2018年12月20日(木) 更新
商社の志望動機の作成ポイント|例文や注意点もご紹介
商社就職は志望動機が肝心
商社は学生に人気の就職先のひとつであり、内定を獲得するには志望動機を念入りに考えることが大切です。多くの学生が志望するからこそ、志望動機を念入りに考えて差別化を図らなければならず、埋もれてしまうものだと高評価を獲得することはできません。
志望動機はいかに志望度の高さをアピールできるか、採用担当者の印象に残るかが重要です。インパクトがあり、仕事の熱意を上手に伝えるには、内容を工夫しなければなりません。志望動機は考え方を少し変えるだけで魅力的に仕上げることができ、アピール力も高められます。難関の選考を勝ち抜くためにも、他の学生との差別化が図れる好印象な志望動機を作成し、採用担当者の印象に残って高評価を獲得しましょう。
商社就職の基礎知識
商社の志望動機を考える上では、まずは業界の基本的な理解を深めることが大切です。商社に関しての基礎知識を持っていないと、そもそもなぜ志望したのかを説明することができず、志望度の高さもアピールできません。基礎知識は最低限身につける必要があり、志望動機作成のベースになる重要なものだと考えましょう。商社への就職を目指すなら、基礎知識を踏まえて志望動機を作成することが大切です。
商社は卸売業
そもそも商社とは卸売業をおこなう業種であり、人と人、企業と企業を繋げるのが役割と考えましょう。卸売業とは、簡単に言えば商品流通の仲介をおこなう仕事です。企業同士のパイプを繋いで流通を安定させるで手数料を獲得して利益を得ています。
例えば、化学繊維を作るメーカーAと化学繊維を使って洋服を作るメーカーBがあった場合、両社の間に入ってスムーズな流通をおこなうのが商社の役目です。メーカーAは安定した供給によって固定の利益を得ることができ、メーカーBは確実な素材の確保によって自社製品の生産を安定させられます。人や企業を繋ぐ仕事のため、人間関係は幅広くなり、コミュニケーション能力が求められる仕事と言えます。
総合商社と専門商社
商社業界は大きく「総合商社」と「専門商社」の2つに分けられ、それぞれで特徴が大きく違っています。総合商社は商社業界の中でも最大手の企業であり、事業領域が巨大であることが特徴です。複数の分野にまたがって卸売業を展開しており、国内外両方に拠点を持つものも少なくありません。
また、卸売業だけに留まらず、自社生産するメーカーの機能を持つ企業もあります。企業ごとに特徴は異なりますが、どれも規模が巨大であることは覚えておきましょう。対して専門商社は、ある特定の分野に特化した商社で、総合商社に比べると事業規模は小さいです。しかし、特定の分野といっても複数にまたがって活躍することも多く、分野内では総合商社をしのぐ大きな売り上げを誇る企業もあります。
新卒は営業職募集が多い
商社業界の職種は幅広いですが、新卒での募集は営業がメインになると考えましょう。これは男女ともに共通しており、まずは営業で現場のノウハウを覚えてから、別のキャリアに進むという流れが一般的です。企業によっては営業以外に事務職を設けている場合もありますが、数が少なく営業がメインであることは確かです。
また、総合職で全国版とエリア採用に分けられることもありますが、これも基本的には営業の業務を任されると考えましょう。卸売の仕事を担当するため、多くの人と関わることが求められ、新入社員のうちからハードになることも少なくありません。大きく成長できる環境が整っていることは確かですが、激務になる可能性があることは理解しておきましょう。
商社の志望動機作成のポイント
商社への就職を勝ち取るには、志望動機の作成が重要です。採用担当者の印象に残り、志望度の高さを上手にアピールできなければなりません。アピール力の高い志望動機を作成するにはいくつかポイントがあります。志望動機は作成方法を工夫するだけで大きく印象を変えることができ、高評価の獲得を目指すことも可能です。少しでも高評価を獲得するために、ポイントを踏まえて志望動機を考えましょう。
なぜ商社業界なのか
商社の志望動機では、数ある選択肢の中からなぜ商社業界を選んだのかを明確にすることが大切です。新卒は就職の選択肢が幅広く、商社業界に限定しなくても志望できる業界、企業は無数にあります。ほぼ無限とも言える選択肢の中から、あえて商社業界を選んだ理由、商社業界でなければならない理由を伝えることが大切です。
商社業界での仕事のメインは卸売業になるため、これを踏まえて業界を志望した理由を述べるといいでしょう。商社業界の特徴を踏まえた理由なら、基本的にはどのようなものでも問題ありません。別の業界でも構わないはずと思われないようにだけ注意して、業界を志望した理由、きっけかを提示しましょう。
なぜその企業なのか
商社業界の中でも、なぜその企業を選んだのかを明確にして伝えることが大切です。ひとくちに商社といっても幅広く、総合商社、専門商社どちらかに絞った場合でも複数の選択肢があります。商社業界を志望する理由が分かっても、その企業でなければならない理由が伝わっていないと、高評価を獲得することは難しいです。
単に商社の仕事をしたいだけなら、別の企業でもいいと思われるため、その企業に特化した志望動機になるよう、企業の強みや特徴を踏まえてアピールしましょう。その企業が取り組む事業や扱う商材など、別の企業にはないポイントを志望動機と絡めることが大切です。企業研究は徹底しておこない、その企業ならではの魅力を見つけておきましょう。
就職後どのように活躍できるか
就職後どのように活躍できるかも、志望動機を考える上では重要なポイントです。企業は、熱意があり、志望度が高い学生を採用したいと考えていますが、それは自社で活躍できることを前提としての方針です。仕事はやる気があるだけでは成し遂げることができず、仕事や企業との相性、実力がなければなりません。
