2020年06月24日(水) 更新
【ベンチャー企業とは】事業の特徴や向いている人を紹介
この記事の監修者
キャリアアドバイザー
赤塩 勇太大学を卒業後、新卒で採用コンサルティング会社に入社。キャリアアドバイザーとして、1,000名以上の就活生に対してキャリアセミナー、面談を実施。その後、採用コンサルタントとしてクライアントの採用課題の解決に従事。法人・求職者双方の目線から、適切なアドバイスを提供している。
目次
ベンチャー企業とは
既存企業ではできない革新的なビジネスを展開する
ベンチャー企業とは、そもそもどんな企業なのでしょうか。ベンチャーとは「冒険」を意味しており、言葉の意味にのっとれば「冒険的な事業をおこなう企業」を指します。具体的な表現でいうと「新しい技術や高度な知識を基に、既存の大企業では実施しにくい創造的・革新的な経営を展開する企業」とされているのです。
現在ではIT関連に多いベンチャー企業ですが、その他の分野でも革新的な経営をおこなっていればベンチャーとして捉えられるでしょう。
自分はベンチャー企業に向いているタイプか、適性を診断してみよう
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ベンチャー企業と間違われやすい組織
スタートアップ企業
スタートアップ企業では、事業の新規性が問われます。設立から間もない企業であっても既存業務、システムの拡張などを行っている企業はスタートアップ企業ではありません。
スタートアップ企業はまだ世の中にないもので、人の暮らしを豊かにするものや、何かしらの新しい手段で社会貢献するかをビジネスの軸としています。
ベンチャー企業では、スタートアップ企業と同様に、新規性のあるビジネスを取り扱っている会社が多くあります。ですが、ベンチャー企業だからといって新規の事業をかならず扱っているわけではないので、注意が必要です。
スタートアップ企業は企業規模に関わらず新規事業、社会貢献を目的とした企業を指します。ベンチャー企業の中でも特に新規性がある会社への就職を目指している人は、スタートアップ企業かどうかも確認しましょう。
中小企業
従業員数のみで、企業を見てはいけません。中小企業もベンチャー企業と似た人数で行っているところがあります。
中小企業は従業員数が300人以下、資本金が5,000万以下の企業のことを指します。そのなかで、常駐する従業員が20人以下の事業者は小規模企業者と呼びます。
さらに一人だけで行っている場合は個人事業主といいますが、扱っている業務はベンチャー企業とは異なる場合があるので希望の職種、事業を行っているか確認しましょう。
また、中小企業は起業から年数が経っていても、中小企業といいます。そのため従業員数が少ない=ベンチャー企業と考えるのは誤りです。従業員数が少なくても、仕事は従来の手法が多く取り入れられたベンチャー企業とは違う会社があります。
ベンチャー企業への就職を希望している人は、中小企業のなかでも先進的なものを取り扱っているかどうかをよく調べ、自分の希望する職種かどうかをよく見定めましょう。
ベンチャーキャピタル
ベンチャーキャピタルもまた、世にない新しいサービスやビジネスを生み出すといった意味ではベンチャー企業と似たところがあります。一番の特徴は、投資の方法です。
ベンチャーキャピタルでは企業の資本金を得るために投資をして貰う必要があります。その際に投資ラウンドという方式が用いられます。投資ラウンドではまずは新規ビジネスの企画やテスト、PoC(Proof of Concept)などの概念のフェーズ、次に製品化や営業展開のフェーズなど段階的にビジネスを分けて各フェーズごとに投資を行う方式です。
投資ラウンドを採用しているベンチャー企業も最近では増えてきています。ベンチャーキャピタルとはビジネス展開、新規事業かどうかはベンチャー企業と全く同じではないので間違えないようにしましょう。
ベンチャーから大企業になることもある
「ベンチャー=中小企業」とのイメージが抱く就活生は少なくありません。しかし、ベンチャーからスタートしたあと規模を拡大し、現在では大企業となっている企業もあるのです。
ベンチャー企業から大企業になった企業
「サイバーエージェント」
「アメーバブログ」などで注目を集めた企業。ここ最近はスマートフォンゲーム事業やインターネットテレビの「Abema TV」をスタートさせるなど、エンターテインメント全般の事業展開に力を注いでいる。
「楽天」
インターネットで人はモノを買わないと言われてきた90年代後半に、「楽天市場」を開設し成功を収めた企業。現在ではトラベル、デジタルコンテンツ、インターネットサービス、クレジットカードなどのサービスを提供しているほか、東北楽天ゴールデンイーグルスのオーナー企業としても知名度が高い。
「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」
「蔦屋書店」や「Tポイント」などでおなじみのカルチュア・コンビニエンス・クラブも、1980年代に立ち上がったベンチャー企業のひとつ。現在では公立図書館の指定管理者や大規模商業施設「T-SITE」を各地に開業するなど、書籍販売に捉われない事業展開を推進している。
これらの企業以外にも「ソフトバンク」や「DeNA」などもベンチャーとしてスタートし、現在は大企業となっています。
株式上場を図るベンチャー企業も少なくない
