2019年11月12日(火) 更新

次世代における市場価値の高い人材とは? また、就活時における企業選びの軸とは?<採用責任者インタビュー編>

目次

    PR企画

    近年、テクノロジーの進化やデジタル化によって、従来その企業が本業としてきた業界を超え、新規事業を展開する動きが加速してきている。昨今の具体的な事例を挙げるとするならば、Googleが自動車事業・ゲーム事業に参入し、楽天が携帯電話事業に参入するなどである。

    このような動きは、今後さらに加速度を増し、多くの企業が多業種展開企業(コングロマリット企業)として変貌を遂げるだろう。また、そのような時代の潮流を鑑みると、企業に求められる人材も従来とは大きく変わっていくはずである。

    そこで今回は、「次世代における市場価値の高い人材とは?就活時にどのような軸で活動すべきか?」というテーマで、金融・自動車関連・不動産・環境エネルギー関連や空港の運営まで、多角的に事業を展開しているオリックス株式会社の採用責任者である谷川氏と、その内定者からお話を伺った。

    インタビュイー
    <谷川 修一氏> 
    オリックス株式会社 グループ人事部 人財開発チーム長

    ――まず初めにオリックスという会社について、あまり知らない読者の方もいらっしゃると思いますので、どのような会社なのかを教えていただけますか。

    一言で申し上げると「ファイナンス(リース)という基礎を軸に、事業を拡大してきた会社」と表現すると伝わりやすいかと思います。当社は祖業であるリースにとどまらず、融資、投資、環境エネルギー関連、水族館・旅館・空港の運営など、幅広く事業を展開しています。世間からは、突拍子もないようなアイデアや奇抜な企画で根拠なく事業を広げている会社だと思われているかもしれません。しかし、実際はそうではなく、根底にはファイナンスという軸があります。そしてファイナンス領域で培われたリスク判断能力を生かし、さまざまな隣接事業に進出し、新規事業を展開している企業体です。

    ――実際に、新規事業はどのようにうまれるのでしょうか。

    基本的にはトップダウンというより、ボトムアップで始まることの方が多いです。
    例えば、約10年前から再生可能エネルギー事業の拡大にオリックスは注力してきましたが、経営陣からの指示ではなく、各事業部が垣根を超えた情報共有をする中で、全社的に方針が固まったという流れでした。オリックスには現場主導でビジネスの種を見つけ出して、事業化を検討し、オリックスとしてプラスであると判断されれば、スピード感を持って事業化を実現していく風土があります。

    よって、オリックスで活躍している社員の多くは、経営者視点で物事を考え、新規事業のビジネスチャンスを日々模索しています。そして、社員一人一人が得た知識やノウハウを社内外のパートナーに共有する文化も醸成されています。

    ――ここで、人材の市場価値という今回のメインテーマをお伺いしたいのですが、昨今、変わりゆく時代の中で、「従来」市場価値が高いと言われていた人材と「今後」市場価値が高まっていく人材の違いについて谷川さんのお考えを教えて下さい。

    従来は専門的な知識を持った人材が重宝されていたように感じますが、昨今は、知識はスマートフォンやパソコンがあれば、簡単に取得できる時代です。したがって、知識だけを持っている人材より、知識とそれを実務として活用できる人材が今後はより重宝されると思います。加えて、特定の領域のみ経験するのではなく、異なる領域を複数経験することが望ましいと考えています。
    例えば、ファイナンスの領域だけに精通しているのではなくて、ファイナンス+不動産であったり、ファイナンス+環境エネルギー関連であったり、複数の領域に精通している人材は非常に心強いと感じています。
    これは、成熟した日本国内の企業がビジネスにイノベーションを起こすためには、従来とは異なる多様な視点で考えられることが重要になってくるからです。経験した領域が多い人材であれば、柔軟な考え方や目線を備えている可能性は高いと思います。

    ――因みに、知識が一定量あっても、仕事ができる人・できない人に分かれる違いは何だとお考えでしょうか?

    非常に頭が良くて、知識もある。それでも仕事で充分な成果が上がらない人が持つ特徴の一つとして、少しも失敗したくないと考えるマインドが挙げられると思います。そのような考えを持っていると、自分でできる領域を狭めてしまい、新しい挑戦ができずにいつまで経っても成長できないのではないでしょうか。失敗経験からノウハウを学び、次のステップに繋げることが成長の鍵だと思います。当社の社員を見渡しても、社長や役員、部長含め、シンボリックな失敗談を皆さん一つは持っています。

    当社の宮内シニア・チェアマンは「グッドリスク」という言葉をよく使います。これは、「担当している案件が成功するかどうかだけではなく、どこにグッドリスクがあるかを見つけよう。必ず、次の事業やアイデアに繋がる良いリスクがあるはずで、そのリスクを発見することがオリックスの仕事だ」という考え方です。当社の社員が、リースや融資などを実行することだけがオリックスの仕事だと思っていたら、新たな事業領域には目が向かず、現在の多角的な経営はありえませんでした。あらゆるビジネスに対して、リスクを総ざらいし、そのリスクの中から許容できるリスクを見出して挑戦することが重要だと思います。

