2020年03月13日(金) 更新

【インターン取材レポート】スペースマッチングビジネス事業検討インターン

PR企画

昨今、人口減少による空き家の増加や社会変化によって使われなくなった施設が点在しており、そのようなスペースの新たな活用の可能性を探ることは、成熟した日本社会にとって非常に重要且つ喫緊の社会課題である。
そのため、ザイマックスグループでは遊休スペースを有効活用する為のスペースマッチング事業検討プロジェクトを2019年秋に発足させ、事業化に向けての議論を重ねているフェーズである。時を同じくして、就活市場においては冬季インターンが活発な時期であり、同社のインターンでは、上述の事業検討を学生と共に行うということを聞きつけた。

本記事では、最終日における学生のプレゼンと、同社担当者にスペースマッチングビジネス*¹における展望等をインタビューさせていただいた内容をレポートする。

*¹ 社会に溢れている空きスペースをシェアするビジネス
※記事内容および社員の所属は取材当時のものです。

<株式会社ザイマックス>
2000年にリクルートの不動産部門から独立・創業し、全国で約1000棟のオフィスビル・商業施設・物流施設等、約15,000の店舗施設をマネジメントする国内最大規模の独立系不動産会社。世の中の課題に対して不動産という観点からアプローチし、近年では働き方改革を促進する「サテライトオフィスサービスZXY」や、外国人観光客特化型の「Karaksa Hotel」など、様々なサービスを創出中。

インターンシップ概要

遊休スペースはどんなものがあるか、またスペースを利用したい人にどんなニーズがあるか、その双方のニーズや課題を考えながら考える3日間のインターンシップ。
上述したテーマに基づいて3日間チームで検討し、最終日に学生から発表があった内容を一部ご紹介する。

■各チームの発表内容
①Lot Space    “大型商業施設の駐車場×レジャー”
②しょっぴぃ    “自動販売機設置スペース×フードロス問題の解決”
③SHOWer ROOM  “首都圏ビルの空きスペース×フリマ”

①Lot Space “大型商業施設の駐車場×レジャー”
最初のチームが目を付けたのは、郊外の大型商業施設の駐車場スペース。日中は多くの車が駐車されるが夜間は広大な空きスペースとして存在している。空いた時間帯に、スポーツやレジャー活動を行う場として活用するビジネスを展開することを提案。

講評では、スポーツやレジャーを行う上でのセキュリティ面や安全性の担保について指摘がありましたが、「1日の時間の中で、スペースの使われ度合が違うこと」に着目した点が高く評価されました。

②しょっぴぃ “自動販売機設置スペース×フードロス問題の解決”
2つ目のチームは、近年減少傾向にある“自動販売機”の設置スペースに着目。元々自動販売機が設置されていたスペースが今後、余剰空間となるという仮説の元、その空間とアプリを活用して、食品を売るスーパーマーケットと仕事で忙しいビジネスマン(消費者)を繋げるビジネスモデルを提案。

講評では、自販機のスペースだけでなく“電源”も活用することに着目していた点や、アプリのインターフェースにまでこだわって提案していた点が評価を受けていました。

③SHOWer ROOM “首都圏ビルの空きスペース×フリマ”
首都圏のビルに存在する空きスペースやカフェ空間を、モノつくりをするクリエイター向けにシェア空間として開放し、昔からあるフリーマーケットや近年流行のフリマアプリとは違う、“次世代のフリマ”として、クリエイターと消費者のコミュニケーションをビジネスの仕組みで誘発するという提案。

講評では、空きスペース側の検討が足りなかったのは少し残念だが、非常に夢やワクワクを感じる提案で、既存サービスとの差別化がしっかり図ることができればサービスとして可能性を感じる、という意見がありました。

