2021年10月12日(火) 更新

IT企業に文系は就職できるのか|会社が求める人材とは?

IT業界は理系出身者だけの就職先ではない

IT業界というと、どうしても理系出身者が働く場所というイメージがありますが、実際にはそんなことはありません。文系出身者がプログラミングに携わっている例も多々ありますし、理系出身者がIT系以外のところで働いている例も多いでしょう。

文系理系もそうですが、大切なのは自分の特性をしっかりと把握し、適切な場所で働くことです。そうすることにより、少ない労力で大きな成果が上げることができますので、生きやすさが向上します。

文系出身者は営業で活躍するイメージ

※上記グラフの情報は、キャリアパークがtwitterアンケートを用いて収集した回答をもとに作成しています。(2017.01-354票)

文系出身者がIT業界に就職する場合に活躍できそうな職種について、学生の皆さんにアンケートをとったところ、「営業」と答えた方が最も多く全体の58%となりました。

一方で「エンジニアとして活躍できる」と答えた方は最も少なく全体の14%という結果になり、文系の学生からみると”IT=理系”というイメージが強いことがわかります。では、文系の方がIT企業に就職するためにはどうすればいいのでしょうか。

IT企業でも事業内容はさまざま

インターネットweb系

IT企業のなかでもインターネットweb系は、インターネット上のコンテンツやサービスの制作・運用をおこないます。

サービスの政策や運用でも、企業向けサービスと個人向けサービスに分類され、企業向けならばweb制作やインターネット広告などが含まれます。個人向けの場合はSNSやショッピングサイトなどがなじみ深いのではないでしょうか。

こういったサービス制作で活躍するのがwebデザイナーであり、プログラミング能力だけでなくデザインセンスなども求められることになります。

この事業に関わる企業では仕事や働き方も多種多様になっており、企業へ通勤して働く以外に在宅で仕事をおこなうリモートワークや、個人で仕事をおこなうフリーランスといった仕事スタイルを選択する人も増えつつあります。

情報処理サービス系

企業に情報システムを導入するための様々なサービス提供をおこなうのが、この事業です。システムインテグレータ(SI)とも呼ばれます。

企業の業務運用に関連したシステムを提供することから、後述するソフトウェア・ハードウェア事業とも密接に関わっています。一部の仕事においては、これらと重複する部分もあることでしょう。そのため、ソフトウェアやハードウェアに関する知識も求められます。

システム提供だけでなく、ITに関連したコンサルティング事業も、この情報処理サービスの中に含まれます。

ITコンサルタントとして企業のIT戦略を提案する場合、ITに関係する知識とともにコミュニケーション力や、問題解決力も業務に求められることになります。

ソフトウェア系

ソフトウェアはハードウェアの制御をおこなったり、ハードウェア上で動くプログラムの制作や運用が主な仕事になります。いわゆるプログラマーやシステムエンジニアなど、IT関連の仕事と聞いてイメージできる仕事はこのソフトウェア系の仕事でしょう。

近年はパソコンだけでなく、iPhoneやAndroidに代表されるスマートフォン用のオペレーティングシステムで使用するソフトウェア開発も活発におこなわれています。その分ソフトウェアやアプリを開発する企業は非常に多く存在しており、玉石混交の状態であるとも言えます。

また顧客からの要望に応じたソフトウェアの開発は時間や人材を多く必要とするものの、専門知識のある社員を育てる時間を確保するのも大変な場合もあるようです。

ハードウェア系

ハードウェアとはパソコンやスマートフォン本体、これらに使用するキーボードなどの周辺機器を指します。これらハードウェアや、内部を構成する電子回路の製造などをおこなうのが基本的な事業です。

ここ近年はスマートフォンの普及も広まっており、技術発展が大きく需要の高い事業でもあります。またそれだけではなく、家電や自動車などのコンピュータ制御を必要とする商品に使用するコンピュータ開発にも関わっています。

制御用コンピュータの開発・運用に関わる職種を特に「組み込みエンジニア」と呼びます。商品を安全に使用するための基本的な部分に携わる仕事であることから、組み込みエンジニアは事業によっては重要な職種になることもあるようです。

IT企業でもプログラミングを必要とする仕事ばかりではない

IT企業に就職するとなると、どうしてもプログラミング能力を必要とすると思っている人もいるのではないでしょうか。実際のところ、業種によってはプログラミング能力は必要でない場合もあります。むしろそれ以外の能力が重視される職種もあるようです。

また就職後に人税育成をおこなうIT企業も近年では珍しくはないので、就職時にプログラミング能力がなくても、IT企業に就職することが可能な場合もあります。就職したい職種を絞ったうえで、そのための研修が企業でおこなわれるかもチェックしておきたいところです。