前項で紹介した通り、数十人の少数精鋭だったベンチャーが、数千~数万人規模でビジネスを展開する大企業になったところもあります。大規模な事業が展開できているのは、株式市場への上場をおこなって資本を増やしているからです。
自己分析の浅さは、人事に見透かされる
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ベンチャー企業の特徴
裁量の大きな仕事を任されやすい
ベンチャー企業では、各個人への仕事の割り振りがきっちりされていないケースが多いです。そのため、裁量の大きな仕事を任されることが多いです。新人だからといって先輩社員の言う通りにするだけでは、少々役不足になります。
しかし、言い方を変えれば、立場や経験に関係なく他の先輩社員達と対等に仕事ができるのです。責任感が強く、大きな仕事をやりたいと思っている人にはベンチャー企業が向いているでしょう。
また、仕事の内容も一つの分野に限りません。技術職で採用されたからといって、ずっとプログラミングをしているわけではなく、営業資料の作成や客先に同行して事業を説明することもあります。
仕事を俯瞰的に見れてどの部分で自分が仕事に関与できるかをよく考え、行動する必要があります。
努力次第で昇進のスピードが速い
ベンチャー企業では、役職制度などもまだ確立されていないところが多いです。10年居てやっと課長、などといった古典的な企業のようなケースは、あまりありません。あくまでも実力主義です。
そのため年齢、経歴に関わらず努力し結果を残せば昇進する可能性が多くあります。実力主義なので他の社員より努力したり協力して仕事を行えば、ダイレクトに業績に反映することができます。
努力がそのまま売上に直結する様子がよく分かるのが、ベンチャー企業の特色であるとも言えます。業績があがれば誰が貢献したかがわかるので、もし、自分が努力していたのであれば昇進や昇給する可能性がグッと高まります。
自分の力で会社に大きな影響力を与えたいと野心的な気持ちがある人には、合っていると言えます。
安定性がない
デメリットとなるのは、安定性がない点です。ベンチャー企業においてとくに難しいのは、資金繰りになります。
ベンチャーキャピタルからの支援が受けられず、資金繰りが悪化して倒産してしまうのは珍しくありません。誰かがミスをすれば、それが理由で投資が無くなり、倒産の危機に追い込まれることもあり得ます。
退職金やボーナスのない企業も多い
従来ある企業では福利厚生があり、企業年金や退職金などが制度として設けられています。しかしベンチャー企業では福利厚生の部分でもまだ未完成なところがあります。
そのため、退職金やボーナスがない企業もあります。また月収ではなく出来高による年俸制のところもあり、収入面で確実に幾らもらえるかを試算するのが難しい分野になります。反対に業績があがれば、それだけ収入に反映されるので事業規模が大きくなれば給与は高くなります。
メリット・デメリットがそれぞれあるので自分の今後の生活設計を考えましょう。従来の企業の安定しているが昇給が不透明なものか、不安定だが大きな収入アップが見込めるベンチャー企業、どちらが自分に向いているかよく考える必要があります。
ベンチャー企業に向いている人の特徴3つ
特徴①好奇心旺盛
ベンチャー企業にとって大切なのは「チャレンジ精神」です。チャレンジ精神を持つには、どんなことにも関心を持つ好奇心旺盛さが求められます。
どんな事業をやる場合も、最初は思いつきや周囲の会話などがきっかけとなることが多いです。そういった最初の気づきから興味を持ち、さまざまな手段を用いて調べたり、開発したりすることができるかどうかで、事業の発展や成功は左右されます。何事にも興味を持って行動を起こせる人は、ベンチャー企業に向いているでしょう。
特徴②タフさがある
ベンチャー企業は、事業が安定するまでは昼夜問わず業務に追われることがあります。そういった状況に置かれても、やる気をもって働こうとするタフさを持ち合わせている人は、ベンチャー企業に向いているといえるでしょう。
夢を持ってベンチャー企業に入社したとしても、そう簡単に実現できるものではありません。挫折や苦しい経験が続いてもへこたれない気持ちで業務に励める人ほど、ベンチャー企業で活躍できるチャンスが増えるのです。
特徴③プレゼン力が高い
ベンチャー企業は、資金を投資してもらうベンチャーキャピタルや取引先などと交渉する機会が多いです。
企業の存続すらかかわる場においてプレゼン能力が低いままだと、どんなに期待値の高い業務計画も実現することは難しいでしょう。数値的な根拠はもちろん、説得力ある言葉で交渉することができれば、成功につながるチャンスを得られます。
友人や家族だけではなく、先生やアルバイトの上司など、どんな立場の人にも説得力を持って話をすることができる人は、ベンチャー企業に向いている可能性がある。
キャリアアドバイザー|赤塩 勇太
ベンチャー企業には特有のキャリアアップや福利厚生がある可能性も高い
ベンチャー企業は、成長段階であり未成熟な部分もありますが、20代のうちから管理職を経験できるなど、大きなチャンスも同時にあります。また、ストックオプションなど、給与以外での資産を築いていくチャンスも存在します。挑戦を重要と考えるのであれば、未上場のベンチャー企業なども検討してみて良いでしょう。
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