2020年07月29日(水) 更新
小売業界とは|気になる動向や現状・主要企業情報を紹介
目次
小売業界とは
私たちの生活に関わってくる業界のひとつが、小売業界です。商品の売買や流通などをおこなう小売業は、普段の生活の中でとても身近にある職業といってもいいでしょう。
しかし実際の小売業界の主な職種や現状について、きちんと理解できている人はそう多くはありません。特に小売業への就職を目指しているのであれば、毎日の生活に関わる小売業界が現在抱えている課題や動向を理解することは、就活にも大きな意味を持ってくることになります。
今後小売業界への就職を目指すのであれば、小売業界に属する職種や仕事の詳細、業界全体の動向などをしっかりと把握して就職のための知識として身につけるようにしておきたいものです。
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小売業界の現状・動向
小売業界は数年前、増税前の駆け込みや震災の影響など、年によって業績が大きく上下する経過を見せていましたが、近年になると、多少の振り幅は残るものの、業績全体で落ち着いた結果を出しています。特にコンビニ・スーパーなど規模の小さい業態では、売上上昇を確認でき、今後に期待される分野となっています。
芳しくない百貨店の業績
一方、業績が余り芳しくないのが百貨店などの業態です。現状として、地方での経営を行っていた百貨店の閉店が相次いでいる状態です。長い間地域を支えた百貨店の場合、時代の需要が読みにくい傾向が見られます。結果、さらに規模の大きいモールや、ショッピングセンターに顧客が流れてしまうケースが各所で起きているのです。
商品サイクルが早い万能型小売店がトレンドに!
その分、新しい目を出す小売業界の分野も存在します。老舗の百貨店とは相対的である、商品サイクルの早い万能な小売店が調子を上げつつあるのです。例として「株式会社ドン・キホーテ」があげられます。閉店した大型店舗にいち早く目をつけ、新たな新店舗の開発を狙っていく方針です。「ドン・キホーテ」はどの層にも答えられる品揃えを持っており、季節を反映させた商品を置くことにより、消費者の需要を満たしています。まさに「現代的」な小売業と言えるでしょう。
コスト削減につながる「セルフ化」の導入
小売業界での大きな問題として、コストや人件費の問題があります。削減していきたい分野といえますが、実践したことによるデメリットとして、サービス力の低下・品質の低下などがあり、企業のイメージに大きく起因する要素で妥協をしなくてはいけなくなくなります。難しい課題ですが、近年ではこれをクリアする案として、「セルフ化」が検討されている企業もあります。
小売業界の課題について知ろう
小売業界は全体的に見れば安定した分野と言えますが、課題や課題は数多くあります。将来の小売業界の在り方についても関係していきます。今後解決していかなければならない問題を確認していきましょう。
消費者の変化
小売業界でも「消費者の変化」にはいち早く対応していかなければなりません。需要、意欲からはじまり、クレームに至るまで、時代が変わればそれだけ消費者も変化していきます。特に今後はネット世代が本格的に消費を行える歳になり、ネットサービスの強化も必要になっていきます。また、高齢者社会も近づいていますので、お年寄りに向けたサービスも考えていかなければなりません。
ネットサービスの強化が必須になる
今後、ネットサービスは間違いなく強化しいく必要があります。通販市場の業績は年々向上していますし、現在ネットのショッピングサービスを利用している層が、段々と年を取り高齢者の枠の中に入ることも予想されています。消費者にとっては、どこでも買い物ができるというはありがたく、時間の短縮にも繋がるので、満足度向上に直結した分野となるでしょう。
高齢者に向けたサービス
高齢者への配慮も必ずすべきです。時代が進んでいく中、今後より一層店内での買い物もしにくくなることが予想されます。高齢の方に向けた課題としては、
・歩きやすい店内
・見やすい広告
・代行サービス
・健康を意識した商品完備
など、補完していきたいものが多々あるので、方針として取り入れると良いでしょう。
小売業界の売上高ランキングTOP10
小売業界の売上高ランキング
1位 イオン
2位 セブン&アイ・HD
3位 ローソン
4位 ファミリーマート
5位 ファストリテイリング
6位 ヤマダ電機
7位 三越伊勢丹HD
8位 J.フロントリテイリング
9位 高島屋
10位 エイチ・ツー・オーリテイリング
業界動向リサーチのランキングによると、小売業界の中でも、売上高1位の企業はイオンです。イオン系列のスーパーは数多く、過去に倒産した企業と統合を繰り返し、店舗を拡大しているのも売上高トップの理由と言えるでしょう。
