2019年05月14日(火) 更新

鉄道業界の課題や将来|業界研究で押さえるべき情報を紹介

鉄道業界へ就職したいなら業界研究が必須

鉄道業界、特に総合職を目指したいのであれば、業界研究は必須です。鉄道業界は、JRと私鉄それぞれの事業展開が注目されており、動向を踏まえたうえで選考に臨むべきです。国との関わりが強いJRであれば、「国土交通省鉄道局」のホームページを見ることで、国の鉄道関連に対する政策がタイムリーにわかったり、私鉄であれば、「日本民営鉄道協会」のホームページで、私鉄の基本データベースが見れす。

鉄道業界に関する資料

世の中には、鉄道業界に関する資料が多くあります。就職活動でも上手に活用できると良いです。業界全体を概観するのであれば、『会社四季報 業界地図』、『日経業界地図』などの様々な業界が掲載された書籍がいいでしょう。一つの情報量は、決して多くありませんが、汎用的なので、横のつながりがわかりやすいです。同じ交通業界もあれば、鉄道車両の業界など他の業界にも使えます。

もっと専門的な資料であれば、交通新聞社が出している新聞以外の書籍やホームページにも、豊富な情報が掲載されています。その他にも経済紙に鉄道の特集がされます。「週刊東洋経済」、「週刊エコノミスト」、「プレジデント」など週刊と月刊のものがあります。一番のおススメは「日本経済新聞」でしょう。鉄道の記事が載らない日はありません。

情報量の大小こそありますが、毎日何かしら、鉄道の情報があります。鉄道業界に関連する項目などもあり、確実に大学のキャリアセンターや図書館にも設置しています。もちろん、自ら購読する大学生も多いです。また無料でダウンロードできる鉄道業界の資料もあります。まずは無料の『鉄道業界大研究Book』から目を通してみましょう。

鉄道業界とは

日本の輸送インフラを支える存在のひとつ

鉄道業界は、自動車・航空・船舶と並んで日本の輸送インフラを支える存在のひとつです。都市圏を中心に、通勤・通学客の輸送に一役買っています。

車社会が進む地方では、高齢者や通学客など、いわゆる交通弱者の外出や移動を支える存在として欠かせません。また、ダイヤが乱れない限り安定輸送できるとのメリットから貨物輸送などもおこなわれています。

4つの経営形態がある

日本の鉄道業界は、いわゆるJRと私鉄の2つだけだと思われがちですが、実際は4つの経営形態が存在します。

JR

日本最大級の鉄道事業者。かつては「日本国有鉄道(国鉄)」として、都市部から地方までの鉄道インフラを官営で支えていたが、赤字路線の増大に伴い1987年に分割民営化。
人口が多く、早々と経営黒字化を達成した「JR東日本」「JR東海」「JR西日本」の他、「JR北海道」「JR四国」「JR九州」のいわゆる三島会社、鉄道貨物輸送の大部分を担う「JR貨物」などに分かれている。

私鉄

国からの支援を受けず、完全な民間資本で運営する鉄道会社の形態。経営が安定しやすい都市部に多い。企業によっては鉄道以外にも、不動産や飲食・小売店など多角的な事業展開で経営の安定を図っている。
主な事業者として、関東エリアでは「東武鉄道」「東急電鉄」「小田急電鉄」など。関西エリアでは「阪急電鉄」「近畿日本鉄道(近鉄)」「南海電鉄」、東海エリアの「名古屋鉄道(名鉄)」、福岡県の「西日本鉄道」が挙げられる

第3セクター

旧国鉄の赤字路線や、新幹線運行後のJR在来線で廃止された区間、人口増加による新規インフラ整備区間を中心に、民間資本と県や市町村による公営資本の共同出資によって設立された鉄道会社。都市部では黒字経営を実現している企業も多いが、地方ではインフラ維持を目的とするケースが多いため、経営状況が安定しているところは数少ない。
主な事業者として岩手県の「三陸鉄道」、茨城県の「つくばエクスプレス」、新潟県の「北越急行」、高知県の「土佐くろしお鉄道」、福岡県の「平成筑豊鉄道」、鹿児島県の「肥薩おれんじ鉄道」などがある。

公営鉄道

地下鉄や路面電車など、インフラ整備に手間がかかる鉄道事業を中心に導入されている。比較的人口の多い自治体が経営主体となって運営しているのが特徴。
主な事業者として地下鉄では「東京都交通局」「横浜市交通局」「福岡市交通局」など。路面電車を運行する「熊本市交通局」「鹿児島市交通局」、両方を兼営する「札幌市交通局」などが挙げられる。