担当者インタビュー

実際にスペースマッチング事業検討プロジェクトに関わっており、インターンシップの運営にも携わった2名の現場社員の方にインタビューさせていただいた。

・有地 英之氏
 株式会社ザイマックス執行役員
スペースマッチング事業検討プロジェクトリーダー

・小川 功介氏
株式会社ザイマックス経営企画部
マネージャー、スペースマッチング事業検討プロジェクトメンバー

■有地様インタビュー

――まず初めにスペースマッチング事業を現在検討されていらっしゃるとお伺いしましたが、検討に至った背景や理由についてお聞かせください。
昨今、働き方改革という名のもとに働く時間、働き方を柔軟にしていこうという動きが活発化しています。その一方、都心に大きな本社オフィスを構えるといった従来型の不動産の在り方では、働き方を柔軟にしていくことは困難であると考えています。既に他の事業分野ではシェアリングエコノミーという考え方が浸透していますが、不動産領域においても先述のオフィス領域をはじめ、さまざまな用途の不動産・スペースの使い方で同様のことが必要ではないかという考えに至り、現在事業化に向けて検討している段階です。

――昨今、テクノロジーの進化を軸に様々なビジネスチャンスが転がっており、それは不動産事業においても同様だと思いますが、貴社はどのような切り口で新規事業の検討を行うのでしょうか?
これは、私達が新規事業を検討する際の基準の一つですが、世の中が急激に変化していくことにより、これまでうまくいっていた特定の事象、物事に対して、何かしらのギャップ(=不都合)が発生するだろうと考えています。しかしながら、そのギャップが発生してから新規事業検討をするのでは、事業展開のスピードは遅いと考えています。そのため、ギャップが発生することを予め見越しておき、先んじて事業展開をすることで、世の中のニーズに応えていこうというのが当社らしい事業展開だと考えます。

――未来のニーズに応える為の事業検討をし、事業化を進めるということだと思いますが、先を見通しにくい現代では容易なことではないように感じます。何か未来を見通す為に工夫されていらっしゃるポイント等あればお伺いできればと思います。
グループに総合研究所を設けているのも1つですが、どんな事業を展開するにせよ、世の中の情報を多く仕入れられる情報プラットフォームのようなものを作ることに重きを置いています。そこから様々なご意見やニーズを得ることができ、それを軸に事業検討がし易くなるからです。

なお、他社さんが事業展開されていない領域について検討・事業化を行っていきますので、事業化のハードルをそこまで高くないように設定しています。確実に収益化が見えない限り事業のスタートを切らないということではなく、展開しようとしている事業が今後の社会に対して必要だということが明確になれば、スタートします。その代わり、将来的に収益化できる事業であるか否かということは、短いサイクルでスピード感を持って検証をしています。

――続いてスペースマッチング事業を展開していくにあたり、貴社にはどのような強みがあると考えられていますか。
私達は不動産の管理・運営を事業の柱としています。不動産管理や運営において重要なことは、利用者様においては、不動産を安心・安全にお使いいただき、オーナー様においては、建物の価値や評判を落とさずに管理・運営して欲しいというニーズがあります。

スペースマッチング事業においても、スペースが空いているから誰にでも貸したら良いかというとそういうわけでもありません。建物の価値や評判を落とさずに、そして使う方々にとっても安心してお使いいただけるように、最適な形を模索し提供していくことは、不動産の管理・運営を事業の柱として展開してきた我々の得意分野であると考えています。

――不動産管理を軸に事業を展開していらっしゃる企業様は他にもいらっしゃると思いますが、そういった不動産管理会社と比べるとどのような強みがあるとお考えでしょうか。
不動産管理の中でもプロパティマネジメントという領域を日本において生み出し、草分け的な存在としてリードしてきたこと、そして多くの物件をお任せいただき、その運営を通じて得た事業ノウハウをもとにあらたな不動産マネジメントサービスを生み出してきている点などが強みと言えるのではないかと思います。

