2020年03月24日(火) 更新

<メガトレンドによる社会・都市・働き方の変化を考えるキャリアセミナー参加レポート>

PR企画

ITやAIの進化などのメガトレンドが金融・広告業界を筆頭とする多くのビジネスシーンに変化をもたらし、それは社会全体・都市・働き方にまで影響を及ぼしています。そこで、これから就職という大きな人生の岐路に立つ学生向けに、次代のビジネスモデルがどう変化していくのか、またどのような組織を選び、キャリアを歩んでいけば良いのかについて、先日開催された「社会・都市・働き方の変化を考えるキャリアセミナー(パネルディスカッションセミナー)」のレポートを通じて、皆さんに少しでもそのエッセンスをお伝えしたいと思う。

■主催:ポート株式会社

■パネリスト

■モデレータ
ポート株式会社 滝澤 亮太

■パネルディスカッションテーマ
<第一部>
メガトレンドによる社会とビジネスの進化
<第二部>
サービスの価値提供の仕方・マネタイズ・ビジネスモデルがどのように変化するか。
<第三部>
人々の働き方や生き方がどのように変化するか。それを踏まえて今後のキャリア形成とはどうあるべきか
<第四部>
イベント参加者(学生)インタビュー

メガトレンドによる社会とビジネスの進化

業界の垣根が曖昧になっていく

<滝澤>
本日のモデレータを務めさせていただきます滝澤と申します。どうぞ宜しくお願いいたします。早速ですが、第一部のメガトレンドによる社会とビジネスの進化というテーマから進めていければと思います。まずは細谷さんからお願いいたします。

<細谷>
初めに皆さんに質問をさせていただきます。以下に共通するものはなんでしょうか?

目覚まし時計、懐中電灯、旅行代理店、お金、テレビ、コンパス、カメラ、Wi-Fiルータ

これらの共通点は直近の10余年で、スマートフォンで代替された商品/機能です。全ての機能がとは言いませんが、ここに挙げた半分以上の機能は既にスマートフォンに搭載されているといっても過言ではないと思います。つまり、直近の10余年でこれだけの変化が起こったということは、次の10余年は、さらに劇的な変化が起こる時代ではないかと考えています。

では次の10余年でどのような変化が起こっていくかということですが、想定される一つの変化としては、「業界」というものがより曖昧になっていくのではないかと考えています。

業界が曖昧になっていくという事例としてモビリティ業界を例にとってお話をさせていただきます。皆さんはモビリティ業界で言われている「CASE」というワードをご存じでしょうか。CASEとは「Connected:コネクティッド化」「Autonomous:自動運転化」「Shared/Service:シェア/サービス化」「Electric:電動化」の4つの頭文字をとったもので、
車が全て繋がり、自動化され、シェアされ、電気化されていくということを表しており、これによって今の自動車業界は大激変するということです。

一つ、カーシェアを例にとってお話しますと、昨今、カーシェアの利用者の中には、「移動手段」としての車の利用ではなく、「スペース」として車の利用をされている方が一定数います。

具体的にいうと、カーシェアとして利用される車の中で仮眠を取る方が結構いるようです。今は自動運転ではありませんので、仮眠して起きても同じ場所ですが、これが自動運転になれば、仮眠中に帰宅するなんてこともできるわけです。そんな時代になれば、ハンドルは不要かもしれないですし、座席もフルフラットでいいかもしれないです。そうなると車の中もかなり快適な空間に変貌しますよね。そういう時代になれば、例えばカプセルホテルが競合になってくるかもしれません。つまり、カーシェアサービスの競合がカプセルホテルになっていくように、様々な業界の境目が曖昧になっていくということです。このようにテクノロジーを軸に将来を予測することができるわけなのですが、皆さんには単にそういった時代の変化や新規事業が出来上がっていく様を見届ける側ではなく、自らが作り出していく側として新規事業や新規サービスを創造していって欲しいなと思います。

