2021年09月28日(火) 更新
面接で短所を聞かれたときの答え方【長所への言い換え回答例付き】
この記事の監修者
キャリアアドバイザー
赤塩 勇太大学を卒業後、新卒で採用コンサルティング会社に入社。キャリアアドバイザーとして、1,000名以上の就活生に対してキャリアセミナー、面談を実施。その後、採用コンサルタントとしてクライアントの採用課題の解決に従事。法人・求職者双方の目線から、適切なアドバイスを提供している。
目次
面接で短所を聞かれことは多い
面接では志望動機や自己PRのように、大道の質問から、企業の特色がでる少し変わった質問まで、じつにさまざまです。「短所」についての質問も、近年では大道になってきました。
長所とセットで質問されがちの短所も、面接前にあらかじめ回答を準備しておいた方が良い問題の1つです。
面接で短所を聞く目的
①致命的な短所はないか
面接官が短所を聞く目的としては、仕事の際に致命的となるような短所を持っていないかの確認が1つあげられます。
たとえば時間にルーズであったり、コミュニケーションを取るのが苦手だったりという短所の場合、業務を遂行させることが困難になるでしょう。
業務遂行に致命的な支障を生じさせるような短所を答えてしまうと、不採用になる可能性があるのです。
②自分を客観的に見ているか
自分を客観的に見ているかも、短所を質問して面接官が見ている点です。「自分の短所はありません」と答えるような人がいたら、自分を周りからの視点、つまり客観的に見ていないという評価になります。
短所がない人間など、ほぼいないといっても過言ではありません。どんなにやさしい人でも、他人から見ると八方美人と思われているかもしれませんし、意思決定ができるまとめ役の人も、我が強くまっすぐになりすぎると見られている可能性もあるのです。
客観的に自分を見ることができ、自分の短所を把握できているかが、問われるところです。
キャリアアドバイザー|赤塩 勇太
客観的に見れているかどうかは入社後にも大きく影響する
「自分を客観的に見れているか」については、人事担当も重要視するケースが多いですね。客観的に自分を見れていない場合、会社からの期待値と成果に対するギャップなどが生じている際に、それを理解することができず、そのまま不満を抱えて退職となってしまうケースなどもあるからです。
③問題解決能力があるのか
面接で短所を質問されたとき、ただ自分の欠点を話すだけではいけません。面接官はあなたの問題解決能力もチェックしています。自分が話した短所に対して、どのような対処をしているのか述べれば、問題解決へ努力する対応力となります。
問題解決能力は仕事をする上で必要な能力のひとつです。それをしっかりとアピールできれば、面接で他の就活生に差をつけることができるでしょう。
面接で短所を答えるときのポイント
短所への対策と一緒に答える
自身の短所がどういった部分にあるか分かっていたとしても、それに対する対策ができていなければ、理解できていないのと変わりません。
短所について述べる場合、その短所についてどのように対策するのかも合わせて答える必要があります。短所を自分の中で克服する方法も見つけているということは、より客観的に自分を理解している、という印象にもつながります。
例えば優柔不断な部分が短所なら、急いで決めるべき予定をリストで管理するというように、何かしらの対策方法はあるものです。自分が普段やっている短所への対策を思い返したり、他の人の行動を参考にするのもいいでしょう。
長所と一貫性のある内容にする
長所と短所は基本的に、コインの裏と表のような関係です。長所の見方を変えると短所になっているものですので、その内容には一貫性があることが基本的です。
例えば行動力があるということは、見方を変えれば計画性がないともとらえられます。ですが自分では行動力を長所として挙げたのに、短所に神経質な面を挙げてしまうのは、一貫性があるとは言えません。これでは採用担当には「ちゃんと自己分析できているんだろうか」「客観的な目線があるのだろうか」と思われかねないのです。
長所がこれだ!と思う部分があるなら、面接などで短所について聞かれた際は、その長所の見方を変えたものを述べるようにしましょう。そうすることで、一貫性のある自分への見方ができていると認識されるのです。
「短所なし」は良い印象を与えない
人から短所はあるか、と聞かれると、ついつい「短所なんてない」と答えたくなるかもしれません。日常会話ならまだいいですが、面接の場で「短所なし」と答えるのはマイナスの印象になってしまいます。
上記にも挙げたとおり、長所と短所は表裏一体のもので密接につながっています。自分の長所を理解しているなら、短所はそれを別の目線で見たものになるはずですね。ところが、短所はないと答えてしまうと、主観的な目線でしか自分を理解していないと思われてしまいます。
主観的な目線でしか理解できていないということは、自信過剰または、自己分析が正しくできていないと捉えられます。これでは面接で不合格になってしまう可能性は高くなるでしょう。
短所をプラスに言い換えた例10選