――スペースマッチングの事業については、既に競合他社が事業展開している領域であり、貴社は後発ということになるかと思いますが、先行企業とどのように差別化を図っていくことをお考えでしょうか。
既に先行して事業展開していらっしゃる企業様が取り扱っている不動産の規模や種類と、私達が事業展開しようと考えているそれは別の領域だと考えています。物件の種類や規模が異なると、求められるセキュリティや貸し出し方も大きく異なると考えています。そういった観点では、私達が事業展開しようとしている事業領域は新しい領域であるといえるでしょう。また、ラタン・タタ氏の「後追いするな、先行せよ」という言葉をザイマックスグループの合言葉の1つとさせていただいており、全く同じ事業モデルで後追いすることはありません。

――貴社における「後追い」というのは、例えば、提供するものは同じであるけども、既に展開している競合他社よりも、仕組み面を効率化して、安価にサービス提供することは、「後追い」に位置付けられるのでしょうか。
私達の経営理念をご紹介させていただきますと、「新しい事業モデルの創造によるリーディングカンパニーへの挑戦」です。この経営理念にある通り、新しい事業モデルを創造することが私達の使命であり、価格面においてのみ価値を提供することは、私達が目指す姿ではありません。
先ほど申し上げましたプロパティマネジメントの事業についても、サテライトオフィス事業であるZXY(ジザイ)ワーク事業も、これまでになかった新しい形を生み出した事業だと考えています。
また、私達はホテル事業も展開していますが、ホテルと聞くと全然新しい事業モデルではないのではないかと思われるかもしれません。なぜザイマックスのホテル事業が新しい事業モデルとして位置づけられているのかについてお話させていただきますと、日本にある数多くのホテルについては、出張で単身泊まるようなビジネスユースのホテルか、総合型シティホテルの大きく2つしかありません。しかしながら、海外からいらっしゃる外国人旅行者の方は、6人や7人といった、家族連れで来られたり、2世帯で来られたりします。となると、そういった方々が泊まりたいようなホテルは日本にはほとんどないのです。そこに私達は着目をし、外国人旅行者向けのホテルの構造、部屋の構造にして、ホテル事業を展開しています。これは他社が展開していない新しいホテルの在り方として事業展開をしています。

――貴社の姿勢や考え方についてよく理解できました。現状、スペースマッチングの事業については、検討フェーズとお伺いいたしましたが、今社内でどのような検討をされているのでしょうか?
世の中的にシェアリングエコノミーですとか、空いているスペースをマッチングするということ自体は、既に事業化されている領域ですし、単純にその領域への参入だけでは私達として新しい価値を生み出すのはなかなか難しいと思っています。そのため、どのような事業モデルであれば、新しい価値を生み出せるのかということを企画・検討しているフェーズです。今回開催させていただいたインターンシップについては、今まさに私達が企画・検討しているスペースマッチングの事業に対して、学生さんが持つ柔軟で斬新な発想を私達が参考にさせていただく一方で、私達が新規事業展開をする際の考え方やフレームワークなどを学生さんにお伝えさせていただく場とさせていただきました。

――スペースマッチング事業における事業化のGoサインはいつ頃までに決まる想定なのでしょうか?
今回のプロジェクトについては、2020年3月頃までに事業化するか否かについて結論を出す予定です。なお、事業化するか否かについては、緻密な計算の上で、何年後に儲けが出るかどうかといった精緻な事業計画に基づいて実行するというよりも、その事業が社会に対するインパクトが大きいかですとか、面白いものを世の中に提供できるかという観点で判断することが多いように感じますね。

■小川様インタビュー

――まずは、小川様がスペースマッチング事業に携わるようになった経緯についてお聞かせください。
スペースマッチング事業検討プロジェクトにおける社内公募が2019年の8月頃にありまして、その公募への応募・選考を経て、2019年10月からこのプロジェクトに携わっています。

