2017年06月19日(月) 更新

【就職協定が廃止された理由とは】就活生が知っておきたい倫理憲章が定められるまでの背景

就職協定とは学業に支障が出ないよう定められたもの

就職協定とは、就職活動の早期化によって学業がおろそかになるのを防ぐ目的で、企業側と学校側で1952年に制定されたものです。その後、40年ほど就職協定のもとで就活がおこなわれてきましたが、1996年に廃止されました。ではなぜ、就職協定が廃止されたのか見ていきましょう。

就職協定が廃止された理由3つ

就職協定の廃止理由①買い手市場への変化

就職協定は元々、大学生の求人数が十分にあることが前提でした。つまり、学生側に有利な、売り手市場で結ばれた協定だったのです。しかし時代は代わり、相次ぐ不景気やバブル崩壊により、売り手市場から買い手市場へと就職市場が変化しました。そうして、「就職活動は4年生になるまで待って」ということを、大学も学生も言っていられなくなったため、就職協定を破る大学や学生が増加したのです。
就職活動の厳しさが増すにつれて、「就職協定を守っていたら他の人よりも就職活動が遅れてしまう。就職協定を守った方が損をする」という大学や学生が増えました。これが、就職協定が廃止された理由の1つです。

就職協定の廃止理由②囲い込みの発生

就職協定が廃止された理由には、企業側の事情もあります。企業は、自社にできるだけ有能な学生を入れたいと思うのが当然ですが、そういった学生の数はそう多くありません。有能な学生を確保するには、他社に先駆けて有能な学生と接触・自社への囲い込みをする必要があったのです。このようなやり方をとる企業が増加し、企業による有能な学生の青田買いが常態化したことで、就職協定の形骸化が起こりました。就職協定をしても、企業と学生が個人的に会える状況では、効果が発揮されないことが明らかになったのです。こうして就職協定そのものが意味をなくしたため、廃止されてしまった背景もあります。

就職協定の廃止理由③大学の専門学校化

就職協定が廃止された理由の3つ目は、大学の専門学校化です。一昔前は、大学といえば教養を身につけるところであり、その先に就職があるとはいえ、就職を目当てに入学する学生はほとんどいませんでした。しかし、最近では大卒資格をとって、よりよい企業に就職することを目的に大学選びや大学入学がおこなわれています。つまり、教養から実学主義へと大学の価値が変わってきたのです。このように、学生や大学にとって「就職」の価値が以前よりも、ぐっと高くなったことも、就職協定が廃止された理由の1つだといえるでしょう。

就職協定廃止後にできたのが「倫理憲章」

こうして廃止された就職協定の後に制定されたのが、「倫理憲章」です。これは、早期化しがちな就活に歯止めをかける役割として、制定されたガイドラインとなっています。しかし、これは経団連の総意というわけではありません。経団連に加盟している1,300社のうち、800社しか賛同していないうえ、日本の企業は400万社あるため、影響力はあまりないかもしれません。なお、2018年卒の選考は3月情報解禁の6月選考開始であり、このスケジュールが安定化すれば、倫理憲章の趣旨が活かされてくるでしょう。

就職協定が廃止された理由は3つ!今は代わりに倫理憲章が制定されている

就職協定が廃止された理由と、倫理憲章が制定されるまでの背景について見てきました。就職協定とは、就職活動の早期化を防ぐために制定されたものだといえます。しかし、現在は廃止されており、その理由は「買い手市場への変化」「囲い込みの発声」「大学の専門学校化」の3つです。就職協定が廃止した代わりに倫理憲章が制定されましたが、2018年卒のスケジュールが安定化すれば、その趣旨が活かされてくるでしょう。

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