめられています。業界への理解をしっかりと深めて選考に臨み、鉄鋼業界への就職を成功させましょう。

鉄鋼業界で思い浮かぶ企業は「新日鉄住金・神戸製鉄所・JFEスチール」

キャリアパーク会員の就活生を対象に「鉄鋼業界と聞いて思い浮かぶ企業を1~3つ挙げてください。」というアンケートを実施しました。まずは回答の一部をご覧ください。

就活生の声

  • JFEスチール
  • 新日鉄住金
  • 神戸製鉄所
  • JFEスチール
  • わかりません

■調査方法:キャリアパーク会員へのダイレクトメール
■調査日時:2017年2月24日
■調査元:ポート株式会社
■調査対象者:キャリアパーク会員の就活生
■質問内容:「鉄鋼業界と聞いて思い浮かぶ企業を1~3つ挙げてください。」

鉄鋼業界と聞いて思い浮かぶのは、業界の中でも大手の企業でした。「新日鉄住金」「神戸製鉄所」などは、聞き覚えがあるという就活生も多いのではないでしょうか。鉄鋼業界の気になる現状や展望をご紹介します。

鉄鋼業界とは

製造業や建設業などに欠かせない鉄鋼の生産を担う

工業国として進歩を遂げてきた日本の発展の裏には、ものづくりに欠かせない材料である鉄を提供してきた鉄鋼業界の存在が欠かせません。鉄鋼業界とは、製造業や建設業に欠かせない鉄鋼などを生産し、提供する業界です。鉄鋼業界の仕事は、いくつかの業種に分けることができます。その一覧は以下の通りです。

鉄鋼業界の業種一覧

  • 高炉メーカー:高炉で銑鉄を製造して、そこから鋼塊を製造する企業。形鋼、棒鋼、線材、厚板、薄板、帯鋼、鋼管などの普通鋼と特殊鋼鋼材を製造する
  • 普通鋼電炉メーカー:電気炉により鋼塊を製造する。その鋼塊から普通鋼鋼材を製造する企業
  • 特殊鋼電炉メーカー:電気炉により鋼塊を製造する。この鋼塊から特殊鋼鋼材を製造する企業
  • フェロアロイメーカー:製鋼原料のフェロアロイ(合金鉄)を製造する企業
  • 単圧メーカー:他社からの鋼材を冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、鋼管などにする企業

市場規模は約18兆円で約21万人が働いている

鉄鋼業界の市場規模はどれくらいでしょうか。2017年に公表された「平成28年度 経済センサス」による、鉄鋼業界の市場規模は以下の通りです。

鉄鋼業界の市場規模

鉄鋼業(製造業)の国内総出荷額:17兆8,419億72百万円(2015年)
従業員数:209,748人 (2016年)

また、「鉄鋼業の現状と課題」によると、製造業全体のGDPにおける鉄鋼業の割合は7.2%(6.4兆円)と、日本経済を支えるうえで欠かせない存在であることは間違いありません。

国内は新日鐵住金とJFEスチールと神戸製鋼所がトップ3

国内の鉄鋼業界ランキングをみていきましょう。再編を繰り返す鉄鋼業界の勢力図は、常に塗りかえられています。ただしここ数年は、1兆円以上の売上高を記録している新日鐵住金・JFEホールディングス・神戸製鋼所の3社が上位企業として固定化しています。以下のデータはU-lletが公表したデータをもとにしています。

2016年の鉄鋼業界売上高

第1位:新日鐵住金:4.6兆円
第2位:JFEホールディングス:3.3兆円
第3位:神戸製鋼所:1.6兆円
第4位:日立金属:9,104億円
第5位:日新製鋼 :5,255億円
第6位:大同特殊鋼: 4,451億円
第7位:愛知製鋼:2,128億円
第8位:淀川製鋼所:1,542億円
第9位:共英製鋼: 1,459億円
第10位:大和工業:1,421億円

鉄鋼業界の仕事は【事務系】と【技術系】に分かれる

鉄鋼業界を知るためには業界への理解を深めるだけではなく、どんな仕事があるのかを知っておくことも大切です。鉄鋼業界での仕事はさまざまありますが、大きく分けると2つであり、事務系と技術系になります。

それぞれで仕事内容は違っていますし、求められる能力など異なります。どちらを目指すのかを決める必要がありますし、そのためには仕事内容を正しく理解しておかなければなりません。それぞれの仕事内容を知って、業界への理解をさらに深めていきましょう。

