2020年06月23日(火) 更新
【小論文の書き方完全ガイド】就職活動で役立つ対策本と例文つき
目次
就職の選考で小論文を求められる理由は?
就職選考で小論文が求められる理由としては、一体どのようなものが考えられるのでしょうか?文章とは、自然と書いた本人の人柄に沿ったものになることが多く、人によっては、書かれた文章を見ただけで執筆者がどのような人間かを判別することもできるかもしれません。
そのため、人間性を見るために小論文が設けられていると言えそうです。また、面接が苦手な人に対しての救済措置的な意味合いもあり、話すのが苦手な人の個性を見るという面もあるのではないでしょうか。
文章から人間性を見たい
今までは、学科試験と面接のふたつが、就職試験の基本的な選考方法でした。近年、小論文を加えた試験形態が増えている理由は何でしょうか。それは学力で測れないものを見極めるために、小論文を書かせています。この小論文では文章から応募者の考え方や思考を見極め、その応募者の人間性も質を測る指針としています。
面接が苦手な人への救済措置
就職活動や転職活動で小論文を書かせるのは、面接が苦手なだけで仕事面では優秀な人材を逃さないようにする意図もあります。どうしても人間同士ですから、就活や転職活動の面接だけの短い時間で、その人を見極めることもできません。面接で見切れない部分を小論文で確認し、選考材料を集めているのも目的と言えるでしょう。
論理的な思考があるかどうか
就職選考に小論文が求められる理由としては、応募者に論理的な思考力があるかどうかを判別するためというのも挙げられるでしょう。論理的な思考力というのは仕事上必須と言われており、ロジカルに物事を考えることができないと、業務上様々な面で支障をきたしてしまう可能性があります。
そのため、企業としては事前に応募者の論理的思考力の度合いを図り、あまりに論理性に欠けている応募者は足切りしてしまうという考えもあるのではないでしょうか。論理的思考力に長けている人間はそれだけで魅力的であり、いかにも仕事ができそうな雰囲気を持っています。
しかし、当然ながら論理的思考力だけで仕事ができるわけではありませんので、その他の能力もバランスよく鍛えておく必要があるでしょう。
自己分析の浅さは、人事に見透かされる
就活で内定を勝ち取るためには、自己分析をして自己理解を深める必要があります。自己分析を疎かにしていると浅い答えしか浮かばず、説得力のある回答ができません。
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小論文の基本的な書き方
基本構造は「序論」「本論」「結論」
小論文の書き方ですが、基本的な構造を理解しておくと書きやすくなります。とくに論文のような長い文章で何かを伝える場合には、確実にその構造や構成は欠かせません。これがないとたちまち支離滅裂な文になってしまいます。
基本的な小論文の書き方の構造としては、序論・本論・結論といった構造にしておきましょう。またその中での文段落も非常に大事になってきます。こういった基本をしっかりとして書くように心がけましょう。
書くべきテーマを正確に把握する
次に大事になってくる小論文の書き方のポイントは、テーマを正確に決めるところになります。当然ではありますが、何かについて書くときにはテーマが必要です。このテーマを決めたらそのテーマに沿って、曖昧にしないできちんと把握してから書くようにしましょう。「論点を見失わないこと」は長い文章を書くうえで非常に大事になります。
読み手と書き手が混ざらないようにする
小論文の基本的な書き方としては、読み手と書き手が混ざらないように意識し、誰に向けて書くべき文章なのかを明確にすることも挙げられます。文章とは、原則的に誰か特定の対象に向けて書かれるものであり、その辺りが曖昧だと主張も弱く、一体何を伝えたいのかが曖昧になってしまうでしょう。
また、文章内で読み手と書き手が混ざってしまうと、読んでいる方は文章に入り込むことができず、やはり趣旨が伝わりにくくなってしまいます。文章も話すのと同様コミュニケーションの一環ですので、言いたいことが伝わらない文章に高い評価が下されることはまずありません。
その辺りをしっかりと意識し、小論文を書く際は「一体誰にあてた文章なのか」を明確にしましょう。
説得力のある文章を作成する
小論文の書き方で気を付けるべきことですが、そもそも小論文とは単に自分の考えを述べればいいというものでなく、いかに説得力を持たせるかということが大切になってきます。したがって、きちんと結論づけてそれに基づく裏づけなども必要です。しっかりと準備をしてから書いていくようにしましょう。
しかし、自分の意見を書くのが悪いという訳ではありません。自分の意見を書くことは、小論文において重要な中心となる構成要素です。自分の意見を、感想のままで終わらせることがNGとされています。疑問を提示し、自分の持っている考えと合わせて持論を展開する流れを意識するだけで、説得力のある書き方になるでしょう。
