2019年01月07日(月) 更新

フェルミ推定を解くポイント|解答する際の考え方をご紹介

フェルミ推定につまづく学生は多い

選考で問われる難問のひとつに「フェルミ推定」というものがあり、これにつまづく人は少なくありません。フェルミ推定とは、一見答えが出ない問題に対して概算で結論を導くというものであり、いわば短時間でのテータ予測、推定ともいえます。考える時間は選考ごとに違いますが、3分や5分程度とごく限られた時間であることも多く、答えが出ないままに時間切れになってしまう人も多いです。

難問のフェルミ推定を攻略するには、基本的な考え方を知り、どのように推定を進めるのかを理解しておく必要があります。考え方のベースができているなら、実はそれほど難しい問題でもありません。就活屈指の難問も上手に攻略できるように、解答する際の考え方を身につけておきましょう。

フェルミ推定が問われやすい業界

フェルミ推定はどの業界、企業でも出題されるわけではありません。出題されやすい業界は狭い範囲で限定されているため、まずはそれを知ることが大切です。フェルミ推定は難しい問題なだけに、理解に時間がかかることが多いです。就活では他にもすべき対策が数多くあるため、フェルミ推定の対策だけに時間をかけることはできません。フェルミ推定が出題されない業界では、時間をかけて対策しても無駄になってしまうため、志望先が出題されやすい業界に該当するかチェックしておきましょう。

コンサル系

コンサル系は選考で考え方や思考力を問われることが多いため、フェルミ推定が出題されやすいです。フェルミ推定では企業の問題を仮定し、推論から解決策を導き出すということもあるため、コンサル系の業界ではより実践的な能力を見るために出題されます。

コンサル系はそもそも難易度が高く、フェルミ推定以外にも対策しなければならないことが数多く存在するため、早めに準備を進めておかなければなりません。また、コンサル系といっても幅広いですが、基本的にはどの領域、分野でも出題される可能性は高いと考えましょう。フェルミ推定の考え方は、コンサルタントにとっては必須とも言えるため、出題の有無に関係なく考え方を身につけておくと就職後も役立てやすいです。

金融系

金融系の業界もフェルミ推定を出題されることが多く、特に大手企業など難関になるほど可能性は高いと考えましょう。金融系の中でも特にマーケティングに携わるような分野、企業の場合は、より出題される可能性が高くなります。そのため、銀行よりは証券系のほうが出題される可能性が高いことは理解しておきましょう。

金融系はそもそも学生人気が高く、高倍率な企業も多いため注意しなければなりません。並大抵のアピールでは合格を勝ち取れないことが多いため、他の学生と差別化を図って自分を売り込むことができるかが重要です。フェルミ推定は他の学生もつまづきやすいポイントのため、差別化がしやすく、きちんとできているなら優位に立ちやすくなるでしょう。

フェルミ推定で見られているポイント

フェルミ推定を通して何を見られているのかを知ることも、選考を有利に進めるためには大切なことです。見られているポイント=その業界、企業で評価されやすいポイントとも言えるため、把握しておくことで別の部分のアピールにも役立つでしょう。そもそも企業は何を知りたくて難しいフェルミ推定を出題するのか、企業の意図を把握することが大切です。

論理的思考力

フェルミ推定は筋道を立てて物事を考える必要があるため、きちんとできているかによって論理的思考力が見られています。フェルミ推定は概算から結論を導き出すものであり、結論に至るまでの過程でいかに論理的に考えらているかが重要視されています。つまり、仮定の部分で明確な根拠が示されているか、論理的に正しいと言えるかがチェックされており、これらが認められないと評価されづらいため注意が必要です。

概算であっても信憑性がないと正しい推定とは言えず、場合によって評価の対象にならなくなってしまいます。ビジネスでは論理的に考えることが重要視されており、社会人にとっての基本的な能力とも言えるため、フェルミ推定を通して身についていることをアピールしましょう。

常識力

常識力もフェルミ推定を通して見られているポイントのひとつです。フェルミ推定では与えられた情報をもとに、実際の数値を仮置きして推論を考えます。この時に仮置きする数値は、常識の範囲内である必要があり、大前提の部分で間違っていると常識力がないと思われ、評価を下げられるため注意が必要です。

フェルミ推定自体は難易度が高いですが、難しいのはあくまで考え方であり、推定のために使用する情報ではありません。使用する情報自体はごく基本的なものが多く、一般常識がある程度身についているなら、誰しも理解しているものばかりです。正しく推定ができない=常識力がなく、社会人に必要な力が身についていないとも判断されかねないため、注意しなければなりません。

プレゼン能力

フェルミ推定は単に推論して答えを出すだけではなく、それを面接官が納得するよう提示しなければなりません。そのため、出した答えをどのように伝えるかも評価の対象で、プレゼン能力も見られています。いかに的確な答えが出せたとしても、それを上手に伝えることができないと、情報の価値は半減してしまいます。

