2016年11月29日(火) 更新

住民税と所得税の支払いに関する様々な違い

まとめて捉えられることの多い住民税と所得税

住民税と所得税は混同してしまいがちな税金です。会社員であればどちらも意識せずとも給料から差し引かれていますし、自営業の場合も所得税のために確定申告書を提出していれば住民税のための申請は不要です。ですからどちらも所得にかかる税金ということで一括りにまとめてとらえてしまうことも多いのです。

実は支払いする対象は違っている

しかし実は厳密に言うと、住民税と所得税では税金の制度や支払いを行う対象が異なるものなのです。所得税は当然国に対して支払いするものですが、住民税は地方自治体に対して支払います。おおよその値にそこまでの差異はみられませんが、住民税の税率や免除の仕組みは各地方自治体によって異なりますので、住民税の安い地域や高い地域、というのが存在することになります。人によっては住民税を基準に住む場所を決めるという人もいるくらいです。

支払い時期に違いがある

住民税と所得税では、徴収の時期も異なります。所得税の場合は、前年の所得をまとめて3月に確定申告を行い、その際に税金の支払いを行います。一方で住民税は、確定申告によって確定した前年の所得を元に、翌年一年間をかけて分割で支払いする形になります。節税を行う差異は住民税と所得税のどちらも意識して行うと効果的です。

所得が減った場合は住民税の支払いに注意

具体的には、所得税を3月に支払いを行った後、6・8・10・翌1月と4分割で住民税を支払います。同じ会社にずっと勤め続けていたり、自営業で毎年ある程度一定の収入が安定している人なら良いですが、急に会社を辞めて無職になったり、収入が激減したりした場合は、この住民税と所得税の支払いに苦労しかねません。予め収入の一部は翌年に支払いする税金分として手を付けずに保管しておくと良いでしょう。

住民税と所得税では税金のシステムも違いがある

一般的にはあまり意識されることは少ないですが、住民税と所得税では税金のシステムも多少違います。まず住民税には、均等割といって誰でも一律にかかる税金があります。これは仮に収入がゼロだったとしても支払いしなくてはいけないものです。もちろん、地域によっては特別措置で低所得者への均等割の課税を免除している所もありますが。

所得税は累進課税で住民税は一律

住民税と所得税では税率の決まり方も違います。以前は住民税も累進課税でしたが、今では住民税は一律となっています。つまり所得が多い人は、所得税の税率は高いけれど、住民税の税率は相対的に低くなるというわけです。自営業などで税金対策をする場合は2種類の違いをしっかりと理解しておくと有利です。細かい点ですが、住民税と所得税では控除のシステムや控除額にも際が見られます。

住民税と所得税は支払いを行う対象や時期など税金計算のシステムにも違いがある

住民税と所得税の支払いに関する様々な違いについて紹介しました。住民税と所得税は、混同しやすい税金ですが、違いも多くあります。まず所得税は国に支払いするに対し、住民税は地方自治体に支払います。また、所得税は翌年3月の確定申告の際に、住民税は翌年にわたって4回に分割して支払います。住民税と所得税では税率や控除できる科目と控除額も違いますので両方の違いを意識した税金対策をしておきましょう。

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