2021年06月18日(金) 更新
【あなたを自由に表現してください】ES・履歴書で差がつく書き方と使用例
この記事の監修者
キャリアアドバイザー
赤塩 勇太大学を卒業後、新卒で採用コンサルティング会社に入社。キャリアアドバイザーとして、1,000名以上の就活生に対してキャリアセミナー、面談を実施。その後、採用コンサルタントとしてクライアントの採用課題の解決に従事。法人・求職者双方の目線から、適切なアドバイスを提供している。
目次
「あなたを自由に表現してください」の意図は?
「あなたを自由に表現してください」というエントリーシートは、人気企業やマスコミ関係に多いです。自由度の高い記述を求める出題には、企業の特別な意図があります。
まず第一に、志望度の高さを図るという意図です。自由に表現できるということは、文章での自己アピール以外の方法が可能ということです。創意工夫を凝らした自己アピールを紙面に表現するのは、通常のエントリーシート作成より、ずっと負担の大きい作業になります。だからこそ、考え抜いて時間と労力を使った回答からは、志望度の高さが読み取れるのです。第二に、オリジナルな発想や創造力など、画一的な設問からは図れない学生の個性、感性や能力を見たいという意図があります。企業が求める人物像かを判断する材料として活用されるケースがあるでしょう。自由に表現できるということは、裏を返せば、「差」がつきやすいと言えます。
就活生の個性を見たい
個性的な発想力のある人材を求める企業では、自由な表現から読み取れる学生の個性に注目しています。文字だけで表現するのか、文字以外に絵や写真を用いるのか、さらにレイアウトや構成、紙面のバランスまで、どのような手で表現するのかを読み手は見ています。奇をてらう必要はありませんが、自分らしい個性を出せる表現方法を考えましょう。
嘘のような話ですが、「絵や写真を用いるなどの工夫をして自由に表現してください。」と記載されているにも関わらず、文字だけで細かく埋めてくる学生がいます。読み手は、正直辟易するでしょう。個性と共に感性が読み取られることもあります。何の工夫もせずに、企業の意図を無視したような回答をしてしまうのは残念なことです。自分の得意な表現方法を駆使して、アピールしてください。どのように書けば、楽しく見て(読んで)もらえ、自分の良さも伝わるか考えてみましょう。読む側も実はこうした回答は楽しみだったりするのです。
求める人材を精査している
就活でのエントリーシートがもつ意味や意図は、企業が求める人材にマッチする学生であるかどうかを精査することだといえるでしょう。履歴書だけでは、求める人材を見極めるのが難しいです。それを補うため、企業はエントリーシートを独自に作成します。就活生が、企業の求める人物像に合うか、設問などで振るいにかけているのです。
その中でもエントリーシートや履歴書のフリースペースは、企業があえて「あなたを自由に表現してください」とすることで、就活生がどのように自分を「自己PR」するかを見て、性格や自由記述の内容から、求める人物をより細かく精査しているのです。
志望度も確認される
エントリーシートや履歴書での自由記入欄(フリースペース)は、人事担当者が志望度を敏感に感じ取っている項目ともいえます。それは、企業が見たい応募者の志望動機は自由に表現が許されるこの自由記入欄(フリースペース)に書き込んでいる就活生が多いという理由があるのです。
そういった理由もあり人事担当は「なぜ我が社でないといけないのか」という点をこの自由記入欄(フリースペース)で確認しているのです。志望度の高さは、将来的に会社に利益をもたらす人材であるかどうかを見極めるポイントであるという事を企業は知っているので、「あなたを自由に表現してください」というこの項目から、本当の気持ちを読み解かれるのだと覚えておきましょう。
間違った構成の自己PRでは、企業の選考を突破できない
自己PRはただ自分の強みを述べればいいのではなく、構成が重要になります。間違った構成では論理的な文章にならないため、自分の強みを理解してもらえず企業の選考を突破できません。
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「あなたを自由に表現してください」を上手に使うには?
