薬学部から公務員へと就職するメリット・デメリット

薬学部生の公務員への就職は比較的容易に行える

薬学部の学生における将来の代表的な就職先や職種は、薬局に勤める薬剤師や製薬会社に所属する医薬情報担当者などでしょう。ただし、これらの職業については、薬剤師の数が徐々に増加しているので、希望通りの就職が行えない可能性が高まっています。一方、公務員という道を選ぶのであれば、国家公務員や地方公務員など選択肢が広がる上、入学難易度が高い薬学部の卒業生としての学力の高さから、就職も比較的容易に行えるという利点があります。

学力が求められる公務員採用試験に薬学部は有利

公務員として働くためには、国家公務員採用試験や各地方自治体が実施している地方公務員の採用試験への合格が欠かせません。これらの試験については、階級を設けることで一定のランク付けが行われているほか、合格の条件としてある程度の学力が求められます。薬学部の出身者であれば、比較的高い偏差値や学力をそのまま採用試験の合格にも活かせるので、就職しやすい環境の1つといっても過言ではありません。

公務員は安定した雇用条件がある

薬学部を卒業後、あえて公務員としての道を選択することで得られる最大のメリットが、安定した雇用条件でしょう。公務員といえば、当然ながら雇用主は国や地方自治体など公共団体が主です。一般企業や店舗と比べ、倒産という危険性が非常に小さい上、様々な部分で恩恵が受けられる待遇が提供されています。薬学部生は薬剤師やMRとしての道を選ぶよりも、公務員の方が遙かに安定した雇用が得られる可能性が高まるでしょう。

終身雇用としての就業も可能になる

公務員といえば、一般企業と比べ、リストラなど解雇の対象となる可能性がほぼ皆無である点も魅力です。公務員に関連した法律によって、所定の条件以外での一方的な解雇が認められていません。ですので、一度公務員として採用されれば、犯罪など問題行動を犯さない限り、終身雇用の形で1つの職場に勤め続けることも十分に望めます。また、終身雇用ですから、長く勤めるほどに給与やボーナスなど、福利厚生の面でもより良い条件の恩恵が受けられるでしょう。

採用試験を突破するためには

公務員では採用試験としてSPIを実施する場合があります。そこでおすすめなのが「SPI模試＆問題集」です。模試には、言語と非言語の問題が100問収録されています。今なら100問解ける問題集もついてくるので、合計200問の例題を解くことが可能です。詳しい解説つきなので、問題が解けなかったという人も力をつけることができるでしょう。分からなかった問題をそのままにせず、解説を読んで意味や解き方を理解することが大切です。無料でダウンロードできるので、腕試しがしたいという就活生にもおすすめです。

公務員には薬学部で学んだ内容が活かせない仕事が多い

薬学部出身者の方が、公務員という道をあえて選択することで様々なメリットが得られる一方、ある程度のデメリットを被る恐れがあるのも理解しておかなくてはいけません。特に大きなデメリットとなりやすいのが、薬学部出身者としての実力が発揮できない職場環境が多いという点でしょう。国公立病院内に設置された院内薬局の薬剤師や保健所職員、厚労省の薬事担当などに採用されれば、公務員でありながら薬学の知識を最大限に発揮できます。しかし、このような職場は公務員としての環境ではごく一部に限られています。ですので、公務員という道を選ぶのは、すなわち薬学部の学生としての専門教育や知識がほぼ活用できないという事実に帰結するでしょう。

毎日無難な勤務で終わってしまいやり甲斐を感じづらい

公務員といえば、安定した雇用形態の一方、仕事内容がほぼ決まり切っている職場が多く、いわゆるルーチンワークに陥りやすい職種の1つといわれています。このため、薬剤師やMRなど薬学に関連した専門職への就職と比べ、将来的には仕事の楽しさや、やり甲斐を感じづらくなる可能性が考えられるでしょう。また、薬学部を卒業後に薬剤師やMRとして活動することで、将来的には独立開業や大手製薬企業での高い地位や待遇を獲得するチャンス自体が失われてしまうという点も、大きなデメリットです。

薬学部から公務員への就職では安定した雇用条件を手にできるが学んだ内容を活かせない

薬学部という入学が困難な学部を卒業したにもかかわらず、薬学の知識を活かさない公務員としての道を選ぶ方は少なくありません。実際のところ、薬学部から公務員という道を進むという選択は、その学力の高さから、公務員としての採用の確率を大きく高めてくれているでしょう。さらに、公務員ならではの安定した終身雇用など様々なメリットが得られます。一方、薬剤師やMRなど、働き方や待遇によっては破格の収入が得られるチャンス自体を失ってしまうデメリットがあることも理解しておかなくてはいけません。