情報はただ持っているだけではなく、上手く活用できてこそ真価を発揮するため、相手が納得できるよう正しい方法で伝えなければなりません。特にフェルミ推定が出題されやすい業界では、プレゼン能力が重要視されることも多く、評価の比重が高くなることもあるでしょう。考えて答えを出し、それを伝えるところまでセットで見られているため、最後まで油断は禁物です。

フェルミ推定の基本的な考え方

フェルミ推定の手順自体はそれほど複雑ではありません。問題から答えを出すまでの工程は非常にシンプルで、基本的な考え方を理解しているなら、後は思考力を高めるだけで結論を導き出すことはできます。フェルミ推定をスムーズにクリアするには、とにかく慣れが大切なため、基本的な考え方を知って、少しでも多くの問題にチャレンジすることが大切です。考え方のベースを正しく作り、どのように問題を解くのかを理解しておきましょう。

問題に仮の数値を当てはめる

フェルミ推定は、まず問題に仮の数値を当てはめて、整理するところから始めます。例えば問題が「日本にあるトラックの数は?」の場合は、全人口や車の数、車種別の数などを当てはめて、推定のベースになるものを作りましょう。いきなり答えを出そうとしても難しいため、まずは分かるところから少しずつ切り崩し、問題を簡単にすることが大切です。

そもそもフェルミ推定で出題される問題は、最初から結論の出るものではないため、楽をして結論ファーストで考えないようにしましょう。仮の数値を当てはめていくことで問題の枠組みを決めることができ、複雑な問題もシンプルにまとめられます。情報は少しでも多いほうがいいため、他にも必要な数値があるなら随時当てはめていきましょう。

推測から答えを導く

仮の数値を当てはめた後は、それらに付随する推測を考えていきます。例えば「日本にあるトラックの数は?」で考えるなら、トラック運転手の人数をより具体的に考えます。トラックが必要な仕事は主に運送業であり、運送業には何人の従事者がいるか、そのうち運転手を務める主な年齢層は何人かなどを考えましょう。

全人口の数に対して、運送業全体の比率、運送業の中でも運転手をする人の比率を考えることで、さらに細かい数値を割り出すことはできます。また、トラックを使用するのは、運送業だけとは限りません。他にも農業従事者や自営で仕事をしている人もいるでしょう。それらの要因も推定に入れながら、できるだけ穴のないよう推定をし、結論を導き出すことが大切です。

フェルミ推定に明確な答えは必要?

フェルミ推定はもともとの問題設定に無理があるため、明確な数値まで導き出すのは非常に困難です。そのため、答えが出たとしても、それが本当に合っているのか分からず、戸惑ってしまう人も多いでしょう。問題として出題されている以上、明確な答えを出すべきと考える人も多いでしょうが、企業が求める答えは学生と違っていることも多いです。フェルミ推定に明確な答えは必要なのか、どれくらいの精度の答えが求められるかも知っておきましょう。

見られているのは考え方

結論から言えば、フェルミ推定では実際の数とほぼイコールになるような明確な答えは必要ありません。問われているのはあくまで考え方の部分であり、結論はいわばおまけと言ってもいいでしょう。どのような答えを出すかよりも、どのように考えて答えまでたどり着くかが重要視されています。

フェルミ推定はそもそも思考力を問う問題のため、結論よりは過程が大切であることは覚えておきましょう。もちろん、結論を提示する際のプレゼン力も見られているため、最後まで油断は禁物です。過程が評価されても、最後の答えの提示で失敗すると、総合してマイナス評価にもなりかねないため注意しなければなりません。見られているのは考え方で明確な答えは必要ありませんが、提示の仕方までチェックされていることは頭に入れておきましょう。

大幅な間違いは減点

フェルミ推定では明確な答えは必要ありませんが、あまりに的外れな結果だと減点対象にあるため注意しなければなりません。出題される問題の数値の規模にもよりますが、概算で数値を出すため、ある程度の誤差は許容してもらえます。しかし、許容範囲を超えるほど大幅に違っていると、そもそも考え方自体にも間違いがあると判断される可能性があるため、注意しなければなりません。

また、的外れな結果になる場合は、仮定した数値が間違っていることも多く、この時点で大幅なずれがあるとして常識力を疑われてしまいます。例えば日本の人口を設定する場合、概算のため1億から1億3,000万人程度の誤差なら問題ありません。しかし、これを5,000万人、あるいは2億人のように実際の数値から大きく乖離させてしまうと、この時点で評価を下げられます。

フェルミ推定は焦らず考えることが大切

フェルミ推定は就活でも屈指の難問であり、ここでつまづく人は少なくありません。仮定する数値を導くためには、ある程度の知識も必要になります。考え方も難しいですが、難解だからといって焦るのは禁物です。焦ってしまうと余計に分からなくなり、問題解決から遠のいてしまうため注意が必要です。確かにフェルミ推定は難しいですが、細かく分解してひとつずつ考えていきましょう。

まずはどのような数値を仮定するか、それに付随する推論は何かを考えることが大切です。少しずつ情報を集めることで、問題はシンプルになり、答えも導き出しやすくなります。できるところから焦らずじっくり取り組んで、難しいフェルミ推定を上手に攻略して高評価の獲得を目指しましょう。

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