2020年06月29日(月) 更新

【ソフトウェア業界を徹底研究】最近の動向から分かる今後の課題~売上高ランキングと大手会社の特徴を紹介~

ソフトウェア業界のイメージは「伸びしろがある」や「裏方」

キャリアパーク会員の就活生を対象に「ソフトウェア業界に対してどのようなイメージをお持ちですか?」というアンケートを実施しました。まずは回答の一部をご覧ください。

就活生の回答

  • 伸びしろがある
  • 知識がかなり必要である
  • 比較的新しい業界で需要が多い
  • 裏方
  • 変化が激しい

■調査方法:キャリアパーク会員へのダイレクトメール
■調査日時:2017年3月6日
■調査元:ポート株式会社
■調査対象者:キャリアパーク会員の就活生
■質問内容:「ソフトウェア業界に対してどのようなイメージをお持ちですか?」

アンケート調査によると、就活生はソフトウェア業界に対して、「伸びしろがある」「裏方」などのイメージを抱いているようです。また、ソフトウェア業界では常に新しい情報が産まれ続けているため、「知識が必要」「変化が激しい」などのイメージを持たれるのも納得でしょう。しかし実際、ソフトウェア業界が現在どのような状況なのかは、あまり知られていません。そこで、ソフトウェア業界の現状と今後の課題をご紹介します。

ソフトウェア業界とは?

ハードウェアを制御するソフトウェアを開発・製造する

パソコンやスマートフォンなど、ハードウェアを操作するために必要なプログラムをおこなうのが、ソフトウェアです。ソフトウェアには、「Windows」や「Macintosh」のように全体的な操作をコントロールする『オペレーティングシステム(OS)』と、「Internet Explorer」や「Excel」、限定的な操作をおこなう「アプリケーションソフト」の2つに分けられます。これらのソフトウェアを開発・製造をおこなうのが、ソフトウェア業界なのです。

ソフトウェア業界の仕事内容

ソフトウェア業界の仕事内容は、ソフトウェアの開発や設計を担当する「ソフトウェア開発」が中心です。システムエンジニアやプログラマーが中心となって、顧客のニーズに合わせたソフトウェアの開発やアップデートをおこないます。また、マーケティングや営業活動をおこなう「営業」も重要な役割です。企業によっては、アフターサービスのマネジメントまでおこなう「ITサービス」も仕事内容に含まれる場合があります。

ソフトウェア業界の規模はどれくらい?

2018年度の国内業界規模は5兆6,664億円

パソコンやスマートフォンなど、日常生活に欠かせないソフトウェアの開発をおこなうソフトウェア業界の業界規模はどれくらいなのでしょうか。IDCJapanによると、2018年の国内市場は5兆6,664億円でした。ここ数年はAIやIoT、スマートフォンの普及もあり、その需要は年々伸び続けています

【国内編】ソフトウェア業界大手の売上高ランキングTOP5

日本国内のソフトウェア業界における、大手企業の売上高ランキングについてみていきましょう。

国内ソフトウェア業界の売上高ランキング

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- 1位:日本オラクル / 1,854億円
- 2位:トレンドマイクロ / 1,488億円
- 3位:オービック / 668億円
- 4位:ミクロ情報サービス / 275億円
- 5位:ジャストシステム / 240億円

業界動向リサーチのランキング結果にもある通り日本オラクルとトレンドマイクロの2社のみが売上高1,000億円を超えています。データベース管理に強みを持つオラクルと、セキュリティソフトでお馴染みのトレンドマイクロは、それぞれの強みを生かした製品・サービスの提供で業績を伸ばしているといえるでしょう。

【国外編】ソフトウェア業界大手の売上高ランキングTOP3

日本国外のソフトウェア業界における、売上高ランキングも見てみましょう。上位3社とも、日本での知名度が抜群な企業がランクインしました。なお、日経業務地図2017(日本経済新聞出版社・2016年出版)の情報ををもとにしており、金額はドルで表記しています。

国外ソフトウェア業界の売上高ランキング

日経業務地図2017の情報をもとに作成


  • 1位:アップル / 2,337億ドル

  • 2位:マイクロソフト / 853億ドル

  • 3位:グーグル / 745億ドル

圧倒的な差をつけて売上高トップとなったのは、アップル社でした。「Macintosh」や「iOS」など、ソフトウェア開発に力を入れています。また、独自のデザインと操作性で人気の「iPhone」や「iPad」といった、ハードウェア製品でもお馴染みでしょう。2位のマイクロソフトはOSとしては、圧倒的なシェアを誇る「Windows」が人気です。3位のGoogleは「Gmail」や「Google chrome」などで業績を拡大しています。

国内ソフトウェア業界の大手企業を紹介!