小論文の基本構成
自分の意見を提示
小論文の基本構成としては、まず自分の意見を提示することが挙げられます。論文と聞くとテーマに対する様々なデータを収集し、確たるエビデンスの元に論説を展開するというイメージがあるかもしれませんが、就職選考における小論文でそこまで求められることは少ないでしょう。
そのため、基本的には自分の意見を元に文章を展開させていく形になるのですが、そこにはやはり根拠が必要です。確たるデータまでは求められないかもしれませんが、「自分が何故その意見を支持するか」に対するある程度の根拠は明確にしておいた方が良いでしょう。
それがないと、「自分はこう思います」で話が終わってしまい、それでは相手に納得してもらうのは難しいのではないでしょうか。
自分なりの疑問を大まかに示す
小論文でテーマが決まったら、自分なりの疑問点を大まかに示すようにしましょう。小論文は自分の考えを書くものですので、感想ではなく疑問点を持つ必要があります。一般的な意見や世間での考え方に対して、自分自身はどう感じたのか問題提起をするようにしましょう。
疑問に対する解決策を提案
次に、自分の意見と問題を解決する方法を提案しましょう。そうすれば、小論文の基本的な流れは出来上がります。「賛成」と「反対」のどちらなのか、自分の立場を明確にする必要があります。その上で、問題解決の方法を提示しましょう。あわせて、自分の主張のメリットについても整理します。
理由を説明し解決策に穴がないか検証
続いて、自分の解決策に穴がないかを考えてみましょう。解決策に穴があってはいけないようなきがしますが、その場合はまたその問題に対する解決方法を述べればいいのです。そうすることで、自分の意見をより強固なものにできます。一度、自分の意見に問題がないか考えることも大切です。
反対意見についても理解を示す
小論文の書き方として、反対の立場の主張の良いところを見つけることも大切です。反対の立場のメリットを知ったうえで、それでも自分の意見を主張する理由を説明しましょう。小論文で議論するテーマは、正解があるわけではありません。反対の意見にも理解を示して、最善の方法を書くことができれば、良い評価が得られます。
小論文で説得力を出す書き方とは
例や理由は具体的に述べる
小論文において、例や理由については具体的に述べるようにしましょう。具体例を示す際には、自分の意見とうまく繋げて説明をすると良いです。自分と反対の事象に反論したり、自分の意見通りに行動した場合のメリットを、具体的に示すようにすると説得力のある意見になるでしょう。
全体に筋を通す
小論文で説得力を出す書き方としては、文章全体に対してしっかりと筋を通すことが挙げられます。文章全体で一つの論に終始し、その根拠をいくつも並べることで説得力が増し、読んでいる方も頷かざるを得なくなるでしょう。
しかし、文章の途中で主張や意見が変わってしまうと、一体何が言いたいのかが分からなくなってしまいます。もちろん、自分の説を強化するために敢えて反対の立場からの視点を取り上げるのはテクニックの一つになりますが、それは自分の意見を翻していることにはなりません。
文章の途中で意見が変わると、余程のことがない限りはマイナス評価になってしまいますので、なるべく一つの小論文の中では一つの主張のみに終始することを心掛けましょう。
余計な文章を入れない
小論文で説得力を出すためには、余計な文章を入れないことも大切です。文章は、原則的にシンプルな方が読みやすいものですし、読みやすい文章は必然的に説得力も増すのではないでしょうか。
余計な文章という定義はケースによっても異なりますが、大まかに言うと「自分の論説の展開に関係のない文章」と言えるでしょう。例えば、経済の話をしているのに脱線して天気の話になってしまったり、貧困問題を取り上げているのに自分が今日起きた時間を記載してしまう等が挙げられます。
もちろん、これらが自説の展開に必要なのであれば積極的に入れるべきでしょう。しかし、そうでないのであれば思い切って削ってしまい、なるべくシンプルな文章構成にすることをおすすめします。
誤字脱字はNG
小論文作成における、うっかりミスの代表が誤字脱字です。「文章自体はうまくまとまっているのだから大した問題ではない」と考えるのは大間違いです。例えば、取引先との契約書締結などでは、たった一文字の誤字脱字によって大変な損失を受ける可能性があり、仕事の場において許されるミスではありません。
履歴書やエントリーシートに誤字脱字があるのもまたしかりです。漢字の知識や文章作成能力が不足している、そして重要な仕事を任せられない注意散漫な性格の持ち主であると判断されてしまいます。小論文作成時には提出時間ギリギリまで誤字脱字がないかをチェックする心構えが必要です。