2位~4位は、順にセブン&アイHD・ローソン・ファミリーマートの大手コンビニチェーンを営む企業です。コンビニで手軽に物が買える利便性と展開力で、ランキング上位を占めているようです。
5位のファーストリテイリングと、6位のヤマダ電機は、それぞれ衣料と家電で業績を伸ばしている企業です。特にファーストリテイリングは、ユニクロなどのファストファッションの火付け役でもあります。
以降は順に三越伊勢丹HD・J.フロントリテイリング・高島屋・エイチ・ツー・オーリテイリングと大手百貨店の親企業が7位~10位に並ぶ形です。
小売業界の勤続年数ランキングTOP10
小売業界の勤続年数ランキング
1位 リテールパートナーズ
2位 銀座山形屋
3位 ATグループ
4位 エイチ・ツー・オーリテイリング
5位 さが美
6位 日産東京販売HD
7位 高島屋
8位 三越伊勢丹HD
9位 文教堂グループHD
10位 ユニーグループHD
業界動向リサーチのランキング入り企業は、小売店の持株会社が多く見られます。その中でも1位のリテールパートナーズは、中国地方の各種スーパーの持株会社となっています。
2位の銀座山形屋は老舗の衣料店業、5位のさが美は和服の販売・レンタル企業と、高級衣料品を扱う企業がトップに入っています。また3位のATグループがトヨタ自動車、6位の日産東京販売HDが日産自動車系列であり、9位の文教堂グループHDは書店業と特定の分野に特化した企業が多く見られます。
4位のエイチ・ツー・オーリテイリング、7位の高島屋と8位の三越伊勢丹HDは大手百貨店系列ですが、ランキングは振るわないようです。
10位のユニーグループ・HDはサークルKサンクスK系列でしたが、2016年9月1日にファミリーマートに吸収合併され、現在は消滅しています。
小売業界の平均年収ランキングTOP10
小売業界の平均年収ランキング
1位 ゼビオHD
2位 WDI
3位 エイチ・ツー・オーリテイリング
4位 ユナイテッド・スーパーマーケットHD
5位 キリン堂HD
6位 アクシアルリテイリング
7位 ニトリHD
8位 三越伊勢丹HD
9位 イオン
10位 ATグループ
業界動向リサーチ調べによる、平均年収ランキング1位のゼビオHDは、全国区でスポーツ用品専門店を営む企業になります。こういった特定分野に特価した企業の平均年収は高く、2位のWDIはレストランを、5位のキリン堂HDはドラッグストアチェーンを運営している企業です。また7位のニトリHDや10位のATグループなども、特定の分野に特化した小売業企業と言えます。
逆に百貨店や大手スーパーの平均年収はやや低く、3位のエイチ・ツー・オーリテイリングや8位の三越伊勢丹HD、9位のイオンなどは平均年収は低めなようです。
逆に地方スーパーの平均年収はやや高く、4位のユナイテッド・スーパーマーケットHD、6位のアクリアルリテイリングなどがランキングに入っています。
小売業界の主要企業を紹介
イオン
• 住所:〒261-8515 千葉市美浜区中瀬1-5-1
• 電話番号:043-2126000
• 代表者名:岡田 元也
• 設立:1926/09/21
セブン&アイ・ホールディングス
• 住所:〒102-8452 東京都千代田区二番町8-8
• 電話番号:03-6238-3000
• 代表者名:井阪 隆一
• 設立:2005/09/01
ローソン
• 住所:〒141-8643 東京都品川区大崎1-11-2
• 電話番号:03-5435-2770
• 代表者名:玉塚 元一
• 設立:1975/04/15
ユニー・ファミリーマートホールディングス
• 住所:〒170-6017 東京都豊島区東池袋3-1-1
• 電話番号:03-3989-6600
• 代表者名:上田 準二
• 設立:1981/09/01
三越伊勢丹ホールディングス
• 住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿5-16-10
• 電話番号:03-6205-6001
• 代表者名:石塚 邦雄
• 設立:2008/04/01
ヤマダ電機
• 住所:〒370-0841 群馬県高崎市栄町1−1
• 電話番号:0570-078-181
• 代表者名:桑野 光正
• 設立:1983/09/01
ニトリホールディングス
• 住所:〒001-0907 札幌市北区新琴似7条1−2-39
• 電話番号:011−330−6200
• 代表者名:白井 俊之
• 設立:1972/03/03
高島屋
• 住所:〒542-8510 大阪市中央区難波5-1-5
• 電話番号:06-6631-1101
• 代表者名:木本 茂
• 設立:1919/08/20
丸井グループ
• 住所:〒164-8701 東京都中野区中野4-3-2
• 電話番号:03-3384-0101
• 代表者名:青井 浩
• 設立:1937/03/30
小売業界の志望動機作成ポイント
仕事内容の把握