    ――先ほど、特定の領域だけではなく、複数の領域を経験した人が市場価値の高い人材だというお話がありましたが、その領域の一つはやはりファイナンスがオススメなのでしょうか。

    「ファイナンスが全て」ではないと思いますが、ファイナンスはどのような業界で仕事をするにしても重要な知識だと思います。
    例えば、どんなに優れた技術や深い知識があったとしても、実際にビジネスとして事業を成功させるためにはお金や経営に関する知識は必要不可欠です。実際にこれまでオリックスはファイナンスの知識・知見を強みに、さまざまな領域でビジネスを成就させています。ファイナンス+αで新たなビジネスを創ることがオリックスの強みであり、オリックスで働く社員の強みであると言えます。ビジネスのトレンドは今後も速いスピードで変化していくと思いますが、汎用性の高いファイナンスの経験を積むことで、変化の激しい時代でも活躍できる市場価値の高い人材になれると思います。

    ――市場価値の高い人材になっていく為に、就活時にはどのような軸で会社を選べば良いのでしょうか。

    一つは20代という若い時期にいかに主体的に案件に関わることができる会社かどうかを良く見極めて欲しいと思います。
    例えば、大きな組織の中でアシスタントのような仕事が多かった20代と、年間何十件とプロジェクトを主担当として経験した20代を比べると、両者が30歳になった際の実力差は歴然だと思います。また、お取引先の担当の数だけではなく、一つ一つの仕事で何を経験したかを振り返り、確実に自身のノウハウとして吸収するということも重要だと思います。経験が一つの業務のみで限定的であると、変化が激しい時代において応用が利かなくなってしまいます。そのため、経験できる業務や業界の幅広さも会社を選ぶ際の判断軸にすることは良いと思います。そのような意味で、特定の業界や会社の規模、ブランドなどにはこだわらず、主体的に挑戦できるチャンスの数に注目して企業選びをしていただいた方が良いと思います。

    ――入社後は、どのようなキャリアを歩んでいけば良いのでしょうか。

    最初は営業というキャリアが良い、バックオフィスが良い、と一概に言える時代ではなくなってきていると感じています。一昔前は営業を経験し、その後、他の部署に異動するというキャリアがスタンダードだったと思います。しかし、現在のビジネス環境においては、さまざまなキャリアパスがないと時代の流れや多様さについていけなくなるのではと危惧しています。
    当社の例を申し上げますと、事業投資部門など事業の策定に関わる部署がありますが、そういった部署でも若手のうちから配属して、多くの経験を積ませたいという人事の方針があります。今の時代だと、新入社員時から10年というくくりで成長させるのは遅い可能性もあり、5年である程度のレベルまで成長させないと、時代の流れに追いつけないのでは、という危機感を持っています。そのため、これまで新入社員が配属されることがなかった部署にも、今後は配属していく可能性は比較的高いと思っています。

    ――ズバリ、オリックスで働くことで市場価値の高い人材になれるでしょうか?

    市場価値の高い人材になれるかどうかというと、YESだと思います。

    オリックスから他社へ転職したある社員を例に挙げます。彼は、
    オリックスではファイナンスと環境エネルギーという二つの領域を経験し、そのうえで不動産業界に転職しました。そのような二つの領域に長けている人材が不動産業界に多くいるかというと、そこまで多くないはずですし、不動産業界に新卒で入社された社員と比較すると圧倒的な知識・経験の幅に差があると思います。実際に、その方は環境エネルギー事業でつちかった経験が重宝され、転職先でも活躍していると聞いております。

    世の中にはさまざまな会社がありますが、全く同じ仕事だけで100年食べていけるという会社はないと思います。
    事業の旬やプロダクトライフサイクルが年々短くなっている環境下において、新たな事業やプロダクトを生み出し続けていくことが重要な時代だと感じています。そのうえで、一つの領域しか経験したことがない人材と、二つ以上の領域を経験した人材とでは、市場価値という意味だと、差がつくのではないかと思います。
    新しく事業を広げたいという会社があった場合、いくつもの事業経験を持ったオリックスの人材は重宝されるのではないかと思っています。

    ――ここまでのお話で、貴社に興味を持った方もいると思います。貴社で実施されているインターンについて教えていただけますか。

    オリックスの1Dayインターンシップでは、オリックスの法人営業・事業投資※の異なる二領域のワークに取り組んでいただきます。
    実際の案件をベースにしたワークショップを通して、オリックスの事業領域の幅広さや、当社の社員がどのように考えながら日々仕事に取り組んでいるのかを、体感していただきます。
    複数領域を経験することやファイナンスの知識をつけることの重要性がインターンを通じて理解できるかと思います。その為、金融業界志望の学生に限らず、さまざまな志向をもつ学生の皆さまに参加をしていただきたいですね。

    ――最後に就活中あるいは、就活をこれから始める学生にアドバイスをお願いします。

    2020年卒の内定者の多くは、結果的に商社・金融・不動産・エネルギーなど、さまざまな業界にアンテナを高く張っていたと感じています。私自身も、まだまだ知らない企業や事業、サービスは多くあると日々実感しています。そのうえで、自分が知っているフィールドだけに絞って話を聞きに行くのではなく、むしろ自分が知らないフィールドで事業展開している会社など、広い視野、視座、視点を持って、就職活動をして欲しいと思います。

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