市場規模は約7.5兆円で約26万人が働いている

鉄道業界の市場規模はどれくらいなのでしょうか。総務省のサービス産業動向調査によると、2016年における鉄道業界の市場規模は約7.5兆円となっています。また、同調査がまとめた鉄道業界の従事者数は約26万人となっており、非常に多くの従事者によって成り立っていることがわかります。

鉄道業界の課題【都市】

人口増加による過剰輸送の解消

鉄道業界における都市部の課題として、まず挙げられるのが人口増加に伴う過剰輸送です。路線網の整備や運行本数の増加もあり、以前と比べると減少傾向にあります。しかし、国土交通省が毎年発表する「東京圏における主要区間の混雑率」によると、JR総武線の錦糸町→両国間で乗車率197%のほか、私鉄では小田急線の世田谷代田→下北沢間で151%、東京メトロ東西線 木場→門前仲町間は199%と非常に多いのです。
上記の乗車率はぎゅうぎゅう詰めであることを示しており、とくに朝晩のラッシュ時にこの傾向が強まっています。路線網の整備には限界があるため、いかにラッシュを分散できるかが課題となっているのです。

バリアフリー・安全対策の強化

バリアフリーや安全対策の強化も重要な課題です。高齢化社会が急速に進み、「多様性を尊重した社会」が叫ばれる中、エレベーターやエスカレーターなしの駅も少なくありません。また、ホームから線路に転落したり、電車に巻き込まれて人身事故になるケースが相次いでいます。。東洋経済オンラインの記事によると、2005年からの10年間で人身事故が3,145件も発生しているのです。

そのため、ホームドアの設置など安全対策が進められていますが、設置費用が高く、ダイヤの関係で工事可能な時間が限られていることから順調に進んでいません。安心して鉄道を利用できる環境をいかに早期に整備できるかは業界全体の課題です。

鉄道業界の課題【地方】

赤字路線の維持

地方の鉄道業界でまず挙げられる課題が、赤字路線の維持です。人口減少が続く地域や、車社会が定着した地域では、相対的に鉄道の利用者数が減少しています。日本経済新聞によると、慢性的な赤字経営が続いているJR北海道では、支援が得られなければ赤字路線の廃線もやむを得ない状況だと発表しました。また、東京商工リサーチのまとめでは、国鉄から第三セクター転換した鉄道会社の8割が赤字経営に苦しんでいます。

赤字が続くと、2005年の台風がきっかけで廃線になった宮崎県の高千穂鉄道のように、災害によるダメージを受けたまま復旧できない可能性が出てくるかもしれません。

設備老朽化への対応

赤字路線があると、鉄道会社の財務体質も苦しいものになります。多くの路線が整備して時間が経ち、老朽インフラになっているものも少なくありません。しかし、常に赤字経営の鉄道会社は運行の継続が精一杯で設備投資がままならない状況です。

そうなると老朽インフラをそのまま使い続けることになるため、破損するリスクが増えるほか、破損個所をきっかけとした鉄道事故などの原因になりかねません。ギリギリな経営環境の中、いかに安全性を担保した路線維持ができるかが大きな課題となっているのです。

鉄道業界の動向を把握しよう

非鉄道事業への注力が進む

鉄道業界は、今後どういった事業展開が進むのでしょうか。私鉄だけではなく、JRでも活発になりつつあるのが、非鉄道事業の推進です。2016年に株式上場を果たしたJR九州は、赤字となっていた鉄道事業をカバーするために、民営化直後から不動産・建設事業の参入、コンビニのフランチャイズや商業施設の整備などに力を入れました。
その結果、平成29年3月期の決算では、営業利益額約600億円のうち、非鉄道事業が約6割の約340億円を占めるようになったのです。都市部のように安定した経営が難しい地域では、こういった非鉄道事業の推進によって鉄道事業の存続を図る大きなチャンスとなるでしょう。

観光列車の導入で「手段」から「目的」へとシフト

利用者数が減少し続けている地方路線では、観光列車の導入で新たな活路を見出そうとしています。その代表格がJR九州です。デザイナーの水戸岡鋭治氏が手掛けた「ゆふいんの森」「或る列車」「指宿のたまて箱」などの観光列車を次々と導入した結果、沿線地域の観光振興に貢献し、路線の魅力を高めることに成功しました。この成功をもとに、JRや私鉄、第三セクターが積極的に観光列車を投入し、それぞれに一定程度の成果が上がっています。
また、「ななつ星in九州」に代表される豪華寝台列車の導入も各地で進んでおり、これまで「移動手段」とみられていた鉄道が「旅の目的」とされることによって、路線の維持を進めようとしているのです。

