2017年07月19日(水) 更新
中卒で正社員への就職を成功させる方法
目次
中卒での就職は難しい?
日本における義務教育は中学校までですが、「高校進学が当たり前」という認識、風潮があります。正社員の求人の募集要項にも「高卒以上」と記載されているものがほとんどです。中卒で正社員に就職するのは難しいのでしょうか?
正社員への就職は難しいのが現状
中卒で正社員に就職するのは難しいのが現状です。正社員への就職を目指すにあたり、壁となるのが最終学歴です。正社員の求人の募集要項には「高卒以上」と記載されているのがほとんどであるため、中卒だとほとんどの正社員の求人に応募もできません。
難しいとはいえ、学歴不問や中卒でも応募できる求人はあります。数は少ないために倍率は高くなり、採用されるためには徹底した対策が必須です。
最初から高校進学の意思がなく中卒で就職活動をする場合、学校の担当の先生がサポートしてくれるため、正社員として就職するのが一般的です。
しかし最近では、経済的な事情により、高校を中退せざるを得ないケースが増加しています。この場合は学校側のサポートもないため、自力で就職活動をしたり、将来を考えなければなりません。
成功のカギは「情報収集」
正社員への就職を成功させるには、高卒、大卒の就活同様に情報収集がカギとなります。企業への熱意をアピールするため、ミスマッチを防止するための情報収集として、企業研究と自己分析は必須。実務経験を積むためにも、長く勤務できる会社を選びましょう。「中卒だから就職は選べない」という考えは、将来のためにも持つべきではありません。 志望する企業ではどのような人材を求めているのか、どのような資格を持っていたら就職が有利になるか、その仕事や会社は自分に合っているのかなど、情報を集めて精査しましょう。
中卒でも正社員として就職できる仕事
高卒や大卒と比べるとかなり限定されますが、中卒でも正社員として就職できる仕事はあります。専門職は学歴よりも資格や経験が重視されますし、サービス業や営業職は「学歴不問」で求人が出ている場合が多いので、中卒でも正社員として就職できます。
正社員として就職できる仕事①:専門職系
専門職において重要なのは学歴ではありません。そのため、中卒でも正社員になれる仕事があります。
■大工や鉄工、内装工、庭師などの土木、建築関係
■漁業、農業などの第一次産業従事者
■美容師
■調理師
■介護職などの医療関係
技術を習得し、一人前までに時間がかかる職人系の仕事は、中卒での就職が有利と言われています。成功するためには熱意や技術を学ぶ意欲が必要です。経験と実績を積めばそれを武器に転職したり、仕事によっては独立も可能です。
美容師になるためには美容師免許が必要です。そのためには美容学校を卒業しなければいけませんが、中卒でも入学できる学校はあります。中卒、高校中退から美容師になるには、高等課程も受けられる美容学校への入学がオススメ。高等課程がある美容学校では、美容師になるための授業の他に、一般の高校で勉強する教科も学べます。
正社員として就職できる仕事②:サービス業
サービス業は「学歴不問」という求人が多い業界です。
■飲食店での接客サービス業
■アパレル業界
■ホテルや旅館の従業員
■旅行業界
人と話すのが好き、接客に向いている人にオススメです。自分の努力や工夫次第で結果が出るため、やりがいを感じやすい仕事と言えます。
サービス業ではコミュニケーション能力が嫌でも身につきます。コミュニケーション能力はどこでも重宝される能力ですから、将来必ず役に立つはずです。
正社員として就職できる仕事③:営業職
意外に思うかもしれませんが、中卒で営業職に就職する人も少なくありません。営業職の求人には募集要項に「高卒以上」「大卒以上」とあるものが多数ですが、中には「学歴不問」としている企業もあります。大卒だから営業ができる、高学歴だから営業が向いているとは言いきれませんよね。 コミュニケーション能力や営業手腕が試される仕事であり、実績が給料に反映されやすく、努力次第で収入アップが狙えます。高卒や大卒の営業マンと競わなければならないため、成績を上げるには並々ならぬ努力が必要であることは覚悟しておきましょう。
中卒で就職・進学を有利にする「高等学校卒業程度認定試験」はオススメ
中卒でも正社員として就職できる仕事はあるとはいえ、選択肢はかなり狭まります。そこでオススメなのが、「高等学校卒業程度認定試験」に合格することです。
高卒と同等以上の学力があるかを認定する試験制度
「高等学校卒業程度認定試験」とは、高等学校を卒業した人と同等以上の学力があるかどうかを認定するための試験です。合格すると高校卒業と同等以上の学力があると認定され、就職や資格試験などに活用可能となります。大学や短大、専門学校への受験資格も与えられます。
試験は年に2回、8月と11月に実施されます。