――今回、スペースマッチング事業検討プロジェクトの一部をインターンシップという形で実施することに対して、学生にどのような期待がありましたか。
実施目的は大きく2つあります。
1つ目は私達が検討しているスペースマッチング事業という領域自体が、非常に新しい業界である為、以下の調査も並行して行わせていただきました。
①学生はスペースマッチングサービスを知っているのか
②学生はスペースマッチングサービスを利用したことがあるのか
③学生が考えるスペースマッチングサービスに関するニーズの調査

2つ目は、社会人の私達にはない学生の柔軟な発想や着眼点に触れて、事業検討をしていく上でのヒントを得たいという目的がありました。

――実際のところ、良いヒントは得られましたか?
3日間という限られた時間でのインターンシップだったこともあり、即事業化できるような事業案が出てきたわけではないと思いますが、着眼したスペースや、どのように有効活用するのかといった部分においては、普段私達が考えないようなところに目を付けており、いくつか印象に残るものがありました。

――具体的にどのような部分が印象に残りましたか。
世の中的に自販機が減少していく中で、自販機のスペースに設置されている電源に目を付けた部分や、夜間の駐車場を有効活用できるのではないかという着眼点は私達の発想にはなかったものでした。また、ユーザーインタフェースのイメージを組み込んだプレゼン手法は、非常に聞きやすく、実際のプレゼン現場でも活用したいなと思いました。

――プレゼン手法を学生から学べたというのはなかなか興味深いですね。今回のインターンシップについては、学生さんも非常に前のめりで参加していたと思いますが、SPACEビジネスの面白さというのはどんなところにあるのでしょうか。
2つ挙げさせていただきます。
1つ目は低稼働となっているスペースや、遊休化しているスペースを活用するというビジネスなので、従来とは異なる使い方を発想できる部分が面白いなと思いますね。

2つ目は、昼間はAという活用をしているスペースを、夜間はBという利用で貸し出すといったように、所有か賃貸しかなかった不動産領域において、新しい概念としてシェアが生まれたという点です。AとBの組み合わせについては、様々な組み合わせがあると思いますので、どのような組み合わせが最適かを考える部分は非常に面白いと感じています。

――面白さがある一方、新規ビジネス検討における苦しさもあるのかなと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。
自社だけでなく、世の中においても全く新しい事業アイディアとなる為、どこかに答えがあるわけではありません。そのため、プロジェクトメンバー同士の意見が食い違った際、どの意見が正解なのかが判別しにくく、そういった部分に悩み、苦しむ部分がありますね。
また、そもそもの事業検討プロセス自体も自分たちで構築する必要があり、常に一歩先、二歩先、三歩先を考えながら事業検討を進めていくことは楽しくもあり、苦しいところでもありますね。

――実際に向き合われている仕事と、今回実施されたインターンシップにおいては面白さ、苦しさが異なる部分があると思いますが、今回のインターンシップの魅力はどのようなところにあるのでしょうか。
スペースマッチング事業を検討している実際のプロジェクトメンバーと3日間課題に向き合い続ける体験はなかなか得られないものだと思います。よくあるインターンシップとして、過去実施したプロジェクトを例に取りながら、そのプロジェクトを疑似体感してもらうというものが多いと思います。しかしながら、今回のインターンシップについては、今、まさに当社が直面している課題に対して、学生と社員とが議論を交わしながら濃密な三日間を過ごすものであり、それは学生にとっても当社の社員にとっても貴重な体験であると思います。

――最後に、不動産事業やSPACE事業に興味を持たれている学生さんへのアドバイスをお願いできればと思います。
前提として、不動産といってもホテル、住宅、商業施設、オフィスビル、倉庫といったように、対象とするものが多岐にわたります。さらに、シェアという新しい考え方も出てきており、不動産との接し方や、使い方が多様化している現状があると思います。そういったものを踏まえると、不動産業界はこれから次々と変化が巻き起こっていく業界になっていくと思います。そのため、常に考えて、柔軟に新しいことをやり続けるんだというスタンスを持っている人の方がより楽しめると思いますし、当社を志望し、入社を志していただける方はそういう人でいてほしいなと思います。

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