鉄道業界に就職した場合の仕事内容

日本の重要な公共交通機関の一つの鉄道業界は、以前から人気の就職先の一つです。小さい頃から鉄道関連の仕事をしたいと思っていた就活生も多いのではないでしょうか。

鉄道業界で仕事をする場合、どのような職種があるのか知っておく必要があります。自分の性格や特徴を活かせる職種を探し、実際に就活をするときに自分の長所をしっかりとアピールできるようにしていきたいものです。ここでは、鉄道業界の主な職種についてそれぞれ詳しく見ていきます。ぜひ職種選びの参考にしてみて下さい。

営業

民間のどの企業にも営業職がありますが、鉄道業界にも営業の部門があります。大きく分けると営業と販売促進の部門があることが一般的です。そして、これらがさらに細分化していて、販売促進、広告促進、営業管理、営業企画などの分野に分かれています。

営業・販売促進の職種では、自社の鉄道を利用する魅力や利便性を世の中の人たちに知らせる大きな役割を担っています。現在は数多くの鉄道会社がありますので、自社がいかに魅力ある鉄道会社かどうかのイメージを顧客に持ってもらうことを目的に活動をします。また、営業活動では、自社路線の沿線の魅力をたくさんの人に知ってもらうために、広報や宣伝、そしてPR活動や誘致活動なども行います。

整備

鉄道業界で最も力を入れるべき部署とも言えるのが、整備の部門です。いくら最新の設備や電車をたくさん正確な時間で運行したとしても、安全面がおざなりになってしまうことは絶対に避けなければならないのです。

整備部門の具体的な業務は、車両の保守や点検、安全管理、車両整備計画の立案などが主となっています。また、信号通信設備などを監視したり指令業務もこの部門の大切な業務です。さらに、線路や土木構造物などの点検作業や検査、保守なども担当します。鉄道業界の整備・管理の部門は、建設・電気・車両・工務などの分野に分けられています。それぞれの専門分野においての整備と管理を受け持ち日々の業務を行います。どの部署も基本的に屋外での作業が多くなり、夜間の作業もあり過酷な環境での仕事です。大変な業務ですが、鉄道を利用する人が安全で快適に利用するために、とても重要な役割を果たす職種と言えます。

鉄道運行管理

鉄道業界の運行管理部門では、毎日の鉄道ダイヤに従って安全に時間通りに運行するための仕事を行っています。日本の鉄道は時間通りに運行し、事故がほとんどなく運行されていることで世界的に有名で信頼がありますが、その大きな役割を担っているのがこの部門なのです。

運行管理部門においては旅客輸送や貨物輸送の運行、及びその付帯業務を行っています。運行管理の主な仕事内容は、旅客電車や貨物電車がダイヤ通りにかつ安全に運行するために管理と指令を行うことです。鉄道業務の中でも、顧客との接点がとても多い業務で、多くの乗客の役に立っていると日々実感できる職種で、やりがいを感じることが多い仕事と言えるでしょう。

サービス企画・開発

鉄道会社でのサービス企画と開発の仕事には、次のようなものがあります。まずサービス開発部門においては、鉄道を利用する乗客の動向をいろいろな角度から分析して、これからの新しい企画を検討します。そして、その内容を各部署と連携して新たなサービスを企画して、立案・実施していくということが主な仕事内容です。

また、サービス企画部門では、鉄道を利用する人の傾向や流れ、パターンなどをさまざまな角度から分析します。そして、更によいサービスを提供できるように、計画を立てていきます。鉄道を利用する人の気持ちや意見を聞き取り、耳を傾けていくことで実際のサービスに反映できる点が、この職種の魅力でもあり、やりがいになっている人も多い仕事です。

鉄道業界の課題や今後の動向を踏まえて選考対策しておこう

子どもの頃に鉄道に関しての興味を持ち、そのまま将来の夢として鉄道業界での仕事を志す人も少なくありません。 しかし、鉄道業界で働くには資格や知識のほか、鉄道業界の現状や抱えている課題なども把握したうえで、将来的な動きを考える必要があります。非鉄道事業や観光列車の導入など、さまざまな情報を仕入れたうえで、スピーディーに行動を起こしましょう。

鉄道業界の内定を勝ち取りたいなら、ライバルと差をつけるためにも業界研究は必須です。記事中でご紹介した、キャリアパークが提供している業界研究マニュアルを活用して、鉄道業界で注目のトピックスや各社の特徴などの情報を収集しましょう。下記からも無料でダウンロードできるので、就活に役立ててください。

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