2020年06月30日(火) 更新

【出版社への就職する方法】業界・企業研究から選考対策まで紹介

メディアの影響から出版社の注目度は高い

雑誌や書籍に関わる出版社は、本好きの人は特に、一度は就職を考えるのではないでしょうか。近年では出版社への就職に興味を持つ学生は多い傾向があります。

主な要因として、テレビドラマ「校閲ガール」や映画「舟を編む」など、出版社が舞台となっている作品がきっかけのようです。普段見られない仕事の裏側をテレビを通じて見たことで、就職へ意欲を持った学生が増えたためです。

出版社に就職する方法

出版業界は不況と言われながらも、出版社は毎年就活生からの人気が非常に高く、採用選考の倍率は数百倍になることも珍しくありません。

厳しい選考を勝ち抜き、出版社に就職するためには、どのような対策をするべきでしょうか?

①出版業界の現状を知る

まず知っておきたいのが、出版業界の現状についてです。近年メディアがきっかけで注目度こそ高くなっていますが、書籍などの販売額は減少傾向にあり苦心しているのが、出版業界の現状です。

原因はインターネットやスマートフォンの普及によって、本を読まなくなったり、紙の書籍ではなく電子書籍を読む人が増えているためです。

電子書籍については特に近年参入企業も多く、出版業界内でも電子書籍への転換やデジタルメディアとの連携など、インターネットやデジタルを駆使した事業展開をおこなう企業が増えつつあります。

また一般書籍とは別に、雑誌やムックとバッグなどを抱き合わせにして販売するなど、読書以外の理由での書籍購入を促すような書籍作成も盛んにおこなわれています。

②出版業界の仕事内容を知る

出版社ではどのような仕事があるのかを知ることも、就活の前に必要です。

編集は直接書籍の制作に関わる仕事です。主な仕事としては打ち合わせや原稿の受け取りをおこなったり、完成した原稿の入稿やそれに関連した作業などになります。

営業は出版物の販売に関連した仕事で、マーケティングや販売計画・促進、発行部数などを考えながら仕事をすることになります。定期的に仕入先の書店へ足を運び、本の補充などを促すのも仕事のひとつです。

企画は新しい書籍に関する企画立案などが主な仕事です。企画が通ると、書籍作成のために著者やデザイナーへの依頼をおこなうのも仕事の中に入ります。

これら以外に、企業の事務関係を請け負う総務関連や、出版物の刊行スケジュール管理全般をおこなう制作の仕事があります。

出版社に就職するための筆記試験対策

出版社の選考では、必ず筆記試験が実施されます。この筆記試験の難易度は非常に高く、対策は長い時間をかけて行わなければ落ちます。

出版社によって出題される問題の傾向が異なるので、出版社ごとの筆記試験対策に取り組む必要があります。

出題内容は英国数・時事問題・クリエイティブ系

出版社の筆記試験の主な出題内容は、英国数の能力試験、時事問題、そしてクリエイティブ系です。

英語、国語、数学の能力試験の対策は、SPIや玉手箱などの問題集を解き、早く正確に解答できるよう、時間を計りながら進めるといいですね。問題数が多く、制限時間内に全問回答するのは難しいでしょう。わからない問題は飛ばし、1点でも多く獲得するためにわかる問題から解いてください。

時事問題対策は市販のテキストやニュースによく目を通す

時事問題は出版社の筆記試験の中でもっとも難しいと言われています。時事問題の出題範囲のジャンルは広く、かなりの時間を割かなければ対策しきれません。

対策方法自体は難しくなく、市販のテキストで十分な対策が可能です。実際に市販のテキストの内容は入社試験に出題されています。すべてのジャンルの時事問題が載っているテキストを選び、対策をしましょう。

日頃からできる対策としてはニュースや新聞に必ず目を通すのが効果的です。すべてのジャンルのニュースを網羅してください。やはり出版社の筆記試験ですから、本に関する話題には特に注目しておくといいですね。

