事前に年収や適職を見極めるのが転職成功のカギ

2019年10月24日(木) 更新

【物流業界への就職・転職希望者必見】仕事内容や動向・課題などをご紹介

物流業界とは?

運送・保管・荷役などの一連の流れをおこなう

物流業界と聞くと、多くの人が最初に思い浮かべるのが宅配便などの運送業でしょう。確かに、各家庭に荷物を届ける「運送」は物流業界の一部ですが、それだけではありません。 荷物を倉庫などに留めておく「保管」や、荷物の配送状況を管理する「情報管理」、荷物を積み込む「荷役」など、物を運ぶために欠かせない要素があります。 運送・保管・荷役などをすべて含めたものを物流と呼ぶのです。

ネット通販全盛の今欠かせない存在

物流業界は近年、盛り上がりを見せています。それは、インターネットショッピングの需要が増えたことが理由です。amazonや楽天市場に代表されるECサイトの普及により、気軽にネットで買い物ができるようになりました。 その配送を担うことで、躍進を続けているのが物流業界なのです。

ITの活用で高度な商品管理がおこなわれている

ネット通販で買い物をすると、店舗から発送されたというメールが届きます。そこから今、どの辺りにまで荷物が来ているのか、逐一チェックすることができるでしょう。これは、ITの活用で高度化した情報管理システムによって実現しています。 人々の暮らしを支えながら日本の物流を担うために、業界では日々その利便性を追求しているのです。

グローバル化で海外展開が進んでいる

日本の物流業界は国内だけでなく、世界中に展開しています。これは、グローバル化による影響が大きいです。国内の企業が世界中に拠点を設けるのに合わせて、物流業界もそれに対応しました。これまでは国内だけで完結していた物流業務が、世界を舞台に活躍の幅を広げてているのです。

物流業界の仕事内容

大型の貨物や小包まで送り届ける「運送」

物流業界の仕事内容は大きく分けて4つあります。業界における、メイン業務ともいえるのが「運送」です。顧客や取引先に向けて、貨物や小包を送り届ける輸配送作業をおこないます。他にも、輸配送の計画や商品などの梱包作業、トラックなどの車両のメンテナンス作業なども「運送」が担当しているのです。

受け取った荷物を保管・入出荷する「倉庫」

荷主から受け取った荷物を保管し、入出荷するのが「倉庫」です。主な業務として、倉庫内の荷物の整理や入出荷伝票の処理をおこないます。他にも、預かっている荷物の状況を把握する棚卸や配送時のピッキング、仕分け作業も「倉庫」の業務です。倉庫での作業が円滑におこなわれるよう、保守点検や作業効率化を図る業務改善も実施しています。

新規契約の確保で事業拡大を図る「営業」

事業の拡大や成長を図るためには、新たな契約先を開拓することが求められます。それらの活動を一手に引き受けるのが「営業」です。マーケティングを実施してターゲットとなる顧客を決めたあと、顧客に対して自社の物流システムなどをプレゼンします。顧客から好感触を得たら、契約交渉を実施して得意先を増やすのです。

物流管理のシステム作りを担当する「情報システム」

運送や倉庫などの作業は、ITの活用により業務効率化が図られています。「情報システム」は、物流管理のシステム作りや保守作業などを担当する役割です。例えば、帳票によっておこなわれていた荷物管理をより効率良くするために、バーコードやICタグによる一括管理に変更する作業などを取り組んでいます。

物流業界の動向

「SCM(サプライチェーンマネジメント)」で業務効率化

物流業界の動向についてみていきましょう。日本の物流業界は「SCM」の取り組みを始めたことで大きく変化しています。SCMとは、物流会社だけではなく、荷主や納品先に対しても物流システムの再構築を実施して、業務効率化をおこなう仕組みをいいます。この仕組みを導入することによって、過剰在庫や荷物不足といった状況を解消し、コスト削減や時間短縮を実現させることが可能になりました。
現状では大手企業の荷主を対象に実施されていますが、さらなる業務効率化を図るために、中小企業の荷主や納品先に対してもSCM化を進めています。