<滝澤>
細谷さんからは、モビリティ業界を例にとってお話いただきましたが、不動産業界においても、これまで競合ではなかった会社が突然競合として現れるように、同様の変化が今後起こってくると思うのですが、そのあたり長田さんはどのように捉えていらっしゃいますか。

旧態依然とした不動産業界こそ多くのビジネスチャンスが転がっている

<長田>
不動産事業は一度建てた後に、40年から50年かけて、賃貸収入を得るという事業モデルが一般的なのですが、それゆえに、昨今の変化のスピードが速い社会を前提としていないビジネス構造になっていると感じています。ですので、必然的に世の中の変化から取り残されがちですし、実際取り残されている業界だと思っています。しかしながら、私たちはその不動産業界にこそ、多くのチャンスがあると思っています。

例えば、従来のオフィス業界の構造であれば、丸の内や六本木といった利便性の高い土地を所有しているデベロッパーが業界をリードしていく構造だったかと思いますが、これからの時代は新しいオフィスの在り方やワークプレイスの在り方を提言していけるようなプレイヤーが主導権を握っていけるのではないかと考えています。今、私達はZXY(ジザイ)というサテライトオフィスサービスを展開していますが、他社よりもいち早くそういった新規事業に挑戦し、高速でPDCAを回していけば十分リーディングプレイヤーになるチャンスがあるのではないかと思っています。

<川添>
長田さんがおっしゃったように、不動産は40年~50年かけて事業採算を図っていく事業モデルというのも間違いなくそうだと思いますし、だからこそ、競合他社よりも半歩先に動いていないとダメじゃないかなと思いますね。

不動産はその名の通り、一度決めたら動けないしがらみもありますし、動けないからこそ、その街を良くしていこうという発想が生まれる良い側面もあると思いますね。その為、単純にモノとして不動産を残すのではなくて、どのように無形の営みや文化等に転換できるかどうかが、対象の不動産が長持ちする秘訣なのかなと思います。だからこそ、モビリティの話も非常に重要で、自動運転の技術で、様々な人々が様々な場所で暮らすことの選択肢が増えていくことも非常に重要だと思います。しかしながら、すべてが浮遊する社会にならないというもの面白くて、その均衡点をどうデザインするかがすごく問われていると思っています。

<細谷>
川添先生のお話を伺って思ったことは、モビリティを使って、人が移動するということは、そもそも「場所に依存している」から動く必要があるわけで、本当に場所がどうでもよかったら動く必要はないわけですよね。ということは、不動産というのはその場所に行きたいモチベーションを作る仕事であると思いますし、その場所に行く為のストレスを取り除いていくのがモビリティであると思っています。

サービスの価値提供の仕方・マネタイズ・ビジネスモデルがどのように変化するか

「ハレの日」よりも「ケの日」にアプローチすることが重要

<滝澤>
続きまして、不動産やモビリティが提供する価値が変わっていく中で、マネタイズやビジネスモデルがどのように変化していくかについて話を移していきたいと思います。まずは、長田さんから旧来の不動産のマネタイズモデルの在り方を簡単にご説明いただきつつ、それがどう変わるかという部分のご意見を頂戴してもよろしいでしょうか。

<長田>
不動産における一般的なビジネスモデルでいうと、
①お金を所有している方が土地を確保する
②建物を建てる
③誰かがその建物を利用することで家賃収入を得る
というのが一番シンプルな不動産業の在り方だと思います。それがベースにあって、今後どう変わるかということですが、一つわかりやすいのが商業施設だと思います。

一般的に商業施設は、ハレの日(儀礼や祭りなどの非日常)の場所として、存在していると位置づけられていますが、私達の人生を考えたときにハレの日って2%から3%程度しか存在しないですよね。そう考えると、人々の生活を変えるとか人生を豊かにするのって、ハレの日じゃなくて、ケの日(普段の生活である日常)にどうアプローチするかということではないかと最近よく考えています。私達が展開しているZXY(ジザイ)も、実はそういうビジネスを指向しているものなのですが、ビジネスにおけるマーケットの捉え方としても、2%の市場で勝負するのか、98%の市場で勝負するのかということを考えると、98%の方がチャンスは大きいという風に捉えています。