文系や未経験者も可な職場は多い

新入社員への教育を重視しているIT企業の場合、就職後に研修や資格取得などの支援を手厚くおこなっている場合があります。

こういった企業の場合、元々プログラミング能力や経験がない場合でも、企業の求める人材であるなら就職することは難しくありません。ですので、文系学生や未経験者であっても、就職できる可能性は高いのです。

またIT事業の中には文章作成やデザイン作成など、プログラミング以外の能力を主に求める職種も存在しています。こういった能力が求められる場合は、プログラミング能力については最低限の理解があるだけでも就職できる場合があるのです。

文系や美術系の能力があるなら、こういった仕事に就職することを検討してみるのもいいかもしれません。

文系・未経験者は入社後研修で知識をつける

文系・未経験者がIT企業に就職する場合、大抵は入社後研修でプログラミング能力やIT関連の知識を身につけることとなります。またIT関連の資格取得が仕事に必要な場合は、その支援を得られる場合もあるので、まずは実際に仕事に関われるだけの能力を身につけることが第一です。

その分経験者やプログラミング能力がある新入社員よりも実際の業務に携わることができるのが遅くなってしまう場合もあるようです。
それでも元々IT業界に興味があるものの業務をおこなえるだけの経験が

足りない場合でも、入社後研修などで能力を身につけられる企業へ諦めずに就職を目指すというのも、選択肢のひとつに入れていいでしょう。
こういった情報は新卒向けのサイトなどで公開されているので、選考に進むまでに確認しておきたいところです。

IT・通信業界の内定者ES集
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NTT DATA、SoftBank、LINEと大手企業のES内容も知ることができるので、ぜひ読んでみてください。

企業が求める文系のIT業界未経験者とは

苦手分野でも積極的に学ぶ姿勢を見せている

IT業界で活躍できる文系出身者の特徴としては、まず苦手分野でも積極的に学ぶ姿勢を見せていることが挙げられます。苦手だからといって業務に関連する知識を学ぼうともしない人材は早晩時代に取り残されてしまい、戦力化が難しくなってしまうでしょう。

流れの早いIT業界だからこそ、新しい技術をどんどんキャッチアップしていく必要があります。それは開発に携わる場合もそうですし、営業やコンサルタントとして顧客と打ち合わせをする立場でも同様です。

自分からしっかりと学ぼうとする人は周囲からの信頼も厚くなり、自然と良い仕事を任せてもらえるようになるでしょう。しかし、受け身に終始してしまう人は扱いづらい人材になってしまう恐れがあります。

コミュニケーション力がある

文系出身者はコミュニケーション力が高いという印象がありますので、それを活かして仕事をするのもIT業界で活躍するコツです。

もちろん、コミュニケーション力が高いかどうかは学部ではなく個人に依存するところが大きいため、文系出身だからといって必ずしもコミュニケーション力が高いというわけではないでしょう。

しかし、もし自分のコミュニケーション力に自信がある場合、それは大きな武器になります。IT業界には様々な職種があり、多くの人と連携しながら一つの媒体を作ることが多いため、コミュニケーション力は非常に重要な要素の一つです。

コミュニケーション力に欠けてしまっていると周囲との連携が取れず、自分の仕事すら満足にできなくなってしまうでしょう。

資格取得に意欲的

IT業界で活躍している文系出身者は、資格取得に意欲的という点も特徴として挙げられます。資格を取ったからといって実務経験に加算されるわけではありませんが、少なくとも一定の知識を保有しているという証明にはなりますので、自然と周囲からの信頼を得ることができるでしょう。

また、主体的に資格を取得するということは、自分から学びに行く姿勢を見せているということにもなります。仕事においては基本的に受け身な姿勢は推奨されておらず、どんな会社でも主体的に行動できる人材を欲しているのが本音です。

会社の求めに応じるのはもちろんですが、それ以外のケースでも積極的に勉強して資格取得に励むことは、IT業界において強い力になるでしょう。

説明がわかりやすい

文系出身者は他者とのコミュニケーションに優れている面がありますので、説明の上手さを活かして活躍しているケースもあります。それもまたコミュニケーション力が高いという話にも繋がりますが、IT業界は専門的知識も多いため、それらを噛み砕いて説明できる人は貴重な人材と言えるでしょう。

IT企業に籍を置いているからといって、必ずしもITに強い人ばかりと関わるわけではありません。

中にはPCの使い方も分からないような顧客と接する機会もあるかもしれませんので、その際に複雑なシステムを分かりやすく説明することができれば、相手からの信頼を得、契約に繋げることができるかもしれません。また、説明が上手い人は、講師という道も考えられます。