「3PL(サードパーティーロジスティクス)」によって物流はさらに発展

物流業界のSCM化に伴い、「3PL」を導入する企業が増えています。3PLとは、これまでは荷物を出荷するメーカー側がおこなっていた梱包などの作業を、物流業界の企業だけで対応できるよう再構築したものです。これにより、メーカー側は発送業務が楽になった分、他の事業に力を入れることができるようになりました。また、物流業界側も事業拡大による収益アップといった恩恵を受けられるため、物流の3PL化は進む一方です。

事業拡大に向けた企業の買収が活発化

3PL化の推進による大きな変化として、物流会社主導の企業買収が挙げられます。日立製作所グループの一員である日立物流は、親会社の業績によって売上が変動していました。その状況を打破するため、積極的に他業種の物流企業への買収を進めています。この動きは他の物流会社でも活発化していることから、物流企業主導で物流体系の一本化が今後も進むでしょう。

更に業界研究を深める

物流業界で働きたいという就活生は、仕組みや各企業について把握することが大切です。業績推移や各社の強みを知っておくことで、「この企業でなければならない」という入社意欲を志望動機に反映させることができるでしょう。そこでおすすめなのが「運輸業界大研究Book」です。海運、陸運、倉庫の業態別に主要企業などを紹介しています。無料でダウンロードできるため、効率的に業界・企業研究を進めたい就活生におすすめです。

物流業界の課題

品質と作業効率とのバランスを図るために物流KPIの設定が求められている

物流業界の課題には、何があるのでしょうか。物流のSCM化や、それに伴う3PLの導入によって、これから必要となってくるのが「物流KPI」です。「KPI」とは「重要業績評価指標」という意味で、事業のレベルや会社の価値を数値やデータで表すことをいいます。物流業界におけるKPIとして、「品減り」や「破損」、「誤出荷率」や「荷物の取扱時間」、「棚卸の正確さ」などが挙げられるでしょう。物流KPIの導入によって、品質と業務効率のバランスを意識した物流体系の構築が必要になります。

ドライバー職を中心に人手不足が深刻化

物流業界では、ドライバー職を中心に人手不足が深刻な問題です。全日本トラック協会の資料によると、ネット通販の拡大でドライバー職の需要が増えており、2018年のドライバー従事者数は86万人でした。働き方改革など労働者の労働改善を国が上げて取り組んでいるだけでなく、物流業界の企業1つ1つが働き方を改善し、労働者が働きやすい環境へと改善していった成果だと言えます。しかし、ネット通販の増加による物流の多忙さからすると、まだまだ人手不足が解消されたとは言えない現状です。

ロジスティクス全国大会の開催で物流の活用策を探っている

物流のさらなる発展と効率化を推進している日本ロジスティクスシステム協会(JILS)
は、毎年10月に「ロジスティクス全国大会」を実施しています。内容はIoTやビッグデータ、AIといった新技術による物流・ロジスティクスでの活用をテーマにしたものが多いです。メーカー側と物流業界の企業が1つになり、今後の展望を考えることで、さらなる業務効率化と業績アップのヒントを探っています。

物流業界への就職実現のために押さえておきたいポイント

①物流業界のニュースを確認しよう

物流業界への就職や転職を実現させるためには、業界研究と併せて業界のニュースを把握しましょう。インターネットや新聞などを利用すると、多くの業界ニュースを得られます。J-CASTニュースによると、宅配大手の佐川急便が労働力確保のために、週休3日制や副業の導入を発表しました。また、ヤマト運輸は一部時間帯の指定配達廃止と運賃値上げを実施します。このように物流業界では、上記の課題でも紹介した人手不足に関するニュースが特に多いため、常にアンテナを張り巡らせて置きましょう。

