2020年06月25日(木) 更新

履歴書の「本人希望欄」の正しい書き方~給与・勤務地・職種など希望別の例文を紹介~【就活・転職】

この記事の監修者

キャリアアドバイザー

赤塩 勇太

大学を卒業後、新卒で採用コンサルティング会社に入社。キャリアアドバイザーとして、1,000名以上の就活生に対してキャリアセミナー、面談を実施。その後、採用コンサルタントとしてクライアントの採用課題の解決に従事。法人・求職者双方の目線から、適切なアドバイスを提供している。

履歴書における正しい本人希望欄の書き方とは?

履歴書の「本人希望欄」を絶対に書かなければいけないのか、あるいは何を書けばいいか迷うことありませんか?その迷いから何も書かずに提出する人もいるかもしれませんが、今すぐ改めましょう。 履歴書のほんの一部とはいえ、実は「本人希望欄」の書き方に関してはしっかりとした決まりが存在するのです。少しでも採用担当者の目を引け、選考を通過できるような「本人希望欄」の書き方をご紹介します。

自分の希望を書き込めばいいわけではない

履歴書の本人希望欄や本人希望記入欄は誤解を生みやすいのですが、履歴書の本人希望欄は、ただ希望職種や給料など「自分の希望を記入すれば良い」というものではありません。
では、どのように記入すればいいのでしょうか。

履歴書の本人希望欄は「最低基準のライン」を書くのが正解

履歴書の本人希望欄や本人希望記入欄には、必要最低限のことだけを記入するのが大前提です。 希望勤務地や希望給与額といったものを書く必要があるときは、書き方としては「これでないと選考辞退をします」とすることができる最低基準のものを記入しましょう。ただし、あくまでも採用の決定権は企業側にあります。「希望」ですから、「そうなればいいな」程度の内容は書かないようにしましょう。 本人希望欄の「希望」は「望むもの」ではなく「必要最低限のお願い」なのです。

「希望職種」として職種が確定している場合は本人希望欄に必ず記入する

履歴書の本人希望欄には、就活・転職に関わらず「希望職種」も受けている職種・コース等が決まっている場合には書きましょう。
同じ会社でも、多数の職種で求人を出すケースをよく見かけませんか?そういった会社の選考を受ける際に希望職種が無記入だと、選考がスムーズにいきませんし、きちんと広告を読んでいないと判断されてしまいます。
なお、履歴書の本人希望欄や本人希望記入欄には、希望職種を書く際にその理由も添えると、より丁寧で意欲的な印象になり、心象を上げられるポイントになります。

履歴書の正しい作成方法をマスターしよう

履歴書を作成する際は、誤字脱字に気を付けること以外にも基本的なルールやマナーを守る必要があります。履歴書には細かいルールや書き方が存在するため、きちんと守られているか作成前後にチェックすることが大切です。

そこでぜひ活用したいのが「履歴書作成マニュアル」です。履歴書の書き方に悩んでいる就活生におすすめです。無料でダウンロードできるので、実際に履歴書を作成する際のお手本としても持っておいて損はありません。

希望給与額は「貴社の規定に従います」と記入するのが無難

履歴書には本人希望欄や本人希望記入欄の中に、希望給与額の記入欄が含まれているものもあります。 ここは誰しもが一番大事にするポイントですし、当然ながら1円でも多くもらいたいと思うでしょう。しかし、上でも述べたように「本人希望欄」の書き方は最低ラインに合わせるのが無難です。 それに、希望職種や給与との兼ね合いを見て問題ないと判断し、その会社を受けているでしょうから、自分の希望はグッと我慢して履歴書には「貴社の規定に従います。」と書きましょう。給与交渉は最終選考の際や入社後にもチャンスはあります。履歴書を出すタイミングでどうしても必要な要素ではありません。 それでも具体的な希望給与を書きたいのであれば、実績や企業の形態を考えて現実的な数字にするのが心象を悪くしないポイントです。

時給制の場合は希望給を書くのを避けた方が良い

仕事の雇用形態がさまざまあるのと同様に、給与形態にも種類があります。日給や月給、時給、年俸などが挙げられるでしょう。月給制などであれば特に問題は無いのですが、時給制の場合は履歴書の本人希望欄に書くのを避けた方が良い内容があります。それは、希望給です。具体的には、「時給800円」と案内に書かれてあるのに、「希望時給1,000円」などと記載することです。

基本的に時給は働き始めてから評価されて上がる

時給制の仕事の大半がアルバイトやパートですが、基本的には企業から提案された時給からのスタートなります。そこから経験を積んで、雇用主に評価されて初めて時給が上がります。 アルバイトをおこなうのは、その業界の仕事を初めて経験する学生が多く、未経験なのに求人誌に書かれてある時給より高いもの臨むのは失礼にあたるでしょう。交渉するのが無駄という訳でありませんが、できるだけ好印象を残すためにも、時給制の場合の本人希望欄に希望給を書くのは避けて下さい。