差がつくからこそ、チャンスだと思った方がいいでしょう。もっとも、「あなたを自由に表現してください」と書かれたエントリーシートに苦戦する学生を多く見てきました。何を書けばいいのかわからないという声がよく聞かれます。こうした設問は、自己アピールの一種ですので、自分の良いところを伝えることに変わりはありません。もっと気楽に考えて、自分のことを知ってもらうくらいの感覚で望みましょう。絵が上手なら、絵を描いてもいいでしょう。自分の魅力が伝わるような写真があれば、写真を用いてもよいでしょう。
レイアウトを考える
エントリーシートや履歴書で、大きくフリースペースがある場合は、個性をだすためにまずはレイアウトから考えましょう。「イラストや写真などを使ってもいい」と記載があれば、必ずイラストを描くか写真を貼るようして、世界に一枚しかないあなただけの個性豊かなエントリーシートを完成させる必要があります。
文字だけでなく絵を加えるのもあり
「あなたを自由に表現してください」というエントリーシートには、ほとんどケースで注意書きがあります。「絵や写真を用いても構いません」など記載されています。A4サイズの1枚の場合もあれば、稀ですが3枚なんてこともあります。できるだけ文字だけで紙面を埋めないことが肝要です。文字だけで書いてはいけないというルールはありませんが、わざわざ自由に表現してもらいたいと書いているということはそういうことです。絵が得意な学生は、イラストを巧みに使用します。アイコンのように、挿絵を描いてもいいです。その際に、絵の上手い下手を気にする必要は全くないです。美術的な専門性を要求する部門なら別ですが、通常の企業のエントリーシートなら問題ありません。絵を加えることで、視覚的にメッセージを伝えやすくなるという利点があります。
視覚効果も利用する
レイアウトが決まったとしても、実際に履歴書やエントリーシートの自由記入欄(フリースペース)に何を書けばいいのか、となると非常に困るでしょう。しかし逆に考えれば、一枚の紙に「あなたを自由に表現してください」と何でも自由に書いていいのであれば、堅苦しいエントリーシートの質問では表現できなかった自分を、最大限に表現できるチャンスにもなるのです。そのためには、とにかく楽しんで書くのが大事です。趣味についてでも、最近ハマっていることでもいいでしょう。
履歴書やエントリーシートで、フリースペースを使う企業は年々増えています。現代のビジネスシーンではその企業同士の競争が激しく、企業間で差がつきにくくなっている時代と言えます。そういった時代背景により、企業が重きを置いているのが熱意と工夫などのアイディアが出せるかという点です。
先にも述べたように、フリースペースでは、企業はあなたのアイディア力も見ていますので、あなたらしいオリジナリティのあるエントリーシートで効果的な自己PRを心掛けてましょう。
「あなたを自由に表現してください」の上手な書き方
見やすいレイアウトにする
文章だけのエントリーシートに比べてこうした自由記載の場合は、レイアウトに気を付けないと大変読みにくいものになってしまいます。読み手のことを考えて見やすいレイアウトを心がけましょう。見やすいレイアウトのポイントは、とにかくごちゃごちゃさせないことと手を抜かないことです。「目的」や「取り組み」、「課題」などを伝えたいことを明確にしながら、全体を構成していくとよいでしょう。パワーポイントなどのソフトを活用する学生ならば、そういった作成をする感覚を活かせばいいと思います。写真を使用した場合ならば、自分がどこにいるのかわからなければ意味がありません。また、なぜその写真を貼ったのか理由が伝わらなければ意味がありません。適当に作成されたものは、レイアウトを見ればすぐにわかります。細部に注意しながら、内容と共に全体のレイアウトに配慮が必要です。
見た目にばかり気をとられない
自由記入欄に記入する際に気をつけるべきポイントとしては、見た目にばかり気をとられないことが挙げられます。エントリーシートの自由記入欄では文字だけではなく、イラストや写真を貼り付けるなどでアピールすることもできますが、印象的でも内容が薄ければ意味はありません。
見た目に華やかであれば印象にも残りやすいですが、インパクトがあるだけでアピールにはなりませんので、伝えたいことがきちんと伝わっているか注意することが大切です。どれだけ目を引く内容であっても、何も伝わらないのでは意味がありませんし、高評価にもつながりません。見た目のインパクトも大切ですが、それよりも内容が重要ですので、何をアピールしたいのかを明確にして記入していきましょう。