<滝澤>
ケの日に対するアプローチについて、川添先生のご意見を伺えればと思います。

<川添>
日常生活の中から、働き方や通勤という観点でお話をさせていただきます。まず、日本における都市づくりについては、田園都市構想というモデルに基づいて都市づくりがなされ、そのバージョンアップを積み重ねて今の都市が形作られています。しかしながら長年にわたって、細かなバージョンアップを積み重ねてきた結果、都市とそれに付随する住宅地のバランスが崩れてしまい、通勤に時間がかかり、住宅地の取得が困難になっているのが今の日本の現状です。では改めて都市開発を一からするとなると、それは容易ではないことはお分かりいただけるかと思います。また、今の日本には、朝7時半に家を出て、最寄りの駅に行って、電車に乗って、会社に8時半について、働くというような強い通勤モデルが存在しており、それが都市に大きな歪みをもたらしている要因でもあります。その歪みを解決する為には、会社の制度や、不動産をうまく活用していくのが日本の都市問題を解決する為に必要なアプローチであると思っています。

皆さんに改めてお伝えしたいのは今の日本の都市は大きな問題を抱えていて、その現状を正しく理解し、それを解決する為に会社の制度や不動産の在り方を変えていかなければならないフェーズであるということです。

人々の働き方や生き方がどのように変化するか。それを踏まえて今後のキャリア形成とはどうあるべきか

日々試行錯誤しながら、失敗を積み重ねて学びを蓄積していくことが重要

<滝澤>
今、川添先生からお話があったように、人々の働き方や生き方が変わっていく中で、今後のキャリア形成の指針について伺えればと思います。角田さんいかがでしょうか。

<角田>
今パネリストの皆さんからお話があったように、これから様々な業界で様々な変化が起こっていきます。その中で、新しい事業やサービスを生み出していけるような人材は一定必要ですが、必ずしもそれが得意ではなく、決められたことを正しくこなすのが得意だという人もいると思います。それは非常に大事なことですし、そうして守るべきことしっかり守ってくれる人達がいるから、私たちのような新しい事業を次々に進めていける会社があるという事実もあります。今ある仕事が5年後もあるのかわからない世の中です。「何を」するかも大切ですが皆さんが自分らしく楽しく働ける環境を見つけることが就活だと思いますし、そういう軸を持って就活してほしいなと思っています。

少し私の業務と絡めてお話できればと思いますが、私が担当しているサテライトオフィスの事業は、業界的にも会社的にもまだまだ新しい事業フィールドですので、日々様々な変化が起こっています。

昨日までは右に進むぞと言っていたものが翌日になると左に進むぞと言っていたりすることがあります。入社当初は戸惑う時期もありましたが、最近はそれでいいと思えるようになりました。日々様々な変化が起きる中で、試行錯誤しながら見えてくることは多くあります。何が正解かもわからない中なので、最初に答えを決めてそこに向けて全力で突き進むのではなく、試行錯誤しながら、正しいと思われる方向性へ軌道修正していけばいいのではないかと思っていますし、皆さんも就活において日々試行錯誤しながら方向性を決めていって欲しいなと思っています。

<細谷>
たしかに角田さんのおっしゃる通りですね。今の時代は試行錯誤がしやすい時代だと思っています。例えば、コミュニケーション一つ取ってみても、手紙でやりとりしていた時代は、必ず下書きをして、ミスが許されない状況下で清書をしていましたが、これがLINEになってくると、誤字脱字のチェックってほとんどしないですよね。送信した後に、間違ったことに気付いた時は送信取消をしたり、再送したり、まさにキャリアに関してもそういう時代になってきていると思います。まずはやってみて。自分の中でしっくりこなかったらキャリアチェンジをする。こういう考えやスタイルがあっても良いのではないかと思っています。短期間で集中的にやってみて、どうだったかを検証し、違っていると思ったら軌道修正すればいいと思いますし、面白いと思ったらそのまま続ければいい。それを続けていくことで、自分自身の本当にやりたいことが見つかっていくのではないかと思っています。

<滝澤>
長田さん、川添先生はいかがでしょうか?