志望動機を作成する場合は、実際に企業に入ってから勤めたい仕事内容を正しく把握しなくてはいけません。企業がその仕事をおこなっているのかも、あわせて調べておく必要があります。
企業入社後に勤めたい仕事内容について理解した上で、自分がその仕事にどういう点でマッチしているか、そこをまとめることから志望動機の作成は始まるのです。
特に小売店での仕事は様々なものがあるので、その中から具体的に「この仕事を将来やりたい!」とアピールすることができれば、志望動機として採用担当へも好意的に捉えられることでしょう。
以下に、実際に小売業でよく見られる仕事内容について、まとめます。
バイヤー
バイヤーは様々な商品のマーケティングや仕入れ、店頭支援などをおこなう多岐に渡る仕事です。店頭に並ぶ商品に関する責任を負う仕事でもあるので、責任感をもって仕事をおこなわなくてはいけません。
また現在の流行や消費の動向などにも目を光らせ、ニーズを満たせる商品を仕入れたり販売することが、バイヤーのおこなうべき大きな仕事とも言えます。常に情報に敏感であることだけでなく、取引先との信頼関係の構築など、仕入れのために必要な下地作りも任されることになるようです。
バイヤーはその性質上、普段の生活の中でも比較的よく聞くことのある小売業の仕事かもしれません。ですが、その分様々な仕事に携わることになる重要な仕事であるとも言えるのです。
セールスマネージャー
セールスマネージャーは店頭のプロデューサーとも言える仕事です。店頭でおこなわれる全てのプロモーションや売買に関するイベントの企画・実施を担います。いわば店頭での仕事・出来事を推進していく仕事といえるでしょう。
あわせてセールスマネージャーは、店頭販売員や取組先の従業員も含めた人材マネジメントも任されます。誰がどういった形で働くかを決めることにもなるのです。
特に店頭で働くスタッフの育成やキャリア形成支援など、人材のレベルを上げ組織の成熟度を高めることは、セールスマネージャーとしての重要な仕事でもあるのです。このように店頭に関わる様々な仕事の支援をおこない、推進していくのがセールスマネージャーの仕事なのです。
スタイリスト
スタイリストとは販売に直に関わる従業員です。企業・店舗によってはスタイリストと呼ばれることもありますが、大まかには販売スタッフと思っていいでしょう。主に顧客への接客を担い、スタイリストの仕事がメインになります。
スタイリストの成熟度が高ければ高いほど、店舗全体の評価にもつながってくるものです。そのため、大手百貨店などではスタイリスト向けの教育や研修も頻繁におこなわれ、育成に力を入れているところもあります。また顧客、特に購買層への応対が多くなることもあり、一般的なモラルやルールを守った上での丁寧な対応求められる仕事でもあります。顧客への接触が多い分、トラブルなどへも責任を求められるので、常にその点を意識した仕事をおこなう必要があります。
販売
販売は小売業の仕事のなかでも、特に販売促進です。具体的には商品メーカーへの販売促進企画や景品(おまけの品)の提案から制作・納品までの担当となります。例えば書籍の販売であれば、雑誌の付録や書籍関連の景品の提案などもおこないます。
普段はあまり買わないものでも、景品の内容によっては購入するという購買層の顧客もいるため、メーカーと購入する客双方の期待に添える企画提案をおこなえるかどうかが大事です。そのため、企画提案だけでなく生産管理や納入まで、一貫して責任を持っておこなうことが求められます。これら販売としておこなう仕事が、結果として企業全体の商品購入につながる仕事でもあるのです。
具体的な入社後の意気込み
入社後にどういった仕事をおこないたいか、という意気込みは、志望動機や自己PRを作成する時に重要な意味を持ちます。具体的なイメージのない曖昧な志望動機は、採用担当にも伝わりにくいものになるのです。
その点を踏まえて、志望動機を考える際には「志望する企業に就職した後の自分のイメージ」を膨らませることが大事となります。将来的にどのような仕事をし、どういった人生を送りたいのかを考え志望動機の内容に盛り込めるか、それによって採用担当者も就活生の具体的な就職後のイメージを考えることができるのです。
まずはどういったことをしたい、という大まかなイメージから考えていくといいでしょう。企業に関する知識や仕事についての知識を取り入れ、そのイメージを具体的に作り上げていくことが、入社後の意気込みを語る上で重要になってくるのです。
小売業界の現状・課題を知って目指す企業の情報を備えよう!
小売業界は一時的な低迷を抜け、安定しつつある業界です。現状や話題を知り、課題や問題点と向き合うことで、小売業界の事情を身につけましょう。また、さまざまなランキングを利用して、目指す企業の年収・売上を確認してみましょう。
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