2020年06月29日(月) 更新
建築業界のインターン内容とは?選考対策と合わせて紹介
目次
建築業界は建設業に含まれる
建築業界はしばしば建設業と混同されることがあります。2つの違いは、建築は建物に関すること、建設は土木や建築全般に関するということです。
建築業界は建設業に含まれます。建築は、住宅、ビル、図書館、美術館など建物に関する業務をおこないます。一方の建設は幅広く、建物のほかにも道路、ダム、橋、トンネル、港、空港、などインフラ全般に関します。
建設は人々が暮らしやすいように環境を整え、加工するということを表しています。快適性や安全性を考え、人々の暮らしを支えている事業全般と言えるでしょう。建設の中で建物に特化したものが建築となります。また、建築にはデザインや風景との調和など、芸術性も大きく関係してきます。
建築業界の3つの分類
ゼネコン
ゼネコンは英語の「GeneralContractor(ゼネラル・コントラクター)」が語源で、総合契約者という意味の言葉です。不動産の建設に関する全般的な業務を請け負うため「総合建設業」とも呼ばれています。
ゼネコンが手掛けるのは、道路、橋、ダムなどのインフラから病院やビルなど公共事業が多くなっています。このような工事に関する業務全般を受けるのがゼネコンの仕事です。
ゼネコン企業は自社で全ての工事をおこなうのではなく、それぞれの専門業者に依頼します。下請け業者を管理してコントロールしていくことも、ゼネコンの大きな役割のひとつです。「竹中工務店」「清水建設」「大林組」などは大手ゼネコン企業として知られています。
ハウスメーカー
ハウスメーカーは自社の生産設備を持ち、全国規模で注文住宅の生産・販売をおこなっている企業を指します。
住宅は従来、一件ごとに設計や施工方法が異なるものでしたが、あらかじめ統一しておくことで品質と生産効率を高めようとしたのがハウスメーカーです。ハウスメーカーでは住宅の部材やサイズ、工法などの基本を定めており、行政から「型式適合認定」を受けています。その規格に基づき、設計・施工をおこなっています。
一般的に住宅を建てる時には、建築確認や審査をおこなう必要がありますが、ハウスメーカーの住宅はすでに認定を受けているため審査を簡略化できるほか、部材を大量に仕入れて前加工することで大幅なコストダウンも可能となります。
設計
建物の設計に関わる仕事です。建築設計の職種としては建築士、技術士などの有資格者と建築事務所で働く職員などがあります。
建設設計の仕事は大きく3つに分けられます。まず一つ目は、意匠設計です。建築物の外観・内部のデザインや、人々が快適に活動できるような環境を意識した設計をおこないます。クリエイティブなセンスが求められる職種でしょう。
建築の中身を設計するは、構造設計です。強風や地震などがあっても安全に過ごせるような建物を考えます。専門的な知識が必要になり、構造力学のスキルなどが求められます。
最後は設備設計です。建築の内部の電気、配管、インターネットなどのインフラを設計する仕事です。技術士の資格が必要になるでしょう。
建築業界とは
家や施設など建物を作り上げる仕事
建築業界の具体的な仕事は、住宅や学校、病院などの建物を作り上げることです。企画を元にして、複数の専門業者が協力しながら完成させていきます。
基礎・鉄骨を組み立てる基礎工事、柱や床を作る躯体工事、建物の壁を作る外壁工事、電気や上下水を整える設備工事など、ひとつの建物が完成するまでには多くの過程が必要です。建築業の職種は幅広く、それぞれ専門的な知識が必要です。
大型の建造物の場合は工事期間も長くなり、多くの職人が関わります。また、工事は計画に合わせて進めなければならず、仕事の時間が不規則になる場合もあります。大規模な工事は、工事期間も長くなりますが、建物が完成した時にはその分、やりがいを感じられるでしょう。
建築業界のインターン内容
見学や設計体験がある
建築業界のインターンシップにおいて、実施されることのある研修・セミナーの内容についてピックアップします。これから紹介する情報以外にも、企業独自で実施されるプログラムがありますので、詳しい内容は建築業界各社の採用情報をご覧ください。
建築業界のインターン内容
ハウスメーカー・ゼネコン各社のインターン情報をもとに構成
- 建築に関する基礎知識のセミナー
- 建築工事現場・完成建築物の見学
- 実践を想定した建築研修
- 建築工事の体験
- 住宅・建築物の設計やデザイン体験
- 住宅・建築物の営業体験
- 現役社員による講話・セミナー・懇談会
建築業界のインターン選考突破対策
建設業界の現状を把握する
建築業界を希望するなら、まず業界の研究をおこない現状を把握することから始めましょう。
建築業界は、2020年の東京オリンピック向けて盛り上がりを見せています。社会にとっても欠かせない事業のひとつで、今後もさらに市場の成長が見込まれていることもあり、毎年多くの就活生が建築業界を志望しています。他の応募者との差別化を図るためにも、念入りに準備をおこなっていきましょう。
