2019年02月12日(火) 更新

音楽業界に就職するには|業界の現状と今後の展望を知ろう

音楽業界に憧れる人は多い

音楽が好きで、音楽業界に就職したいと考えたことがある人は多いでしょう。音楽業界は夢があり、毎日大好きな音楽に囲まれて仕事ができるのは最高とイメージする人も少なくありません。しかし、イメージだけで就職を目指すのは禁物で、曖昧な理解では選考と突破できないことも多いです。

また、仮に就職できたとしても、やってみたいことができない、思っていたのと違うと理想と現実のギャップに苦しむこともあるでしょう。音楽業界への就職を本気で目指すなら、曖昧な憧れだけで終わらずに、しっかりと業界研究をおこない、実態を知ることが大切です。音楽業界とはどのような業界なのか、現状から将来性まで頭に入れて理解を深めていきましょう。

音楽業界の仕事の選択肢

音楽業界への就職を目指すなら、まずはどのような選択肢があるかを知らなければなりません。ひとくちに音楽業界といっても範囲は広く、人によってやっていること、携わっていることは大きく異なります。選択肢によって立場が大きく異なるため、自分には何が合っているのか、何がしたいのかを明確にしておくことが大切です。音楽業界への就職ではどのような選択肢があるのかを知り、仕事への基本的な理解を深めましょう。

アーティスト

音楽業界と聞いてイメージされやすいアーティストは、CDを出したり、ライブをしたりするのが仕事です。仕事というよりは、夢を実現した人と考えたほうがイメージはしやすく、音楽をやっている人ならアーティストを希望する人も多いでしょう。アーティストは就職を通してなるものではなく、その他の選択肢と比べても特殊な存在といえます。

ライブをしていてスカウトされる、オーディションに合格するなどが一般的で、実力を認められなければ、アーティストを仕事にすることは難しいです。アーティストと近い仕事をするには、オーケストラに入ったり、プロデューサーとしてアーティスト活動に関わる選択肢があることも知っておきましょう。

レコード会社

レコード会社は音楽業界への就職を目指した時に、現実的な方法としてイメージされやすい選択肢でしょう。レコード会社といっても仕事は幅広く、CDやライブに関われる仕事ばかりとは限りません。アーティストの予定を管理する、売り出すといった裏方の仕事も多く、支えているものが音楽関係というだけで、直接的に音楽に関わらない仕事も多くあります。

また、必ずしも好きなジャンルの音楽に携わるとは限らないため注意が必要です。ロックが好きなのにポップスの部署に回される、ライブ音楽に携わりたいのにCDの企画を担当するということもあります。大枠では音楽に関われますが、仕事内容次第では距離が遠くなる場合があることは理解しておきましょう。

ライブ・イベント関係

ライブやイベント関係の仕事も、音楽業界の選択肢のひとつです。これも仕事の幅は広く、音楽関係のライブやイベントの企画をする人から、ライブハウスといった会場を経営する人、ライブ・イベント時の設営をする人までいます。設営を担当する場合でも、会場づくりなのか、音響を担当するのかで仕事内容は大きく異なり、場合によっては専門的な知識、スキルが求められることもあるでしょう。

また、イベント関係の仕事の場合は、必ずしも音楽だけを担当するとは限りません。音楽以外のイベントも手掛けるということもあり、仕事の一部音楽イベントが入り込むというケースもあることは覚えておきましょう。がっつり音楽に関わりたいなら、音楽を専門としたライブ・イベント関係の企業や就職先を見つけることが大切です。

音楽業界の現状

音楽業界への理解を深めるには、どのような現状なのかを知ることが大切です。業界の現状を知ることで単なる憧れから一歩進むことができ、就職もより現実味を帯びてくるでしょう。業界の現状は就職後に直面する問題や課題でもあり、事前に把握しておくことで、仕事への取り組み方も違ってきます。また、選考でも音楽業界の現状について、意見を求められることも少なくありません。正しい知識を持って自分の意見を言えるように、現状はきちんと把握しておきましょう。

