2020年06月25日(木) 更新

建設機械業界の特徴や現状・課題|業界研究に役立つ今後の事業拡大の鍵や将来性等についても紹介

建設業界への就職を希望する就活生の割合とは?

就活生の声

キャリアパーク会員の就活生を対象に「建設業界への就職を希望していますか?」というアンケートを実施しました。まずは回答の一部をご覧ください。

  • 希望していない
  • はい
  • いいえ

■調査方法:キャリアパーク会員へのダイレクトメール
■調査日時:2017年3月6日
■調査元:ポート株式会社
■調査対象者:キャリアパーク会員の就活生
■質問内容:「建設業界への就職を希望していますか?」

このアンケート結果から見てみると、建設機械業界への就職に関して希望しないと答えた就活生が多く、希望する方は少ないようです。建設機械業界へ就職を希望する方のために、各メーカーの売上高や平均年収のランキングをご紹介していきます。

建設機械業界とは

土木工事や建築工事に用いる機械を製造する

建設機械業界の現状や動向について確かめる前に、まずはどういった業界なのか見てみましょう。建設機械業界は、土木工事や建築工事に用いられることが多いショベルカーやブルドーザー、クレーンなどの製造・販売をおこなっています。主な建設機械業界のメーカーは、以下の通りです。

日本の主な建設機械メーカー

  • 「コマツ」:国内トップの売上で世界シェア2位。最新技術の投入に定評がある。
  • 「日立建機」:国内2位の売上を誇る。ショベルカーや鉱山用の機械製造で有名。
  • 「コベルコ建機」:建設機械大手。神戸製鋼グループの一員。
  • 「タダノ」:建設用クレーンの国内シェアは全体売上の6割を占める。
  • 「クボタ」:ミニショベルカー製造のトップメーカー。農業用機械のメーカーとしても有名。

日本の建設機械メーカーは世界的なシェアを持つ企業が多い

日本の建設機械業界は、世界的なシェアを持つ有名な企業が多いのが特徴です。最も有名なのは、業界全体の世界シェアでアメリカのキャタピラー社と並ぶ二大巨頭のコマツが挙げられます。このほか、国内シェア2位で世界シェアでもトップ10以内にランクインする日立建機、ミニショベルカーの業界ではシェア1位のクボタなど、日本で創業したメーカーによる建設機械が世界中で活躍しているのです。

建設機械業界の現状と課題

中国の景気減速で業績がダウン

建設機械業界の現状や課題について見てみましょう。中国の景気減速をきっかけに、建設機械の出荷高は落ち込んでいます日本建設機械工業会によると、2008年に起こったリーマンショック後、出荷高は急激な落ち込みを記録しました。その後は、各国で経済振興策が実施されたこともあり、業績が回復傾向でしたが、中国の景気減速が出てき始めた2014年ごろから再び業績が悪化したのです。日本経済新聞に掲載された2016年の建設機械出荷額は2兆1428億円と、2014年以来2年連続の減少を記録しています。

円高の影響で収益の確保に苦戦している

建設機械業界は円高の影響で収益の確保に苦戦しています。2012年末の第二次安倍内閣発足以降、「アベノミクス」などの影響で円安傾向が続いていました。しかし、中国の景気減速やイギリスのEU離脱などの影響で、価値が安定しているとされる円が買われ円高が進行したのです。その影響で、海外販売や輸出で収益を確保していた各メーカーは、円高による収益幅の減少に悩まされることになりました。

環境への配慮が求められている

2006年度から、公道を走行しない建設機械を対象に排出ガス規制が進められています。これは、国土交通省が大気環境への負荷軽減を目的として定めたものです。また2013年11月以降、指定された作業機械は新基準をクリアしたものでなければ製造できなくなりました。そのため、各メーカーが、「環境問題に対しての先進性」をアピールするため開発に取り組んでいます。
ただ、いくつか課題があり、基準を満たした建機のレンタル料が高い、厳格に基準を守ると作業がしづらくなるといった声も挙がっています。この問題を上手く解消しながら、環境基準を満たした高性能な建機をつくることが求められています。

建設機械業界の将来性と今後

中国の景気減速は底打ち傾向

日刊工業新聞によると、これまで景気減速が続いていた中国の経済政策が高度成長型から安定成長型とシフトしたことによって、海外での需要が復活しつつあるようです。日本建設機械工業会日本経済新聞によると、2016年11月以降、建設機械の出荷額は前年度を上回り続けており、2017年度全体の出荷額も3年ぶりのプラス成長になるとみられています。ただし、国内メーカーは急激な景気変動がある可能性も見越して、今後も生産販売量を調整しつづけるようです。

新興国への市場拡大が期待されている

建設機械業界の将来性として期待されているのが、インドを中心としたアジアやアフリカなど新興国の市場拡大が進む傾向にある点です。景気の減速が落ち着きつつあるとはいえ、中国の勢いは一時に比べて収まっています。そのため、新興国への市場拡大は非常に重要なポイントとされているのです。
ただし、新興国は物価が安いため収益幅が少ないといわれています。物価の高い北米やヨーロッパで収益を確保しつつ、新興国へのシェア拡大のための投資が求められるでしょう。

災害復興や老朽インフラへの整備で需要拡大のチャンス

建設機械の国内需要についても見てみましょう。2020年の東京オリンピックにおける会場整備や、東日本大震災・熊本地震の復興に向けて建設機械の需要が増えています。
また、排気ガス規制に伴う販売規制が2017年の夏に再び実施されることから、それらの駆け込み需要も考えられるようです。設置年数が数十年以上経過した老朽インフラへの整備に伴う需要もあるでしょう。災害復興と老朽インフラ整備への対応が今後の需要拡大につながるチャンスだといえます。

ITを活用した機械管理やアフターサービスが成長の鍵

ほかの業界と同様に、建設機械においてもIT化が進んでいます。日本建設機械工業会の報告書によると、建設機械にGPS を備え付けることで、建設機械の管理やアフターサービスの提供を円滑なものにするといったことが考えられています。また、レンタルで提供されている建設機械に対するサービスや保守管理などの充実化によって、新たな収益を確保しようとする動きがみられます。

より詳しく業界研究をすすめる

業界の仕組みや課題などについて、より詳しく調べておきたい就活生におすすめなのが「建設・住宅業界大研究Book」です。各企業別に事業内容や求める人材、そして志望動機例も紹介しています。無料でダウンロードできるため、効率的に業界・企業研究を進めたい就活生におすすめです。

建設機械業界は世界的なシェアを誇るものの新興国への市場拡大が成長の鍵

建設機械業界の今後の展望と将来性について見ていきましたが、いかがでしたか。日本の建設機械メーカーが世界に与える影響は、計り知れないものがあります。ただ、ここ数年は中国の景気減速や円高の影響に伴って、出荷台数や収益の落ち込みが目立っていました。しかし、2017年以降は災害復興や老朽インフラ整備に伴う国内需要の復活、新興国の市場拡大などに伴う海外需要の回復により、短期的な見通しは明るいといえます。景気変動に左右されやすい業界のため油断は禁物ですが、環境への配慮やITの活用など、最新技術の投入によって強みを発揮していくことが期待されます。

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