クリエイティブ系対策は事前に予定稿を用意しておく

クリエイティブ系の問題とは、作文や川柳、大喜利などです。想像力や柔軟な発想が求められます。志望する出版社の出題形式や傾向を調べておき、それに合わせた対策をします。

例えば出題形式が作文であれば、傾向を調べて予定稿をいくつか用意しましょう。試験本番で考えるよりも、質の高い文章を書くことができます。予想外の問題を出題されても焦らずに対応できるように、文章を書く練習をしてくべきです。

出題形式が川柳や大喜利であっても同様です。川柳を作る練習をしたり、日頃から大喜利の練習をしておきましょう。

出版社に就職するための志望動機の書き方と例文

出版社に就職するための、志望動機の書き方と例文を紹介します。志望動機でいかに入社への意欲や熱意を示せるかが重要です。

「本が好き」は志望動機にならない

「本が好きだから出版社に就職したい」という人がほとんどでしょう。しかし、「本が好き」という志望動機では、残念ながら採用には至りません。「本が好き」と志望動機で書かれても、「なぜ出版社に就職したいのか」という理由の説明になっていないからです。

「本が好き」という志望動機ではなく、なぜ本を作りたいと思ったのか、どのような本を作っていきたいのかを具体的なきっかけや経験を盛り込んで説明してください。

数ある出版社の中からその会社を選んだ理由を明確に

数ある出版社の中からその会社に就職したい理由を明確に説明できなければ、採用担当者の心を掴むことはできません。どの出版社にも言えそうな理由はNG。その出版社の強みをよく調べた上で、興味を持ったきっかけ、その出版社でしかできない仕事がしたい等、アピールしましょう。

なお、自分のやりたい仕事を盛り込む際、志望分野を限定しすぎるのは逆効果です。

志望動機の例文

例文

貴社の雑誌『風土~FOOD~』で掲載していた「一日三食コンビニ飯だけで一ヶ月過ごす」という企画に関心を持ち、志望いたしました。一日三食すべてコンビニ飯ならすぐに食べ飽きるのではないかと思いながら読みましたが、現代のコンビニ飯はバリエーションが非常に豊富であるため食べ飽きることはなく、一ヶ月間難なく過ごせたという結果に衝撃を受けました。コンビニ飯のバリエーションの豊富さから、現代人の生活がいかにコンビニに依存しているか、よくわかりました。私も日常の身近にあるものから現代社会を読み解くような企画に携わりたいと考えています。

出版社に就職するための自己PRの書き方と例文

出版社に就職するには、志望動機だけでなく自己PRでいかに自分を売り込むかも重要です。出版社に就職するための自己PRの書き方とは?

志望する出版社の社風・ニーズをよく知る

自己PRでは、自分が志望する出版社の社風やニーズに合う人材であるとアピールする必要があります。

そのためには企業研究を行い、企業の社風やニーズを熟知しなければなりません。

強みをどう仕事に繋げるか具体的な業務を挙げて説明する

自己分析をした上で、自分の強みをどう仕事に繋げるか、具体的な業務を挙げて説明することで好印象を与えます。ただ「○○という強みを活かして、貴社に貢献します」だけでは自己PRとして弱いですね。「~○○という強みを活かし、読者を驚かせる企画やキャッチコピーを作れるよう努めます」など、最低限この程度は自己PRに盛り込みましょう。

自身の強みについても「○○が強みです」と言うだけでは、採用担当者は納得しません。その強みが発揮された具体的な経験や、強みを身につけるまでの経緯を簡潔かつ具体的に説明してくだい。