CDの売上は低迷

一般社団法人日本レコード協会の日本のレコード産業2018によると、CDの数量や売上は前年度よりも低下しており、マイナス成長が続いています。CDアルバムは前年より3%ダウン、CDシングルは7%ダウンとなっており、CD媒体によるビジネスは縮小傾向にあるでしょう。これはCDで音楽を聴く人が減ったことが原因であり、音楽の再生媒体がCDプレイヤー以外に移ったことが理由です。

かつてはCDデッキやポータブルCDプレイヤーなどを利用する人が多くいましたが、現在ではアナログ媒体を使用せずに、データで音楽を聴く人が増えています。ただし、アナログディスク、いわゆるレコードの売上は前年比よりも大きく成長しています。これはレトロブームによってレコード人気が再燃したことが理由でしょう。

ネット配信が中心

CDの売上が低迷している背景には、ネット配信の存在があります。CDのようなアナログ媒体を使用せずネット配信でデータで音楽を取得し、利用している人は増えているでしょう。音楽配信サービスは現在どんどん増加しており、今後もさらに増えると予測されます。音楽業界全体で見ると、まだまだ配信が占める売上の割合は小さいですが、CDというアナログからデジタルに切り替わり、CDの売上低迷を招いていることは確かです。

音楽配信の場合、1曲単位で購入できるのがメリットで、どれだけ買っても荷物になりません。アルバムだと十数曲をまとめて購入しなければなりませんが、音楽配信なら気に入ったものだけを選んで購入でき、より手軽なため利用者は増加しているでしょう。

無料配信サービスの脅威

ネット配信でさらに脅威となっているのが、無料で音楽を配信するサービスの存在です。これは音楽だけに限ったことではありませんが、Youtubeのように無料で利用できる動画配信サイトが増えたことで、CDの売れ行きに影響したことは確かでしょう。お金を出さなくても音楽が聴ける、ミュージックビデオが楽しめるということで、より気軽に利用でき、無料のサービスだけで満足してしまう人は多いです。

無料の配信は違法なものだけではなく、合法的におこなわれているものもあり、どのように向き合っていくかが音楽業界が抱える課題ともいえるでしょう。無料配信サービスの存在は音楽業界の利益を脅かす問題でもあり、これもCD売上が低迷した理由のひとつといえます。

ライブの業績は好調

CD売上が低迷したことで音楽業界は規模が縮小傾向にあり、これは日本に限らず世界的にも同じことがいえます。しかし、不調な音楽業界ですが、ライブ業績には光明があり、ここ数年は成長傾向で推移しています。無料配信やデータ配信によって気軽に音楽が手に入る時代になったからこそ、ライブで本物の音楽を求める人、いわば体験を求める人が増えたといえるでしょう。

ライブでしか味わえない臨場感はその他メディアでは再現することができず、好調続きで利益の獲得に大きく貢献しています。ライブ業績好調の裏にはアイドルグループの存在も大きく、付加価値を付けた体験の提供によって業績は拡大を続けているでしょう。

音楽業界の今後の展望

音楽業界への就職を目指すなら、現状はもちろん、今後の展望にまで目を向けることが大切です。就活は就職して終わりではなく、その後いかに働くかまで考えなければなりません。今後の展望次第では、できることが変わり、本来やりたかったことができなくなる恐れもあります。また、反対に可能性が開けて、やりたいことが新たに見つかる場合もあるでしょう。展望を知り、将来性を把握することで、さらに音楽業界への理解を深めましょう。

ネット中心は継続

現在音楽業界の中心は、アナログの媒体から、デジタルの領域へと移行しており、今後もこの流れは継続するでしょう。配信の音楽がさらに市場に多く出回り、ネット中心になって音楽業界が動くことが予測されます。これはCDの売れ行きが低迷していること、反して配信サービスによる売上が微増していることが原因です。配信サービスが爆発的に成長しているわけではありませんが、じわじわと業績を伸ばしていることは確かです。