ここからは、先程の売上高ランキングにランクインした、国内ソフトウェア業界の大手5社について紹介します。これから紹介する企業は、どのようなソフトによって売上を確保し、上位にランクインしているのか、確かめてみましょう。

①:日本オラクル

アメリカに本社のある「オラクル」の日本法人。データベース管理のソフトウェアに強みを持つ。ここ数年は親会社の事業展開と併せて、クラウド管理やハードウェア事業の進出など、成長著しい。

②:トレンドマイクロ

セキュリティソフト国内1位の「ウイルスバスター」でおなじみ。もともと海外企業だったが、現在は日本に本社を構えている。ソフトウェアとクラウドとの組み合わせによるサイバーセキュリティに力を入れている。

③:オービック

企業における人・物・カネの管理を一元でおこなう「ERP」に対応したソフトウェア「OBIC7」が有名。これまでは中小企業向けが中心だったが、大企業向けのERPソフトも提供するなど、事業拡大を図っている。

④:ワークスアプリケーションズ

大手メーカーや官公庁など、規模の大きな企業向けのERPソフト「COMPANY」シリーズを展開。2015年には、世界で初めてとなる人工知能(AI)を搭載したERPソフト「HUE」を発売するなど、先進技術の投入にも積極的。

⑤:オービックビジネスコンサルタント

売上高ランキング第3位のオービックの持分法適用会社だが、経営は独立している。「勘定奉行」など、中小企業向けの会計ソフトウェア「奉行シリーズ」でおなじみ。

どんな企業があるのか知ることも一つの選択

まずはどんな業界があり、業界ごとにどんな特徴があるのか知るのも一つの手です。自分の求めている企業の特性を知ることで職業選択の幅も広げることができるでしょう。業界マップでは、就活生に人気の高い21業界200社以上の情報を一気に読むことができます。この機会に無料でダウンロードし、業界理解に役立てましょう。

ソフトウェア業界の最近の動向

クラウド化により「PaaS」の需要が拡大

ソフトウェア業界の動向についてみていきましょう。ここ数年、ソフトウェア業界はクラウドサービスの強化に力を入れています。とくに、「PaaS(Platform as a Service)」と呼ばれる、サーバなどのインフラからソフトウェアすべてをクラウド化するサービスの普及が進んでいるのです。
IDC Japanによると、2016年時点のPaaS市場は648億円(前年比48.1%)と需要が急激に拡大しています。2020年の市場規模は現在の約2.7倍の1,761億円になると予測されており、今後もますます成長が続くでしょう。

ビッグデータを活用する企業が増えてきている

ソフトウェア業界では、ネット上の検索・購入履歴やワードなど、膨大なビッグデータの提供も注目を集めています。ビッグデータによって、ニーズに合わせたマーケティングや商品開発が可能となるのです。また、災害や医療での活用も注目されています。IDC Japan調べによると、ビッグデータの市場規模は、2,282億円(2016年)と既に大きな市場になっているといえるでしょう。また、2021年には約3,400億円にまで規模が拡大するとみられています。ソフトウェア業界は、これらの成長材料でますます進化を続けるでしょう。

ソフトウェア業界の今後の課題とは?

セキュリティー関連の強化が求められる

事業が好調で発展が続くソフトウェア業界には、どのような課題があるのでしょうか。まず挙げられるのが、セキュリティ対策です。パソコンやスマートフォンの普及で多種多様なソフトウェアを使用する中、サイバー攻撃やコンピュータウィルスなどによる個人・企業情報の流出が相次いでいます。情報流出は会社の信用度を著しく下げるリスク材料のため、二重・三重のセキュリティ強化が求められているのです。

人材不足に悩む会社が多い

ソフトウェア業界の需要は高まっているにもかかわらず、人材不足に悩む企業が多いのも課題です。例えば、開発を担当するSEは「キツい」「給料が安い」「帰れない」の3Kであらわされることがあります。過酷な労働環境ながら、常に知識をアップデートしなければならないため、敬遠されている部分もあるでしょう。ソフトウェア業界の人材不足という課題解決のために、労働環境の整備や知識を得る場を作ることが求められます。

ソフトウェア業界で起きた最新ニュース

トレンドマイクロ社の「DDI」が3年連続で高く評価された

最後に、ソフトウェア業界の今後にもつながる、最新ニュースについてみてみましょう。1つ目は、国内売上高第2位のトレンドマイクロ社が開発した「DDI」が、セキュリティ研究機関のNSS Labsに「推奨侵害探知システム」だと3年連続で評価されたことです。DDIは、サイバー攻撃などによる被害を早急に確認・報告・修正するソフトウェアシステムです。NSS Labsが実施した侵害検知テストでは、99.8パーセントの検知率を獲得するなど、セキュリティ精度の高さが評価されました。こうしたサービスの普及は、セキュリティ面の課題を改善させるための一歩といえるでしょう。

NECと日本オラクルがクラウド事業の提携で合意

2つ目のニュースは、電機メーカーのNECとデータベース管理ソフト最大手のオラクルが、クラウド事業の戦略的提携を発表したことです。日本オラクルが開発した「Oracle Cloud」を、NECの国内データセンターから顧客ごとに提供することで、クラウドサービスの拡大を図ります。また、クラウドサービスなどの{新技術に対応した人材の育成も図る}ため、人材不足の解消にも役立つでしょう。

ソフトウェア業界ではクラウド市場が拡大している!課題はセキュリティ強化

日本のソフトウェア業界の市場規模は、約2兆7,000億円と年々拡大し続けています。データベース管理ソフトに強みを持つ「日本オラクル」や、セキュリティソフトでおなじみの「トレンドマイクロ」といった企業が有名です。今後は、クラウドサービスの普及やビッグデータの活用で、業界規模拡大のチャンスが見込まれるでしょう。今後の課題として、サイバー攻撃などを防ぐセキュリティ対策の強化や労働環境改善などによる、人材確保が挙げられます。

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