2021年09月08日(水) 更新

「思っております」は正しい敬語表現なのか|「考えております」など場面ごとに相応しい敬語もご紹介

「思っております」は正しい敬語?

メールや手紙で、「思っております」という表現をみたことがある就活生は、多いでしょう。よく目にするからといって、面接や履歴書で間違った使い方をすると、評価を下げてしまう可能性があります。そうならないために、正しい敬語の使い方を知っておく必要があるのです。果たして、「思っております」は正しい敬語なのでしょうか。

「思っております」は使ってもOK

「思っております」は「思っています」の謙譲語

日常生活でよく使う「思っております」という表現は、「思います」「思っています」の謙譲語です。謙譲語とは、自分をへりくだす言い方をし、自分が動作の主体である場合に、目上の人に対して使います。そのため、就活で使っても問題ありません。

「思っております」の使い方例文

・○○について、お手すきの際にお聞かせ頂きたいと思っております。
・かねてより、○○さんにお話を伺いたいと思っておりました。
・下記の通り、歓迎会を開催したいと思っております。

尊敬語・謙譲語は丁寧語と組み合わせて使う

尊敬語・謙譲語は、丁寧語を組み合わせて使うのが普通です。尊敬語の場合も、謙譲語である「思っております」と同じように、「どうお思いになりますか」のように丁寧語と組み合わせて使います。尊敬語+丁寧語や、謙譲語+丁寧語は、丁寧語単体よりも強い敬意を込めた表現になるのです。

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「思っております」をメールで使う際の注意点

「存じます」「所存です」を使う

就活のメールで、「○○に尽力する所存です」といった文章が使われていることがあります。この語尾についている「所存です」は、「思う」の謙譲語になります。同じように「存じます」も謙譲語です。ビジネスメールでは、こちらを使うとより丁寧な文章になるでしょう。ただし、「○○と思っている所存です」といった文章は、二重表現になるので注意が必要です。

「所存です」の使い方例文

・仕事に邁進する所存です。
・ ○○に尽力する所存です。

「思っております」ばかり使うのは控える

使わないでいい場面がある

「思っております」は正しい表現だと紹介しましたが、そのようなニュアンスを含めるべきでない場合があります。例えば、ある案件についてお客様からお問い合わせが来たとき、すぐにはお答えできない場合があるでしょう。そのとき、「明日中に返信したいと思っております」としてしまうと、返信が確約できていないので、信用性がない答えになってしまいます。このような場合には、「明日中に返信致します」と言うべきなのです。

「思っております」に似ている表現

「○○と存じ上げる」

「思っております」に似ている表現として、「存じ上げております」があります。これは、「知っている」の謙譲語なので、「思っている」という意味の文章では使われません。「思っている」と間違いやすい表現ですので、注意しましょう。

「存じ上げております」の使い方例文

・その件については存じております。
・お名前はかねてより存じ上げております。


  • ※「知っている」対象が、敬意を示すべき「人」である場合には「存じ上げる」、それ以外の「モノ」である場合には「存じる」を使います

「〇〇と考えております」

もうひとつの似たような表現が、「考えております」です。これは、「考える」の謙譲語で、ほかにも「拝察する」「愚考する」があります。「考えております」の方が自然な文章になる場合もあるので、一度置き換えてから文章を読んでみましょう。

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「思っております」は適切な敬語表現!場面に応じて活用できるようになろう

「思っております」の適切な使い方をご紹介しました。「思っております」は、ほとんどのシチュエーションで使うことのできる敬語表現です。ただし、「考えております」などほかの表現の方が適切な場合もあるので、使い方には注意する必要があります。この記事を参考に、場面ごとに応じた使い方をしましょう。

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