臨機応変に動ける

臨機応変に動けるというのも、IT業界で活躍している文系出身者の特徴の一つです。システムというのは予期せぬエラーが発生するのが当たり前であり、突然の誤作動を起こすこともしょっちゅうです。

その際にいちいち思考がフリーズしていては仕事になりませんので、そういった緊急事態でも臨機応変に動けるような人材は重宝されるでしょう。納品先でバグが出ても慌てず騒がず、必要な対処を冷静に行えるようなメンタルの持ち主は、文系理系問わず多くの人から信頼され、「仕事がデキる」とみなされることが多いものです。

それは技術のあるなしではなく、胆力の問題になるかもしれません。そして、そういう人はマネジメント能力も高いことが期待できるでしょう。

IT業界で文系出身者におすすめの職種は?

では、続いてIT業界で文系出身者におすすめの職種を見ていきましょう。基本的には文系理系の枠に囚われず自分の特性を見つめながら職種を決める必要がありますが、どうしても悩んでしまっている場合は学部を参考にしても良いかもしれません。

基本的にはある程度どんな職種でも就くことができますが、あまりに専門的すぎる分野は避けた方が良いでしょう。もちろん自信があるなら挑戦しても構いませんが、多くの場合、理系出身者の独壇場になります。

営業職

文系出身者でもSEやNEになることは可能ですが、一番オススメなのはITの営業職でしょう。上記で紹介したセールスエンジニアにも関わってきます。

仕事内容には、自社の開発したシステム(商品)を売り込むという一般的な業務があれば、クライアントから要望を聞き取り、SEに伝えて改善するという中間的な役割を担うこともあります。商品の強みを理解して、分かりやすくクライアント伝えるという点では文系の方が強いので、営業職が向いているといえるでしょう。

SE

SEとはシステムエンジニアの略であり、システム開発の上流工程を担当する職種です。システムの上流工程とは、いわゆる顧客との折衝やシステムの要件を作成する仕事になりますので、文系出身者のコミュニケーション力を大いに活かすことができるでしょう。

その際にはシステムの分野に話が及ぶことも多いため、ITに関する基礎的な知識は必須です。そもそも、SEがプログラミングを行う現場も数多く存在するため、SEだからといって技術に疎いことが許されるわけではありません。

どうしても自信のない場合はシステムの専門家を同席させるという手もありますが、知識がないことが相手に露呈してしまった場合は信用を得られなくなってしまう可能性もあるでしょう。

PG

PGはプログラマーの略であり、SEが策定した仕様に基づいて実際にプログラミングを行う職種です。そのため、プログラミング言語に精通している必要がありますし、場合によってはサーバーに対する知識や、その他システムの基礎的な知識が要求されるでしょう。

そして、SEが求めている処理をいかに早く効率的に行えるかもPGの腕の見せどころです。プログラムというのは同じ処理を行う場合でも多くの書き方があり、アルゴリズムによって処理速度やシステムへの負荷が大きく異なります。

当然ながら、システムは軽い方が、処理速度は早い方が好ましいものです。少しでもそれに近づけるための記述を模索するのがPGという仕事に求められることです。

ライター

IT業界におけるライターは、主にWebサイトやポータルメディアなどに掲載される記事の制作をおこなうことになります。

こういった仕事をおこなうWebライターはただ文章を書くだけではなく、依頼元と打ち合わせをおこなったり実際に記事に関する取材をおこなうなど、制作に関わる一切の作業を担うことがほとんどです。

また同時に原稿の修正や掲載、掲載後のリライトなどもライターの仕事として扱われます。

記事制作に関わる場合、ライターによっては画像・動画作成や編集もすることになります。また記事を掲載するページのデザインなどを任されることも珍しくはありません。

マーケッター

近年のIT発展に伴い、企業も自社サイトを用意していることが当たり前になってきました。こういったサイトを用いたマーケティング業務もごく一般的に見られるようになり、そこに専門的に関わるのがマーケッターの仕事になります。

マーケッターの業務はサイト登録者数や閲覧者数を増加させることです。この目的を達成するために、様々な施策を立案したり、実際に企画実行に携わることになります。場合によっては、実際の閲覧者について統計を取るなどの仕事もおこなうことになるでしょう。

実際に働くにはITやマーケティングについての基本的な知識だけでなく、企業が所属する業界や市場についての知識、社会全体の変化に対しても常に敏感でいなくてはいけない仕事でもあります。

IT業界への就職に必要な行動は?