ただし、この試験に合格しても、あくまでも「高卒と同等以上の学力がある」という認定を受けただけであり、高校を卒業したことにはならないので学歴は「中卒」になります。そのため就職活動の際にも、応募資格に「高校卒業、あるいは同等の学力を有している」とあれば応募できますが、「高校卒業以上」と限定されている場合には応募できません。
しかし、この認定試験に合格しているのとしていないのでは、就職や進学、資格の取得において大きく差が出ます。将来のためにも、勉強して試験に合格することをオススメします。
中卒でも取得できる資格
中卒で受験できるのは民間資格だけでなく、国家資格もあります。勉強はかなり厳しくなりますが、国家資格を取得すれば就職は有利になるでしょう。
就職に有利になる資格一覧
就職に有利になる、中卒でも取得できる資格は以下の通りです。
【国家資格】
■宅地建物取引士(宅建士)
■国内旅行業務取扱管理者試験
■調理師
■製菓衛生士
■クリーニング師
■貴金属装身具製作技能士
【民間資格】
■インテリアコーディネーター
■医療事務技能審査試験
■調剤事務管理士技能認定試験
■フードコーディネーター
■エステティシャンセンター試験
■秘書技能検定
■マイクロソフトオフィススペシャリスト
■介護職員初任者研修筆記試験
■ホームヘルパー
資格を取得する際に考えてほしいのは、自分の展望に合っているか、現実的に取得可能かどうかの2点。明確な目標や就職したい業界があればモチベーションも上がり努力も続きますが、なんとなくで勉強するのは避けましょう。将来や目標、やりたい仕事のために時間を割くべきです。
他にも漢検や英検で難易度の高い級を取得する、TOEICを受験してハイスコアを取るなど、学力をアピールできる試験を受けるのもよいでしょう。
中卒の就職を成功させる履歴書の書き方
中卒で就職を成功させるには、履歴書の書き方も重要です。履歴書の書き方で人柄や意欲、熱意が伝わります。中卒だとしても、採用担当者に熱意や意欲が伝わる履歴書が書ければ好印象を持たれますし、採用担当者に「会ってみたい!」と思わせることができます。
書き方①:丁寧な字で書く
「字に自信がない」と言う人は多いですが、履歴書を書く際に大切なのは「字の綺麗さ」ではありません。字が綺麗であることは長所ではありますが、それ以上に大切なのは「丁寧に書くこと」です。
字に自信がなくても、読みやすさを考えて丁寧に書かれた履歴書は好感を持たれます。
誤字脱字に注意して、一文字一文字を丁寧に書きましょう。
また、履歴書には印鑑を押したり、証明写真も貼ります。印鑑はずれていないか、証明写真は枠内に収まるように貼られているか、細かい点まで注意してください。証明写真はスピード写真ではなく、写真屋で撮影してもらいましょう。
書き方②:簡潔かつ具体的に
履歴書は簡潔かつ具体的に書くのが基本です。いきなり書き始めるのではなく、要点をまとめてから文章にすると書きやすいでしょう。何度も見直し、書き直すことでより良い文章になります。
中卒に限った話ではなく、学歴や経歴を詐称する人がいます。学歴や経歴の詐称は絶対にしてはいけないことであり、採用後に詐称がバレると、最悪の場合は解雇されます。
中卒なのか、高校中退なのか、アルバイト歴はあるのかを嘘偽りなく正確に記載しましょう。
書き方③:学歴ではなく中身で勝負する
日本は「学歴社会」と言われていますが、仕事においては学歴だけで優劣が決まるわけではありません。はっきり言って高学歴でも仕事ができない人はいます。就職においても、高学歴だけをアピールしても就職には結びつきません。 最終学歴が中卒だからと最初から諦めずに、履歴書の中身で勝負しましょう。志望動機や自己PRで就職後に自分の強みをどう仕事に活かすか、趣味や特技の欄まできっちり埋めてください。空欄は絶対に作らないでください。
中卒の就職を成功させる面接対策
就職のために避けては通れないのが面接です。履歴書は良くできているのに面接で台無しにならないよう、面接対策も万全に行ってください。面接の練習は回数を重ねるほど効果が出ます。
清潔感のある身だしなみを心がける
第一印象は結果を大きく左右します。好印象を持たれるよう、清潔感のある身だしなみを心がけましょう。だらしない格好はNG。シャツのボタンは外れていないか、ネクタイは緩んでないか、結び方は正しいか、スーツに皺はついていないか、汚れはないかなど、細かくチェックします。靴や鞄などの持ち物も同様です。
挨拶・態度・言葉遣いに注意
挨拶も第一印象を決める大きな要素です。ハキハキと元気よく挨拶をしてください。態度や言葉遣いを悪い人は採用されません。慣れない態度や言葉遣いに苦戦するかもしれませんが、落ち着いた態度や丁寧な言葉遣い、具体的でハキハキとした応答は好印象を与えます。
「進学しなかった理由」を答えられるようにしておく