①「頑固」→「自分の考えを持っている」
私の短所は「頑固」な点だと考えています。私は、責任感が強く、他人に頑固な印象を与えてしまうケースが多いです。学生時代のグループワークの際に、研究する内容に関して話し合いをしました。そのとき私には、譲れないどうしても研究したいテーマがあったので、メンバーを説得してそのテーマでレポートを作成しました。
解説
最初の例文は「頑固」です。「頑固」なのは、自分の考えを持っている証拠でしょう。そのため、「頑固」だという短所は「自分の考えを持っている」と言い換えられます。
確かに、「頑固」で自分の考えをなかなか曲げないのは、短所になりがちです。しかし、具体的なエピソードを述べて「自分の考えを持っている」「意思が強い」などの長所につなげれば、アピールポイントになります。周りの意見を取り入れるように意識しているという点もアピールするといいでしょう。
②「マイペース」→「周りに流されない」
私の短所は、「何事においてもマイペース」だという点です。周りの環境には左右されにくいのですが、自分のペースで作業をする癖があるので、時には作業が遅れてしまうケースもあります。そのため、レポートを提出する機会があったときは、提出が遅れることも見越して早めに資料準備などに取り掛かり、期限までに完成させるように心がけました。
解説
「マイペース」という短所は、「周りに流されない」と言い換えられます。「マイペースだから仕事が遅いです」ではなく、「マイペースで丁寧に仕事ができます」とアピールするとよいでしょう。
「周りに環境に左右されずに、集中力を維持して仕事の目標を達成できます」というアピールにもつながります。しかし、マイペースは、協調性のなさにつながりかねないので、アピールするときは注意しましょう。
③「せっかち」→「行動が素早い」
私の短所は「せっかち」な点だと考えています。私は学生時代、課題研究という授業があり、グループごとにテーマを決めて研究をおこないました。私は研究やレポートなどを早く終わらせたいと思い、研究結果の仮説を締切1週間前に提出する計画をグループに提案しました。その結果、締切1週間前に研究結果の仮説を提出できました。しかし、グループのメンバーを急かしてしまったため、夜遅くまで学校で残ったことが原因で寝不足になったメンバーがでてきました。私はせっかちな部分を踏まえ、今後は相手の気持ちを考えて、相手に無理のない計画を立てて行動したいと思っています。
解説
「せっかち」という短所は、「行動が素早い」と言い換えられるでしょう。行動の早さをアピールできれば、短所を伝えてもプラスなイメージを残せます。
また、スピード感を持って仕事を進められるという長所にもなり得ます。伝え方によっては大きなプラス評価を得られますので、意識してアピールするようにしましょう。
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④「慎重」→「丁寧に仕事ができる」
私には「慎重すぎる」といった短所があります。慎重すぎるために判断が遅れてしまいがちになり、行動開始にも時間がかかってしまいます。このような性格になったのは、コンビニのアルバイトで商品の数量確認を怠ったために、お店に多大な迷惑をかけた経験があるからです。 このような失敗を繰り返さないためにも、慎重に作業を進めるように意識するようになりました。
解説
「慎重」だという短所は、「丁寧に仕事ができる」と言い換えられます。仕事において丁寧に仕事ができる能力は大切なので、「慎重」は短所としても挙げやすいものだといえるでしょう。
伝え方としては、「丁寧に仕事ができる」という長所の度が過ぎた結果、「慎重すぎる」という短所が生まれるという流れで伝えられると自然にアピールできます。対処法としては、「周りの人に相談する」などが挙げられるでしょう。
⑤「優柔不断」→「じっくりと考えることができる」
私の短所は「優柔不断」であることです。私は学生時代、学園祭のパンフレットを作成を任された経験があります。その際、表紙のデザインを3つ作成したのですが、どのデザインを提出するかで3日間ほど考えてしまったのです。デザインは完成していても、考えることに時間をかけすぎたあまり締め切り当日に提出することになり、学園祭の実行委員に迷惑をかけてしまいました。そのため、物事を決める際は自分のなかで期限を決めたり、周りに相談したりすることを心がけています。
解説
「優柔不断」だと、「物事を決め入れない」といった特徴があります。しかし、これは「物事の判断をじっくりと考えることができる」という長所にもなります。
対処法としては、「周りに相談する」「情報収集を欠かさない」などがあります。これらは仕事においても大切な意識になるので、面接でアピールするように心がけてください。
⑥「心配性」→「正確な仕事を心がける」