それでは、続いて文系出身者がIT業界に就職するために必要な行動を考えてみたいと思います。IT業界に就職するとはいえ、基本的には通常の就職活動と変わりありませんので、自己分析と企業分析、そして業界分析はマストになるでしょう。

それ以外に、やはり技術的な部分をアピールすることが求められます。いくら自分で「知識があります」と自称しても相手には響きませんので、資格取得という目に見える形で証明するのも良いでしょう。

業界研究をする

IT業界に就職するにあたっては、IT業界のことをしっかりと調べて特徴を掴んでおく必要があります。それはIT業界に限らず、どの業界に就職する際にも言えることですが、IT業界の場合はどのようなやり方で各企業が回っているかもしっかりと調査しておくべきでしょう。

例えば、IT業界には大きく分けて二つの形態があります。一つは自社でサービスを開発してリリースし、そこから売上を得ているパターン。そしてもう一つは、クライアントから依頼されたシステムを開発し、それで売上を得ているパターンです。

資格を取得する

資格取得することによって、技術に対する知識量をある程度アピールすることができます。資格を取得するためには当然ながら勉強が必要ですが、その勉強をするのも就職に必要な行動の一つと言えるでしょう。

資格を取得すれば全てが上手くいくわけではありませんが、ないよりはあった方が好ましいものです。特に文系出身者は技術に対する理解という面で疑念を抱かれるケースもありますので、資格を取得することによって相手に安心感を与えることができるでしょう。

そして、自発的に資格を取得すれば「この応募者は自分から学ぶ姿勢がある」こともアピールできます。IT業界はトレンドの移り変わりが早いため、就職後も絶え間なく勉強することが求められます。

IT業界の業界・企業研究を進めよう

IT業界は、就活生にとって人気の就職先のひとつです。IT業界での就活を勝ち進むには、しっかりとした下準備が必要となります。

そのためにも、業界研究は必須です。そこで、IT業界を志望する学生のためのIT業界大研究Bookをご用意しました。

この資料にはGoogleやAppleをはじめとした各社の特徴や事業内容、求める人材像などの情報が詳しく掲載されています。無料でダウンロードできるため、IT業界への就職を目指している人はぜひ参考にしてみてください。

文系出身者におすすめの資格

では、もう少し具体的に文系出身者におすすめの資格を見ていきましょう。IT系の資格を闇雲に取得すれば良いというわけではなく、業務に関連する資格を取った方が何かと都合が良いものです。

認知度の高い資格としては、「基本情報処理技術者」と「ITパスポート」が挙げられます。いずれも国家資格ですので、IT業界に携わる人間であれば一度はその名を聞いたことがあるでしょう。それはすなわち、技能の証明にという話にも繋がります。

基本情報処理技術者

基本情報処理技術者はシステム開発を行う人であれば取得しているのが基本という資格です。だからといって問題が簡単なわけではなく、ITに疎い人から見たら何を問われているのかすら分からないレベルでしょう。

基本情報処理技術者は国家資格になりますので、その信頼性は確かなものです。会社に就職してから取得する人も多いのですが、それに先駆けて取得しておくことで、技術に対する知識とモチベーションをアピールすることができます。

また、基本情報処理技術者を取得した後により難易度の高い資格に挑戦することも可能です。会社によっては高度な資格を保有している人にしか任せられないような仕事もありますので、徐々にステップアップしていくのも良いでしょう。

ITパスポート

基本情報処理技術者は主にシステム開発者が取得すべき資格ですが、ITパスポートはもう少し間口が広く、ITに携わる人全員に向けた資格試験です。それだけに対象となる人は幅広く、国家資格ということもあり、多くの人が取得に励んでいる資格と言えるでしょう。

現代ではビジネスのIT化が著しく、どのような仕事に就くとしても最低限のITの知識が求められます。また、商品開発においてもインターネットやAIとリンクさせる手法を検討しなければならないケースも多いため、ITについて知っておくにこしたことはありません。

ITパスポートを取得することで、ある程度ITに対する造詣が深いという証明になり、役立つシーンも多いのでしょう。

IT業界は文系出身者も活躍できる!就職前に資格取得や業界研究を徹底しよう

IT業界は理系出身者だけの世界ではなく、多くの文系出身者が活躍している場でもあります。ITに対する専門性は理系出身者には敵わないものの、文系出身である特性を活かして営業職やコンサルティング職、また経理や法務、マーケティングといった道もあるでしょう。

もちろん、実際にプロダクトを作る開発側に回ることもできます。その場合はある程度の技術があること前提になりますので、就職前にしっかりと学んでおくことをおすすめします。

その方法の一環としては、資格取得が挙げられます。資格を取得することで一定ラインの知識を得ている証明になりますので、相手に多くのことをアピールできます。業界研究をしっかりと行い、悔いのない就職活動を行いましょう。

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