就活の軸を定めておこう
小論文を書く際には、就活の軸を定めておくといいでしょう。就活は内定を得ることが目的ですが、内定を得て入社した後も自分の選択に自信を持つことで、本当に就活が成功したといえます。しかし、就活の軸を定めることは難しいです。
そこで活用したいのが「就活の軸作成マニュアル」です。このマニュアルでは、就活の軸の作り方が詳しく紹介しています。無料でダウンロードできるため、働くことや就活に迷いがある就活生はぜひ手に入れてみてください。
小論文には書き方のコツがある
小論文では5W1Hを使う
文章を書く上で、忘れてはならないのが「5W1H」です。「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」という要素に当てはめて、文章を考えます。そうすると、自分の伝えたい情報を整理して分かりやすく書くことができるでしょう。小論文であれば、自分の意見ですので「だれが・なにを」を抜いた「いつ・どこで・なぜ・どのように」を中心に考えると良いです。
投げかけの「だろうか」を使用
小論文を書く際は、問題提起をするさいに「~だろうか」と投げかけるような文章にすると良いです。
問題提起のさいには「~だが~だろうか」という文章にします。前半で事実を述べて、文末で疑問を投げかけるのです。例えば、「近年、スマートフォンの普及でSNSに顔写真を載せている人が多い。インターネットに自分の顔写真を掲載して大丈夫なのだろうか」といった使い方をします。
「たしなよ」を意識
小論文の書き方のコツに「たしなよ」というものがあります。これは、「確かに・しかし・なぜなら・よって」を略したものです。自分の意見を述べる際には、反対意見に対して「確かに~だが」という形で理解を示してから、「しかし~」と自分の考えを述べてみましょう。そのあとは、「なぜなら~だからだ」という形でその理由を説明します。最後に「よって~と考える」と結論を述べて締めくくりましょう。この4つのキーワードを覚えておけば、文章が組み立てやすくなります。
小論文で出題されやすいテーマ一覧
小論文で出題されやすいテーマについて知っておきましょう。小論文では、自分に関することや、時事問題について問われる場合が多いようです。以下が、出題されやすいテーマになります。一通り、構成を考えてみると、本番でスムーズに書けます。
テーマ例
- 自己PR
- 自分の長所(短所)
- 座右の銘
- 学生生活で得たもの
- 学生と社会人の違い
- 現在の景気についてどう思うか
- 志望業界の現状
- 地球温暖化の影響
- 高齢化
- 人権
事前にしておくべき小論文対策とは?
それでは、引き続き事前に行っておくべき小論文対策について考えてみたいと思います。小論文はSPI等と比べると事前対策が難しい面もありますが、それでもまったくできないというわけではありません。
小論文対策の一例としては、例えばニュースにしっかり目を通したり、対策本を熟読する等が挙げられます。小論文はいきなり上達するというわけではありませんので、日々の細かい努力が大切になるでしょう。
近年のニュースや出来事を把握する
小論文では時事問題が出題される場合がありますので、ニュースや最近の出来事や事件を把握しておきましょう。普段からテレビでニュースを見るようにし、新聞を読む習慣を付けておくことが大切です。特に、新聞のコラム等はプロが編集した文章ですので参考になります。自分自身の言葉の引き出しを増やすのに役立つでしょう。
小論文対策本を熟読する
小論文の事前対策としては、小論文対策本を熟読するのも一つの手です。小論文対策本を読んだからといっていきなり文章が上手くなるわけではありませんが、文章を書く際の基本的なルールや考え方、価値観を学ぶには有効でしょう。
また、小論文対策本に書かれている内容だけではなく、その文章の組み立て方に着目するのも良いかもしれません。出版社から発行されている書籍である以上、その文章を書いているのはプロであることが想定されますので、文章そのものに着目することで得られるものも多いのではないでしょうか。
世の中には多くの小論文対策本が発行されていますので、まずは気になったものを手にとって熟読してみることをおすすめします。
起承転結がある小論文の例文
それでは、続いて起承転結がある小論文の例文を見ていきたいと思います。しっかりと起承転結を意識して論文を構成することで相手にとっても読みやすく、分かりやすい文章になるでしょう。
以下に起承転結と流れを意識した例文を掲載させて頂きます。あくまでも一例ですので、これが必ずしも正しい書き方とは限りませんが、一つの意見を主張する例としてはこのような形が一般的になるのではないでしょうか。
自分なりにアレンジし、相手に伝えることを意識して文章を構成しましょう。
学生生活で得たもの