<長田>
これからの仕事については、産業がどんどん高度化していって、AIやRPAがでてきて、本当に自分の頭で勝負できる一部の人以外の仕事ってやりがいを感じにくくなる時代がやってくるのではないか感じています。その上で、これから自分の価値を出していこうとしたら、過去のトラックレコードに捉われていると、それは月並みな仕事しかできないと思っています。一つだけ明確に言えることは、人と違うことを如何にできるか、人と同じことをしないかということを常に意識するだけでも、3年、5年たったときのビジネスパーソンとしての立ち位置はだいぶ違うのではないかと思います。

<川添>
失敗をたくさんすることが重要だと思っています。建築の場合は、建物を一度作ってしまうと、壊すことができないので、模型というものを使って失敗を積み重ねます。模型をいくら下手に作っても誰も傷つかないので、そういうものを多く作って、失敗して、段々良いものにしていって、最後決まったものが実際の建物として出来上がるんですよね。
このように、建設の設計のプロセスって小さな失敗をたくさん積み重ねていった先に一つの成功として、建築物があります。ただ、半身引いた状態で取り組んでいると、良い失敗にならないので、塩梅が難しいのですが、皆さんもたくさんの失敗をして、そこから学びを得て、最終的に成功というものに繋げていくことが重要なのではないかなと思っています。

イベント参加者(学生)インタビュー

<インタビュイー>
(左) 飯村 周 (早稲田大学 商学部)
(中央)新田 涼介 (東京大学大学院 機械工学専攻)
(右) 田中 真実 (神戸大学 海事科学部 グローバル輸送科学科)

Q.今回のセミナーの参加動機について教えてください。

<飯村>
建築家からコンサルまで幅広い分野の方々がご登壇されるということで、そういった方々からお話を聞いて、不動産業界でどのようにキャリア形成をしていくかについてヒントを得るべく参加しました。

Q.セミナーを終えての感想について教えてください。

<田中>
致命傷にならない失敗を重ねるという話が特に印象に残りました。何かに挑戦して、失敗を重ねてというのが変化に対応するための想像力や発想力を身に着ける方法なのかもしれないと思いました。

Q.これからの就活や企業選びのヒントになりましたか。

<新田>
業界で絞るというより、自らが新しい事業やサービスを作り出していくというアプローチができる企業が魅力的だなと思いました。そういう意味では、ザイマックスが展開しているZXY(ジザイ)という事業は業界をリードしている事業であると思いますし、非常に魅力的であると思っています。

<田中>
フットワークの軽い企業の方が良いと思いました。今の状況を受けいれて、その状況を打開しようとしない企業よりも、日々の変化から現状のマイナスをプラスに変えていこうと企気概がある企業に就職したいなと思いました。

Q.どういう企業が魅力的だと考えますか。

<新田>
「自らが先陣を切って、こういう社会を実現するというビジョンを持ち、「そのために今この事業をやるのだ」という筋がしっかり通っている企業を魅力的に感じます。」<飯村>
時代の流れに対応した企業が残っていくと思っている。そういう意味では不動産業界は時代の流れに合わせて、新たなビジネススタイル、ライフスタイルを提案していける業界だなというのを感じました。

Q.明日から意識して行動しようと思っていることがあれば教えてください。

<田中>
何事もゴールを決めて100点に近づけるということではなく、試行錯誤していく中で、柔軟に考え方を変化させていこうかなと思いました。

<飯村>
まずはやってみることが重要だと思いました。今までは失敗を恐れて、挑戦できなかった自分がいたので、これからは興味を持ったらまずはやってみて、小さな失敗を重ねていき、その失敗を修正していきながら、成長していきたいと思いました。

<新田>
私は、何かを実行する前に思考しすぎて手が動かないということが良くあります。その為、まずは試行し、それを短いスパンで回していくのが大事だと思いました。働き方的にも流動性のある社会が一般的になると思うので、社会の流れと合わせて自分自身の考えも柔軟に順応していければ良いなと思います。

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