2019年11月20日(水) 更新

【就活】志望動機で使う「貴社・御社・弊社」の敬語表現における正しい使い分け

志望動機における「貴社・御社」の敬語には使い分けがある

まずは、志望動機で登場する「貴社」と「御社」の敬語の使い分けから覚えましょう。意味はどちらも「相手先の会社を敬う敬語」です。しかしビジネスマナー上、これらの敬語は区別して使うのが一般的。では、どのように「貴社」と「御社」を使い分けるのか見ていきましょう。

念のためですが、弊社は自分が所属している会社のことを指します。弊社については、後半で当社との使い分けについて、説明していきます。

敬語の種類の把握と使い分けは必須

就活全般において、敬語の種類の把握と使い分けは必須でしょう。敬語の種類には、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」があります。尊敬語(主語は相手)は、相手を敬っている場合に使い、謙譲語(主語は自分)は、へりくだった言い方をする際に使います。丁寧語は、表現を丁寧にする際に使われ、一番使われる敬語ともいえるでしょう。
ちなみに、「貴社」と「御社」は「尊敬語」であり、「弊社」は「謙譲語」になります。

「貴社=書き言葉」・「御社=話し言葉」と定義されている

一般的に、貴社は「書き言葉」、御社は「話し言葉」として使い分けられています。つまり、同じ志望動機で相手先企業を述べる場合でも、面接などの口頭の場合は「御社」を使い、履歴書やエントリーシートといった書面では、「貴社」を使いましょう。

この敬語を使い分ける理由は、主に「貴社」に要因があります。声に出してみるとわかりやすいのですが、「キシャ」という言葉には、同音異義語が多いのです。「汽車・記者・帰社」など、どれも日常的に使われることがある言葉ですよね。

しかし、書面に記すにあたっては、意味をとり違える恐れはありません。従って、「貴社=書き言葉」、「御社=話し言葉」として使われているのです。

相手先が「会社」以外のときは敬語の言い方が変わる

では、志望動機を述べる相手先が会社ではなく、省庁や学校などの場合の敬語はどうなるのでしょうか?
希望の業種・職種によって、そういった疑問も当然出てきますよね。以下で、その例を挙げていきますので、確認していきましょう。

「会社」以外のさまざまな敬語の使い分け【具体例】

前者が話し言葉での敬語、後者の()内が書き言葉での敬語です。

・省庁…御省(貴省)
・都道府県…御庁・御県(貴庁・貴県)
・病院…御院(貴院)
・銀行…御行(貴行)
・信用金庫…御庫・御金庫(貴庫・貴金庫)
・協会…御会・御協会(貴会・貴協会)
・学校…御校(貴校)
・学園…御学園(貴学園)
・学院…御学院(貴学院)
・機構…御機構(貴機構)

以上は一例ですが、見て分かる通り、敬語の使い分けは「貴社・御社」と同じです。志望動機を書面に書く分には良いですが、口頭の場合は、普段言い慣れない響きばかりかもしれません。志望動機について質問されたとき、スムーズに会話できるよう練習しておきましょう。

「弊社・当社」の敬語にも使い分けがある

ビジネスシーンでは、「弊社」「当社」という言葉もよく耳にしますが、こちらは、自分が所属する会社を指します。この使い分けはどのようにしたらいいのでしょうか?
貴社と御社のような使い分けなのかというと、それとは別の考え方になります。

転職活動をしている人は、志望動機で今在籍している会社のことを「弊社」と呼ぶのか、「当社」と呼ぶのか、正しい使い分けをしっかり把握しておきましょう。

「弊社=社外に対して使う」・「当社=自社内で使う」

弊社と当社、どちらの敬語も意味は先述の通り、「自分の会社」です。では、この敬語をどのように使い分けるのかというと、弊社は「社外・他の組織に対して使う」、当社は「自社内で使う」と考えてください。

これは、「弊社」のほうが、「当社」より、へりくだった表現になるためです。そのため、へりくだる必要のない自社内では、「当社」を使うのです。ただし、金額交渉など、強気で話をしたい場面では、対社外であっても弊社ではなく、あえて「当社」を使う場合もあるでしょう。

志望動機で使う場合は「弊社」で統一してください。貴社・御社と併せて、正しい敬語の使い方をマスターしましょう。

言葉遣いは印象に大きな影響を与える

言葉遣いは、相手に与える印象に大きな影響を及ぼします。特に「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」は正しく使えるようになっておくことが大切です。そこで活用したいのが言葉遣いマニュアルです。このマニュアルでは、ついやってしまいがちな間違った言葉遣いや二重敬語についても紹介しています。言葉遣いに自信がないという就活生は、このマニュアルを見ておきましょう。無料でダウンロードできるので、就活のいろいろな場面で役立てましょう。

志望動機では「書き言葉=貴社」「話し言葉=御社」「弊社=社外に対して使う」を使い分けてマナーのある書き方をしよう

志望動機では、「貴社・御社・弊社」の敬語を場面により、正しく使い分ける必要があります。具体的には、書き言葉としては「貴社」、話し言葉としては「御社」です。この敬語の使い分けがきちんとできていないと、ビジネスマナーを把握できていないと思われてしまう可能性もありますので、注意しましょう。

また、対社外に自社のことを伝えるときは、「弊社」で統一しましょう。強気な姿勢を見せたいときには、あえて「当社」を使う場合もありますが、転職活動の志望動機で答える場合は、「弊社」を使わなければいけません。正しい敬語表現をしっかり頭に入れ、いざというときに慌てないようにしましょう。

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