事務系|企画営業・工程マネジメントなど

事務系の仕事では、企画営業や工程マネジメントなどが挙げられます。企画営業は販売計画を立てたり、実際に営業をおこなう職種です。営業は国内だけではなく、海外に向けたものもありますし、国内外で広く活躍している職種です。工程マネジメントは商材となる鉄鋼製品の生産工程の管理をおこなう職種であり、事務系でありなら物作りに携わることができます。

生産工程の管理だけではなく、生産計画や在庫管理、納期の設定などさまざまな業務がありますし、製品を製造する過程のすべてに携わる重要な仕事です。製品の製造がストップしてしまったり、納期通りに進められなければ企業は信用を失いますし、営業と生産を繋ぐ架け橋としての役割を担っています。

技術系|品質管理・研究開発・操業設備技術など

技術系の仕事としては、品質管理・研究開発・操業設備技術などが挙げられます。品質管理は製品の品質を管理し、常に一定の品質で生産、製造ができるように技術開発をおこないます。

また品質の維持を目指すだけではなく、既存の製品の品質向上もおこないますので、製品の品質を担う重要な職種です。研究開発は製品の技術開発や素材、製品の研究開発をおこないます。鉄鋼業界の職種の中では心臓部とも呼べるものであり、ここが機能していなければ新たな商品を生み出すことはできません。

企業の利益にも大きく影響する重要な職種だと言えます。操業設備技術は製品の製造のための設備の導入やコントロールをおこなう職種であり、製品の品質やコストなどにも関わる重要な職種です。

鉄鋼業界の現状と課題

中国企業の生産増強で競争が激化

中国企業の生産増強によって、世界的な競争が激化しています。かつて日本の鉄鋼メーカーは新日本製鉄(新日鐵住金の前身)が30年以上にわたって世界シェア1位を記録するなど、日本の鉄鋼技術は世界的にも注目を集めていました。しかし2000年代に入り、景気拡大が進んだ中国が国を挙げて鉄鋼生産増強をおこないました。その結果、以下の世界ランキングにもあるように、中国が日本に約8倍もの差をつけて鉄鋼生産量の国別トップに躍り出ました。また、企業別ランキングでも、上位10以内に5社がランクインしています。

世界の粗鋼生産量国別ランキング(2016年)

グローバルノートの資料(https://www.globalnote.jp/post-1402.html)をもとに作成
単位:千トン

第1位:中国 808,370
第2位:日本 104,772
第3位:インド 95,618
第4位:米国  78,619
第5位:ロシア 70,800
第6位:韓国  68,567
第7位:ドイツ 42,082
第8位:トルコ 33,163
第9位:ブラジル 30,212
第10位:ウクライナ 24,221

世界の鉄鋼業界企業別ランキング(2016年)

日本経済新聞の記事(https://www.nikkei.com/article/DGXLZO13795890X00C17A3TI1000/)をもとに作成

第1位:アルセロール・ミッタル(ルクセンブルグ)
第2位:中国宝武鋼鉄(中国)
第3位:河北鋼鉄(中国)
第4位:新日鐵住金(日本)
第5位:ポスコ(韓国)
第6位:江蘇沙鋼(中国)
第7位: 鞍山鋼鉄(中国)
第8位:JFEスチール(日本)
第9位:首鋼集団(中国)
第10位:タタ・スチール(インド)

景気悪化とモノ余りの影響で営業利益率が低下

鉄鋼業の現状と課題」によると、中国の経済成長が進んでいた2000年代前半は、生産量が拡大しても利益率10%程度と高利益構造でした。しかし、リーマンショックで鉄鋼の需要が減少したにもかかわらず、中国の生産増強策が継続されたのです。そのために鉄鋼の「モノ余り」が発生し、鉄鋼価格の下落で営業利益率を一気にダウンさせることとなりました。
アベノミクス政策で景気が回復してきた2013年度でさえ、利益率は3%台と、中国の景気拡大の影響で好調だった2005年の3分の1未満です。

技術力向上によって競争を勝ち抜けるかが課題

今後の世界的な競争を勝ち抜くためには、「技術力向上」が課題となります。日本工業新聞によると、国家的に鉄鋼拡大生産路線をおこなっていた中国がその姿勢を見直し、高付加価値の鉄鋼を生産する方針に変更しました。
日本産業新聞では、新日鐵住金の会長が中国の急速な技術力向上の動きに危機感を示しています。高付加価値の鉄鋼で世界をリードしてきた日本ですが、国家的な動きで急速に質を向上させている中国の動きを見越して、さらに技術力向上を図らなければなりません。

