2019年11月12日(火) 更新
就活生が知っておきたい御社と貴社の違いとは~履歴書やメールでの正しい使い分け方~
就活生は「貴社」と「御社」の使い分けに迷っている
就活生を対象に438名から集計したアンケートによると、「履歴書に「御社」と「貴社」のどちらを使うべきか理解していますか?」という質問に対して、64.4%の人がYes、35.6%の人がNoと答えました。(2017年1月時点、キャリアパーク調べ)
■調査方法:メールを配信して学生にアンケート
■調査実施日:2017/1/26~1/29
■投票数:438
面接や履歴書は就活にとって切っても切り離せないものとなりますが、そこで必ず用いることになる「御社」と「貴社」の使い分けを迷っている人は意外と多いことがわかりました。しかし、就活や転職活動をする人にとって、「御社」と「貴社」はどのような意味で使われる言葉で、どのような場面で使い分けられているのかを知ることは、かなり重要です。
まず、「御社」と「貴社」とはどのような言葉なのかについて説明していきます。
「御社」や「貴社」とは相手の会社を敬う表現
「御社」や「貴社」とは、相手の会社の敬称のことで、いずれの言葉も相手の会社を敬って表現する代名詞です。この2つの言葉の意味や敬う度合いには違いはありません。では、どちらも同じように「相手の会社を敬って表現する代名詞」ならば、いったい何が違うのでしょうか。
御社と貴社の違いとは
「御社」は話し言葉で電話や面接時に使う
「御社」は話し言葉で、電話や面接時に使う言葉です。言葉には同音異義語があり、これは会話に混乱をきたす場合があります。「御社」には「恩赦」など同音異義語はありますが、ビジネス上「恩赦」という言葉を使うケースはほとんどないでしょう。そのため、「御社」は話し言葉として用いられるのです。 話し言葉である「御社」を間違えて履歴書に書いてしまったときは書き直してください。
「御社」という言葉が話し言葉で用いられるようになったのは、1980年代あたりだといわれており、比較的新しい表現になります。新しい表現であるとはいえ、使用していないと取引先などに「一般常識を知らないのか」と感じさせてしまう場合があるかもしれません。
「貴社」は書き言葉で履歴書やESなどで使用する
「貴社」は書き言葉として使われる言葉になり、履歴書やES、メールなどで使用します。「貴社」という言葉にも、同音異義語が存在します。その中でも、「記者」「汽車」「帰社」はビジネスの場でも用いられます。「貴社」という言葉を話し言葉で用いると、「キシャ」という音だけの情報では「記者」「汽車」「帰社」のどれなのか紛らわしいため、書き言葉では「貴社」が、話し言葉では「御社」が使われるようになったのです。
ビジネスではメールで「御社」と使うこともある
履歴書やESでは「貴社」を用いますが、メールではどう表現するのでしょうか。メールも文書であるので、書き言葉の「貴社」を使用しますが、実際のビジネスの現場では、「貴社」はあまり付き合いのない会社に使うケースがあるようです。「貴社」だと堅苦しいイメージになることから、親しい関係の会社同士では、「御社」を使う場合もあるのです。ただし、就活で会社とメールのやり取りをする際は「貴社」を用いたほうがよいでしょう。
社会人としての教養を身に付ける
「PDCA」や「エビデンス」などの言葉を正しく使えますか?これらは、企業で使用されることが多いビジネス用語です。内定が決まったという就活生は、入社までの間にビジネス用語について理解を深めておきましょう。そこで活用したいのが「就活・ビジネス用語集」です。IT、航空、金融、メーカーで使用される用語も紹介しています。無料でダウンロードできるため、就活が終わって入社に向けた準備を始めたいという就活生におすすめです。
会社以外の敬称とは
「御社」や「貴社」は、【会社】のことを指す言葉です。会社以外の病院や公務員などを志望している場合、相手のことを「御社」や「貴社」といってしまうのはタブーといえます。それぞれ正しい言い方がありますので、代表的なものを以下で確認して、適切な言い回しができるようにしておきましょう。
代表的な会社以外の敬称
- 病院=「貴院」「貴医院」
- 財団法人・社団法人=「貴財団」「貴団体」
- 大学=「貴学」
- 公務員(市役所)=「貴所」
- 税務署=「貴所」
- 銀行=「貴行」「御行」
- 信用金庫=「貴庫」
病院や 財団法人、社団法人には、会話の中であっても「御院」や「御財団」「御団体」と表現はしません。会話では「◯◯病院様」や「○○センター様」「○○協会様」などと表現してください。
「御社」「貴社」の使い分けは口頭か文書かで判断しよう
「御社」「貴社」はいずれも相手の会社を表す言葉で、会社に対して敬う表現をするために使うものです。両者に違いは、「御社」は話し言葉であり、「貴社」は書き言葉であるという点になります。したがって電話や面接では「御社」を使い、ESや履歴書などの文書では「貴社」を使うのが正しい使い方だといえるのです。
正しい使い分けをマスターして、就活に活かしましょう。「御社」「貴社」が入り混じっていると、注意力散漫とみなされ、マイナスイメージになってしまう可能性があるので注意してください。
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