2022年02月17日(木) 更新

数多ある「技術職」の中から海運業界の技術職を選択した理由

世の中には「技術職」と呼ばれる職種が数多くある。理系の大学生の方々は、大学で学んだ専門性の高い知識が活かせる業種や職種はどこだろうかということを考えながら就活をしているのではないだろうか。
もちろんそういった自身の「強み」を軸に就活を進めていくのも良いと思うが、どのような「経験や働き方」ができるのかという軸で就活を進める手法もオススメしたい。今回はそういった「経験や働き方」を軸に転職活動を進め、商船三井へ転職した社員にインタビューをした。この記事を通じて「経験や働き方」を軸に考える就活について理解を深めてもらえると幸いである。

<株式会社商船三井>
日本の三大海運会社の1社、連結純利益、連結売上高および時価総額で国内2位である。LNG輸送分野に強みを持つ。

<インタビュー対象者>
・岩見 英明(イワミ ヒデアキ)さん/技術革新本部/海洋技術部
※記事内容及び所属等は取材当時のものです。

チャレンジングな環境を求めて商船三井へ

――まずは岩見さんのご経歴からお伺いできればと思いますが、岩見さんは新卒で商船三井にご入社されたのでしょうか

いいえ、私は元々プラントエンジニアリング※業界で働いており、中途で商船三井に入社しました。

※プラントエンジニアリング:プラントの計画立案、設計、調達、建設工事さらには運転保守までのマネジメントサービスを提供する業務を行う。

――前職からなぜご転職を考えられたのでしょうか

前職ではプラント(工業設備)レイアウト計画や機器類をつなぐ配管形状・材料の設計業務を主としていたのですが、5、6年程従事していると、今後の自分のキャリアがある程度想像でき、自分自身の将来と重ねた時に違和感を覚え、転職活動を始めました。転職活動を進めていく中で、商船三井に出会い、新規事業領域へ積極果敢にチャレンジし、それを創り出す気概 に強い興味を持ち、転職に至りました。なお、前職では、受注者(納品)側の立場で仕事をしていましたが、当社では発注者側(ビジネスの上流側)の立場から 仕事をするため、前職とは異なる新たな環境でのチャレンジにもワクワクしました。

――「海運の仕事」ではなく、「チャレンジできる環境」を求めて商船三井にたどり着いたということですね

はい、そうです。

――実際にご入社されてみて率直な感想お聞かせください

私は、入社以後FSRU※という船の改造計画立案から設計、機器購買、改造工事まで非常に多岐にわたる領域を担当させていただいております。前職でも設計から工事まで一貫して経験させてもらいましたが、発注者側の立場ですとプロジェクトで関係する会社や人の数も多くなりましたし、自身が担当しなければいけない業務領域も広くなっているので日々チャレンジできていると思います。前職では、経験できなかったことができており、刺激的な日々を送っております。

※浮体式LNG貯蔵再ガス化設備 (Floating Storage and Regasification Unit)の略。洋上で約-160℃のLNGを受け入れて貯蔵し、LNGを温めて再ガス化してパイプラインへ高圧ガスとして送出することができる。陸上LNG受入基地の代替となる。

――岩見さんの志向性を紐解くと、様々な領域にチャレンジしたいというジェネラリスト気質なのかと思いますが、商船三井ではジェネラリストとしてのカラーが強いのでしょうか

従来はジェネラリストが多かったですが最近スペシャリスト枠を設けたこともあり、現在はどちらのカラーが強いというのはあまりないように思いますし、どちらを志向するかは本人の希望次第ですね。一つの分野を突き詰めてスペシャリストになるのも良いですし、私のように様々な業務領域や職種を経験してジェネラリストとして活躍したいというのも良いと思います。

One Teamを組織し、その中心に立つのが技術職

――続いて、商船三井の技術職の仕事についてお伺いできればと思います

当社の技術職は新造船・改造船の計画・契約、船体・機関・電気設計の計画・立案、設計図の査定、建造監督、ならびに技術研究開発・調査などの業務を主とし、造船から運航船保守の技術支援、技術開発を行っております。組織としては、以下3つの部署とその他のグループ会社・海外拠点から構成されています。
①技術部:一般商船及びLNG船を主に担当
②海洋技術部:FSRUやFPSOの海洋事業や風力エネルギー事業を担当
③スマートシッピング推進部:DXデータを利活用して高度安全運航支援技術と効率運航、環境負荷低減の技術を推進
④その他:グループ会社での建造管理や船舶管理、海外技術拠点でのプロジェクト遂行、案件開発など

――海運業界を取り巻く環境から、商船三井の技術系社員はどのようなことが求められているのでしょうか

昨今は温室効果ガスの削減をはじめ、環境問題の波が押し寄せており、それは海運業界も例外ではありません。安全運航及び安定した運航サービスを維持しつつ、環境に優しい船舶や海洋アセットの供給を推進していくことが技術系社員の重要な課題となっております。これらの課題解決や業務において多岐にわたる 社内外関係者とOne Teamを組織しますが、技術系社員はその中心となって業務を推し進めていくことが求められており、加えて営業部門に対して技術的経験と知見をもとに新規案件開発などで営業支援することも求められております。