アルバイトの給与条件には注意が必要

各社、さまざまな形態で求人を出していますが、アルバイトの給与条件はきちんと確認しなければいけません。以下は、よく見かける給与条件の例です。

①時給800円~
②時給800円~1,200円
③全国一律 時給1,000円

以上のように、どの求人を見ても時給は明確に掲示されています。とくに③の全国一律と記載してあるのに、それ以上の時給を望むのは非常に失礼です。もし、仮に例外として変動があるとしたら、その時は会社側から進言してくるでしょう。
また、何かしらの経験があって、それが会社から評価されてスタート時給が高くなることは大いにあります。そのため、本人希望欄で希望給を書くよりも、自己PRで少しでも時給が高くなるように自分を売り込んだ方が良いでしょう。

履歴書の本人希望欄は形式に沿った書き方が丁寧に見せるコツ

履歴書の本人希望欄や本人希望記入欄はある程度、形式に沿った書き方がベストであり、丁寧に見せる一番のコツでもあります。よほどの理由がない限り、履歴書の本人希望欄には必要な情報を求められている部分にだけ書きましょう。本人希望欄の書き方を工夫してもあまり意味はありません。 ただ、希望が何もないからといって本人希望欄を空欄にしたり、「特になし」と書いたりするのだけは避けなければならない履歴書のマナーです。

希望職種を書く際は必ず募集要項と同じ名称にするのもポイント

履歴書の本人希望欄には希望職種を必ず書くと伝えましたが、その際は求人情報と同じ職種名で書きましょう。
同じ事務でも一般事務と営業事務で部署が分かれている場合もあります。希望職種を明確にするためにも、履歴書には募集要項と同じように記入する必要がありますし、こういった細かな部分も履歴書の本人希望欄や本人希望記入欄の書き方として、丁寧に見せるポイントです。

形式に沿っていても正当性のない希望は単なるワガママ

履歴書の本人希望欄を書く際は、形式に沿っていれば、それでよしという訳ではありません。内容を書く際は慎重になりましょう。

先ほども述べたように、本人希望欄の書き方として正しいのは絶対に必要な最低ラインのものです。正当な理由のない希望を書いてしまうと「この条件じゃないと採用に応じない人」と判断されてしまい、そもそも選考に残れません。
どうしても譲れない希望だけを本人希望欄に記載して、それ以外のものはむやみに書いてはいけない、と覚えておいてください。

子供がいるパート希望の場合の書き方

子供がいて、家事と仕事を両立するために正社員などではなく、パートとして働くことを希望する人もいます。会社側もパートを募集する際は、給与や勤務時間を他の雇用形態の場合とで変えていることがあります。限られた時間でしか働けないことに対する企業側の理解があるからでしょう。では、子供がいるパート希望者の場合、本人希望欄をどう書き込めばいいのでしょうか。

子供はいるが仕事に支障はないことを伝える

最も良いのは、「子供はいるが仕事には支障はありません」と記載することです。しかし、実際に子供がいて仕事に支障がないはずはありませんので、「子供がいますが、○○時~○○時の間は仕事に支障をきたしません」と記載すると良いでしょう。そう書いておくと、面接の時に必ず触れられますので、そこで具体的な曜日や勤務時間について面接官とやり取りできます。 できるだけ、家庭の事情で仕事には迷惑をかけませんという姿勢を示すと、印象も悪くならないでしょう。

シフト相談可以外で家庭の事情を押し付けるのはNG

パートやアルバイトの求人誌をよく見てみると、シフト相談可・不可といったように、どちらかが必ず書かれているでしょう。シフト相談可の場合は、履歴書の本人希望欄に「○○時~○○時の間が働ける」といった要望ができます。しかし、シフト相談不可と記載されてあったり、応相談などと書かれていなかったりする場合は、企業側が提示している勤務時間に従わなければなりません。子供の幼稚園や習い事の時間など、家庭の事情を無理やり押し付けることはできないのです。 シフトの相談ができないケースはそう多くはありませんが、もしそういった求人に応募する場合は、本人希望欄に希望勤務時間などを書かないようにしましょう。

在職中の場合に本人希望欄に書くとよいことがある

在職中の転職活動の一環として、希望する企業に履歴書を送る場合、本人希望欄に書いておくとよい内容があります。
ここからの内容は、主に転職する際の履歴書の書き方についてですが、そうでない場合でも使えますので参考にしてみて下さい。

連絡可・不可時間を書いておくとやり取りがスムーズに

在職中だと、仕事で中々電話に出られないことが多いでしょう。仕事が終わった後にかけ直すのも、時間帯からして失礼になります。ですので、履歴書の本人希望欄に必ず「○○時連絡可/○○~○○時連絡不可」と書きましょう。そうすることで、連絡がスムーズにおこなえ、お互いの仕事の時間に影響を及ぼす可能性も減ります。

