2020年06月30日(火) 更新
化粧品業界の職種・現状・今後|志望動機例文もご紹介
化粧品業界に就職したい
化粧品業界の華やかなイメージに憧れを持つ人は多いです。きらきらした職場で働きたい、美を追求できるスタイリッシュな職場で働きたいと、就職後の明るい社会人生活への期待を膨らませている人も多いでしょう。憧れや期待を持って就職先を選ぶことは大切で、本当にやりたいことを目指したほうが、仕事からもやりがいを感じやすいのは確かです。
しかし、実際に就職して仕事をするなら、漠然としたイメージだけで就職を決めるのは危険です。理想だけで就職すると、現実の厳しさや大変さに打ちのめされて、長く続けられないことも多いです。化粧品業界とはどのような業界なのか、基本的な理解を深めてから就職を目指しましょう。
化粧品業界の職種
化粧品業界への就職を目指すなら、まずはどのような職種があるのかを知ることが大切です。職種を知ることで就職の選択肢を増やすことができ、どのようにキャリアを積んでいくのかもイメージしやすくなります。化粧品業界では、化粧品に関わることは確かですが、職種によってどのような関わり方をするかは異なります。仕事の内容や特徴を知り、それぞれの違いを把握して自分は何をやりたいのかを明確にしておくことが大切です。
販売員
販売員は化粧品を販売するのが仕事で、実際に店頭に立っておこなう接客サービスの仕事と考えましょう。企業によってどこで仕事をするかは異なり、自社で販売店や直売所を持っている場合はそこで働くことが多いでしょう。自社に販売場所を持たない場合は、百貨店や量販店にテナントを出し、そこで仕事をすることが多いです。
どちらの場合も化粧品を販売することは共通しており、自社製品について、また化粧品そのものについての知識が求められます。さらに、販売員はお客様に合った化粧品やメイクの提案をすることもあり、メイク技術が求められることも多いです。ただレジをして商品を売るだけではく、販売に付随する業務全般を任せられるのが販売員だと考えましょう。
企画・マーケティング
企画・マーケティングは、新商品の企画やアイデアの提案、販売に向けての戦略などを考える仕事です。化粧品業界では花形の部署と考えられることも多く、これらの仕事をしたいと考えて就職を目指す人もいるでしょう。企画やマーケティングには知識だけではなく経験が必要な場合も多く、新卒入社でいきなり担当できる場合は少ないです。
まずは現場配属で販売員を経験したり、その他の部署に配属にされたりすることが多く、一定のキャリアを積んでから異動となるでしょう。企画やマーケティングはシーズン単位で動くことも多く、常に先を読んで、次のシーズン、その先のシーズンに向けた商品、戦略を考えなければなりません。トレンドや市場を読む力、集客のセンスが求められる仕事でしょう。
研究・開発
研究・開発は、実際に化粧品の製造をおこなう仕事です。他の仕事は文系・理系に関係なくチャレンジできるのに対し、研究・開発は理系の専門職となっているため注意が必要です。研究・開発では、日夜新しい化粧品の開発に向けて取り組んでおり、基礎研究から応用研究まで、仕事の幅は広いでしょう。
また、新商品の開発だけではなく、従来商品の改良を手掛けることも多いです。化粧品の在り方や求められるものは、時代によって変わります。それらの変化に対応するために、何を求められているかを把握して研究に打ち込まなければなりません。企業によっては研究・開発と品質管理の部署が統一されていることもあり、商品の基礎を作るところから、製造の工程にまで携わることもあるでしょう。
化粧品業界の現状
化粧品業界への就職を目指すなら、業界の現状を知ることも大切です。業界研究は就活を攻略する大切な作業であり、細部まで理解を深めておかなければなりません。就活では業界の理解度はそのまま就活に取り組む意欲と評価されることも多く、理解度が高いほど高い評価を受けやすいです。業界の現状は実際に選考で問われることも多く、意見を求められる場合もあるため、何が起きているのかを知って自分なりのコメントができるようにしておきましょう。
インバウンド消費が増加
化粧品業界ではインバウンド消費が増加しており、これは訪日外国人観光客の増加が理由です。中国圏の観光客に見られる「爆買い」をはじめ、外国人観光客は日本で化粧品を購入することが多いです。これは日本の化粧品の安さや品質の高さが理由と考えられ、世界的に見ても高い評価を受けていることが伺えるでしょう。
インバウンド商品は今後もさらに増加する見込みで、2020年の東京オリンピックに向けて消費は拡大すると考えられています。その後の先行きは不透明なため注意が必要ですが、現状ではインバウンド消費の増加が化粧品業界に利益をもたらしているのは確かです。今後この勢いが持続するかどうかに注目すべきと言えるでしょう。
海外展開が進む
外国人観光客による需要から、海外展開を進めて世界的に商品を売り出す企業も増えています。外国人観光客は、単にたまたま日本に来て化粧品を買うというだけではなく、観光やショッピングの目的を持って、訪日している人が多いです。ショッピングの目的の中には、化粧品が含まれていることも多く、これは海外需要の高さを裏付ける証拠とも言えるでしょう。
化粧品業界では、大手を中心に海外展開が積極的に進められており、世界的に認知され始めている企業も増えています。日本のブランドは品質のよさが売りであり、高品質な化粧品を求めて、あえて日本製を購入するという人も増えているでしょう。グローバル化の波は激しく、今後も海外展開に注力する企業は増える見込みです。
他業界からの参入が多い
化粧品業界には他業界からの参入が多く、領域が徐々に拡大しつつあります。例えば医療メーカーや化学メーカーといったところからの参入が多く、独自の技術を活かした化粧品の販売によって、注目を集めている企業も多いです。ひとくちに化粧品といっても、商品の幅は広く、年齢層はもちろん、肌の色や質、そもそもの体質によって使えるもの、おすすめなものは違ってきます。