私が学生生活で得たものは忍耐力と自信です。中学からずっと吹奏楽部に所属しており、練習がある日はなるべく休むことなく参加していました。時には辛いことや苦しいこともありましたが、その先には「やり遂げた」という達成感を感じることができ、忍耐の先には充実感や達成感を得られることを肌で学びました。
また、部活動と並行して勉学も疎かにはしなかったことで、自分に自信を持つことにも繋がりました。元来あまり自分に自信が持てなかったのですが、自分には到底無理だろうと思っていた勉学と部活動の両立を成し遂げたことで、その思いを払拭することができました。
忍耐は達成感を生み、そしてそれは自信に繋がるということを忘れることなく、今後の人生を歩んでいきたいと思います。
地球温暖化の影響とは
地球温暖化による影響は様々なものが考えられますが、大きなものとしては病気の蔓延や食料の不足等による人間への悪影響が挙げられるでしょう。地球上の様々な地域が温暖化することによって気候が変わり、それまで雨が降っていたところが降らなくなり、砂漠化する危険性が考えられます。
そうなると、水不足になり、作物が育ちにくくなってしまうのではないでしょうか。作物が育ちにくいということは人口に対する食料供給に支障をきたすことになり、結果食糧難に陥る危険性があります。
その他、気候の変化によって病気を媒介する虫が広範囲に生息することにより、今以上に様々な病気が蔓延することが懸念されます。地球温暖化が我々人間に及ぼす悪影響は少なくないと言えるでしょう。
小論文対策にオススメの本2冊
小論文対策に効果がある方法が、実際に小論文作成スキルを上げるために努力した実録小説を読むことです。現在就活マンガ、就活小説とも呼ぶべきハウツー本がたくさん出版されています。自分と同じ立場の主人公に感情移入することは容易ですから、主人公の悩みに共感しながらすらすらと読めてしまうでしょう。
また、さまざまな業界で活躍するトップの人たちの時事問題に対する意見を聞き、思考の組み立て方や言葉の選び方を知る意味では、著名人たちの対談集やエッセイを読むこともとても参考になります。近頃はスマホで読める読書アプリがたくさん出ていますし、デジタルホンは紙媒体よりも安価に購入できることがほとんどですから、ぜひいくつか一読しておくことをおすすめします。小論文の書き方を知ることができ、就職試験の面接の場の質問対策にもなり一石二鳥です。
①『マジ文章書けないんだけど』
就職試験の小論文試験では、ほんの数十分の所要時間内に、単なる作文でない小論文の体裁を持つ文章を組み立てなければいけません。論点から文脈がブレないようにしながら、読む人に分かりやすく自分自身の経験と考察を述べられるような書き方を学ぶためにはどうすればよいのでしょうか?
また小論文という体裁の文章に必要な、序論から本論、そして結論という順に文章を組み立てられるようになるには、たくさん文章を作成し良質な文章を読むなどの経験を積む以外ありません。そこでおすすめなのが有名新聞社のベテラン校閲記者の文章講座「マジ文章書けないんだけど」です。
謎のおじさんと、就活に備えて小論文作成を上達しようと焦る女子学生の掛け合いで進む文章講座は、とても読みやすく参考になります。文章作成の基礎から、高度な文章術まで学べるとあって、小論文対策の必携図書といえる存在となっています。
②『文藝春秋オピニオン2018年の論点100』
毎年出版されることからも人気のほどがうかがえる文藝春秋の人気シリーズの2018年度版「文藝春秋オピニオン2018年の論点100」は就職活動中の学生なら必ず読んでおきたい一冊です。まず最新の時事問題が取り上げられているライブ感で非常に読みやすい内容であることが魅力です。
また、各界の著名人や高名な専門家たちによる意見や解説が平易な文章でまとめられているので、テーマ設定や文章の組み立て方など小論文の書き方すべてにおいて、学ぶことができます。小論文対策テキストに挙げられるのも納得です。
広がりのあるテーマを選ぶと、横筋に流れた文章展開になりがちなので、一貫して本筋から外れない文章展開を学ぶことは貴重な経験です。政治経済他、社会全般に関する感覚を鍛えながら文章作成の腕も上がるお得な1冊です。
就職活動で行なう小論文試験では起承転結を意識する書き方を心がける
就活で小論文があると、一歩引いてしまう就活生が多いでしょう。しかし、小論文は評価を高めるための選考であると覚えておきましょう。文章作成は、どの業界・職種に就いても必須なスキルです。覚えておいて損はありません。起承転結を意識しつつ、読み手がどう受け取るのかを見据えながら書くと良いです。
小論文は、練習しただけ成果が出ます。何から初めて良いかわからない就活生は、この記事で紹介した本を読んでみてください。何をすべきか形が見えてくるはずです。
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