自己PRの例文

例文

国が主催するプレゼンテーションコンテストにゼミの仲間と共にエントリーした経験があります。教授から指名されて私がゼミのリーダーになり、発表に向けた準備を始めました。多忙なメンバーでも準備を進められるよう、最初にプレゼンテーションの構成を決め、複数のパートに分けて各メンバーに振り分けました。リーダーであるわたしはメンバーの進行状況の把握や、メンバーが作成したデータや意見をまとめました。本番でスクリーンに映す映像はパソコンスキルが高い人に頼み、当日の発表は滑舌が良くどのような場面でも緊張しない人にお願いしました。準備段階から発表までまとめ役に徹し、全員が無理をせず円滑に準備ができるようサポートしました。結果、全国の大学200校が参加したコンテストで準グランプリを受賞しました。
人と協力して成果を出す力を活かし、作者や営業担当者など各部門のプロフェッショナルの意見をまとめ上げ、世間を感動させるような本を作りたいと考えています。

自己PR作成に役立つジェネレーター

自己PRには盛り込むべき要素がたくさんありますが、文章を考えるのが苦手という就活生は多いのではないでしょうか。的確にポイントを押さえることも大切ですが、面接官に伝わる文章力が試されるのも自己PRの特徴です。言いたいことはまとまったけれど、実際に文章にするのが苦手という就活生は、ぜひ自己PRジェネレーターを活用しましょう。自己PRジェネレーターを使えば、用意された質問に答えるだけで自然な流れの自己PRが完成します。無料でダウンロードできるので、文章の繋ぎ方や言葉遣いに自信がないという就活生にもおすすめです。

出版社に就職するための面接対策

出版社の面接対策は必ず行ってください。出版社の面接は難しいだけでなく、もっとも緊張する場であるため、対策をせずに受けると何も答えられないまま終わってしまう可能性も大きいのです。

なかには、無茶振りと思えるような質問をしてくる面接官も。志望する出版社の面接の傾向をしっかり調べておきましょう。

質問には「答えすぎない」

面接のテクニックの一つとして先に紹介したいのが、面接官からの質問に対して「答えすぎない」こと。面接官からに質問に対して、エントリーシートのような長々とした回答するのは避けた方がいいですね。聞いている面接官が飽きてしまいます。

イメージとしては「一つ聞かれたら三つ返す」くらいを意識すると、ちょうどいい回答になるでしょう。要点をまとめて簡潔に短く回答すると、面接官も理解しやすいですし、自分自身にも余裕ができます。深掘りされる質問をされたらさらに詳しい回答をすればいいので、一度ですべてを答える必要はないのです。

回答を「細切れ」にすることで面接官とのやり取りする回数が増え、コミュニケーションが取れるという効果もあります。

出版社の面接で聞かれる質問

面接で聞かれやすい質問

  • 志望動機
  • 自己PR
  • 最近気になるニュース
  • 一発芸
  • 入社したらやりたいこと
  • 最近面白かったこと
  • 出版業界の改善点
  • 電子書籍をどう思うか
  • お気に入りの本屋は?
  • 友人に贈りたい自社の書籍は?
  • 自社の書籍の中でもっとも印象に残っているもの
  • 営業に配属されたらどう思うか?(編集希望の人に対して)
  • やってみたい企画→誰に著者をお願いするか
  • 今鞄に入っている本は?
  • 大学を選んだ理由

中にはわざと無茶振りな質問をして、学生のメンタルやレスポンスの早さを試しているという出版社もあるとか

その出版社の書籍を把握しているか、具体的にどのような仕事がしたいのか、キャリアプランなどは面接前に練っておくべきですね。

出版社への就職では筆記試験から面接まで対策を徹底して強みをどう活かす売り込む

出版社への就職は難しく、少しでも対策に手を抜くと落ちてしまいます。選考内容の難しさに加え、少ない採用枠に多くの応募が殺到するため、手を抜くと勝ち残れないのです。

対策を徹底した上で、自分の強みをどう活かすか、どのような仕事がしたいのか意欲や熱意をアピールしましょう。面接でわざと無茶振りな質問をして就活生を試す場合もあるので、模擬面接を受け、どのような質問にも素早く対応できるようにしておくと、本番で有利です。

各対策を万全にした上で選考を受け、出版社や本への意欲や熱意をぶつけましょう。

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