私の短所は「心配性」なところです。私は、文化祭の合唱コンクールでピアノの伴奏を任されました。「本番に伴奏をミスしてクラスに迷惑をかけたらどうしよう」「合唱と伴奏がずれたらどうしよう」と、心配になることが度々ありました。しかし、心配を払拭するために、毎日2時間以上ピアノの練習に励み、心配よりも成功することを考えて練習に取り組むようにしました。その結果、本番は伴奏のミスはなく、伴奏者賞をいただくことができたのです。私は、今後も心配することよりも成功させるためにしっかりと準備したり行動したりすることを心がけたいと思っています。
解説
仕事において心配性な性格は、「正確な仕事を心がけている」点にもつながり、大きなプラス評価になります。 また、心配症であるがゆえに失敗が少ないというのも、ひとつのアピールポイントとなるでしょう。準備を怠らない姿勢などもアピールできれば、長所として自己PRできます。
このように、心配症という短所は伝え方次第で長所にもなるので、しっかりと準備して面接に挑みましょう。
⑦「自己主張が強い」→「リーダーシップが取れる」
私の短所は「自己主張が強い」点です。私は大学の学園祭で実行委員長をしていました。実行委員での話し合いでは、話し合いをまとめようと自分の意見を発言しすぎたあまり、「周りの意見もちゃんと聞いてほしい」とほかの実行委員から指摘を受けました。この経験から、私は自分の意見を主張するだけではなく、周りの意見もしっかり聞くように心がけています。
解説
「自己主張が強い」という性格は「協調性がないのでは?」と思われがちです。しかし、「リーダーシップが取れる」という長所にも言い換えられるでしょう。リーダーシップを取った経験があれば、それもアピールできるとよいです。
⑧「なれなれしい」→「人見知りしない」
私の短所は「なれなれしい」点だと考えています。私は初対面の人や年齢の離れた人など、誰とでも対等に接することができます。どんな人とも仲良くなりたい思いが強いせいか、フランクすぎる態度を取りがちになり、「態度がなれなれしい」とアルバイト先の先輩に注意を受けました。このことから、今は相手の立場や性格をしっかり考えたうえで、相手に配慮した接し方をするように心がけています。
解説
「なれなれしい」という短所は「相手を尊重していない」「上下関係がなっていない」のように思われる場合があります。しかし、その短所は「人見知りしない」と言い換えることもできるのです。
また「フレンドリー」とも言えるでしょう。この短所を伝える際は、どのようなことを心がけているのかもしっかりアピールできるとよいです。
⑨「行動が遅い」→「考えて行動する」
私は「行動が遅い」という短所があります。先に計画を考えることに時間を取られ、行動が遅くなるのです。学生時代、オープンキャンパスで見学者に配布する資料作成を任されることがありました。しかし、「このような資料を作りたい」「デザインはこうしよう」のように計画を立てることに気を取られすぎて肝心な資料の作成が間に合わず、提出期限を1日オーバーして周りに迷惑をかけました。仕事をする際、行動が遅いのは致命的だと考え、計画に必要以上に時間をかけすぎずに、時間を逆算して動き出しを早くすることで克服しようと思っています。
解説
「行動が遅い」というのは「考えて行動できる」という長所にも言い換えられるでしょう。また、考えて行動できる人はミスは少なくなるはずです。ただ「行動が遅い」のはマイナスイメージであるため、しっかり改善策を伝えましょう。
⑩「神経質」→「細かいことに気づく」
私の短所は「神経質」であることです。学生時代、研究レポートをグループで分担して作成する機会がありました。私は神経質なあまり、誤字脱字のほかにフォントや文字のサイズ、表記が統一されているかにまで、時間をかけて何度もチェックしました。同様に、ほかのメンバーが作成したレポートに対しても、細かいところまで指摘しすぎてしまい、メンバーに嫌な思いをさせてしまいました。そのため、相手への指摘する際には言い方に気をつけ、細かく考えすぎずにものの見方を変えてみることを心がけています。
解説
「神経質」というと「ピリピリしている」「完璧主義」のようなイメージを持たれがちです。しかし、「細かいことに気づく」という長所にも言い換えられるでしょう。短所はエピソードを交えて、プラスイメージに変えられるように作成しましょう。
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面接での短所は対策と一緒に長所と一貫性のあるものを答える
短所というと人には言いたくないもの、自分の悪い部分と思いがちですが、実際のところそうとは言い切れません。短所だと思っていたものの見方を変えれば長所になるように、長所と短所とは、単に見方の違いなだけなのです。
例えば長所を延ばそうと行動していることがあれば、そのまま短所への対策としておこなっていることと言えます。これらの点を理解したうえで、長所と短所を正しく説明できれば、企業への印象はよくなるでしょう。
長所と一貫性のある短所を答え、その短所にどういった対策をとっているかを考えることは、結果的に自分の長所を伸ばします。就活でもそのように考えて、積極的に長所と短所を分析してみましょう。
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