学生のための「履歴書で効果的な自己PRをする方法」

「履歴書のすべての欄が自己PR欄」と意識する

「履歴書で自己PRするのは、自己PR欄」、と考えている人が多いにちがいありません。たしかにそうなのですが、しかし、それは間違ったとは言わないまでも、好もしくない考え方、意識の持ち方です。採用担当者は、履歴書の最初から最後まで、きちんと目を通します。ですから、どの欄の内容であっても、「魅力あるな」とか「興味を惹かれるな」と感じることがあるわけです。

たとえば、学歴欄。ここはただ学歴の事実のみを記す欄ではありますが、自己PRするチャンスはあるのです。それは、専門分野。学部と学科を表記するのがふつうですが、その学科で具体的にどんな勉強・研究をしたのかを書き添えることによって、じゅうぶん自分をアピールすることができます。

また、変った資格、社会へ出て役立ちそうな資格を持っている人は、「資格欄」が自己PRのステージになるでしょうし、「趣味・特技」も自分の魅力をアピールするのにふさわしい欄なのです。

ですから、「自分のアピールは自己PR欄ですればいい」という考え方を改めましょう。「すべての欄が自己PRの場」と意識して、最初から最後まで全力で自分をアピールする。これが魅力的な履歴書を作成する方法です。

「自己PR欄」の活用方法

その意識を持った上で、履歴書で自己アピールするわけですが、やはり中心になるのが「自己PR欄」です。自分の強みをダイレクトに記入できますから、この欄を活用することが、自己アピールのもっとも有効な方法です。

ところで、アピールすべき自分の強みとはなんでしょうか。ただ、自分の長所を書いただけでは、担当者の目には「強み」と感じられないでしょう。それはその人の「個性」にしかすぎないからです。ですから、その「強み」を社会人としてどう生かすことができるのかが説明されていなければなりません。

たとえば「協調性」を強みとしてアピールしたい場合、サークル活動やゼミでの活動を通じて、協調性をどう発揮したか、そして社会でその協調性をどう生かしていきたいかを説明する必要があります。

もう1つ、おすすめのアピール方法を紹介します。それは、「アルバイト経験」です。履歴書に「アルバイト歴」を記入する欄はありません。しかし、学生にとって一番の社会経験は、アルバイトです。社会に出てから生かせる経験は、学校での勉強よりもアルバイトで学んだ人生勉強ではないでしょうか。

学生にとって、アルバイト経験ほど有効な自己PR方法はないのです。たとえば、こんなふうにアピールするのです。「商店街の店で販売のアルバイトを経験しました。接客を学んだだけでなく、商店会のイベントや、地域活動にも積極的に参加しました。そのことによって、『地域社会と商店の関係性』を身を持って知ることができました。自分にとっての財産だと思っています」

これは、社会に出てから、多方面で生かせる経験です。そんな貴重な経験を、履歴書でアピールしない手はないでしょう。

「志望動機欄」を活用する方法

また「志望動機欄」も、自己PRしやすい項目です。意外に思われるかもしれません。多くの人が頭を悩ませる「志望動機欄」を、どう利用したら自己アピールすることができるのか、不思議に思われるでしょう。

しかし、「自分はこういう人生観を持っていて、こういう勉強を学校でしてきた。こういう特技や能力、経験がある。だから、この業種の仕事をしたいと切望している。そして、この業種で自分の個性や強みを生かし、会社に貢献できると考えている」という説明方法で志望動機を伝えることができれば、それは立派な自己PRになるのです。

ですから、「志望動機欄」は「学歴欄」や「趣味・特技の欄」、「自己PR欄」とリンクさせて書くようにしましょう。「志望動機欄」だけを独立して考えるから「どう書いていいのかわからない」ということになってしまうのです。「自分の強みをその業種、職種に生かす」というところから志望動機を考えれば、説得力のある説明ができますし、それがそのまま、自分PRにつながる。これが「志望動機欄」を自己PRに活用する方法です。

まとめ

一番大切なのは「ベストを尽くして履歴書を作成する」という意識を強く持つことです。その熱意は文章や行間に必ず現れます。どんなに自分を取り繕っても、結局どれだけその仕事に就きたいかという熱意が、一番選考に影響してきます。自分がその企業でどのようなことをしたいか、なぜその企業ではないとだめなのかを、面接官の目を見てしっかり伝えましょう。