鉄鋼業界の理解を更に深めよう

ここまで鉄鋼業界の現状や課題を大掴みに説明してきましたが、さらに業界の内情を知りたいという方に素材業界大研究Bookをご用意しました。こちらの資料では新日鐵住金などの有名企業を軸に業界の現状や展望・課題などを深掘りした内容となっています。無料で手に入りますので、是非利用してみてください。

鉄鋼業界の展望

経営力強化のための合併が続く

現在、日本を含む世界の鉄鋼業界では再編が進んでいます。2012年の10月には「新日本製鐵株式会社」と「住友金属工業株式会社」が合併し、新日鐵住金株式会社が誕生しました。その5年後の2017年の3月には、業界第5位の日新製鋼を子会社化しています。これによって、高炉を持つ一貫製鉄メーカーは新日鉄住金とJFEスチール、神戸製鋼所のみとなりました。また、国別生産量第1位の中国も世界5位の宝山鋼鉄と世界11位の武漢鋼鉄集団が合併して、企業別シェア世界2位の「中国宝武鋼鉄」が誕生しています。
今後は独占禁止法などの問題もありますが、国際競争力強化のために鉄鋼業界内の合併が進む可能性が出てきているでしょう。

生産拠点の集約と海外進出が進む

施設の老朽化や環境への配慮、海外との競争にも生き残りを図るために、国内では生産拠点の集約が、国外では新たな拠点の整備が進んでいます。国内1位の新日鐵住金は、福岡県北九州市にある高炉の一部を閉鎖し、残りの高炉の生産能力を増強させることでカバーする動きをみせているのです。
また、国内第2位のJFEスチールは、自動車用の鋼板やパイプライン用の鋼管を生産する合弁会社をインドネシアとアラブ首長国連邦に設立しています。技術力向上を図りながら鉄鋼生産をさらに拡大し続ける中国に対抗するためにも、日本の高い技術を使って、生産能力の効率化と世界進出を推し進めるでしょう。

鉄鋼業界の採用情報や動向

業界について理解すれば、鉄鋼業界の採用情報についても知っておくことが大切です。採用情報は年々変化していきますし、今後の動向も併せて知っておくことで選考をより有利に進めることができます。現状の採用情報を知った上で、今後の動向についても考え、理解しておくことが大切です。今後の動向まで把握しておくことで、業界への理解は深まります。鉄鋼業界の動向を知り、採用情報を知ることで、選考を有利に進めていきましょう。

初任給は21万円前後

働く上では仕事内容だけではなく、給料も気になりますが、鉄鋼業界の大卒の初任給は平均して21万前後となっています。初任給としては平均的な額で、それほど多くはありませんが、企業ごとに手当や賞与などもありますので、さらに給料が伸びる可能性は充分にあります。

また海外赴任などがあれば海外手当もつきますし、給料面ではそれほど不遇ではないでしょう。企業によって取り決めは違うものの、賞与がある企業がほとんどですし、年2回支給される企業も多いです。また昇給についても年1回用意されている企業がほとんどです。鉄鋼業界は福利厚生の良い企業も多く、働きやすい環境にありますが、それも企業ごとに細部は違いますので、就職時にしっかりと確認しておく必要があります。

採用人数は150~200名以上と年々増加傾向にある

鉄鋼業界は業績が好調な企業も多く、採用枠を大きく取っている企業も多いです。企業によって詳細な人数は違いますが、採用人数は150~200名以上と年々増加傾向にありますので、昔に比べると採用されやすくなっています。

もちろん採用人数の増加とともに応募者も増加傾向にありますし、しっかりと対策をしておかなければ内定を獲得することはできません。また採用人数については事務系よりも技術系の方が多い傾向にあり、企業によっては事務系の倍の人数を採用していることもあります。採用人数を150名とした場合、100名は技術系、50名が事務系という割合で採用している企業が多いため、事務系を目指す場合は特に念入りな対策が必要です。

鉄鋼業界は技術力向上と経営力強化のために再編が続く

日本の経済を支える鉄鋼業界は、これまで世界シェア1位の企業が存在するなどしていましたが、2000年代以降からは中国の躍進によって、厳しい競争になっています。また、景気の動きに左右されてしまい、営業利益が上がらない状況に陥るなど、さまざまな困難に直面している状況です。しかし、そういった状況を打破するために、企業の再編や設備投資・海外企業との協力を進めており、今後も日本経済を支える業界として存在感を発揮していくことでしょう。

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