中卒で就職する場合、面接では高校に進学しなかった理由を聞かれます。高校中退の場合は、中退の理由を質問されます。家庭の事情や経済的な事情など、ネガティブ事情でやむを得なかった場合でも、長々と説明するのは避けてください。簡潔に伝えるに留めましょう。「勉強が嫌いで進学したくなかった」という理由は、良い印象を与えません。
自身の努力不足で進学できなかった、と思っている人は正直にその旨を伝えた上で、今後はどうしていきたいのか、どう努力していきたいのかを説明しましょう。
志望動機では興味を持ったきっかけ・将来の展望を説明する
志望動機と自己PRは必ず質問されます。志望動機では、その会社に興味を持ったきっかけと将来の展望を説明するといいでしょう。興味を持ったきっかけは必ず何かあるはずです。さらに将来の展望を伝えることで、「長く働いてくれそう」という印象を持たせます。
例文
料理で人を幸せにすることをモットーとしている点に共感し、志望いたしました。私は調理師として働く母の姿を見て育ちました。母の作った料理を食べた人は笑顔になり、母もその笑顔を見て嬉しそうにしていました。自分も母のような調理師になり、人を笑顔にする、そして幸せにする料理が作れるよう努めていきます。
自己PRは頑張った経験を具体的に説明して人柄をアピール
自己PRでは、これまでに頑張った経験を具体的に説明して人柄をアピールしましょう。志望動機に合うような自己PRの作成が望ましいですね。必ず自己分析を行い、自分の経験の棚卸しをしてください。自分の人柄や強みを活かせるから応募した、と志望動機に繋げられるような自己PRを作成してみましょう。
例文
手先の器用さが私の強みです。もともとは不器用な方でしたが、調理師になるには器用さが必要だと考え、克服するため細かい作業に積極的に取り組みました。折り紙や工作から始め、母から包丁の扱い方を習ってからは桂むきや千切りを綺麗に行う練習に励みました。その結果、桂むきや千切りも調理師の母からお墨付きをもらいました。手先の器用さを活かし、見た目も綺麗な料理を作れるよう努めます。
正社員として就職できた後に注意すべきこと
正社員として就職するのがゴールではありません。正社員として就職したら、仕事を続けて経験を積んだり、実績を出さなければなりません。ところが、正社員として就職後、勤務態度の悪さを理由にすぐに退職する人も少なからずいます。長く働き続けるために注意すべきこととは?
就職したら終わりではない!その後が肝心
就職はゴールではなくスタートであり、就職した後が肝心です。正社員として長く働き続けて結果を出せるようになるには、礼儀やマナー、そして仕事への意欲が大切です。
上司や先輩社員、顧客への礼儀やマナーは守りましょう。礼儀やマナーを守れなければ、社会人としてやっていけません。人間関係を円滑にするためにも、礼儀やマナーは必ず守ってください。
さらに仕事を覚えて結果を出すため、何より自身が成長するためには仕事への意欲を持ち続けことが重要です。意欲がない社員は印象が悪くなります。
必要な書類は期日までに不備なく用意する
会社に正社員として入社する際には手続きが多く、提出しなければならない書類も多いです。面倒と思うかもしれませんが、会社側の説明をよく聞き、必要な書類は必ず期日までに用意しましょう。社会人としての常識です。わからない点があれば素直に担当者に聞きましょう。
服装や持ち物は清潔感を第一に
就職したからといって、だらしない服装や髪形はNG!社会人として、清潔感のある服装や身だしなみを整えてください。高価な服や持ち物を揃える必要はありません。
服装はよれていないか、汚れはないか、靴や鞄はくたびれていないかなど、注意してください。
ビジネスマナーを覚えよう
最初から完璧にビジネスマナーを覚えている必要はありませんし、そのような人はいません。ビジネスマナーは働きながら勉強し、身につけていくものでもあります。しかし、最低限のビジネスマナーは就職する前に身につけておきましょうね。入社する前に身につけておくべき最低限のビジネスマナーは以下の4点です。
■時間厳守
■報告・連絡・相談を徹底する
■整理整頓
■挨拶と言葉遣い
中卒でも正社員への就職は可能!資格取得や履歴書・面接対策を徹底しよう
中卒で正社員への就職は難しいのが現状ですが、不可能ではありません。正社員への就職を成功するためには大卒の就活同様、企業研究や自己分析から始まり、必要な資格を取得したり、履歴書と面接対策が必須になります。
選択肢を広げるためにも、高等学校卒業程度認定試験の合格を目指すことをオススメします。中卒でも正社員として就職できる仕事や取得できる資格はありますが、この試験に合格すると選択肢はかなり広がります。自分の将来を考えた上で、就職活動に励みましょう。
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