アピールする要点をまとめてから書く
自由記入欄に記入する場合は、いきなり書くのではなくアピールする要点をまとめてから書き始めることが大切です。表現することで何をアピールしたいのかを明確にすることが大切であり、アピールしたいことが曖昧なままでは相手には伝わりません。アピールの趣旨が伝わらなければ高評価を獲得することはできません。
余計なものを書いてしまうことで、マイナスの評価につながってしまう可能性もあります。履歴書やエントリーシートはボールペンで記入するので、間違えた場合は基本的には修正することはできません。一発勝負ですので、事前にどのような内容を書くのかをまとめておく必要がありますし、きちんと構想を練ってから記入すべきです。
言いたいことをひとつに絞る
自由に表現する場合に限らず共通することですが、論点は一つに絞ってください。脈絡のない絵や写真をベタベタ張り付けてばかりで、結局、何が言いたいのか伝わらなければ意味がありません。読み手は何枚も同じような書類を見ています。そのエントリーシートを通して、何を伝えたいのか、テーマをひとつに絞ってください。基本的に読み手は何度も熟読して、あなたのエントリーシートを理解しようとは思いません。たくさん応募があるからです。初見でざっと目を通して、その学生と会いたいか会いたくないか、これに尽きます。自由な表現でもテーマをひとつに絞ることによって、伝えやすさわかりやすさを意識してみましょう。差がつきやすいからこそ、あらゆる表現方法を模索して、自分らしさが表現できればよいのです。
自己分析をしてアピールできる内容を摑もう
自己分析をすることで、アピールすべき自分の特性を掴みましょう。そこでおすすめなのが「自己分析マニュアル」です。このマニュアルを使えば、質問に答えるだけで自分のパーソナリティタイプが診断できます。技術者タイプやクリエータータイプ、実務家タイプなどがありますが、あなたはどのタイプでしょうか?無料でダウンロードできるため、すでに自己分析が終わっているけどさらに深めたいという就活生にもおすすめです。
あなたを自由に表現してください」の使用例
採用担当者の声から学ぶ効果的な自由記入欄の使用例
では、企業の採用担当者の声から学ぶ効果的な自由記入欄の使用例について見ていきます。
キャリアアドバイザー|赤塩 勇太
採用担当者の声
印象的だったのが、一つ一つの回答すべてに添えられた手書きのイラスト。この絵がとにかく気持ち悪い(笑)『ここにアクセスしろ!』というメッセージ付きの半透明のカプセルも同封されていて、そこにアクセスしたら過去の作品集が一覧できるといった具合です。それを見ると、さすがに会わない理由がないと思いました(笑)もちろん履歴書やエントリーシートの華やかさだけでなく、他にも魅力的な要素もたくさんありましたが、自由記述という点を最大限に生かして『会わせたい』と思わせた就活生の勝ちですね。
内定を勝ち取った就活生の声から学ぶ効果的な自由記入欄の使用例
次に、実際に内定を勝ち取った就活生の声から学ぶ効果的な自由記入欄の使用例も見ておきましょう。
就活者の声
「例えば海外に行った時の写真や、おもしろいポーズを取っている写真など、写真を効果的に使うだけで、エントリーシートの通過率は格段に上がります! 私の場合は、着物を着た時の写真や、演劇の衣装を着た写真等、インパクトがあると思われる写真を様々な形に切って活用して、そのユニークさを気に入られて内定へと繋がりました。日頃からおもしろい写真を撮って用意しておくといいですよ。就活では履歴書やエントリーシートの自由記入欄(フリースペース)に写真貼付けを指定する企業も多いので、ぜひオススメします!」
「あなたを自由に表現してください」は個性を見られている!使用例を参考に自由な書き方をしよう
企業には、多い所で1回の募集で1万通を越えるエントリーシートが届くそうです。そんな膨大なエントリーシートや履歴書の中から、企業が志望度や求める人材を精査するために見るのが、この自由記入欄です。
そして、就活生も多くの応募者の中から自分を選んでもらうには、「読んでいて面白い!」「一度会ってみたい!」と思わせるように、「あなたを自由に表現してください」という自由記入欄の活用は、重要度を増しています。自由記入欄以外にも、苦手な記入欄があるでしょう。
ある程度慣れてきても、自分が選考を突破できるほどの就活力を持っているかわかりません。この機会にぜひ、自分の就活力を把握し、対策しておきましょう。
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