入社可能時期まで書いてあげると親切

また、入社可能時期まで書いてあげるとより親切です。退職する時期が既に決まっている場合や、入社可能日の目途が立っている際は、時期をすり合わせて「入社可能日:~~」と記載すると良いでしょう。その際は失礼のない範囲で、現実的な日付を提案してください。

知らないと損する履歴書のマナー(新卒採用)

履歴書には誰も教えてくれないマナーが存在します。「履歴書の各項目の書き方」「履歴書内の言葉遣い」「送付の際の体裁や手順」など、新卒で就活をする人は知らなくて当然のことがたくさんあります。

自己分析の浅さは、人事に見透かされる

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そこで活用したいのが、自己分析ツールの「My analytics」です。

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本人希望欄への具体的な書き方と例文

では、履歴書の本人希望欄において、具体的にどのような書き方をすれば心象を良くできるのか、その点も見ておきましょう。 ここでは、本人希望欄の書き方の例文として、就活(新卒採用)および転職(中途採用)の2パターンに分けてご紹介します。

本人希望欄の具体的な書き方①:就活(新卒採用)

就活(新卒)では本人希望欄に、希望職種以外はできるだけ書かないようにしましょう。本人希望欄に色々と書くことは控えて、「貴社規定に従います」または「貴社規定に準じます」と記入するのが一般的です。

どうしても書くべき事情がある場合は別ですが、原則は本人希望欄には「貴社規定に従います」と書くのが理想です。
つまり、具体的に書く部分は自分が希望する職種とその理由、ということになります。新卒はこれから仕事を学んでいく立場である訳ですから、当然といえば当然ですよね。

本人希望欄の具体的な書き方転職(中途採用)

転職(中途採用)の場合も、履歴書の本人希望欄や本人希望記入欄には希望職種以外は「貴社規定に従います」と書くのが良いでしょう。 仮に「具体的な記載を」と言われた場合は、なるべく数字で可視化して理由と根拠もしっかりしている必要があります。 前職での都合や条件を反映して、説得できるほどの内容であるかどうかを確認して、自信がない場合は、自分が相手企業を納得させられるラインより高い希望は書かないようにしましょう。

項目ごとに本人希望記入欄がある場合の書き方

履歴書によって、本人希望欄が各項目に分かれているケースがあります。そのため、それぞれの項目においてどのような書き方をしたらいいのか、簡単ですが例文を紹介しますので参考にしてください。

本人希望欄記入例

・希望職種⇒「一般事務」(求人情報と同じ職種名で)
・希望給与⇒「貴社規定に従います」「○○万円を希望いたします」
・希望勤務時間⇒「貴社規定に従います」「○○~○○時の勤務を希望いたします」
・希望勤務地⇒「貴社配属に従います」「本社、○○支社での勤務を希望いたします」
・出社可能日⇒「平成○年○月○日より勤務可能」または「即日勤務可能」

譲れない希望がある場合の本人希望欄の記入例文

具体的な希望がある場合の本人希望欄の書き方も、参考までに確認しましょう。履歴書の本人希望欄に「貴社の規定に従います」と書かず、どうしてもゆずれない条件を書きたい場合、どう書けばいいのでしょうか。

■希望給与
希望給与は新卒の際は書かないようにしましょう。転職の場合だと、前職の給与や実績などを根拠に、「○○万円希望」と書くことが可能です。しかし、履歴書の段階であまりに高い給与が指定されていると採用されづらいので、給与交渉のタイミングはきちんと考えましょう。

■入社可能日
転職の場合だと、履歴書には入社可能日を書く必要もあります。選考からあまりにも日が空いてしまっては、不利になります。出来る限り早めに設定して「○月入社可能」「即日入社可」と記入しましょう。

■勤務時間
介護や育児など、特別な事情がない限り「貴社規定に従います」と書くのが理想です。事情がある場合は、「子どもが帰宅のため○時まで」と、理由も簡単に書き添えましょう。パートの場合も同様です。

履歴書の本人希望欄は「最低基準のライン」を書いて状況にあわせた備考の記入をしよう

ここでは、履歴書における「本人希望欄」の書き方と例文について見てきました。
履歴書の本人希望欄に「貴社の規定に従います」と書いてしまって、生活できないレベルの給与を提示されてしまうケースもあるかもしれません。しかし、その際は縁がなかったと諦めるしかありませんし、そもそも求人を見た時点で納得して意思を固めてから履歴書を提出する訳ですから、やむを得ないと考えましょう。
こういった点に悩みながら書いていた人もいるはずですので、ここで紹介したこれらの例文と書き方を参考にして、正しい履歴書の本人希望欄の記入をおこないましょう。

キャリアアドバイザー|赤塩 勇太

中途採用の場合は記入欄の必要性が高い

新卒領域の場合は、特に必要ないケースが大半ですが、中途採用の場合には、具体的な金額を記載しておくことで、先方との認識齟齬を減らしやすい、ということは間違いなく言えますね。

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