②英語力を身につける

始めに紹介した通り、物流業界ではグローバル化が進んでいます。海外での業務も視野に入れたい場合は、英語力が高いと有利です。とくに、海外展開もおこなう物流企業を目指すなら必須のスキルといえます。そのためには、TOEICなど英語力を示す指標を持っておきましょう。また、国内での業務を希望する人も、英語表記の専門用語がたくさんあるため、覚えておいてください。専門用語は日常的に使われているため、知らないと恥をかいてしまうかもしれません。

③就職・転職に有利な資格を取得する

就職や転職に有利な資格を取得するのも、就職実現のためには重要なポイントです。ドライバーを目指すなら中型や大型免許を取得しなければなりません。また、物流関係なら通関士やフォークリフト免許を取得しておいたほうがいいでしょう。物流業界の就職や転職に有利な資格4つを紹介します。

①準中型・中型・大型自動車免許

総重量3.5トン以上のトラックの運転には、中型自動車免許や大型自動車免許の取得が前提となります。ただし、中型免許は20歳以上で運転経験2年以上、大型免許は21歳以上で運転経験3年以上でなければ取得できません。なお、平成29年度より、普通免許と中型免許の間に「準中型免許」が設けられました。この免許を取得すれば、運転経験なしでも7.5トン未満のトラックを運転することができます。

②フォークリフト免許

倉庫会社などへの就職が有利になる資格が、フォークリフト免許です。正式には「フォークリフト運転者」といい、18歳以上ならだれでも取得できます。取得には、都道府県労働局長登録教習機関に指定された教習所で、技能講習と特別教育を受けなければなりません。この資格を取得することによって、フォークリフトや大型コンテナを運ぶ機械を操作することができます。

③通関士

国際的な物流企業への就職を目指す際は、国家資格でもある「通関士」を取得しておきましょう。通関士は、荷物を輸出入する際に必要な書類や、手続きなどの作業を一手に引き受けます。なお、通関士になるには、毎年10月におこなわれる国家試験に通過しなければなりません。

④国際物流管理士

国際物流管理士とは、社団法人日本ロジスティクスシステム協会が与える資格です。資格の取得には、20日間の講義を受けて最終試験に合格する必要があります。実務的な業務を行う通関士に対し、こちらはマネジメントを重視したもので、幅広い経営の知識が必要とです。 国際物流業務に2年以上携わった経験が必要になるため、就職後に取得しておくといいでしょう。

物流業界へ転職する場合のポイント

ドライバー職の求人が豊富

最後に、物流業界へ転職を考えている方に、いくつかのポイントを紹介します。物流業界では現在、とくにドライバー職の求人が多く出されています。そのため、まずはドライバー職への転職を視野に入れてみましょう。ただし、ドライバー職への転職には、業種によって準中型・中型・大型免許が必要になります。他にも、労働時間の変動が激しい点も考慮しておきましょう。

物流・システム管理などは経験者が優遇される

物流業界の中でも、システム管理はパソコンを用いてスタッフや荷物データを管理します。企業によっては、経理作業などの幅広い業務を担当するため、事務的なスキルが求められるでしょう。業務の複雑性から経験者が優遇されがちですが、未経験からでも目指すことは可能です。その際は、各業務に対する基礎知識を勉強しておくことをおすすめします。

転職エージェントなどの活用

未経験で物流業界を目指そうというのは中々勇気がいります。「運転や倉庫管理をしてみたいけど未経験だから不安」という人は、転職エージェントを利用してみるのがおすすめです。未経験者でもスキルアップできる企業の情報や、求められる人材像などを把握できるで、自分に合った物流企業への転職が実現できるでしょう。

業務効率化が進む物流業界への就職には業界研究は必須!

本記事では、物流業界に就職・転職するために押さえておきたい情報について紹介しました。日本の物流業界は、運送や倉庫のほか、営業やシステム管理などで成り立っているのです。3PLと呼ばれる物流効率化の動きが全国に広まっているほか、人手不足解消に向けて、働き方や経営戦略の見直しが進んでいます。物流業界への就職を目指す方は、業界研究をおこなったり、就職に有利な資格を取得したりしましょう。
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