――そんな環境下において、どのような人が商船三井の技術系社員として活躍できそうでしょうか

当社には技術系社員の目指す姿として以下3点が挙げられています。
①世界の船舶・海運・海洋業界の技術オピニオンリーダーとなること
②技術を理解し、わかりやすく説明する目利き力があること
③新造船・改造・技術開発などのプロジェクトを完遂させる実行力があること
これらの目指す姿に向かって共感し、自己研鑽できる方は当社で活躍してもらえるのではないでしょうか。
そのため入社後はリーダーシップ/コミュニケーション能力(チームワーク)/海外志向・国際適応力の向上を意識してもらえればと思っておりますが、業務を進める上でいろんな困難に直面することもあるのでそれを自らが中心となって解決に向かって取り組めるヴァイタリティがある方は特に活躍できると思います。

――就活生からすると大手の海運が数社ある中で、違いがわかりづらいという方も多くいらっしゃるかと思いますが、商船三井の強みはどのようなところでしょうか

当社は海洋・脱炭素事業の新規事業開発という面に関しては非常にフットワークが軽く、チャレンジングな会社だと考えております。私たちは売り上げの90%以上を海運が占めており、長い歴史と実績・経験から 海運まわりの新規事業を切り拓きやすいという特長があると思います。また、若手でも大きな裁量をもって第一線で仕事ができる環境でもありますので、チャレンジを通じて、自己成長に繋げて行きたいという方には良い環境かと思います。

若手のうちから新規事業開発に携われる環境

――新規事業開発と聞くと、優秀な社員のごく一部しか携われないイメージがありますが実際はどうなのでしょうか

全くそんなことはありません。むしろ、新規事業は皆が未経験ですので、若手こそどんどんチャレンジして欲しいという風土はあると思います。もちろん、上位職の方や、シニアの方が若手のチャレンジをバックアップする体制にはありますし、過去の経験や実績だけでは判断されないのも当社の社風ですね。

――新規事業開発についてはトップダウンで実行されていくのか、ボトムアップで実行されていくのかどちらのスタイルが強いのでしょうか

こちらは技術に限らず全社的なことですが、どちらかというと、後者の方が色濃いと思っています。社内制度としても、MOLグループ社員提案制度や、研究開発審議会が 毎年頻繁に開催され、社内で承認が得られればそのまま担当者として取り組んでいくことが可能です。
なお、当社が捉えている新規事業開発とは大きく2種類あると思っています。1つは今申し上げたようなこれまで全く取り組んだことのない領域での事業開発です。もう1つは既存の枠を広げるという意味での新規事業開発です。これは各提案制度開催の時期に限らず、常日頃、現場の最前線で向き合っている社員が発見、想像するもので、そこにチャレンジしていく価値があると認められればすぐにでも取り組んでいくものとなります。

多様なキャリアが歩める「キャリアパスの複線化」

――世の中には様々な「技術職」がある中で、商船三井の技術職の魅力はどんなところにあるのでしょうか

繰り返しになってしまいますが、様々な利害関係者とOne Teamを組織し、技術オピニオンリーダーとして中心的役割を担えることではないでしょうか。常にプロジェクトの中心的な役割を担いパートナーを先導できることは海運業界で働く一つの醍醐味だと思います。
また、海運における当社の強みという面では、こちらも先程申し上げた会社としても個人としてもチャレンジできる環境が整っていることです。これは他の海運会社と比べても優位と考えております。
加えて「キャリアパスの複線化」ということに今後力を入れようとしています。従来の技術職の仕事も先ほどご紹介した3つの部署とその他海外拠点やグループ会社での業務と幅広いものでしたが、今後は「技術営業」と呼ばれる技術のバックグラウンドを持った営業職の育成にも力を入れたいと考えております。
この技術営業というポジションは業界全体としても取り組みが新しく、そういった分野のパイオニアになり希少な人財となることは非常に魅力的と思っております。

――現在、商船三井がキャリアパスの複線化や技術営業という面に力を注いでいる理由はなぜでしょうか

今後、当社は海洋事業や風力エネルギー事業に注力していきたい背景がありますが、これらの事業領域における新規案件開発にて当社提案内容・プレゼンスを向上させるためです。これらの事業は技術ドリブンな事業領域であり海外の顧客やプロジェクトパートナーでも同様に技術バックグラウンドを持った人が前線で活躍しています。当社としてもそれに対応できる組織・人財を強化していくことを狙っています。

――これまで技術営業というポジションはなかったのでしょうか

これまでの技術営業は事務系社員と一線を画したいわゆる”営業部のサポート“という位置づけでしたが、今回新たに設ける技術営業職は従来の建造・安全運航の知見をもち技術の本質を理解しながら事務系社員と共に営業職としてプロジェクト運営や新規事業開発を最前線で担っていただくことを想定しております。

――現在、岩見さんは技術営業ではないとは思いますが、技術営業にチャレンジしたいという願望はあるのでしょうか

チャンスがあれば私もチャレンジしてみたいと考えています。新しい取り組みですが、技術課題・本質を理解しながらビジネスの最前線に立ち、プロジェクト運営・新規事業開発することになるので、当社組織も技術・営業がより一体感を増した体制になることが期待できます。その最前線で当社および 業界全体を牽引する役割を担えることは非常にやりがいも大きく、チャレンジングな仕事であるため魅力を感じています。また当社の技術・営業の垣根を超えたハイブリッド人財のパイオニアとしてやりがいを感じられるキャリアパスを会社が整えようとしていますので、仕事としてやりがいを感じながら自身の成長にもつながることが期待できる魅力的なポジションだと考えています。

――海運業界の魅力や商船三井の技術職の魅力についてよく理解できました。本日はインタビューにご協力いただきましてありがとうございました

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