他業界からの参入もしやすく、一極集中で大企業が市場を独占している状態ではないことは理解しておきましょう。化粧品メーカーにはない技術によってアドバンテージを獲得している企業も多く、激しい競争がおこなわれているという現状があります。
化粧品業界の今後
化粧品業界への理解を深めるには、現状だけではなく、今後にも目を向けることが大切です。業界が今後どのような展望を見せるのかを知ことで、業界への理解はさらに深まります。業界がどのように変化していくかは、まだ誰にも分かりませんが、現状や水面下で繰り広げられている動きから見て、ある程度予測を立てることはできます。化粧品業界の今後について考え、本当に就職すべきか検討しましょう。
アンチエイジング化粧品に注目
化粧品業界は、今後アンチエイジング化粧品に注目が集まると考えられています。これは高齢化社会を迎えることが大きな原因で、全人口における高齢者の割合が増えることに起因しています。現在でもアンチエイジング化粧品は販売されており、注目されているものもありますが、今後はさらにこの動きが激化する見込みです。
通常の化粧品ラインにアンチエイジング化粧品がより強く食い込んでくることも予想され、販売される商品のラインナップが現在と大幅に変わる可能性もあります。もちろん、通常の化粧品の販売がゼロになるわけではなく、基本的にはこちらが優位であることは変わらないでしょう。ただ、全体を占める割合で考えると、現在以上にアンチエイジング化粧品の割合が増加することが見込まれています。
国内消費は減少傾向
海外展開は今後さらに積極的になることが予測されており、その裏には国内消費の減少が挙げられます。長期的に見ると、国内における化粧品の消費は減少傾向です。今後は人口自体が減少するため、需要の絶対値はどうしても減ってしまい、需要が減っていくことが予想されています。
人口減少による利益の減少は免れない問題であり、新たな利益の獲得先を求めて、海外展開を視野に入れる企業も増えているでしょう。国内消費だけに頼って事業を展開するのはリスクが高いため、リスク分散のためにも海外展開が今後も注目される可能性が高いです。グローバルに活躍する企業が増える一方で、国内に限定して事業を展開する企業は取り残されてしまう危険性があります。
価格帯が両極化
現在は、低価格帯の化粧品が多く販売されています。若い世代を中心にプチプラの化粧品は売れ行きを伸ばしており、この波に乗って価格競争を仕掛ける企業は増えています。しかし、すべての企業が低価格帯で勝負を仕掛けているわけではなく、反対に高価格帯で付加価値を付けた高級化粧品を販売する企業も増加傾向です。
安価な化粧品と高価な化粧品はそれぞれに需要がありますが、完全にすみ分けができているわけではありません。日常的にプチプラの化粧品を使っていても、一部で高価なものを取り入れるユーザーも当然います。市場ではそれぞれに需要があるため、他社のとの差別化を図るためにもさらに商品展開は広がり、価格帯も両極化することが予想されるでしょう。
海外ブランドと競合
国内においては、従来の化粧品業界内での競争に加えて、新規参入してきた他業界企業との競争もあります。商品と価格の競争が激しくおこなわれていますが、さらに海外ブランドとの競合がある点も見逃せません。日本の企業が海外に打って出ている一方で、海外の企業が日本に拠点を構え、販路を拡大動きもあります。
現在でも海外ブランドはどんどん流入しており、すでに国内企業との競合がおこなわれています。これは今後も続く見込みであり、化粧品業界全体の競争は一層激しくなるでしょう。国内での競争に加えて、海外ブランドとの競合もあるため、熾烈な戦いが広げられる可能性も高いです。
化粧品業界の志望動機例文
例文
- 私は化粧品の提供を通じて、日常をさらに豊かにする手助けをしたいと考えています。初めて化粧をしたのは高校生の頃で、ほんの少しの化粧で顔の印象が一気に変わり、どきどきと気持ちが高鳴ったのを覚えています。化粧をする喜びをいつまでも忘れて欲しくないと思い、アンチエイジング系の商品に強い貴社で美容部員として働き、多くの人に喜びを提供し続けたいと思いました。大学時代はアパレルショップでアルバイトをし、コミュニケーション能力を身につけました。アルバイトで培った接客技術を活かして販売員として働き、お客様一人一人に寄り添った接客をすることで、満足を勝ち取り売り上げに貢献したいと考えています。
例文では化粧品業界を志望する理由に加えて、企業を志望する理由も明確にされています。企業独自の特徴を踏まえて志望動機を述べることで、より印象的に伝えられているでしょう。また、化粧品業界に興味を持った根本的な理由も述べられており、就職意欲の高さを裏付けることができています。大学時代の経験から自身の能力を提示し、それを活かしてどのように働くかを伝えることで、採用メリットの高さもアピールできています。
業界研究を徹底して就職を目指そう
化粧品業界への就職を目指すなら、業界の基礎知識をしっかり身につけることが大切です。現状を知り、そこから推測される今後を知ることで理解をさらに深められるでしょう。業界について正しく理解を深めておくことで、選考をより有利に進めることができ、高評価も獲得しやすくなります。
加えて、就職後にミスマッチを感じる可能性も減り、より納得した形で就活を終えやすいでしょう。就活は単に就職先を決めるだけではなく、本当にやりたい仕事に就き、納得して仕事に取り組めることが大切です。憧れや漠然としたイメージだけで就職を決めると、失敗することも少なくありません。業界研究を徹底して理解を深め、憧れの化粧品業界への就職を目指しましょう。
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