仕事で活躍できないと、どれだけ意欲が高くても高評価を獲得するのは難しいため、どのように活躍できるか、確かな採用メリットを示しましょう。自分には何ができ、それが仕事でどのように活かせるかを具体的に述べることが大切です。活躍の方法はできるだけ詳細に伝え、企業で働く姿を上手にイメージさせましょう。
商社の志望動機例文
より上手な志望動機を作成するには、例文を参考にしながらイメージを膨らませることが大切です。志望動機作成のポイントを踏まえて例文を確認することで、アピール力を高めるには何が必要かも判断できるでしょう。例文は総合商社と専門商社の2つに分かれているため、それぞれの違いにも注目しながら、どのようにアピールすべきかを考えることが大切です。
総合商社の例文
総合商社の例文
私は商品の流通を通じて国内外の企業を繋げる役割を果たし、安定したパイプを作ることで多くの人に豊かな生活を送ってもらいたいと考え、貴社を志望しました。貴社は総合商社として世界でも広く活躍し、特にアジア地域の企業との関係に強みがあります。
アジア諸国の目覚ましい成長を日本に繋げることで、国内企業の更なる活性化を目指したいです。大学時代は部活動で剣道をしており、体力と精神力には自信があります。貴社では粘り強い営業でひとつでも多くの契約を勝ち取って、利益に貢献したいと考えています。
総合商社の例では、国内外の企業を繋げるパイプの役割を果たしたいと志望理由が語られています。商社そのものを志望する理由が述べられており、かつ規模の大きさから総合商社を目指していることも伝わります。加えて、企業ならではの強みにも言及することで、さらに詳細に志望度の高さをアピールできているでしょう。就職後にどのように活躍するかも明確にされており、採用メリットも上手く提示できています。
専門商社の例文
専門商社の例文
私は企業同士を繋ぐ仕事がしたく、特に綿の流通に関わりたいと考え、貴社を志望しました。私はファッションが好きで、学生時代は服を買い集めていました。ある時海外で災害が発生したことにより、綿の供給がストップし、一時的に好きなブランドの服が作られないことがありました。
その際に貴社が介入して別のルートから綿を仕入れたと聞き、こんな仕事もあるのかと思い、興味を持ちました。大学時代はアパレルショップでアルバイトをしており、コミュニケーション能力を身につけました。貴社では企業と企業よりももっとコンパクトに人と人を繋げることを意識し、人間関係を繋ぐことで大きな信頼を勝ち取りたいと考えています。
専門商社の例では、綿の流通に関わった仕事がしたいと志望理由が語られています。特定の分野に絞って志望理由を伝えることで、専門商社を目指す理由が明確になっています。また、エピソードの中で志望先との関連性を示すことで、企業を志望する理由もアピールできているでしょう。就職後の活躍の仕方も明確に提示されており、採用メリットを提示できています。全体的に企業への興味関心の高さが伝えられており、志望度の高さもアピールできている例文です。
商社の志望動機の注意点
商社の志望動機を考えるのは難しく、きちんとポイントを踏まえて作成しないとミスをすることも多いです。特に注意点はきちんと理解しておく必要があり、これが正しく把握できていないと、評価を下げてしまう可能性も少なくありません。商社は応募者が多く倍率が高いだけに、少しでも印象が悪くなると書類選考の時点で落とされる可能性が高いです。マイナスの印象を与えないためにも、注意点も理解して慎重に志望動機を作成しましょう。
条件を理由にするのはNG
商社は激務になりやすい反面、給料が高く、若いうちから高年収を目指しやすいのが特徴です。そのため、条件のよさを理由に商社を目指す人も少なくありませんが、これを志望動機にするのはNGです。条件を理由にしてしまうと、同じ条件かそれ以上のものを提示するなら、他の企業に就職すると思われ、志望度が低いと判断されます。
実際に就職先を考える上で条件面は非常に重要であり、選択肢を絞り込む際の指標に給料の高さを考えることは問題ではありません。ただ、条件で志望先を選定した場合でも、実際の志望動機は別のものを用意しなければならず、きちんと志望度の高さが伝わるものを考えましょう。本当に志望度が高いなら、条件以外の理由も見つかるはずのため、じっくり考えることが大切です。
「成長したいだけ」もNG
商社はハードな反面、成長しやすい環境にあることも確かです。国内で難易度の高い仕事をするだけではなく、海外で仕事で働けることも多く、これを目指して就職を希望する人も多いでしょう。しかし、ただ仕事で成長したいことだけを志望動機にするのはNGであり、どれだけ意欲の高さを提示しても成長がゴールになっていると印象がよくありません。
新卒はポテンシャル採用が基本のため、成長意欲の高さを示すことは大切です。しかし、どれだけ意欲が高くても、成長するだけで終わっては評価の対象にはなりません。企業は成長できる人材ではなく、自社で活躍できる人材を求めています。個人の成長は、いわば仕事の結果に付属するおまけのようなもののため、企業に何を求められているかは、正しく理解しておかなければなりません。
商社の志望動機は念入りに考えよう
商社は人気の就職先で、志望する人も多いです。倍率が高くなりやすい傾向にあるため、スムーズな就職を目指すには、志望動機を念入りに考える必要があります。志望動機は選考でも重要視されやすいポイントのひとつであり、評価に大きく影響します。
いかに志望度の高さが伝わるか、採用メリットを提示できるかを意識して考えなければなりません。作成方法を工夫するだけで、志望動機のアピール力は格段に高められ、高評価も獲得しやすくなります。ただし、マイナスの印象を与える注意点もあるため、それに引っかからないよう注意しなければなりません。注意点も含めた作成のポイントを知り、こだわった志望動機で商社への就職を目指しましょう。
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