2020年06月23日(火) 更新

内定契約書(誓約書)にサインしたあとの辞退は可能なのか|就活生が知っておきたいルールと連絡方法

企業が内定契約書(誓約書)を作成するのには2つの意図がある

内定契約書(誓約書)の意図①:内定を証明するため

内定契約書(誓約書)を企業が作成する1つ目の意図は「内定を出したことの証明」です。電話による口頭での伝達のみだと、「本当に内定したのだろうか?」と疑う就活生が出てくるかもしれません。そんな就活生を安心させるために、文書化して目に見える形にしたのが内定契約書(誓約書)といえます。

内定契約書(誓約書)の意図②:内定辞退を防ぐため

内定契約書(誓約書)を企業が作成するもう1つの意図は「内定辞退の防止」です。「契約書(誓約書)」と表記することによって、就活生に対して「内定も契約の1つだから、必ず入社してくださいね」とアピールしているのです。文書としてはっきりと残るので、就活生は「そう簡単に内定辞退をしてはいけないのではないか」と、プレッシャーを感じる人もいます。

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内定契約書(誓約書)の提出後でも内定辞退は可能なのか?

法的拘束力がないため内定辞退は可能

企業側と内定契約書(誓約書)を結んだからといって、内定辞退することができないとは法律上定められていません。1979年の「大日本印刷事件に対する最高裁判決」に基づき、入社日までの間は「始期付き解約権留保付労働契約」となり正式な雇用関係とはならないのです。この「始期付き解約権」が適用されている間、企業、就活生双方が雇用関係を取りやめできる立場にあるので、就活生側からの内定辞退が可能になります。
また、憲法第22条において「職業選択の自由」が定められているため、他の志望企業に入社することを理由に内定を辞退しても、全く問題ありません。

入社日間近の辞退では損害賠償請求されることも

内定契約書(誓約書)提出後に辞退した場合の企業側からの損害賠償請求は、基本的には認められません。労働基準法第16条において、企業側が内定者を含む労働者に対して、賠償責任を負わせる契約を結んではならないと定められているためです。
ただし、入社日間近に辞退すると、民法第415条「契約上の債務不履行」もしくは民法第709条「不法行為による損害賠償」を理由に、企業から入社準備費用を請求されるケースがあるかもしれません。しかし、その請求が認められる可能性は低く、実際に起こった裁判では辞退した内定者側が勝訴しています。【東京地方裁判所平成24年12月28日労働経済判例速報2175号3頁より】そのため、過度に心配する必要はないでしょう。

内定契約書(誓約書)提出後に辞退できるのは入社日2週間前まで

前述の通り、内定辞退に伴う損害賠償がおこなわれることはほとんどありません。しかし、民法第627条において、申し出てから2週間経たないと雇用関係の解消が成立しないと規定されているため、辞退を申し出てから内定辞退が成立するのには、一定期間かかります。2週間前までに辞退を表明しないと、賠償請求された際に不利になる可能性があるため、辞退を決めたら、早い段階でその旨を申し出てください。

内定契約書(誓約書)提出後の辞退はどういった理由で断ればいいのか?

内定辞退は、相手の立場を考えて対応する

内定契約書の提出後、第一志望である他企業から内定が出た場合、どう断れば良いのでしょうか?その際は、辞退する理由を企業側へ正直に伝えましょう。

内定辞退の申し出(例)

「先日は、内定をいただきましてありがとうございました。非常に勝手なお願いで心苦しいのですが、今回の内定を辞退させていただきたくご連絡(お電話)を差し上げました。大変申し訳ありません。」

内定契約書(誓約書)を提出した後の辞退は、企業のことも考慮した上で決めたと伝えるのが大切です。内定辞退を伝えると、必ず理由を聞かれますので「他社から○○職の内定を頂いたため」など、明確に述べてください。入社日ギリギリの内定辞退でなければ、聞き入れてもらいやすいです。他社で働くことを伝えにくい場合は、「家族が病気になり帰郷せざるを得なくなりました」「家業を継がなければならなくなりました」など、企業側がやむを得ないと判断する理由を伝えると良いでしょう。

電話で謝罪したうえでさらに手紙でお詫びを添える

内定辞退の申し出や謝罪は、電話でおこなうのが基本です。電話であれば自分の口から謝罪を伝えられますし、企業側からお叱りなどさまざまなご意見もうかがえます。電話だけでは不安という方は、さらに手紙でお詫びの気持ちを伝えましょう。手紙に書く際も、内定をいただいたことに感謝をしつつ、非礼に対してお詫びしなければなりません。
企業によっては直接話がしたいと求められることもありますが、できるだけ応じた方がいいでしょう。ただし、その際に脅迫めいた行為を受けたら、自治体や国の労働相談窓口や弁護士などに相談してください。ICレコーダーを用意して録音データを残しておくと、証拠として活用できます。

内定契約書(誓約書)を提出しても辞退は可能!入社2週間前までに申し出よう

内定契約書を提出した後の内定辞退のやり方と注意点を見てきました。誓約書や契約書を書いた後に、せっかく内定をくれた企業に内定辞退の申し入れをするのは心苦しいと思います。しかし、契約後の内定辞退は法律的に問題ないので、企業側に心からの謝罪の意思を示すことができれば賠償請求のトラブルはほぼ起こりません。
内定辞退を決めた段階で企業側にいち早く連絡をし、明確な理由を述べましょう。そうすることで、誠意をもって対応しているとの認識を持たれ、トラブルが起きる可能性は少なくなります。もしトラブルが発生してしまったら、労働相談窓口や弁護士などに相談しましょう。

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