建築業と一言で言っても、非常に幅が広く企業の事業内容も多岐に渡ります。業界の動向や今後の課題などを把握すると共に、自分が希望する職種や建築業界で何をやりたいのかを具体的に絞り込んでいきましょう。
自分のどのような点を活かせるか、どのような分野で活躍できるのかなどを考えてみるとヒントが見えてきます。
志望動機では業界への興味・関心を具体的に述べる
選考試験では必ず志望動機を聞かれますので、事前に回答を準備しておきましょう。なぜ建築業界を希望したのか、業界への興味や関心を具体的に述べアピールに繋げます。
業界研究・企業研究で学んだことを元にして、業界に対する自分なりの考えや意見を織り交ぜながら、なぜそう思うのかという理由も合わせて伝えるようにします。
また、建築業界へ興味を持ったきっかけや、なぜ関心を持つようになったのかなど、具体的なエピソードも伝えると説得力が増します。相手に意図が伝わるように、分かりやすく説明するように心掛けてください。業界への志望動機だけでなく、その企業で働きたいと思う理由も合わせて述べることで熱意が伝わります。
ポートフォリオ提出の場合は企業研究をしたうえで構成を練る
建築業界の意匠設計職やデザイン系の設計職を希望する場合、面接でポートフォリオを提出することがあります。
特にアトリエ系の設計事務所では、選考時に提出が必要となります。事務所によっては、ポートフォリオの内容を厳しく見られる傾向にあり、入賞歴なども評価の対象になるため、積極的にコンペなどに参加して賞をとることを目指しましょう。
ポートフォリオを準備する際には、提出する企業研究をしたうえで構成を練るようにしましょう。大学在学中の設計授業やコンペで提出・応募した過去の自分の作品をまとめたものになりますが、希望する企業や職種によって評価するポイントが異なります。企業の特徴やどのような点を重要視しているのかなどを事前に確認しておきましょう。
建築業界のおすすめインターンを紹介
①積水ハウス (ハウスメーカー)
ハウスメーカーの国内シェアトップの積水ハウスでは、インターンシップを1週間実施しています。前半は建築資材工場や住宅展示場、分譲地の見学です。後半からは実務的なカリキュラムとして、支店業務の研修や住宅設計の研修など、ハウスメーカーで求められる知識を習得できます。
②一条工務店(ハウスメーカー)
木造住宅の建設で有名な一条工務店では、1DAYインターンシップを実施しています。住宅業界に関する知識や一条工務店に関する情報などを得るだけではなく、就職活動をするうえで心掛けたいポイントを学べるのが特徴です。
③竹中工務店(ゼネコン・建設会社)
大手ゼネコンのひとつである竹中工務店は、5日間の「計画設計インターンシップ」をおこなっています。カリキュラムは、建築物にとって一番最初の段階にあたる、建築計画や設計作業が中心です。建築の基礎だけではなく、技術的な知識もインターンを通じて得られるでしょう。
④鹿島建設(ゼネコン・建設会社)
ゼネコン大手の鹿島建設では、「KAJIMA EXPO」と題して、全国各地でインターンシップを実施しています。建築・土木工事の現場などの見学がおこなわれるほか、女性社員の活躍ぶりも学ぶことができるなど、多角的に建築業界を学べるのが特徴です。
⑤大和ハウス工業(ハウスメーカー)
大和ハウス工業のインターンは1DAY~5DAYから選ぶことができます。夏に開催される5DAYインターンシップは、東京で開催され現場の見学や設計の課題がおこなわれます。設計~施工までの業務の流れを理解し、具体的な業務内容を体験できる内容となっています。また、冬に開催されている学部学科不問の1DAYインターンでは、大和ハウス工業の全体像を体感することができます。その他にも建築学科を対象とした技術力体感インターン、理系を対象とした研究開発職インターンなどがおこなわれています。
通過するエントリーシートを作成する
インターンの選考に通るためのESを作成するために、実際の通過者のESを参考にしましょう。そこで活用したいのが「インターン選考通過者が実際に提出したES集」です。JALや日清製粉、三菱UFJ銀行や大正製薬などの通過者が提出したESを無料でダウンロードできます。設問の内容も確認できるため、事前の対策として持っておきたい資料です。
建築業界のインターン内容は様々!熱意や業界動向を交えながらアピールしよう
建築業界のインターンの内容や選考対策・現状や将来性について紹介していきました。
建築業界のインターンは、現役社員によるセミナーや実際の機材を用いた作業の実施など、幅広いカリキュラムを実施しています。そんなインターンの選考を突破するためには、熱意だけではなく、建築業界に興味を持ったきっかけや業界の動向を交えながら、自身をアピールすることが大切です。
毎年、建築業界各社でインターンを実施していますので、興味を持った方は各企業の採用情報やインターンシップ情報サイトで詳しく調べてみましょう。
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