今後もさらに成長が続くなら、CD売上と配信を含むネットでの売上が逆転する日が訪れる可能性は十分にあります。もちろん、完全にアナログ媒体がなくなるとは限りませんが、需要の多くはデジタルに移行する傾向にあると考えましょう。

ライブ業績は増加見込み

ライブ業績は好調であり、今後も増加する見込みといえます。これは体験型にしかない魅力があるからで、どれだけ技術が発展し、配信サービスが強化されても、ライブの需要がなくなることはないでしょう。もちろん、ライブ動画の流出が問題になっていることも多く、チケットの転売も含めて、問題点が多いことは確かです。

しかし、これらも少しずつ対策が取られており、アーティストによっては、厳しく取り締まり、厳戒態勢でライブをしていることもあります。ただし、ライブによる利益は音楽業界全体の利益になるとは限らず、一部アーティストに偏りが出やすいことは理解しておきましょう。ライブ業績好調の裏では、アーティストやレコード会社での差が生まれやすくもあります。

音楽業界に就職するには

音楽業界への就職を目指すには、実際にどのようなことが必要なのか、具体的な方策を考えることが大切です。音楽業界は他の業界と比べても特殊な側面が多く、就活の方法が異なる場合も多いです。通常の方法では、上手く就活が進められないこともあるため、音楽業界ならではのポイントを踏まえて就職を目指さなければなりません。音楽業界に就職するには何が必要なのか、2つのポイントから理解を深めていきましょう。

音楽とどのような関わり方をしたいか

音楽業界に就職するには、まずは音楽との関わり方を決めることが大切です。どのような立場で、方法で音楽に関わりたいを考え、そこから選ぶべき選択肢を見つけましょう。例えば、音楽をプレイする人になりたいなら、当然選択肢はアーティストです。音楽を陰から支えたいならレコード会社、ライブにこだわって関わりたいならライブやイベント関係の仕事がおすすめでしょう。

また、どのようなジャンルに関わりたいかも重要で、企業によって得手不得手は違います。どのような音楽と関わるのか、どのように音楽と関わるのかは非常に重要なポイントです。やりたいことを明確にして、自分に合った選択肢を絞り込むところから就活を始めるといいでしょう。

アルバイトを経験するのもおすすめ

音楽業界への理解をさらに深めるなら、アルバイトを経験するのもおすすめです。実際に仕事として音楽に触れてみることで、音楽に関わった仕事をすることがどのようなことかが分かります。また、仕事を通じて音楽業界の事情や現状、今後の展望などへの理解も、より具体的に深められるでしょう。

音楽業界を志望する人のほとんどは、音楽が好きという点が入り口になっているでしょうが、音楽が好きだからといって仕事が楽しくできるとは限りません。むしろ、好きだからこそ、仕事にしないほうがいい場合もあります。実際に仕事を経験することで、好きを仕事にできるかも判断しやすく、音楽業界そのものとの相性も測りやすいでしょう。

音楽業界でのビジョンを考えて就活をしよう

強い憧れを持って音楽業界で仕事をしたいと考える人は多いでしょうが、実際に仕事をするなら、曖昧なイメージだけでは不十分です。憧れを抱き、それをモチベーションにするのは大切です。しかし、就職を決めるには音楽業界についての理解を正しく深め、できるだけ明確なビジョンを持たなければならないことは理解しておきましょう。

曖昧なイメージだけでは、どのような仕事が向いているかも分からず、志望先を選定するだけでも苦労します。また、実際に就職した場合に、理想と現実のギャップの大きさを感じ後悔することも少なくありません。業界理解を深めて正しい認識を持つことが、就活攻略の第一歩です。将来のビジョンをきちんと考えて就活を進めましょう。

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